用語集
承認欲求とは? 承認欲求の原因や仕事での活用方法を解説
- 公開日:2024/06/27
- 更新日:2024/07/11
承認欲求は誰もが持つ欲求ですが、あまり強いと問題を引き起こすかもしれません。そこでこの記事では「承認欲求とは?」という基本から、承認欲求が強い人との付き合い方、承認欲求を仕事のモチベーションにつなげる方法まで詳しく解説します。
承認欲求とは
承認欲求とは「周りの人に自分のことを認めてもらいたい」という欲求のことです。例えば「自分を褒めてほしい」「人に尊敬されたい」といった感情があてはまります。ビジネスシーンで例えると「大きなプロジェクトに選出されたい」「結果を残して昇進したい」というのも承認欲求です。
人間は社会的動物で、周りの反応から生きがいや生きている実感を持つ生き物。承認欲求は、誰しもが持つ自然な欲求です。しかしあまり強すぎると、自分自身を苦しめたり、他人に不快な思いをさせてしまったりするなどの悪影響を及ぼす可能性があります。上手にコントロールしながら、ポジティブな方向に生かす術を身につけることが大切です。
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承認欲求の強い人が増えている原因
最近では承認欲求の強い人が増えているといわれています。その理由として、以下の2つが考えられます。
社会的背景
かつての日本には、他人に認められるための、分かりやすいステータスがありました。それは「有名大学を卒業して、大手企業に就職し、高い給料をもらう」というものです。しかし現在では、クリエイターやベンチャー企業で活躍する人が評価されるなど、より個人の力が重視される社会になりつつあります。人から称賛を得るためのステータスが曖昧になった結果、承認欲求が満たされにくくなったといえます。
SNSの台頭
SNSの発展により、誰でも気軽に情報発信ができるようになりました。その結果「いいね」や「フォロワー数」といった形で、他者からの注目度が数字で可視化されるようになりました。コメントなどで、反応もダイレクトに返ってきます。そのため他者からの評価に振り回される人が増えたといえるでしょう。
承認欲求が強いと起こる問題
誰もが持っている承認欲求ですが、強すぎると以下のような問題が生じる可能性があります。
否定や批判に対して過敏になる
承認欲求が強いと「自分の考えを肯定してほしい」という気持ちが強くなります。その結果、反対意見や批判に敏感となって、悲しみや怒りなどのネガティブな感情を抱きやすくなります。自分の考えに固執するようになって、相手の気持ちが離れていく恐れもあります。感情が昂ったときは、ゆっくり深呼吸をするなどして気持ちを鎮めましょう。日頃からアンガーマネジメントを身につけておくのもお薦めです。
周囲の意見を聞かず自分の話ばかりになる
「自分の話を聞いてほしい」というのも承認欲求です。そのため相手の気持ちを無視して自分ばかり話してしまうことがあります。「話したい」というのは、誰もが持っている欲求です。自分ばかり話をしていると、相手は不快感を覚え、良い関係を築くのが難しくなるでしょう。会話をするときは、自分と相手の話す量が「1:1」になるよう心がけることがポイントです。
プライドが高くなる
「他人より良い評価を得たい」という気持ちは、プライドの高さにもつながります。自慢話をする、周りにマウントを取るといった行動もしがちです。逆に相手の評価を下げようと、愚痴や文句が多くなるケースも。こうした行為は、結果的に自分の評価を下げ、ますます承認欲求が強くなるという悪循環につながる恐れがあります。周囲を不快な気持ちにさせていないか、常にセルフチェックをしてみましょう。
マズローの欲求5段階説とは
承認欲求を語るとき、一緒に語られることが多いのが「マズローの欲求5段階説」です。心理学者アブラハム・マズローが提唱したもので、人間の基本的欲求を1〜5段階のピラミッド状に分類しています。「第1段階が満たされたら、次は第2段階」というように、人は1つの欲求が満たされると、次の欲求を求めるとする理論です。
生理的欲求
最も低い第1段階にあたる欲求です。食欲や睡眠欲、排泄欲など、生きるために必要な本能的な欲求を指します。
安全欲求
第2段階の欲求で、安全な環境にいたいという欲求を指します。「戦争がない、平和な場所で暮らしたい」といった欲求です。「病気や事故を避けたい」「経済的に安定した生活を送りたい」なども安全欲求にあたります。
社会的欲求
第3段階の欲求で、「愛と所属の欲求」「帰属の欲求」とも呼ばれています。「社会に受け入れられている」「社会に必要とされている」という実感を得たいという欲求です。「友だちや恋人が欲しい」「家族や恋人から愛されたい」という気持ちも、社会的欲求です。
承認欲求
第4段階が承認欲求です。マズローが提唱する承認欲求は、地位や名声、注目といった他者から受ける評価だけではありません。「自分の力を発揮したい」「自信を持ちたい」といった自分自身への願望も承認欲求であるとしています。
自己実現欲求
第5段階の欲求で、「自分の力を最大限に引き出して、なりたい自分になりたい」と思う欲求です。欲求5段階説のなかで最も高い次元に位置し、自己実現欲求を満たすことが人間を幸せに導くとしています。
マズローの欲求五段階説についてはこちら
仕事の場面での承認欲求が強い人との付き合い方
ビジネスの場面で承認欲求が強い人に出会ったとき、どう対処すれば良いのでしょうか。注意点を2つご紹介します。
適切な距離を保つ
大切なのは「近寄りすぎない」ことです。承認欲求が強い人の話を真に受けてばかりいると「自分の話をよく聞いてくれる人だ」と認識されてしまう可能性があります。時間も気持ちも消費され、大きなストレスを抱えることになるかもしれません。仕事上の付き合いと割り切って、適切な距離を保ちましょう。
相手のプライドを傷つけないようにする
承認欲求が強い人のなかには、プライドを傷つけられることで感情的になり、仕事のパフォーマンスが低下する人もいます。肯定や称賛は問題ありませんが、ネガティブなフィードバックをするときは注意が必要です。言葉や表現を選ぶなどして、相手を傷つけないよう配慮しましょう。
承認欲求が強い人の仕事のモチベーションを高める方法
ネガティブなイメージがある承認欲求ですが、上手にコントロールすれば、高いモチベーションにつなげることができます。承認欲求が強い人に活躍してもらうための、3つのポイントをご紹介します。
相手が求めているものを理解する
承認欲求が強い人は「上司や仲間から認められたい」という気持ちが、やる気につながります。他者に認められているうちは、高いモチベーションを維持し続けるでしょう。しかし何をもって「認められている」と感じるかは、人それぞれです。称賛の言葉が欲しいのか? みんなの前で表彰されたいのか? 出世したいのか? ヒヤリングを重ねるなどして、相手が何を望んでいるのか明確にしましょう。
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目標設定を行う
承認欲求が強い人は、周りから認められるために努力を惜しまない傾向があります。相手が望んでいるものを理解したら、それが叶えられるように明確な目標設定をしましょう。しかし実現不可能だったり、あまりに難度が高かったりすると、逆にモチベーションの低下につながります。ミスや失敗をすることでプライドが傷つく恐れもあります。相手の実力とマッチした目標を設定することで、高いパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。
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フィードバックを行う
承認欲求が強い人の多くは、人に褒められることで、さらにやる気を出します。ポジティブなフィードバックは積極的に行いましょう。営業成績などの成果を褒めるときは、「先月より20%もアップしたなんてスゴいね」と具体的に褒めると説得力が生まれます。表彰制度などを使って、他の社員がいる前で褒めるのも効果的です。
成果に直接つながらないことでも、仕事への工夫や素早い対応といった過程を褒めることが大切です。もし失敗してしまったときは、「ナイスチャレンジだったね」と勇気づけることで、承認欲求が満たされるでしょう。
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まとめ
承認欲求は誰もが持っている感情です。「あの人は承認欲求が強すぎる」と避けるのではなく、特性を上手に生かしながら、高いパフォーマンスにつなげていきましょう。承認欲求が強い人には“褒める”ことがポイントですが、これはどの社員に対しても効果的です。最近では社員同士で褒め合う称賛文化を取り入れる企業も増えています。誰もが働きやすい職場環境を築くために、こうした意識を社員一人ひとりが持つことも大切かもしれません。
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