用語集
マネージャーとは? 種類・役職・求められる能力や育成方法
- 公開日:2024/07/24
- 更新日:2024/07/24
マネージャーは、組織力を最大限に発揮させるために、さまざまな管理業務を担うポジションです。今回はマネージャーと呼ばれる管理職の種類から、必要な能力や育成方法まで解説していきます。
マネージャーとは? リーダーとの違い
マネージャーとは、組織の目標達成や成果に向けて、各人材のパフォーマンスやプロジェクトの動かし方などを管理する役職を指します。ビジネスにおいては、一般的には企業の上層部に近い管理職にあたり、責任を持って組織をコントロールする立場ともいえます。また十分な現場経験を積んで、確かなスキルを磨いたのちのキャリアパスとなる場合も多く、幅広い豊富なノウハウが求められるポジションでもあります。
マネージャーとリーダーの違い
マネージャーが組織の中での役職を示す名称であるのに対して、リーダーは厳密に言うと役割を示しているため、「チームリーダー」「プロジェクトリーダー」など様々なポジションが存在します。組織によってはマネージャーとは別に組織の中に「チームリーダー」の役割を果たすポジションを置いていることもありますし、マネージャーが組織のリーダーを兼ねている場合もあります。
何かしらの目的へと組織を導くリーダーシップが必要な部分は、マネージャーにもリーダーにも共通する要素です。
マネージャーは、組織としての確かな成果に向けて、人材やプロジェクトがうまく動くように管理するポジションです。マネージャーとは別にリーダーがいる場合、リーダーは、自らも現場に入って、組織を先導しながら成果を生み出していく役割を担います。
マネージャーもリーダーも同じく求められるリーダーシップについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
リーダーシップとは? 種類や具体例、発揮するために必要な要素を解説
マネージャーの種類

マネージャーというと企業では一般的に課長職のことを指す場合が大半です。他に下記のような役割や呼称があります。
プロジェクトマネージャー
特定の案件や任務を遂行するにあたり、その進行や品質などを全面的に管理する役職です。例えば、案件の企画・人員配置・スケジュール調整・クライアントとの折衝など、プロジェクトをうまく進めるための幅広い管理業務を担います。
ゼネラルマネージャー
企業によって課長職のことを指す場合もあれば、部長クラス以上を指すこともあります。プロジェクトごとのマネージャーではなく固定的な組織の管理職のことを指します。
ミドルマネージャー
経営層と現場をつなぐパイプ役となる中間管理職として、上層部による意思決定に応じて、各従業員をコントロールする役職です。企業としての目標や方向性に合わせて、現場がうまく動くように調整するポジションで、一般的には次長や課長などに該当します。
プレイングマネージャー
マネージャーを担いながら現場の業務も担当しているマネージャーのことをプレイングマネージャーと呼びます。個人の目標やタスクを担いながら、組織全体としての成果が出せるように管理する役職です。大部分のマネージャーがプレイヤーとしての業務も持っているプレイングマネージャーであることが弊社の調査結果からもわかっています。
マネジメントに対する人事担当者と管理職層の意識調査2023年
エリアマネージャー
特定のエリアに展開している複数の拠点を取りまとめる役職で、何店舗か出店している飲食業や小売業などでよく見られます。業績アップに向けた指導や育成など、各拠点の運営のサポートをします。
ラインマネージャー
経営層から一般社員までの指揮系統が直線的に結び付いた組織において、現場管理を担う場合の役職全般を指します。例えば部長・次長・課長・主任・一般社員といった組織構造であれば、そのうち現場の意思決定をする責任者となるのが、ラインマネージャーです。
プロダクトマネージャー
自社の商品やサービスによる利益の最大化に向けて、開発・販売・品質改良などの全工程を管理し、経営効果をもたらす役職です。
マネージャーの役割や仕事内容
マネージャーにはいくつかの種類がありますが、いずれも求められる大まかな任務は共通しています。なおマネージャーによる成果として期待されやすい要素などは、以下の記事でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてみてください。
マネジメントに対する人事担当者と管理職層の意識調査2023年
業務の目標と進捗管理
組織全体として目指す成果や戦略などに向けて、現場が達成すべき目標を設定し、各人材の業務遂行をコントロールするのがマネージャーの役割です。組織全体のビジョンの実現に向け、現場レベルの目標設定を通じて日々のタスクに落とし込み、どのように達成させるのか進捗も含めて管理していきます。なおマネージャーによる目標設定のポイントは、以下の記事でも詳しく解説しています。
管理職の目標設定のコツとは? 考え方や手順、フレームワークを紹介
人材管理や育成
各人材のパフォーマンスを最大化できる人員配置や育成を行うのも、マネージャーの重要な役割です。単純な能力や適性だけでなく、一人ひとりの意欲や考え方なども考慮しながら、個々が本領を発揮できるような人材活用をしていきます。
また負担が偏ったり、キャパオーバーになったりしないように、業務の分担や担当範囲などを調整することも大切。なお、オーバーワーク防止に向けた適切な人材管理については、以下の資料でも解説しているので参考にしてみてください。
中間管理職(マネジャー)に関する意識調査【前編】~オーバーワークについての傾向と考察~
経営層と現場をつなぐ
組織全体の目標を達成するには、全員で同じゴールを目指す必要があります。企業としての方向性を一人ひとりに共有し、個々が担うべきミッションを正しく理解したうえで業務を遂行してもらうことで、大きな組織力につながります。経営層が決めた方針を現場に定着させ、上層部と現場の動きを結び付けるのも、マネージャーの重要な役割です。
マネージャーに求められる能力やスキル
では前述のマネージャーの役割や仕事内容も踏まえて、実際に組織を牽引するために、必要な能力やスキルについても見ていきましょう。
コミュニケーション能力
ここまでに見てきたように、メンバーの業務目標を決めたり、仕事の進め方を指導して育てたりなど、マネージャーの仕事ではさまざまなコミュニケーションが発生します。人材をコントロールして組織を動かすには、やはり的確に物事を伝えるフィードバック力が欠かせません。
また適切な人材管理を行うためには、各個人と十分な連携が取れている必要があります。組織の相乗効果を生み出していくには、従業員それぞれの考えや意見を引き出す傾聴力や質問力も重要です。
ロジカルシンキング・論理的思考力
マネージャーは組織全体としてのビジョンをもとに、各メンバーが達成すべき目標や課題の解決方法など、目指したいゴールに向けて筋道を立てて考えていくポジションでもあります。何をどうすれば組織の成果につながるのか、確かな根拠を持って施策を練り、そしてメンバーに共有するためのロジカルシンキングが不可欠です。またメンバーへの指導や評価を行う際にも、個々がきちんと理解して納得できる、論理的思考にもとづいた伝え方が求められます。
人材育成の能力
組織力を高めるには、一人ひとりのパフォーマンスを向上させることが欠かせません。そのためにも個々が確かなスキルを身につけられるように、社内教育や業務経験などを通じて、育て上げていくことも重要。組織としての成長を目指すには、各人材の現状や適性、仕事観なども見極めながら、それぞれに応じた育成を行う必要があります。
なおここまでに出てきた、マネージャーに必要な能力やスキルについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
マネージャーを育成する方法
企業のキーパーソンとなるマネージャーを任せるには、的確な人選はもちろん、確かなマネジメントノウハウを培う育成も必要です。ではここからは、マネージャーの育成方法について解説していきます。
マネージャー向けの研修を実施する
マネージャーには、現場におけるプレイヤーとは異なるスタンスやスキルが求められるため、新たなマネジメントノウハウをインプットして身につける必要があります。マネージャーに必要な知識を深める座学に加えて、現場での実践も交えながら着実にノウハウを蓄積できる研修をしていくのがベストです。ロールプレイングやOJTなどを交えながら、実際の管理業務を経験することで、マネージャーとしての立場やミッションも十分に認識できるようにしましょう。
マネージャー同士のコミュニケーションの場をつくる
マネージャー同士で情報交換ができる機会があると、効果的だったマネジメント手法や施策など、確かなノウハウを共有できます。こうしてお互いの成功事例などを教え合うことで、より知識が深められるうえに、異なる視点からの意見を聞くことで新たな発見につながることも。また同じ立場の仲間として親睦を深めることで、何か悩んだり困ったりした時に、お互いに相談しやすくなるメリットもあります。
コーチングを受ける
マネージャーは組織の要であり周囲への影響力が大きいポジションです。そのため、昇進時の急激な役割の変化について行けなかったり、多大なストレスを抱えてしまったりする新任マネージャーも少なくありません。マネージャーとしての立ち上がりの時期に一斉の研修だけではなく、個別でサポートできるコーチングを導入する企業が増えています。
経営陣と交流する機会を提供する
マネージャーは、経営陣と現場の間に入ってそれぞれを結び付け、組織としての大きな力を生み出していくポジションです。組織全体で目指していく方針や理念など、まずはマネージャーが正しく認識しておく必要があります。
またマネージャーは、将来的には経営に深く関わるトップ層候補でもあり、経営陣ならではの姿勢や考え方を身につけることも重要。より近い立場から、経営者の観点を把握して学ぶためにも、定期的に上層部と交流できる場を設けることも大切です。
なお以下の研修では、マネージャーの育成に向けたさまざまな講座を実施しています。ぜひご活用ください。
マネジメントの基本を学ぶ 管理職基礎研修(M-BL)【2日】
まとめ
企業の中核を担うマネージャーには、組織としての成功を決定付ける存在として、さまざまな期待が寄せられています。また近年はとくに市場や労働環境の変化なども激しく、事業変革への挑戦や現場プレイヤーとの両立といった、新時代に対応したマネジメントが求められやすくなっています。このようにマネジメントの難度が高まる現代では、人材分野の専門家の力も活用しながら、マネージャー育成を検討することも重要です。なお下記の研修では、経験豊富な講師による、マネージャー向けの多彩な講座を実施しています。新たなマネージャーの育成をお考えの際には、ぜひご活用ください。
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