発展ステージに照らして課題を認識 組織の「ひずみ」は、人事に解消できるか?

公開日:2015/01/21
更新日:2021/02/10

貴社の組織マネジメントは、組織の「発展ステージ」に適したものでしょうか?
弊社の調査・研究では、組織の発展に伴って人・組織の問題が生じ、その問題に応じて都度、組織マネジメントを進化させる必要があることが分かりました。そこで今回の特集では、組織の「発展ステージ」に照らして現在と未来の課題を認識できる「組織の発展モデル」をご紹介しながら、今後の組織マネジメントのヒントを考えていきたいと思います。


組織の発展が生む「ひずみ」とは?

A社「近年、事業の拡大とともに社員が増加している。現場からは、少人数でやっていた頃と比べて、社内の風通しが悪くなっているという声も上がっている。新しいマネジメントのスタイルを考える必要があるのではないか……」

B社「全社の方針に沿って、年度ごとに各事業部が前年のレビューと次年度計画を策定している。組織の規模が大きいため、全体最適を意識して、結果が予測できるものを計画に盛り込んでいるのはいいが、未知の領域へのチャレンジや投資ができていないのではないか……」

この2つは、弊社にお客様から寄せられる相談の一例です。A社は急成長を続けるベンチャー企業、B社は多くの人がその名を知る大手企業です。企業の規模も相談の内容も全く異なりますが、2つの相談には共通点があります。それは、それぞれの人事の悩みが組織の「発展ステージ」に起因しているということです。

人間が生まれてからいくつもの発達段階を経て成長するように、組織にも発展の段階(=発展ステージ)が存在します。組織の拡大・成熟に伴い、多くの企業ではこれまでのやり方が通用しなくなる状況、すなわち、組織の「ひずみ」に直面します。そして、人事が頭を悩ませる多くの問題は、この「ひずみ」の影響を少なからず受けているのです。
したがって、人事としては、この「ひずみ」を乗り越えて、効果的な組織マネジメントができるように手を打つことが重要です。しかし、現在の自社組織の「発展ステージ」を見定めることは簡単ではありません。ましてや、今後起こりうる事業拡大や環境変化を見越して、未来の人事課題を予見することは至難の業です。

では、人事はどのように組織の発展ステージを見極め、手を打つべきなのでしょうか? 次のページでは、まず4段階の「発展ステージ」についてご紹介します。

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