連載・コラム
管理職層のマネジメント力強化
マネジメント人材の育成とは? マネジャーに求められる成果と活動
- 公開日:2024/04/01
- 更新日:2026/01/19
変化の激しい現代のビジネス環境において、組織の成長を左右するのは「マネジメント人材の質と量」です。優れたマネジャーは、チームの力を最大化し、メンバーの成長を促し、組織全体の成果を高めます。しかし、多くの企業が「次世代を担うマネジメント人材が不足している」「優秀なプレイヤーをマネジャーに昇格させても、うまく機能しない」という課題に直面しています。
本記事では、マネジメント人材を計画的に育成するために必要な考え方と具体的な方法について解説します。
- 管理職層のマネジメント力強化
- 部下育成力の向上
- 管理職層のマネジメント力強化
- 方針策定力の向上
- 管理職層のマネジメント力強化
- マネジメント人材の育成とは? マネジャーに求められる成果と活動
- 管理職層のマネジメント力強化
- マネジメントの現状点検
- 管理職層のマネジメント力強化
- 管理職・プロジェクトマネジャーの課題解決力強化
- 管理職層のマネジメント力強化
- 部長・経営幹部候補者の能力開発・評価
- 管理職層のマネジメント力強化
- 職場を動かすリーダーシップ開発
マネジメント人材育成の全体像を理解する
マネジメント人材の育成とは、組織の成果を最大化できる管理職を計画的に育てることです。単なる昇格や役職付与ではなく、「人を通じて仕事の成果をあげる」というマネジメントの本質を理解し、実践できる人材を意図的に育成することが求められます。
現代の企業では、プレイングマネジャーが増加しているものの、優れたプレイヤーが必ずしも優れたマネジャーになるとは限りません。マネジメント人材として成長するためには、以下のような役割を担える力を計画的に育てる必要があります。
【マネジメント人材に求められる主な役割】
- 自組織の方針や目標を定め、その目標実現に向けて業務が前に進むように最適な判断を行う
- 部下一人ひとりの育成責任を負い、業務アサイン・日常の関わりを通して、部下の成長を促す
- 他部署や社外と関係をつくり、自部署との連携を促進する
これらの役割を遂行できるマネジメント人材を育成するには、組織として以下の3つの観点から体系的な育成プログラムを設計することが重要です。
なぜ今、マネジメント人材の育成が重要視されるのか?
企業においてマネジメント人材育成の重要性が高まっている理由を、4つの視点から整理します。
【マネジメント人材育成が重要視される主な理由】
● 経営を担う次世代リーダーの不足
多くの企業で管理職候補となる人材の層が薄くなっています。少子高齢化や早期離職の増加により、将来の経営を担える人材を計画的に育成することが、企業の持続的成長に不可欠です。
● 急速な環境変化への対応力強化
AI、IoT、DXなどの技術革新や市場環境の変化に対応するには、変化を先読みし、組織を導けるマネジメント人材が必要です。従来のマネジメント手法だけでは通用しない時代において、継続的に学び、進化できる管理職の育成が競争優位の源泉となります。
● 組織エンゲージメント向上と人材定着の実現
優れたマネジメント人材の存在は、組織全体のエンゲージメントを高め、優秀な人材の定着を促します。「この上司のもとで働きたい」「この会社で成長できる」と感じられる環境づくりには、質の高いマネジメント人材の育成が不可欠です。
● 組織全体の生産性と競争力の強化
マネジメント人材の質は、組織全体のパフォーマンスに直結します。メンバーの力を最大限に引き出し、チームとして高い成果を生み出せるマネジャーを育成することが、持続的な成長を支える基盤となります。
マネジメント人材に必要な「役割認識」の育成
マネジメント人材を育成するうえで最初に取り組むべきは、マネジャーの役割に対する正しい認識を育てることです。
役割認識が不足すると、マネジャーとしての適応がうまく進みません。一般的にマネジャーに昇格する人は、メンバー時代に現場で高い業績をあげる方法に習熟しており、マネジャーになっても「自分が動いて成果をあげる」ことを優先しがちです。
一方で、長期的な部下の育成やキャリア支援、組織間の調整といった役割が意識から欠落すると、以下のような問題が起こる可能性があります。
【役割認識不足による主な問題】
- 部下からの信頼低下
- 部下の成長機会の喪失
- 中長期的な組織パフォーマンスの低下
- マネジャー本人の燃え尽き
そのため、マネジメント人材の育成では、昇格前後の段階でマネジャーの役割(図表参照)を明確に理解させ、自分の意識・行動を役割と照らし合わせながら、意識的なマネジメントを実践できるよう支援することが重要です。

マネジメント人材に必要な「活動プロセス」の理解
マネジメント人材を育成するには、会社固有の業務プロセスを理解させるだけでなく、マネジメントを機能させるうえで必要な普遍的なプロセスを体系的に教育することが重要です。
具体的には、「組織の運営方針・計画を作ったうえで、個々の仕事を設計し、メンバーに割り当て、進行をコントロールする」というマネジャーの5つの活動と、各段階で何を意識し、実行すべきか、というポイントを理解させることが有効です。

「管理職研修〈マネジメント基礎〉」では、マネジャーに必要な4つの成果と5つの活動について、具体的なケースを用いながら体系的に学んでいただけます。詳しくは詳細ページをご覧ください。
マネジメント人材育成で特に重視すべき「トランジション(役割転換)」の支援
併せて押さえておきたいのが、「プレイヤー」から「マネジャー」へのトランジション (役割転換)の支援です。
【トランジションに必要な意識と行動】
- これまで自ら動いて成果を出していた「プレイヤーとしての行動」を意識的に“抑える”
- チーム全体で成果を出すための「マネジャーとしての行動」を積極的に“伸ばす”
役割転換がうまく進まないと、部下に任せるべき仕事を自分で抱えてしまい、部下の成長機会を奪うことにもなりかねません。結果、中長期的にはチーム全体のパフォーマンスや組織の成果に悪影響を及ぼす可能性もあります。
マネジメント人材の育成では、このトランジションを組織的に支援する仕組み(研修、メンター制度、定期面談など)を整備することが成功の鍵となります。
詳細はトランジションデザインモデルの詳細ページからご確認いただけます。
マネジメント人材に必要な3つの重要スキルの育成
マネジメント人材を効果的に育成するためには、以下の基本スキルを体系的に教育することが重要です。
【マネジメント人材育成で重視すべき3つの重要スキル】
1.コーチングとティーチングを使い分けるスキル
部下の自律性を育む「コーチング」と、知識やスキルを的確に伝える「ティーチング」は、状況に応じて適切に使い分ける必要があります。マネジメント人材の育成では、この使い分けを実践的に学べる機会(ロールプレイング、ケーススタディなど)を提供することが効果的です。
2.成長を促すフィードバックスキル
フィードバックでは、人格を否定することなく、具体的な行動に焦点を合わせて評価や改善点を伝えることが重要です。質の高いフィードバックは、部下の行動変容を促すだけでなく、チーム内の信頼関係やエンゲージメント向上にもつながります。このスキルは座学だけでは習得が難しいため、実践と振り返りを繰り返す育成プログラムが効果的です。
3.納得感を高める目標設定スキル
目標設定は、企業の方向性と部下のキャリア志向をすり合わせるプロセスです。本人の納得感とモチベーションを引き出すことで、仕事への主体性が高まり、組織全体の生産性向上への貢献も期待されます。マネジメント人材育成では、目標設定の理論だけでなく、実際の面談シミュレーションを通じて実践力を高めることが重要です。
マネジメント人材育成で活用したい育成手法
マネジメント人材を効果的に育成するには、複数の手法を組み合わせ、段階的・継続的に学びの機会を提供することが重要です。
【マネジメント人材育成で活用したい主な育成手法】
● 階層別研修とOJTの連動
昇格前後の階層別研修でマネジメントの基礎を体系的に学ばせたうえで、実務を通じたOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)で実践力を高めます。研修とOJTを連動させることで、知識の定着と行動変容を促進できます。
● メンター・コーチ制度による伴走支援
新任マネジャーに対して、経験豊富な上位マネジャーがメンターやコーチとして伴走する仕組みは、マネジメント人材育成において非常に効果的です。この制度は、70:20:10の法則における「20%=他者からの学び」に該当し、日々の業務とは異なる視点や気づきを得る機会として機能します。なお、70:20:10の法則とは、人材の成長には「70%が実務経験」「20%が人との関わり」「10%が研修・自己学習」による学びがバランスよく必要だとする考え方です。
● アクションラーニングとケーススタディ
実際の経営課題や組織課題をテーマに、チームで解決策を検討するアクションラーニングは、マネジメント人材の思考力と問題解決力を高めます。また、他社事例や自社の過去事例を題材としたケーススタディも、実践的な判断力を養うのに有効です。
● ピアラーニング(同期型学習)の場づくり
同じ階層のマネジャー同士が悩みや経験を共有できる「ピアラーニング(相互学習)」の場を定期的に設けることも、マネジメント人材の継続的な成長に役立ちます。マネジャーは時に孤独になりがちですが、立場の近い者同士の対話は、学びと気づきの継続、心理的安全性の確保につながります。
● eラーニングとブレンデッドラーニング
マネジメントの基礎知識やコンプライアンス、メンタルヘルスなどの知識習得には、時間や場所に縛られずに学べるeラーニングが有効です。これを集合研修やOJTと組み合わせる「ブレンデッドラーニング」により、知識のインプットと実践のアウトプットを効果的に行き来できます。
これらの手法を、育成の目的や対象者の段階に応じて適切に組み合わせることが、質の高いマネジメント人材を継続的に輩出する組織づくりの基盤となります。
マネジメント人材に必要な管理業務知識の習得支援
マネジメント人材の育成では、管理業務を進めるうえでの最低限の知識として、「評価制度の運用」「コンプライアンス」「メンタルヘルス」「労務管理」といった知識を体系的に習得させることが重要です。
また、法令改正や社内の人事制度変更に合わせて、継続的に知識をアップデートする機会を提供することも求められます。これらの知識不足は、法的リスクや組織トラブルに直結するため、マネジメント人材育成プログラムの必須要素として位置づけるべきです。
マネジメント人材育成の施策事例
事例1:印刷・出版関連企業
新たな組織風土を形成するために必要な共通言語作り
【背景】
- 創業以来一貫して伸び続けてきた売上と利益が停滞し始めていた
- 強い商品をもっていたがゆえに、顧客の要求にこたえる力が弱くなっていた
- 優秀な従業員がたくさんいるのに、マネジャーがその力を生かしきれていないという問題意識があった
【施策】
- 「仕事」の管理は得意だが、「人」の管理が苦手なマネジャーに対して、マネジャーとしての基本的な考えを習得する機会を提供した
- また、顧客満足の向上を常に意識する風土を根付かせるために評価制度(行動評価の内容)を刷新し、新たな組織風土を形成するために必要なマネジメントの共通言語を作った
- これまで行動評価を行ってこなかったマネジャーが新しい仕組みをしっかりと運用できるように、グループ会社のマネジャーも含めた全マネジャーを対象に評価者研修を実施した
【成果】
- 施策の実施後、従業員意識調査内の「上司」と「顧客意識」に関する項目が、大幅に改善した
- 今後、マネジャーに対する研修は昇格時に必須で実施することになり、マネジメントの基本を継続的に浸透させる仕組みができた
- 会社としては、上記施策以外にも新たな風土の定着のためにさまざまな取り組みを行い続け、継続的に業績を伸ばした
- 管理職層のマネジメント力強化
- 部下育成力の向上
- 管理職層のマネジメント力強化
- 方針策定力の向上
- 管理職層のマネジメント力強化
- マネジメント人材の育成とは? マネジャーに求められる成果と活動
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- マネジメントの現状点検
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