用語集
フィードバックとは? 種類やメリット、手法を解説
- 公開日:2014/04/18
- 更新日:2024/08/27
フィードバックとは、行動に対する評価や改善点を、本人に指摘することです。人材育成において欠かせない要素といえるでしょう。この記事ではフィードバックの種類から実施するメリット、具体的な手法まで分かりやすく解説します。
フィードバックとは
フィードバックとは、もともと英語で「反応」や「帰還」を意味する言葉です。 電子工学の分野で用いられていましたが、今ではさまざまな場面で使われています。ビジネスシーンでは「仕事を行った社員に、評価や改善点を伝えること」を指します。本人に現状を理解してもらい、課題解決や成長につなげることを目的に行います。
企業などの組織においてフィードバックが行われるのは、主に日常業務やOJT、人事評価面談、1on1などの場面です。基本的には上司から部下に行いますが、リーダーからメンバー、先輩から後輩、同僚から同僚などへ行うこともあります。また、360度サーベイなどを活用して部下から上司へのフィードバックの機会を設けている企業も増えてきました。フィードバックを小まめに行うことで、従業員の成長だけでなく、組織の活性化も期待できます。
フィードバックの種類・方向性
フィードバックには、主に2つの種類があります。
ポジティブフィードバック
ポジティブフィードバックは、前向きな表現を使った肯定的なフィードバックのことです。仕事での良い面に注目し、優れている点や成長した点などを伝えます。例えば「会議で積極的に発言してくれるおかげで、周りも刺激を受けている。今後もこの調子で頑張ってほしい」といった具合です。ポジティブフィードバックを受けた部下は自己肯定感が高まり、自信を持つことができます。仕事へのモチベーションも上がり、積極的に取り組めるようになるでしょう。
ネガティブフィードバック
ネガティブフィードバックは、批判的なフィードバックのことです。仕事での良くない点や問題点などを指摘して、改善を促します。例えば「会議での発言が長すぎて要点を掴みにくい。今後気をつけよう」といった具合です。仕事がうまく進まないときに、原因が把握できていない部下もいることでしょう。そのようなときに有効な方法です。誤りや改善点をしっかり伝えることで、パフォーマンスの向上が期待できます。
フィードバックを行うメリットや効果
フィードバックを行うことで、さまざまなメリットがあります。ここでは主に4つを説明します。
目標達成につながる
部下が仕事を進めていて「行動や努力の方向性がズレている」ということもあるでしょう。フィードバックをすることで、そのズレを早めに解消することができます。定期的に行えば、その都度軌道修正ができるため、より効率的に目標達成に近づくことができるはずです。管理職については、メンバー個々を的確に軌道修正していくことで、組織全体の生産性アップにつながるでしょう。
モチベーション向上が期待できる
部下のなかには、上司からの反応がないと「放置されている」と思う人もいます。フィードバックを行うことで「自分のことをきちんと見てくれている」と、安心して業務に取り組むことができるでしょう。良い点を褒めたり、称賛の言葉送ったりすることでモチベーションもアップするはずです。また改善点や次に取るべき行動について理解すれば、目標達成に向けた行動が取りやすくなります。仕事の質も上がり、ますますやる気が高まるでしょう。
従業員の成長につながる
フィードバックは、部下にとって「気づき」を得る機会でもあります。自分では気づきにくい現状の立ち位置や強み・弱み、改善点などを客観的に知ることができるでしょう。例えば「会議での発言が分かりやすい」と言われたら、「もっと積極的に発言しよう」と考えるかもしれません。「発言の要点が掴みにくい」と言われれば、「先に結論から話すようにしよう」と工夫するきっかけになるでしょう。上司と部下が一緒に課題解決や目標達成に向けて考えることで、成長を後押しすることができます。
上司・部下の信頼関係を高められる
上司は、フィードバックをするために部下の行動を把握する必要があるため、部下への理解が自然と深まります。部下も、フィードバックの内容に納得すれば「自分のことをよく理解してくれている」と実感し、上司への信頼が増すでしょう。また定期的にフィードバックを行うことによって、コミュニケーションを取る機会が増えます。お互いの認識のズレを解消して目標を共有することで、信頼関係も一層高まるでしょう。
フィードバックの手法・フレームワーク
フィードバックには、いくつかの手法があります。ここでは3つ紹介します。
SBI型
SBIとは「Situation(状況)」「Behavior(行動)」「Impact(影響)」の頭文字を取ったものです。「いつ、どこで起こったことか」→「どのような行動を取ったのか」→「行動の結果どのような影響があったか、または上司が感じたこと」の順に伝えます。SBI型のメリットは、部下が内容を理解しやすいことです。そのため現状や今後取るべき行動に納得してもらいやすくなります。
S「今日の会議のことだけど」
B「積極的に発言していて良かったよ」
I「他の参加者にも良い刺激になった」
サンドイッチ型
ポジティブフィードバックの間にネガティブフィードバックを挟む手法です。「褒める」→「改善点を伝える」→「褒める」という順番で伝えます。改善点だけ指摘すると部下のモチベーションが下がってしまう恐れがありますが、前後に褒めることでモチベーションの低下を防ぎ、改善点の指摘が受け入れやすくなります。
ポジティブ「今日の会議、積極的に発言していて良かったよ」
ネガティブ「ただし、発言が長くて要点が掴みにくいところもあったから、最初に結論を言うようにしよう」
ポジティブ「でも他の参加者の刺激になった。この調子で頑張って」
ペンドルトン型
上司から部下へ一方的にフィードバックをするのではなく、上司と部下が話し合いながら進める手法です。心理学者のペンドルトンによって開発されました。部下の反省点をもとに、部下自身に改善点を考えてもらうため、主体性を引き出すことができます。
【話し合いの流れ】
1.確認(何を話すのか)
2.良かった点
3.改善点
4.行動計画(今後どうするのか)
5.まとめ
【フィードバック例】
部下「今日の会議についてフィードバックをお願いします」
上司「積極的に発言していて良かったよ」
部下「でも、話が分かりにくいと言われてしまいました」
上司「結論までが少し長かったね」
部下「最初に結論を言うように意識してみます」
上司「明日の会議で実践してみよう」
おわりに
フィードバックは、マネジメントにおける重要な要素です。なんとなく行うのではなく、原則を理解したうえで実践的なスキルを身につけましょう。フィードバック以外にも、組織の目標達成やメンバーのモチベーション管理など、企業の中核を担う管理職やマネジャーには多くの能力が求められます。マネジメントの難しさがより一層高まる現代において、今までのやり方では対応できない場面も増えています。外部の研修やセミナーを上手に活用してマネジメント力を強化し、組織全体の成長につなげてほしいと思います。
管理職のマネジメントや、フィードバック面談を用いたマネジメント能力の向上については、以下の研修をご利用いただけます。
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