用語集
エンゲージメントとは
- 公開日:2022/09/09
- 更新日:2024/07/24
エンゲージメント(engagement)とは、「婚約」「誓約」「約束」「契約」などの意味を持つ英単語です。使用シーンによって意味合いは異なりますが、「深いつながりをもった関係性」を示す言葉といえます。 例えば、「社内における従業員エンゲージメントの向上」は、「従業員が会社に対しての愛着や貢献の意志をより深めること」という意味になります。 ビジネスにおいて、エンゲージメントという言葉は「職場(企業・団体)と従業員の関係性」や「自社と顧客との関係性」を表す際に用いられます。
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企業におけるエンゲージメントの定義
企業活動におけるエンゲージメントとは、両者の間に確固たる信頼関係が構築されていることを指しています。ビジネスシーンで用いられるエンゲージメントには、上述のとおり「対従業員」と「対顧客」の2種類があります。
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従業員エンゲージメント
従業員エンゲージメントとは、企業と従業員との間での確固たる信頼関係を意味します。
従業員は企業に対して貢献することを約束し、企業は従業員の貢献に対して報いることを約束します。その約束に相当するものがエンゲージメントです。会社と仕事のそれぞれに対して「誇りをもっているか?」という質問の結果をもってエンゲージメントの強さを測ることもできます。
なお、「会社に対する誇り」、「仕事に対する誇り」が高いほど、離転職意思が低い傾向にあることが調査結果から明らかになっています。(2008年10月 弊社「エンゲージメントに関するインターネット調査」より)
従業員エンゲージメントを向上させる主な要素として、以下の3点が挙げられます。
・働きやすさ … 周囲の人との関係性が良好に保たれ、職場が自身に合っていると感じられる
・やりがい … 従業員が仕事にあたって「こうありたい」と感じる願望が達成されている
・指針への共感 … 職場が目指すビジョンや企業の社風などに従業員が共感できている
これらの要素を満たして従業員エンゲージメントを向上させることは、長期的に企業へ貢献する従業員を創出し、早期離職の防止にも繋がります。
顧客エンゲージメント
顧客エンゲージメントとは、企業とその顧客との親密度を指す言葉です。顧客が企業に対して良好な印象を継続的に持ち、その結果製品の購入やサービスの利用などの行動を起こしてくれることというと分かりやすいでしょう。
顧客エンゲージメントが向上することで、企業の売上に直結するだけではなく、企業に対する改善要望など忌憚のない意見も顧客から直接得られるようになります。顧客エンゲージメントの向上は、さまざまな側面において企業の成長をもたらしてくれる要素となり得ます。
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従業員満足度との違い
従業員エンゲージメントとよく似た言葉に「従業員満足度」があります。しかし、これら2つの言葉が持つ意味合いはやや異なります。
従業員エンゲージメントとは、「企業の理念や目指すビジョンに理解や共感を示し、自発的に貢献する意思」を意味しています。それに対し従業員満足度とは「給与や福利厚生などの待遇面、業務内容や職場の人間関係など、この企業の従業員であることにどれだけ満足しているか」を指します。
従業員エンゲージメントを高めるメリット
従業員エンゲージメントの向上を図ることは、企業と従業員それぞれにどのような効果をもたらすのでしょうか。ここでは従業員エンゲージメントを高めることのメリットをご紹介します。
売上・利益の増加
従業員エンゲージメントの向上は、各従業員が企業へ継続的に貢献する意志を持つことにつながります。
高いモチベーションを維持して業務にあたる従業員が長く働いてくれることで、長期にわたり高品質な製品・サービスの提供が可能となります。長期的な売上や利益の増加にもつながり、企業競争力の向上も期待できます。
離職率の低下
愛着を持ち信頼関係を維持して働ける企業であれば、可能な限り長く働きたいと考える従業員も増えていきます。優秀な従業員の早期離職を防ぐことにつながり、豊富な経験やノウハウを蓄積した熟練者の定着を促進できます。
人材確保
従業員エンゲージメントの向上によって、従業員の企業に対する愛着や忠誠心が生じます。
従業員が企業に対し愛着や信頼関係を維持できていると、就職・転職を考えている知人や身内の人に対して「自分の職場を紹介したい」と考えるようになります。従業員エンゲージメントの向上は、リファラル採用の強化による人材確保にも効果をもたらします。
リファラル採用については以下のコラムもぜひご覧ください。
●仲間を誘いたくなる会社とは――組織が拡大しても社員がエンゲージメントし続ける企業の条件
従業員エンゲージメントを高めるには?
従業員エンゲージメントの向上は働きやすい職場づくりにとどまらず、企業そのものの成長や競争力アップにもつなげられます。企業が今以上に従業員エンゲージメントの向上を図ろうと考えた場合には、どのような施策が有効となるのでしょうか。
従業員エンゲージメントの現状を把握する
まずは、企業内の従業員エンゲージメントについて、今現在の状況を把握する必要があります。現状把握のためには社内アンケート調査などが有用です。
「自分の仕事に誇りを感じているか」「仕事をする上で何を重視するか」などの質問を設けて回答を集め、従業員が現在仕事に対しどのような意識を持ち、企業にどんな印象を持っているかを把握しましょう。
企業の理念や今後のビジョンの発信
企業がどのような方向性を持ち、何を目指しているかをきちんと従業員へ発信できているか再確認します。
従業員への浸透が図られていない状況であれば、積極的な発信に取り組み従業員への積極的な周知・共感を促しましょう。
働きやすい環境づくり
各従業員が個々に適した業務に就けるよう適材適所への配置を促進し、すべての従業員が健全に働けているか再確認します。もし長時間労働などが常態化するなど、働きやすい環境の実現に疑問が生じているようなら、ワーク・ライフ・バランスの実現を図って労働環境の整備を行いましょう。
また、必要に応じて評価制度を見直し、従業員への適正な評価を実施することも働きやすさにつながります。
社内コミュニケーションの活発化
職場の雰囲気を良好に保ち、円滑な人間関係を維持することも重要です。企業側は従業員の共感を得られる手法で従業員間のコミュニケーションを活発化し、企業への帰属意識向上を図りましょう。
教育・研修の実施
社員に対する教育や研修の実施は、職場における業務やマナーを習得するために欠かせません。
指導にあたる管理職や社員にとってもさまざまな気づきがもたらされ、多くの学びを得られる場となります。
教育を受ける社員は仕事が身につき、指導者は自身の業務や立ち位置を再確認しながら仕事への意欲を高めていくことができます。
おわりに
従業員エンゲージメントを高めることは、離職の防止やモチベーション向上、顧客満足度向上など企業にとって大事な要素に好影響をもたらします。まず貴社の従業員エンゲージメントについて現状を確かめ、向上のための施策について検討してみてはいかがでしょうか。
従業員エンゲージメントについてこちらのコラムでもご案内しています。ぜひこちらもご覧ください。
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