用語集
セルフマネジメントとは? やり方や自己管理能力を高める方法
- 公開日:2020/08/25
- 更新日:2024/08/27
セルフマネジメントとは?
セルフマネジメント(self-management)とは、直訳すると「自己管理」となります。管理とは、良い状態を維持するために取り仕切ることです。つまりセルフマネジメントとは、自分の精神状態や健康状態を良い状態で安定させることで、自分の能力を最大限発揮することといえます。
セルフマネジメントが注目される背景・理由
社会情勢や技術革新などの影響から、ビジネスを取り巻く環境が大きく変化している近年、次のような背景や理由からセルフマネジメントが注目されています。
リモートワーク・テレワークの普及
さまざまなビジネスシーンでオンライン化が進んだ昨今、在宅でのリモートワークやテレワークの働き方も急速に広まりました。通勤の時間や労力を省いた効率的な働き方が実現された一方で、リモートワークやテレワークでは、上司や同僚といった他者の干渉を受けず自律して業務を進めなければなりません。そこで、モチベーションやプライベートとのメリハリを維持する、セルフマネジメントが求められるようになりました。リモートワークにおける職場環境の変化については、以下の記事でも詳しく解説しています。
高い生産性が求められるようになった
近年は少子高齢化による人手不足や、働き方改革にともなう残業の規制などから、より限られた時間のなかで成果をあげる必要性も高まっています。社員一人ひとりの生産性が組織全体としての結果にもつながりやすく、セルフマネジメントによる個々のパフォーマンス向上が求められています。
ビジネス環境の変化が大きく、定型化できない仕事が増えている
最近ではDX化の推進により、さまざまな業務の自動化や省略化が進み、マニュアル的な定型作業やルーティンワークは大幅に減っています。一方で柔軟な思考をともなう企画的な業務や、業務そのものを自分で企画していく力が求められ、仕事における個人の裁量が以前より必要となりました。裁量が多く自由な半面、正解がないなかで考える力や迅速な対応が求められるケースが増え、精神的な負担がかかりやすい傾向にもあります。ストレスにつながりやすいビジネス環境だからこそ、セルフマネジメントを通じて自ら心身の健康を保つ必要性が高まっています。
セルフマネジメントを構成する要素
実際にセルフマネジメントで行われる行動や意識として、次のような例が挙げられます。
メンタルヘルスケア(セルフケア)
例えば自分自身でストレスを軽減したり、十分な休息を取って体調をコントロールしたりなど、心身を健やかに維持できるように工夫することを指します。しっかりとしたメンタルヘルスケア(セルフケア)により、常に安定したパフォーマンスや、良好な人間関係を構築できる効果などが見込めます。
レジリエンス
レジリエンスとは、逆境やプレッシャーなどに柔軟に対応し、大きなストレスがかかったとしてもすぐに立ち直る姿勢を指します。さまざまな状況を前向きに捉えることで、自らの精神衛生を守る自己管理方法です。なおレジリエンスの詳しい意味などは、以下の記事でも紹介しています。
アンガーマネジメント
常に冷静な判断や対応ができるように、怒りや苛立ちの感情をコントールし、心理的な衝動を抑える自己管理を指します。アンガーマネジメントによって周囲に感情をぶつける行為を防ぐことで、より円滑な人間関係につながりやすくなるのが利点です。なおアンガーマネジメントの具体的な手法などは、以下の記事で解説しています。
マインドフルネス
マインドフルネスは、目の前にある現状だけに意識を集めることで、余計な雑念を払って集中力を高める瞑想方法です。今の瞬間だけに目を向けることで、不安やストレスから解放され内省して自らの感情をコントロールできる効果が見込めます。なおマインドフルネスの方法は、以下の記事で詳細に解説しています。
キャリアデザイン
キャリアデザインとは、自分の理想的な将来像に向けた職業上の人生設計を指します。キャリアデザインにより、自己実現に向けた高いモチベーションや積極的なアクションにつながる効果が見込めます。なおキャリアデザインの定義や概要は、以下の記事でも紹介しています。
セルフマネジメントがもたらす効果や影響
ここまでに見てきたようなセルフマネジメントを取り入れながら働くことで、以下のようなメリットも見込めます。
業務効率化による生産性の向上
自分自身に対して余計な負担がかからないように工夫することも、大切なセルフマネジメントの1つです。こうしたセルフマネジメントを意識できると、例えば多くの業務が重なったとしても、優先順位を考えて1つずつ落ち着いた対応ができるようになります。各タスクに対する重要性や所要時間などを考慮し、計画的に業務を片付けていくことで、効率的に仕事が進みやすくなり生産性も高まります。
風通しの良い職場の実現
一人ひとりが高いセルフマネジメント能力を通じて心身を健全に保つことができれば、何事に対しても個人的な気分などに左右されない冷静な判断ができます。常に客観的で公平な言動ができれば、周囲からの信頼を得やすく、コミュニケーションが円滑になる効果も。一人ひとりがセルフマネジメントを意識することで、お互いの意見を共有しやすくなり良好な人間関係が築けるのもメリットです。
モチベーションの維持・向上
セルフマネジメントによって常に安定した心身状態を維持できるようになれば、より仕事に専念しやすくなります。精神的にも身体的にも健全な状態であれば、自ら仕事のやりがいを見出したり目標を持ったりなど、意欲的な姿勢が生まれやすくなるのも大きな利点です。
セルフマネジメントが苦手な人・得意な人の違い
当然ながら、個人ごとにセルフマネジメント能力には差があります。では、具体的にセルフマネジメントが苦手な人と得意な人で、どのような傾向が見られるのか整理していきます。
セルフマネジメントが苦手な人の特徴
まずは、セルフマネジメントを苦手とするタイプの特徴から見ていきましょう。
こだわりが強く完璧主義
こだわりの強い完璧主義のタイプは、自分自身に対して厳しくなりやすく、自らのポリシーに固執しがちです。自分の求める結果にとらわれすぎると、周りに目を向けづらくなり、冷静に状況を見て柔軟に行動するセルフマネジメントが疎かになってしまうことも。またストイックがゆえに、ミスや失敗を重く受け止めやすく、精神的負担を抱えやすい一面もあります。
頼ることが苦手(自分でタスクを抱えてしまう)
周りの仲間に頼ることができないと、過度なタスクがあるときでもなかなか相談できず業務をため込んでしまい、心身ともに消耗しやすい一面も。このように、自らの負担を上手くコントロールするセルフマネジメントが苦手だと、本来の最大限のパフォーマンスが発揮できないケースも見られます。
ストレス解消ができない
ストレスをため込みやすいタイプは、自身のメンタルヘルスに対するセルフマネジメントが得意でない傾向にあります。精神的な不安定さから仕事へのモチベーションも維持しづらく、自分の能力を上手く生かしきれていない可能性も考えられます。
セルフマネジメントが得意な人の特徴
では、上手くセルフマネジメントができるタイプの特徴も見てみましょう。
タスクに優先順位をつけることができる
適切な優先順位を考えて複数のタスクを処理できるような、焦らずに冷静な判断ができる人は、セルフマネジメントが得意な人だといえます。必要以上に慌ててタスクをこなすことがないので、ストレスを感じることも少なく、余裕のある行動から結果として効率的に業務が進みやすくなります。
ストレスの解消が上手い
適切にストレスを発散して精神衛生の安定を保つことができる人は、メンタル面のセルフマネジメントが得意であるといえます。心身にゆとりを持つことができれば仕事への意欲向上にもつながり、より積極的な姿勢で業務に取り組むことが可能です。
ポジティブ思考
トラブルやプレッシャーなども含めて何事も前向きに捉えられるタイプは、必要以上に落ち込んだり不安に感じたりすることも少ないでしょう。ポジティブな考え方は精神的なバランスを保つセルフマネジメントにもつながり、何か課題があるときでも意欲的に解決に向けて行動しやすくなります。
おわりに
市場から働き方まで多様化が進み、より効率的で生産性の高いパフォーマンスが求められる昨今では、高いセルフマネジメント能力が欠かせない要素となっています。また変化の激しい社会情勢のなかで、新たな価値観・仕事観を培ってきたZ世代が入社し、特に若手層の社員育成は難しくなっているのが現状です。
そんなZ世代の強みや特性も最大限発揮させながら、自律的な成長を促していくには、今回ご紹介したセルフマネジメントにも通じる「セルフリーダーシップ」も重要です。なお以下の研修では、新時代の新入社員・若手社員向けに、セルフリーダーシップを軸としたさまざまなプログラムを実施しています。ぜひ若手層のさらなるスキルアップにご活用ください。
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