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用語集

新人の電話応対(電話対応) 基本マナーといつから始めるべきかを解説

  • 公開日:2025/12/22
  • 更新日:2025/12/22

新人の業務のなかでも電話応対は社外の人と話す重要な業務の1つです。

▼電話応対が重要な理由

  • 正しく対応することで、社外に対して会社の第一印象を損なわない
  • 顧客名や要件を耳にすることで仕事の具体的なイメージを持つきっかけにできる
  • 敬語の使い方とコミュニケーションの練習になる

部署や業界によって重要度は変わるものの、新人育成において避けては通れない課題の1つです。電話応対の重要性は理解していても、「新人にどう教えれば効果的か」「いつから任せるべきか」と指導方法に悩む方も多いのではないでしょうか。

本記事では、新人に電話応対を教える際の基本マナーから具体的な指導方法、開始時期の判断基準まで、体系的に解説します。

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単なる型の暗記ではなく「なぜ必要なのか」という本質的な理解を促し、
繰り返し実践させることで、現場での確実な定着を支援しています。

電話応対をする新人に伝えたい3つの基本

電話応対をする新人に伝えたい3つの基本

新人が電話応対に自信を持つためには、まず「なぜ電話応対が重要なのか」を理解してもらうことが欠かせません。

以下の3つを最初に伝えることで、新人は電話応対の意義を理解し、前向きなスタートを切ることができます。

▼新人に伝えたい3つの基本

  • 会社の印象が左右される責任
  • 電話を通じて得られる学び
  • 失敗を恐れない姿勢

それぞれ詳しく見ていきましょう。

電話応対で会社の印象が左右される

電話応対は、顧客と企業をつなぐ重要な接点です。電話応対の質は会社の評価に直結するため、信頼形成においても重要な役割を果たします。新人には「電話応対の品質=会社の印象」という意識を持ってもらい、社名を背負って対応しているという自覚を促しましょう。

電話応対を通して学べること・メリットも多い

若手世代のなかには、固定電話に慣れておらず電話応対に苦手意識を持つ人もいますが、業務によっては電話応対が欠かせない場面も多くあります。新人が前向きに取り組めるよう、電話応対で得られる学びやメリットを明確に伝えましょう。

▼電話応対で得られる主なメリット

  • 社内の全体像や自分の役割を把握できる
  • 顧客の名前や関係性を早く覚えられ、信頼を築きやすくなる
  • 相手に覚えてもらえ、その後の業務がスムーズになる

学びやメリットを理解することで、電話応対へのモチベーションも高まり、積極的に業務に取り組めるようになります。

最初は失敗してもいい

新人が電話応対を覚える段階では、失敗を気にしすぎないことが大切です。
過度な緊張から言葉が詰まったり、対応がぎこちなくなったりすると、かえって顧客にネガティブな印象を与えてしまう場合があります。

▼失敗を恐れず取り組むためのポイント

  • 「最初は失敗してもいい」と明言する
  • 失敗時は先輩や上司がフォローすることを事前に伝える

失敗を前向きな学びに変える姿勢を持つことが、新人の成長につながります。

新人の電話応対で教えるべき5つのこと

新人に電話応対を任せる前に、具体的な手順やマナーを体系的に教えることが重要です。

▼電話応対で教えるべき5つのこと

  • 固定電話の基本的な使い方
  • 電話を受ける際のマナー
  • 電話をかける際のマナー
  • 電話を取り次ぐ際の具体的な内容と注意点
  • 電話応対時の伝言メモの取り方

一連の流れを網羅的に習得できるように指導しましょう。

固定電話の基本的な使い方

新人には、まず固定電話の基本操作を教えましょう。現代の新卒社員はスマートフォンでの通話経験が中心で、自宅に固定電話がないケースも多く、会社で初めて触れる人も少なくありません。

▼基本操作の例

  • 外線/内線の使い分け
  • 保留のかけ方と解除方法
  • 転送の手順
  • 短縮番号の利用方法

固定電話の基本操作を事前に理解しておくことで、スムーズな対応につながりやすくなります。

電話を受ける際のマナー

電話を受ける際のマナーと例文を整理しました。

電話を受ける際のマナー

例文・ポイント

① 2〜3コール以内で出る

明るく丁寧に対応し、待たせすぎないことが信頼につながる。

② 社名・名前を名乗る

第一声は統一する。
「お電話ありがとうございます。株式会社◯◯、△△が承ります」

③ 相手の所属・部署・名前を確認し、復唱する

「◯◯株式会社の△△様でいらっしゃいますね」

④ 用件を聞いて、再確認する

  • 「本日はどのようなご用件でしょうか」
  • 「◯◯についてのご用件でいらっしゃいますね」

⑤【担当者がすぐに電話に出られる場合】
担当者の在席を確認し、取り次ぐ

担当者が対応可能であることを確認。
「ただいま担当者におつなぎします」と保留後に取り次ぐ。

⑥【担当者が不在だった場合】
担当者不在時は状況を伝える

担当者が離席・会議中・外出中などの場合、その状況と戻り時間を伝える。
※詳しくは「電話を取り次ぐ際の具体的な内容と注意点」をご参照ください。

⑦名乗って終わりのあいさつをする

名乗る

  • 「わたくし、◯◯が承りました」
  • 「わたくし同じ課の◯◯と申します。◯◯にその旨申し伝えます」

あいさつ

  • 「失礼いたします」
  • 「お電話ありがとうございました」

⑧ 相手が切ったことを確認してから切る

相手が電話を切ったことを確認してから、自分の受話器を置く

▼電話応対における注意点

  • ビジネスの電話において「もしもし」は避ける
  • 代わりに「お電話ありがとうございます」など、丁寧な第一声を心がける
  • 相手の社名や名前を聞いた際には、情報の聞き間違いや伝達誤りを防ぐために、「〇〇株式会社の〇〇様ですね」と復唱して確認する
  • すぐに対応できない場合には、「ただいま担当に確認いたします」など丁寧に伝えてから保留にする
  • 相手が電話を切ったことを確認してから、自分の受話器を置く

注意点を踏まえて対応することで、礼儀正しく信頼感のある印象を与えることができます。

電話をかける際のマナー

電話をかける際のマナーと例文を整理しました。

電話をかける際のマナー

例文・ポイント

① 明るく丁寧に自己紹介をする

発信後は、はきはきと伝える。
「いつもお世話になっております。◯◯株式会社の△△です」
第一印象が良くなり、信頼感を与えやすくなる。

② 用件を整理してからかける

「請求の確認」「案件の相談」など、事前に話す内容を明確にしてから発信する。話が脱線せず、相手が用件を把握しやすくなる。

③ 相手の状況や時間帯に配慮する

始業直後・昼休み・終業間際の発信は避けるなど、相手の業務時間に配慮する。タイミングの良さが印象向上につながる。

④ 留守番電話にも丁寧に対応する

留守電時は、社名・名前・用件・折り返し希望を簡潔に残す。誠意が伝わり、折り返しの連絡もスムーズになる。

⑤ 相手が切ったことを確認してから切る

会話後は「失礼いたします」と伝え、相手が電話を切ったことを確認してから、自分の受話器を置く。

電話を取り次ぐ際の具体的な内容と注意点

電話を取り次ぐ際の具体的な手順と注意点を例文と共に紹介します。

電話を取り次ぐ際の内容・注意点

例文・ポイント

① 保留をかけて取り次ぐ

「少々お待ちください」
と断ってから保留にし、担当者が対応可能かを確認する。
保留は30秒以内が目安で、それ以上になる場合はその旨を伝える。転送先が近くても必ず保留を使用する。

② 取り次ぎ時は正確な情報伝達を徹底する

相手の社名・名前・用件を復唱して伝えることで、聞き間違いや伝達ミスを防げる。
「◯◯社の△△様から、□□の件でお電話です」

③【担当者がすぐに電話に出られる場合】
担当者の在席を確認し、取り次ぐ

担当者が対応可能であることを確認。
「ただいま担当者におつなぎします」と保留後に取り次ぐ。

④【担当者が不在だった場合】
担当者不在時は状況を伝える

担当者が離席・会議中・外出中などの場合、その状況と戻り時間を伝える。
「◯◯様、申し訳ございません、△△はただいま〜」

  • 「電話中でございます」
  • 「外出中で◯時に戻る予定でございます」
  • 「休みを取っておりますが、明日には出社の予定でございます」

⑤提案して相手の要望をうかがい、
伝言があれば復唱して確認する

  • 「いかがいたしましょうか」
  • 「戻り次第◯◯からお電話差し上げるよう、伝えましょうか」
  • 「よろしければご用件を承りますが」

先方からもう一度電話すると言われたら
→「よろしくお願いいたします」
伝言を依頼されたら
→「かしこまりました」

⑥名乗って終わりのあいさつをする

名乗る

  • 「わたくし、◯◯が承りました」
  • 「わたくし同じ課の◯◯と申します。◯◯にその旨申し伝えます」

あいさつ

  • 「失礼いたします」
  • 「お電話ありがとうございました」

⑦相手が切ったことを確認してから切る

相手が電話を切ったことを確認してから、自分の受話器を置く。

⑧メモでの正確な記録と情報共有

相手の社名・名前・用件・連絡先・日時・折り返しの有無などを伝言メモに記録し、担当者に確実に共有する。

電話応対時の伝言メモの取り方

電話応対では、必要な情報を漏れなく正確に伝えるため、伝言メモの作成が欠かせません。新人は電話の取り次ぎや伝言対応を任されることが多いため、基本項目をあらかじめ共有し、スムーズな対応を促しましょう。

▼メモにまとめる項目

  • 相手の社名・名前・連絡先
  • 電話の用件・伝言内容
  • 受電日時
  • 折り返し対応の要否
  • 受電対応者(自分)の名前

項目を盛り込んだテンプレートを用意しておくことで、情報の抜け漏れを防ぎ、担当者への迅速で正確な伝達につながります。

電話応対を身につける2つの方法

電話応対を身につける2つの方法

知識だけでは電話応対スキルは定着しません。

▼電話応対を身につける具体的な2つの方法

  • 実際に練習し、改善点をフィードバックする「ロールプレイ」
  • 必要なときに見返せる「参考資料」

研修や日常業務を通じて練習を重ね、安心感を与える電話応対スキルを身につけましょう。

ロールプレイによる実践

実際の業務を想定した場面を再現し、受電・取り次ぎなどの一連の対応を繰り返し練習します。単に定型表現を覚えるのではなく、対応の背景や相手の意図を理解したうえで臨機応変に行動できる力を養うことが重要です。

さらに、練習後の相互フィードバックを取り入れることで、第三者の視点から改善点を把握し、より自然で信頼感のある電話応対を実践できるようになります。

テキストなどの参考資料の活用

あいさつや言葉づかい、名刺交換などと併せて、電話応対の要点をまとめた資料を日常的に参照します。必要なときに内容を確認できる環境を整えることで、習得したスキルの定着につながります。

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新人の電話応対はいつから始めるべき?

新人の電話応対を始める時期に明確な正解はありません。業種や電話応対の内容、本人のスキルなどを考慮し、状況に合わせて調整することが大切です。

▼開始時期を判断する目安

  • 業種や電話応対の難度:専門用語が多い業界では習得に時間がかかる場合がある
  • 新人の業務習熟度:基本業務を一通りこなせるようになってからの方が、落ち着いて対応できる
  • 部署や教育体制:先輩や上司のフォロー体制が整っていると、対応中の不明点やミスをすぐに補えるため、新人が安心して挑戦できる

一般的には、通常業務に慣れ、社内や取引先とのやり取りの流れを理解できるようになってから開始するとよいでしょう。このタイミングであれば、新人は落ち着いて対応でき、無理なく習得できます。

新人の電話応対で上司が意識すべき3つのポイント

新人が電話応対に慣れるまでの間、上司や先輩のサポートは不可欠です。

▼上司が意識すべき3つのポイント

  • 新人が電話応対に慣れるまで見守る
  • 準備が整わないまま電話応対を無理強いしない
  • 電話応対が苦手な人に段階的な支援をする

適切なサポートがあれば、新人は電話応対を前向きに学べます。

新人が電話応対に慣れるまで見守る

新人は、電話応対だけでなく部署の人間関係や業務そのものに慣れることにも時間を要します。

慣れないうちは、聞き取った社名や名前を忘れたり、取り次ぎや伝言メモが不十分になったりすることもあります。ミスを責めるのではなく、成長を促すフィードバックを行いましょう。安心して学べる環境を整えることが大切です。

準備が整わないまま電話応対を無理強いしない

電話応対に苦手意識を持つ新人に対して、準備が整わないまま無理に電話業務をさせることは避けましょう。過度なプレッシャーはモチベーション低下や心理的負担につながる恐れがあります。

▼無理強いを避けるためのポイント

  • 電話応対のメリットや重要性を丁寧に説明する
  • ロールプレイなど段階的に練習する機会を設ける
  • 本人の準備状況を確認しながら進める

新人が前向きに取り組める環境を整えることが、スムーズな習得につながります。

電話応対が苦手な人に段階的な支援をする

メールやチャットなど文字でのやり取りが主流となり、電話での会話に苦手意識を持つ人も増えています。

電話ができて当然と考えず、段階的な練習や十分なフォロー体制を用意しましょう。
個々の状況に応じた配慮を行うことが重要です。

▼段階的な支援の例

  • まずは社内の内線電話から始める
  • 先輩が横でサポートしながら対応させる
  • 簡単な用件から徐々に難度を上げる
  • 対応後に振り返りとフィードバックを行う

寄り添う姿勢が、チーム全体の安心感と信頼関係の構築につながります。

新人電話応対のまとめ:安心して習得するために

新人の電話応対は、会社の印象を大きく左右する重要な業務です。いつから始めるべきかは業種や業務内容、新人の習熟度、先輩のフォロー体制によって異なります。しかし、通常業務に慣れ、社内や取引先とのやり取りの流れを理解できたタイミングが適切です。研修や日常業務のなかで継続的に練習し、信頼感のある応対スキルを磨きましょう。

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単なる型の暗記ではなく「なぜ必要なのか」という本質的な理解を促し、
繰り返し実践させることで、現場での確実な定着を支援しています。

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