STEP

用語集

ビジネスメールのマナー 相手に「伝える力」から返信マナーまで解説

  • 公開日:2025/12/11
  • 更新日:2025/12/11

メールはビジネスに欠かせないツールですが、マナー次第で相手の印象も受け取り方も大きく変わります。ビジネスマナーの根幹にあるのは、「相手の期待を考える」という姿勢です。正確さや迅速さに加えて、配慮ある表現を意識することで、信頼関係を築きやすくなります。

ビジネスメールの基本マナーから、「伝える力」を高めるための「アウトライン化」の活用法、返信マナーまでを分かりやすく解説します。

ビジネスメールを正しく活用するための基本

ビジネスメールを正しく活用するための基本

ビジネスメールは、単なる連絡手段ではなく、仕事上の目的を果たすために作成されるものです。「目的の明確さ」と「相手への配慮」が両立してこそ、ビジネスマナーに沿ったツールとして機能します。

▼ビジネスメールを書く目的

  • 仕事上の何らかの目的を果たすため
  • 相手に何らかの行動を促すため
  • こちらの情報や意向、気持ちなどを正しく伝えるため

▼相手が期待すること

  • 自分が何をすればよいのか、自分に何をしてほしいのかを理解したい
  • できるだけ短時間で内容を知りたい
  • 正しい情報を知りたい
  • 誰が・いつ送ったメールなのかを知りたい
  • 書き手の熱意・誠意が伝わる内容を読みたい

ビジネスメールにおける「伝える力」と「アウトライン化」の重要性

ビジネスメールは、相手に負担をかけずに必要な情報を正確かつ分かりやすく伝えることが基本です。特に「伝える力」と「アウトライン化」の実践が、分かりやすいメール作成につながります。

「伝える力」の向上

コミュニケーションの多様化が進む現代では、自分の考えを論理的に整理し、分かりやすく伝えることが欠かせません。日本人は「あうんの呼吸」や「察する」という言葉があるように、言語外の伝達手段に頼る傾向がありますが、ビジネスの場では初対面の相手や外国人を含め、誰にでも理解されるように説明する「伝える力」の向上が必要です。

「アウトライン化」の活用

「伝える力」を高める具体的な方法が「アウトライン化」です。アウトライン化とは、話や文章の流れを設計図として整理する情報整理術であり、世界的にも通用する手法です。

▼アウトライン化のメリット

  • アウトライン化を用いると、相手は全体像を予測でき、内容をスムーズに理解できます。結果として、相手に負担をかけない、理論的で分かりやすい文書作成につながります。

▼アウトライン化のポイント

  • 相手が聞きたい内容かどうかを確認する
  • 文章の流れを設計図として整理する
  • 設計図をもとに、最初に「何を話すか」を予告する

伝わりやすいビジネスメールの基本ルールとマナー

メールは、電子メールやビジネスチャットを含む「ビジネス文書」の1つです。作成にあたっては、文書としての基本ルールを踏まえることが欠かせません。

ただし、内容が適切でも、マナーに欠けた文体では意図が十分に伝わらず、企業の信頼を損なう恐れがあります。
常に「相手の期待を考える」姿勢こそが、ビジネスマナーの基本です。

▼伝わりやすいビジネスメールのポイント

  • ビジネスメールの基本ルールの意識
  • ビジネスマナーの遵守

ビジネスにおけるメール作成のスキルは、研修を通じて体系的に学ぶことができます。弊社が提供する「相手に伝わるビジネス文書研修」では、実務に直結する文書作成のスキルを習得でき、日常のメール対応から報告書作成まで幅広く役立ちます。

相手に伝わるビジネスメールの基本ルールを意識する

ビジネスメールでは、文書としての基本ルールを押さえることが不可欠です。相手に正しく伝わり、行動につなげるために意識すべきポイントを整理します。

▼文書としての基本ルールとポイント

  • 目的を果たす:相手の期待に応えられる内容であること
  • 正確性:日付・時間・数量・金額・固有名詞などに誤りがないこと
  • 簡潔性:「だらだら書かず」「短く」表現すること
  • 読みやすさ:箇条書きや改行を効果的に使い、文章が長い場合は適度に区切ること
  • 説得力:根拠を明確にし、論理的な構成で表現すること
  • 美しさ:整ったレイアウトで、視認性を高めること
  • 記録性:日付、作成者、送付先などを明記し、後から確認できるように残すこと

ビジネスマナーを遵守する

ビジネスマナーに欠けた文体では誠意が伝わらず、場合によっては企業の信頼を損なう可能性があります。適切な敬語や丁寧な言葉遣いを心がけ、メールにおいてもビジネスパーソンとしての品格を示すことが大切です。

▼ビジネスマナーの具体例

  • 基本的な表現
  • 敬語
  • クッション言葉(控えめ表現)
  • 依頼文

基本的な表現の活用

あいさつ・お礼・依頼・謝罪といった定型表現は、ビジネスメールの基本です。場面に応じて正しく使い分けましょう。

基本的な表現の例

  • いつもお世話になっております
  • ありがとうございます
  • よろしくお願いいたします
  • 承知いたしました
  • 少々お待ちください
  • 大変お待たせいたしました
  • 申し訳ございません

敬語の働きと注意点

敬語は相手への敬意を示すと同時に、円滑なやり取りを支える要素です。「丁寧な言葉遣い」は、相手に良い印象を与えるための基本であり、ビジネスパーソンとしての信頼感につながります。誤用や過度な省略は、相手に不快感や不信感を与える可能性があります。

クッション言葉(控えめ表現)の活用

依頼や要望を伝える際に直接的な表現を避けるため、「クッション言葉」を添えると柔らかい印象になり、相手への配慮を示すことができます。

クッション言葉の例

  • 恐れ入りますが
  • 申し訳ございませんが
  • 恐縮でございますが
  • お手数をおかけしますが
  • 失礼ですが
  • あいにくですが
  • 申し上げにくいのですが
  • 差し支えなければ
  • よろしければ
  • ご迷惑をおかけします
  • ご面倒ですが
  • お気持ちはありがたいのですが
  • 残念ながら
  • せっかくですが

命令文を依頼文へ変換

命令形の文は相手に強制的な印象を与えるため、依頼表現に変えることで柔らかい印象にすることができます。

依頼文の例

命令文

依頼文

「~してください」

「~していただけますか」「~していただけませんか」

ビジネスメールにおける返信マナー

ビジネスメールにおける返信マナー

ビジネスメールは送るだけでなく、適切なタイミングでの返信も大切です。迅速かつ漏れのない対応を心がけることで、相手に誠実さを伝え、信頼関係を深められます。

▼ビジネスメール返信マナーの基本

  • 迅速な返信を心がける
  • 漏れなく返信する姿勢を大切にする

迅速な返信を心がける

メールは電話と比べてやり取りに時間がかかるため、返信が遅れると相手に不安やストレスを与えかねません。 「対応が早い」と感じてもらえる目安は1時間以内とされており、遅くとも24時間以内には返信するのが望ましいです。

すぐに回答できない場合でも、ひとまず「確認中です」「後ほどご連絡します」といった一報を入れておくことで、相手に安心感を与えられるでしょう。

漏れなく返信する姿勢を大切にする

メールにおいて最も避けるべき事態は、返信漏れです。

▼返信漏れを防ぐヒント

  • 従業員間で情報をこまめに共有する
  • メールの件数や担当者が多い場合は、管理ツールを活用する

返信を欠かさず行う姿勢は、誠実さや信頼性の表れでもあります。確実に対応することで、取引先や社内の信頼を高めることにつながります。

ビジネスメールを活用するための注意点

ビジネスメールには、次のようなメリットがあります。

  • 文字でやり取りするため、曖昧さが少ない
  • 記録が残るので、確認や証拠として利用できる
  • 相手の都合を気にせず送信できる
  • 複数の相手に同時に伝達できる

一方で、誤解やトラブルを招くリスクも少なくありません。ビジネスメールを正しく活用するためには、伝わりにくさを前提に、正確かつ丁寧な表現を意識することが重要です。

ビジネスメールを活用するための注意点

注意点

ポイント

記録が残ることを意識する

誰がどんな発言をしたのかが形として残るため、責任の所在が明確になります。
訂正や修正の履歴も追えるのは利点ですが、その分、誤解を招かないよう正確で丁寧な表現を意識する必要があります。

即時性には限界がある

相手の都合を気にせず送れる一方で、すぐに読まれるとは限りません。
緊急の用件は、電話やチャットなど他の手段を組み合わせることが適切です。

情報の広がりに注意する

複数人に同時送信できるのは利点ですが、転送や共有によって意図しない相手に広がるリスクもあります。
特に機密情報を扱う場合は、送信先や共有設定を慎重に確認する必要があります。

伝わりにくさを理解する

文字だけでは相手の意図や感情が伝わりにくいため、誤解が生じる可能性があります。
言葉の選び方や文の構成を工夫し、丁寧な文章を心がけましょう。

まとめ|ビジネスメールのマナーを正しく身につけるために

ビジネスメールは、単なる連絡手段ではなく、信頼を築くための重要なプロセスです。
ビジネスシーンでは、初対面の相手や外国人も含め、誰にでも理解できるように「伝える力」が求められます。

さらに「相手の期待を考える」という姿勢を土台に、正確さ・迅速さ・配慮を意識することが重要です。真摯な姿勢は、誤解や不安を防ぎ、業務の円滑化や成果にもつながるでしょう。

おすすめの
無料セミナー

Online seminar

サービスを
ご検討中のお客様へ

電話でのお問い合わせ
0120-878-300

受付/8:30~18:00/月~金(祝祭日を除く)
※お急ぎでなければWEBからお問い合わせください
※フリーダイヤルをご利用できない場合は
03-6331-6000へおかけください

SPI・NMAT・JMATの
お問い合わせ
0120-314-855

受付/10:00~17:00/月~金(祝祭日を除く)

facebook
x