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内定者研修を効果的に実施する方法とは? 目的や内容、実施のポイントを解説

  • 公開日:2024/12/02
  • 更新日:2024/12/02

内定者研修は、新入社員のスキルアップのサポートや内定辞退の抑止といったさまざまな効果が期待できる取り組みです。この記事では内定者研修の具体的な内容や、効果的に実施するノウハウについてまとめました。

内定者研修とは

内定者研修とは、企業が内定者のスキルアップやモチベーションアップのために、採用前に実施する研修のことです。内定者の確実な獲得のため、もしくは内定者に期待感や安心感を提供するための「内定者フォロー」の一環として、多くの企業が実施している施策といえます。

なお、内定者研修は企業と内定者の雇用関係が成立していない入社前に実施されることから、参加の有無については任意とする必要があります。企業が内定者研修への参加を強制した場合や、業務範囲内の作業を指示したにもかかわらず賃金を支払わなかった場合などは違法となる可能性がある点に注意しましょう。

内定者研修の目的

内定者研修を実施する目的としては、以下の3つが挙げられます。

内定者の悩みや不安を解消するため

1つ目の目的は、内定者の悩みや不安を解消するためです。

「内定をもらってから実際に入社するまで」のタイミングは、多くの内定者にとって就活の結果を自分なりに振り返る期間になります。人によっては、「本当にこの企業が自分に合っているのだろうか」「入社後もやっていけるだろうか」と不安に駆られることも珍しくありません。そこで、研修を通して業務の具体的なイメージを伝えたり、内定者同士でのコミュニケーションを取りやすくしたりすることで、不安の解消を促すことが可能です。内定者の定着にも繋がるでしょう。

スキルを磨いて即戦力として活躍してもらうため

2つ目の目的は、社会人としてのスキルを磨いて即戦力として活躍してもらうためです。

これから社会人になる学生のなかには、「社会に出ること」そのものに不安を抱えている人もいるでしょう。内定者研修でビジネススキルの一端を学べるようにすれば、社会人としての準備を促すことができます。ビジネスマナーやプレゼンテーションのノウハウを入社前に身につけてもらうことで、入社後に即戦力として活躍しやすくなるところもメリットといえます。

内定辞退を防止するため

3つ目の目的は、内定辞退を防止するためです。

内定者は就活を一旦終えた状態ではありますが、より志望度の高い企業から内定が出た場合や、選考時のイメージが悪い場合などは、内定辞退に踏み切ることがあります。内定者研修で早めに内定者とコミュニケーションを取ることで、早期退職や内定辞退を防ぎ、優秀な人材の定着に繋げやすくなります。

内定者研修の内容

内定者研修は、これから初めて社会に出る内定者の不安払拭やスキルアップのサポートを目的としています。よって研修内容も、ビジネスマナーをはじめとする社会人スキルや、社会人としてのマインドセットが身につくプログラムが望ましいでしょう。

ビジネスマナー

挨拶の仕方や目上の人に対する言葉遣い、名刺交換や電話、メールの応対方法といった、新社会人にとって不可欠なビジネスマナーをレクチャーします。併せてビジネスマナーとは堅苦しいルールではなく、相手に対する思いやりであるという認識を持ってもらい、ビジネスマナーに対する苦手意識も和らげていくとよいでしょう。

社会人としてのマインドセット

仕事に対する責任感やキャリア形成など、社会人として求められるマインドセットをレクチャーします。これから社会人になる学生にとって、社会人としてどのようなマインドセットを持つことが望ましいかということは実感が湧きにくいものです。そのため、座学に加えてグループワークも行い、同期と意見交換をしながら学生から社会人になるにあたってのマインドセットの転換について考えられるようにする方法もお薦めです。

OAスキル

資料作成やデータ整理に必要となる、OA(オフィス・オートメーション)スキルをレクチャーします。昨今はスマートフォンの普及もあって、パソコンの操作に慣れていない学生も珍しくありません。各種オフィスソフトの使い方やタイピングの練習法をあらかじめ教えておくことで、入社後に任せる仕事の幅を広げることが可能です。

伝えるスキル

ビジネス文書の書き方やプレゼンテーションの仕方など、相手に物事を伝えるスキルをレクチャーします。ビジネスでは社内外のさまざまな関係者に自分から意見を発信していく姿勢が求められますが、不慣れなうちは人前での話し方やプレゼンテーションの進め方が分からず、戸惑ってしまうケースも多いです。入社前に、自分の意見を限られた時間で伝えるスキルを教えることで、入社後の対応力の底上げに繋がるでしょう。

内定者研修を効果的に実施する方法

より効果的な内定者研修を実施するには、企業側の準備が不可欠です。ポイントとしては、対象者である内定者の現状やニーズを把握することや、研修のゴールを設定することを意識するとよいでしょう。

研修の目的・目標を明確にする

まずは内定者研修のゴールを設定します。「内定者研修を通して、人材をどこまで成長させたいのか」「入社までにどんなスキルやマインドを学んでほしいのか」といった研修の目標を決めることで、内定者研修の方向性はもちろん、研修頻度やスケジュールの目算を立てることが可能です。また、内定者研修の目的を周囲や学生から問われた際にも、適切に回答できるようになります。

内定者のスキルや特徴、抱えている不安や悩みを把握する

内定者研修の設計にあたり、内定者が現在持っているスキルや、抱えている不安や悩みを把握しておくことをお薦めします。内定者の実際の声をアンケートや面談などでヒアリングすることにより、内定者の実態を反映した研修内容を目指すことができます。なお、研修準備のためのヒアリングは簡単なアンケート形式など、できるだけ内定者の負担にならない方法を選びましょう。

内定者のニーズに合った内容を取り入れる

内定者研修の設計に際して、「先輩社員や同期と交流したい」「入社後の仕事のイメージを持ちたい」といったニーズをヒアリングしておくことも大切です。内定者のニーズを研修内容に取り入れることで、研修に参加する意義が生まれやすくなり、モチベーションの向上にも繋がります。

現場で必要となる内容を盛り込む

併せて、内定者の配属先部署のニーズも把握しておくとよいでしょう。「これくらいのビジネスマナーは身につけてきてほしい」「外部とのやり取りが多いので、電話応対がスムーズにできる状態にしてほしい」といった要望を研修内容に取り入れることで、配属後の業務もスムーズに進みやすくなります。

内定者研修の頻度とスケジュール

最後に、内定者研修の頻度や、入社までの研修スケジュールの目安をご紹介します。

内定者研修の頻度

内定者研修は、一般的に内定式を実施した後から入社日までの間に行われます。国内企業では10月1日に内定式、翌4月1日に入社式を行うことが通例であるため、内定者研修は10月~翌年3月の期間に月1ペース、もしくは2~3カ月に1回の頻度で行われることが多いです。

入社6カ月前:会社理解、内定者同士の交流

内定者研修は、まず内定者同士の顔合わせや企業理解を深めてもらうカリキュラムから入り、入社が近づくにつれてより実践的な内容にしていく流れが一般的です。

入社6カ月前の内定者研修では、企業理念や業務内容といった、会社理解に役立つプログラムを実施します。インターネットの情報や企業からの配布物ではなく、先輩社員から直接仕事のやりがいや企業の魅力を伝えることで、入社への期待感を高めることが可能です。内定者同士の交流を促したい場合は、自己紹介ゲームやグループワークといった参加型のセッションを取り入れるとよいでしょう。

入社4カ月前:社会人としてのマインドセット

入社4カ月前の内定者研修では、社会人としての心構えを取り上げます。具体的には、社会人になると今まで以上に自身の行動に責任が伴うことや、何事も受け身ではなく自発的に取り組んでいく必要があること、仕事に対する向き合い方、キャリアについて考える大切さなどが挙げられます。

入社3カ月前:ビジネススキル習得

入社3カ月前の内定者研修からは、OAスキルやビジネスマナーといった、入社後の業務に役立つビジネススキルをレクチャーします。あらかじめ、学生や配属先部署に需要の高いスキルについてヒアリングを行っておくと、内定者と企業双方にとって満足度の高い研修内容に仕上げやすくなるでしょう。

まとめ

内定者フォローの一環として多くの企業で実施されている、内定者研修の概要や具体的な進め方についてご紹介しました。

内定者研修は入社前の不安払拭や内定辞退の防止が期待できるほか、業務中に役立つスキルを前もってレクチャーできるところが魅力です。ただし内定者研修は基本的に任意参加であることから、新入社員向けの教育は別途必要となります。弊社では、社会人としてのマナーやビジネススキルが身につく新入社員向けの研修を多数ご用意していますので、興味がある方はぜひ下記ページもご一読ください。

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