経営層への入り口としての部長への役割転換

課題解決のポイント

「事業経営」の役割行動を開発することが、活躍の道を開く

役割転換における固有のチャレンジを理解する

部長職は経営層への入り口です。課長(ミドルマネジャー)とは異なる状況に直面しますが、部長昇格時にそのことを認識していることはまれです。昇格後に直面する予期せぬチャレンジに対して、従来の強みを発揮しようとして、適応不全に陥ってしまうケースも多々あります。こうした状況を回避するため、昇格後の早い時期に部長職固有のチャレンジと、必要となるマインドやスキルについて理解し、適応への準備をすることが大切です。部長職の主なチャレンジには、次のようなことがあります。

  1. (1)管轄組織の規模が広がり、責任とプレッシャーのレベルが格段に上がる
  2. (2)事業経営の当事者として、不確実な状況でも意思決定しなければならない
  3. (3)個人ではなく「組織」を動かさなければならない

鍵となる場面や活動を認識する

部長職の役割には、「組織管理」と「事業経営」の2つがあります。「組織管理」とは、担当組織の業績責任の達成に向けて、方針・計画を徹底し、成員に実行してもらうといった組織を統制する役割です。「事業経営」とは、所属事業の将来を見据え、中長期的な戦略の実現に向けて関係者を巻き込み、現状を変えていく役割をさします。部長職のチャレンジの多くは、事業経営に関するものです。ここで事業経営の役割行動を開発することが、次期経営人材としての活躍の道を開きます。一方で、組織管理の役割行動にとどまってしまうと、いわゆる"大課長"的な状態に陥ってしまいます。そうならないためにも、部長職がとりわけ意識すべき活動は次の3つです。

  1. (1)中長期課題と足元の課題を同時実現する道筋を描く
  2. (2)組織の動き方を変えていくための戦略的な介入をする
  3. (3)継続的に革新し続けられる組織力を開発する

実践方法を習得する

部長職が早い段階で上記の活動に一歩踏み出せるようになるには、思考や行動様式の習得が有効です。中長期視点でのシナリオの描き方や組織への介入の仕方など、能力開発の機会は任用後の早い段階で設けるのがよいでしょう。


施策例

事例①:情報通信サービス関連企業 新しいチャレンジをインキュベーションする部長の早期育成

背景

  • グローバル競争に勝つ組織となるため、人材マネジメントのあり方の刷新が経営課題に浮上していた
  • マネジメントサイズの適正化を図ると共に、マネジメント層の意識や行動を変えていく教育施策に着手することとなった
  • 施策展開にあたっては、既存のマネジメント層のレベルアップと今後のマネジメント昇格時の教育体系の見直しを同時に行うこととなった

施策

  • 既存の全マネジャーにマネジメントのレベルアップと共通言語づくりのための研修を実施した
  • 新任部長層には、360°フィードバックと部方針策定を中心としたワークショップを実施し、課長や次長層とは異なる「部長として求められるマネジメント」について、現実の課題をもとに理解を促した
  • ワークショップ後には、一人ひとりに対してコーチングを複数回実施し、新任部長が直面するチャレンジに対峙し、乗り越えていくサポートを行った

成果

  • 部長の任用時に能力開発機会を提供したことで、対象者各自が現実に直面している課題そのものを検討できる機会となり、実践的なアクションプランが策定された
  • ビジョンや戦略が明らかになった人、自身が目指す状態と現実の矛盾を解決する糸口が見つかった人など、対象者全員がそれまでと異なる次元のマネジメント行動に向けて、自らシナリオをもって戦略課題を前に進めていく活動に踏み出した
  • コーチングでは、自身の意思決定や行動のあり方を振り返ることで、戦略推進とマネジメントとしての能力開発双方のPDCAを回す効果もあり、コーチングの継続を望む人が多く出た

事例②:小売関連企業 経営戦略の転換を現場に根づかせていく「支店No2」の育成

背景

  • 中長期を見据えた新たな経営ビジョンが打ち出され、実現に向けてボトムアップの動きが求められたが、現場は従来のトップダウン型マネジメントの行動からなかなか変化できずにいた
  • 特に、各エリアのトップを補佐する次長層の行動変革が期待されていた
  • 次長の位置付けや役割があいまいとの声が上がっていた

施策

  • 「知識を得る研修ではなく、現場に生かすことのできる研修」をテーマに、全次長を対象として、シニアマネジメントとして求められている役割を、シミュレーションを通じて学ぶ2日間の研修を実施した
  • 次長としてやるべきことについて共通認識を形成すると共に、特に担当組織のミッションを明らかにするワークを集中して行った
  • 研修後は、策定したミッションとそれを実現するための計画を、上司とメンバーとで共有する機会を設け、計画の進捗をフォローする仕組みを導入した

成果

  • 役割の自覚が促され、「次長として何をすべきか」というのがより明確になったという感想が多くよせられた
  • 上位方針をより明確に理解するために自ら情報収集する、上位方針を自分の言葉で部下に伝える、課長層とのコミュニケーション頻度を増やす、などの行動の変化が確認された
  • 結果的に、当面の業績を追いかけながら中長期的な支店のあり方や顧客ニーズについて支店全体で考える機会が増えた

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