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導入事例

リクルーター体制の強化でインターンシップ応募者2倍に

ヤマハ発動機株式会社

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  • 公開日:2025/12/01
  • 更新日:2025/12/01

事例概要

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背景・課題

私たちヤマハ発動機の新卒採用チームは、「新卒採用の早期化・長期化・多様化」への有効な対策の1つは「リクルーター体制の強化」だと考えました。実はリクルーター側からも、「活動の質を高めたい」などのリクエストが上がっていました。しかし、リクルーター強化のためには、外部の専門的なサポーターを得て、客観的なアドバイスや提案を受けることが欠かせないと考えたのです。

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検討プロセス・実行施策

「リクルーター体制」「リクルーターマニュアル」「リクルーター向けトレーニング」の見直し・改善を行いました。また、リクルーターの活動開始を3カ月前倒しして、インターンシップも秋季から夏季へと前倒ししました。リクルーター体制は、さまざまな事業・職種を希望する学生にも対応できる仕組みに変えました。トレーニングはリアル開催に変更し、協力関係の醸成などをねらいました。

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成果・今後の取り組み

インターンシップ応募者が昨年度の約2倍になりました。リクルーターが接触した学生からの応募が前年度応募者全体と同数程度となり、リクルーター体制強化と活動時期前倒しの効果がはっきりと数字に表れています。成功要因の1つは、トレーニングによってリクルーターの立ち上がりが早まり、初期から動いてくれたことです。彼らの想いが1つになり、主体性や積極性も高まりました。

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背景・課題

「新卒採用の早期化・長期化・多様化」にはリクルーター強化と前倒しが有効だと考えた

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私たちヤマハ発動機の新卒採用チームは、以前から「新卒採用の早期化・長期化・多様化」に対する課題感を持っていました。ご存じのように、最近の新卒採用市場では、インターンシップの前倒しなどにより、就職活動の開始時期が年々早まっており、それにともなって選考期間が長期化しています。

結果的に、採用チームが人手不足に陥り、採用を早期化したいのに母集団形成を始めるタイミングが遅れがちになるというジレンマを抱えていました。また、学生たちの就職活動に対する考えや要望などは多様化しており、対応がより難しくなっていました。これは決して私たちだけの悩みではないだろうと思います。

私たちは、この課題への有効な対策として「リクルーター体制の強化と活動時期の前倒し」を検討しました。もともとヤマハ発動機の新卒採用では、技術系リクルーターが長年活躍しており、学生がリクルーターと接点を持つことが、志望度や意思決定に大きな影響を与えるという調査結果も得ていました。こうした背景から、私たちはリクルーター体制そのものを見直し、より戦略的に活動することで、複合的な採用課題に対応できると考えたのです。

実は、リクルーター側からも「活動の質を高めたい」などのリクエストが上がっていました。ヤマハ発動機にはボトムアップの社風が根づいています。本気で活動し、新卒採用を自分ごととして考えてくれているリクルーターが何人もいるのです。彼ら自身も、新卒採用をより良くするために体制強化を望んでいたわけです。

このリクルーター体制の強化と前倒しをするにあたって、私たちは外部の専門的なサポーターの存在を求めていました。私たちだけで施策を進めることに不安があったからです。自社の組織や課題への理解や変革への強い想いはある一方で、採用市場全体の動向や他社事例など、知見に限界があることも分かっていました。自社の客観的な立ち位置を把握し、急速に変化する学生の価値観や行動パターンを正確に捉え、より効果的で実行可能な施策へつなげるためには、第三者からの客観的なアドバイスや提案が欠かせませんでした。

検討プロセス・実行施策

「リクルーター体制」「リクルーターマニュアル」「リクルーター向けトレーニング」の見直し・改善を行った

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2024年の夏、前期採用活動の振り返りを行った際、リクルートマネジメントソリューションズに選考プロセス分析や応募学生向けアンケート調査を実施してもらいました。その後、他社事例や市場動向を踏まえた提案も受けました。

そのなかで、リクルーター体制の何をどう変えるべきか、何にどう取り組めばよいかが明確になってきたのです。私たちは、先ほど説明したような課題意識を以前から持っていましたが、リクルートマネジメントソリューションズのアドバイスや提案を受けるなかで、「いよいよ本格的に取り組むべきだ」と考えるようになったわけです。そうして改善施策の設計・推進サポートを依頼しました。

具体的には、「リクルーター体制」「リクルーターマニュアル」「リクルーター向けトレーニング」の見直し・改善を行いました。まず2024年秋に、リクルーター体制全体の施策設計を実施しました。リクルートマネジメントソリューションズとディスカッションを重ねながら、数年後の体制を描いたうえで、どのような順で何に着手すべきかを落とし込んでいきました。

並行して、リクルーターの活動時期とインターンシップ時期の前倒しにも取り組みました。リクルーター活動は7月スタートだったところを3カ月前倒し、4月から始動することにしました。同時に、インターンシップの開催時期を秋季から夏季に前倒しました。その後、2024年冬にはリクルーターの役割や活動内容を整理して、「新リクルーターマニュアル」を制作しました。2025年4月には、リクルーター強化の考え方やマニュアル内容の浸透を目的とした「新リクルーター向けトレーニング」を実施しました。

リクルートマネジメントソリューションズには、コンサルティングからマニュアル制作、トレーニングの設計・実施まで一括で支援してもらいました。急ピッチで変革を進めるうえで、客観的な情報提供やアドバイスはもちろんのこと、制度設計から具体的な運用・浸透まで一貫して支援してくれるリクルートマネジメントソリューションズの存在は、私たちにとって非常に心強いものでした。

図表

リクルーター体制を変革し、さまざまな事業・職種を希望する学生にも対応できる仕組みに変えた

従来のリクルーター体制の課題の1つに、「学生が関心を持っているテーマや本当に知りたいと感じている情報に、十分に応えきれていないこと」がありました。実はヤマハ発動機には、二輪車、マリン製品、電動アシスト自転車、産業用ロボット、ATV・ROVなど15の製品群があります。特に技術系は、各製品群を担う事業ごとに求められる専門性が大きく異なり、組織風土も事業ごとにさまざまです。一方で、昨今の学生は自分が希望する職種について、よりリアルな情報を知りたいと思っており、関心内容も多岐にわたります。そのため、1人のリクルーターが伝えられる情報やカバーできる内容には限界がありました。そこで今回は、リクルーターを増員すると共に、組織体制を変革し、さまざまな事業・職種を希望する技術系学生にも柔軟に対応できる仕組みに変えました。

リクルーターマニュアルについては、今回の体制変更にともない、内容をまとめ直しました。単に新しい方針を伝えるだけでなく、ヤマハ発動機のリクルーターとはどのような存在か、どのようなスタンスが求められるのか、学生に何をどのように伝えたらよいのか、リクルーター同士でどのような協力や連携を行えばよいのか、といった観点を盛り込み、整理をしています。特に大きなポイントは、リクルーター制の背景や目的、採用活動におけるリクルーターの役割や重要性を言語化できたことです。リクルーターの自律的な活動につながるマニュアルに仕上げることができたと感じています。

リクルータートレーニングはリアル開催に変更し、協力関係醸成や活動計画立案をねらう

リクルータートレーニングは、従来はオンライン開催でしたが、2025年度からは全面的にリニューアルして、リアル開催に変更しました。活動開始の4月に、リクルーターたちに一堂に会してもらうことが大切だと考えたからです。リクルーターマニュアルを単に読んでもらうだけでは伝わらないこともたくさんあるでしょう。リアルの場で、あえて第三者であるリクルートマネジメントソリューションズの講師から、リクルーターの役割やコミュニケーションのコツなどを伝えてもらうことで、要点がよりきちんと伝わるだろうと考えました。

また、リアル開催によってリクルーター同士のつながりをつくり、協力的な関係を醸成したいという想いもありました。さらに、トレーニングのなかでリクルーター一人ひとりに活動計画を立ててもらい、具体的にどのようなスケジュールでどう取り組むかを考えてもらう時間も設けました。先ほど触れたとおり、ヤマハ発動機には熱い想いを持ったリクルーターが何人もいます。彼らに主体的に考えて動いてもらうためには、期初に活動計画を立ててもらうことが肝要だと考えました。

以上の施策は、新卒採用に寄与するだけでなく、リクルーターのエンゲージメントやモチベーションの向上にも寄与する取り組みだと考えています。また、リクルーター活動で得た経験や知識が、各自のキャリア形成につながることも期待しています。私たちは人事として、リクルーター強化をこのような大きな観点からも捉えています。

成果・今後の取り組み

トレーニングによってリクルーターたちの立ち上がりが早まり、初期から積極的に動いてくれた

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現時点(※取材時は2025年6月)での成果をお話しすると、インターンシップ応募者が昨年度の約2倍になりました。注目すべきは、リクルーターが接触した学生からの応募が前年度の応募者全体と同数程度となったことです。

これは体制強化により昨年と同規模の学生層に魅力付けできたことを意味し、リクルーター体制強化と活動時期前倒しの効果がはっきりと数字に表れています。

成功要因の1つは、リクルータートレーニングを通じて、学生に合わせてどのような情報を伝えるべきか、そのポイントを整理し、一人ひとりが自信を持って動き出せる状態を整えられたことです。準備が整ったことで、大学3年生が本格的に動き始める5月という早いタイミングから、リクルーターが積極的に学生との接点を持つことができました。また、リクルーターを増員し、より多くの事業・職種に対応できる体制をつくったこともプラスに働いています。

私はリクルーターの定例ミーティングにできる限り参加しているのですが、ミーティングの最中に、リクルータートレーニングを経て、彼らの想いが1つになったと感じることがよくあります。学生には、リクルーター同士の仲の良さなども伝わります。彼らのつながりが深まることは、さまざまな面でポジティブな意味を持つのです。また、トレーニングのなかでリクルーターの役割や期待をよく伝えたことで、彼らが自分の役割をより主体的・積極的に考えて行動するようになったとも感じています。リクルータートレーニングのリアル開催の効果は非常に大きく、来年度も同じように開催したいと考えています。

リクルーター強化は始めたばかりのため、当然ながら、改善点もあるはずです。これまでは主に人事が思う改善点に取り組んできましたが、今後は、学生とリクルーターそれぞれに振り返りアンケートを取って、学生やリクルーターの視点を吸い上げて反映し、より良い採用につなげていきたいと考えています。

学生一人ひとりの求めるタイミングで、最適な情報を提供できる。現場社員のリアルな声を学生に届けられる。ヤマハ発動機の企業目的「感動創造企業」や、私たちのものづくりに共感する学生にチャンスを提供できる。リクルーター制度はいくつものメリットがある優れた採用手法のため、今後も力を入れていきます。今回の取り組みにあたって、リクルートマネジメントソリューションズにはさまざまな形で協力してもらいました。今後も、何かを変える際には一番に相談したいと思っています。

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ソリューションプランナーの声

原田の顔写真

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
ソリューションプランナー 原田 康平

新卒採用の早期化・多様化に対し、ヤマハ発動機様では「リクルーターの自律的な活動設計」という戦略的アプローチで応募者2倍を実現されました。
私たちリクルートマネジメントソリューションズは、リクルーターの役割の再定義、活動内容や体制の再整理、自律的な活動計画立案を促すトレーニング設計まで一貫してサポートさせていただきました。単なる制度の見直しではなく、ヤマハ発動機様のボトムアップの社風を踏まえ、「リクルーター一人ひとりが戦略的に考えて動ける仕組み作り」とした点が重要なポイントでした。

昨今の売り手市場において、学生に、誰がいつどのような情報を届けるのか、学生と社員との接点づくりはより重要になっています。その中で、リクルーター接点の効果最大化や自律的な活動体制構築は今後ますます重視されると考えております。

今後も是非、ヤマハ発動機様との取り組みを継続・発展させていただきながら、他の企業様においてもリクルーター制度の効果最大化をご支援していきたいと思います。

取材日:2025/07/01

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企業紹介

ヤマハ発動機株式会社

ヤマハ発動機は、1955年の創業以来、二輪車の開発を起点とするパワートレイン技術、走行・航走を支える車体・艇体技術をコア・テクノロジーとし、さらに制御技術やコンポーネント技術を発展させながら、事業の多軸化とグローバル化に取り組んできました。現在は、二輪車や四輪バギー、電動アシスト自転車などのランドモビリティ事業、ボート、船外機等のマリン事業、サーフェスマウンターや産業用ロボットなどのロボティクス事業、さらにはファイナンス事業など、多軸に事業を展開しています。

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