用語集
DX研修とは? 実施する目的やメリット、内容を解説
- 公開日:2024/12/02
- 更新日:2024/12/02
DX研修とは、デジタル技術を用いて業務や働き方、ビジネスモデルを変革する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を推進するために、必要な知識やスキルを身につける研修です。この記事ではDX研修の目的やメリット、実施する際の注意点などについて分かりやすくご紹介します。
DX研修とは
DXとはデジタル技術を活用して、業務やビジネスを変革することを指します。DX研修とは、DXに関する基礎的な知識やスキル、マインドなどを身につけるための研修です。DXを推進するためには、デジタルに精通し、企業の優位性を高める「DX人材」が不可欠。そのためDX研修を取り入れて、自社でDX人材を育成する企業が増えています。
DX研修で身につけるのは、ITツールやデータの活用といったデジタル技術だけではありません。DXを実践するためのマインドやスタンスなども含まれ、研修プログラムの内容は多種多様です。経営層やDX推進担当者、メンバーといった階層によっても、学ぶ内容が変わってきます。各層に合ったDX研修を効果的に行うことが、DXを円滑に進めるカギといえるでしょう。
DX研修の目的
DX研修の目的は、DXを推進する人材を自社で育成することです。現在のビジネスシーンにおいて、業務効率化や利益向上を実現するDX化、およびその推進を担う人材を多くの企業が必要としています。しかしDX人材を確保するのは非常に難しいのが現状です。
実際に総務省の「情報通信白書」によると、DX推進の課題・障壁として、41.7%の企業が「人材不足」と回答。米国・中国・ドイツの3カ国に比べて、日本のDX人材は圧倒的に不足していることが分かります。
DX人材を外部から確保したくても、日本全体で人材が不足している現状では、採用は難しいでしょう。そこで、社内の人材をDX人材に育成するのがDX推進の近道だとして、DX研修が求められるようになりました。現在多くの企業が、DX推進に必要なスキルやITリテラシーの向上に向けた研修を実施しています。
DX研修を実施するメリット
社内人材にDX研修を行うことには、さまざまなメリットがあります。
従業員のリスキリングに繋がる
リスキリングとは、業務に必要なスキルを新たに習得することです。政府もリスキリングを推奨しており、内容によっては補助金や助成金を活用できることもあります。DX推進が求められている昨今、AIやIoTといったデジタル分野のリスキリングにも注目が集まっています。従業員が最新のデジタル技術を習得することで、業務効率化や新しいアイディアの創出が期待できるでしょう。
社内人材を活用してDXを推進できる
DX人材の採用が難しい今、社内の人材のみでDXを推進できる体制の構築が重要です。例え外部からDX人材を採用できたとしても、自社のビジネスを理解していなければ、具体的な施策に落とし込むことは難しいでしょう。しかし自社の人材であれば、会社のビジョンや戦略をよく理解しているため、組織の現状に合わせてDX化を進めることができます。
一貫性のあるシステムを構築できる
DXは中長期的な取り組みです。最初は外部にDX支援を委託していたとしても、いずれは内製化するのが理想です。外部サービスに頼り切って、社内のDX人材育成を行わないでいると、ノウハウの蓄積が難しくなります。その結果、委託先や担当者が変わった際に、情報共有や引き継ぎが上手くいかないなどのトラブルが生じる可能性も。長期的に外部サポートを受けることで、コストも膨大になります。一方、社内にDX人材がいれば、社内で運用しているものと互換性のあるシステムで、一貫性を持ってDXを進めることができます。
DX人材に求められるスキル
DX推進に欠かせないDX人材ですが、具体的にどのような知識やスキルが必要なのでしょうか?経済産業省は、DX人材の確保・育成の指針として「デジタルスキル標準」を策定しています。具体的な要件を知ることで、自社に必要な人材像が明確になり、人材の確保や育成に取り組みやすくなるでしょう。
デジタルスキル標準は、以下の2つに分けられて、それぞれ必要なスキルを定義しています。
DXリテラシー標準
経営層を含む、すべてのビジネスパーソンが習得するべきスキルです。一人ひとりが身につけることで、DXを自分ごとと捉え、変革に向けて行動できるようになることが求められています。具体的には以下の4点です。
●マインド・スタンス
社会変化のなかで新たな価値を生み出すために必要な意識・姿勢・行動
●DXの背景
社会の変化、競争環境の変化、顧客価値の変化などの知識
●DXで活用されるデータ・技術
データに関する知識や、AI・クラウド・ハードウェア・ソフトウェアなどのデジタル技術に関する知識
●データ・技術の利活用
データやデジタル技術を活用する方法、セキュリティやモラル、コンプライアンスに関する知識
DX推進スキル標準
DX推進で必要となる、専門性を持った人材が対象です。人材のタイプを5つに分け、それぞれの役割や習得すべきスキルを定義しています。
DX推進スキル標準で定義されている人材は、以下のタイプです。
●ビジネスアーキテクト
●データサイエンティスト
●サイバーセキュリティ
●ソフトウェアエンジニア
●デザイナー
DX研修の内容
ひと口にDX研修といっても、内容は多岐にわたります。従業員の階層によっても学ぶ内容が変わってくるでしょう。
例えば従業員一人ひとりのDXリテラシー向上には、DXの基本的な知識や、業務を効率化するためのツール活用術、データ分析方法などが有効です。DX推進担当者には、役割に応じた専門的なスキルに加え、組織を巻き込むためのリーダーシップ力やコミュニケーションスキルなども重要となるでしょう。経営層は自社のDXにおける課題への理解や、今後の戦略を打ち出すためのマインドも養う必要があります。
DXというと、デジタル化やAIといったテクノロジーの導入をイメージする人も多いでしょう。しかし、それはDXの本質ではありません。「デジタル技術を活用して、いかに業務を変革し、企業の優位性を高めるか」、それがDXの本質です。そのためITやデジタルに関する知識やスキルはもちろん、「そのデジタル技術を業務にどう生かすか」という、DXを実践するための思考方法を身につけることが重要です。
DX研修を実施する際の注意点
DX研修を効果的に実施するためには、いくつかの注意点があります。ここでは3つのポイントをご紹介します。
DX研修の目的を明確化する
自社のDX推進の方向性や、必要な人材像が曖昧なままだと、DX研修を行ってもなかなか効果が表れません。まずは「DXで何を実現したいのか」という目標と、実現に向けた戦略を明確にしましょう。そうすることで育成するべき人材像が見えてきます。目標を決めたら、ゴールと期限も具体的に設定しましょう。いつまでに、どのような状態を目指すのかを明確にすることで、DX研修が設計しやすくなります。
経営層が主導してDX推進を行う
DXの推進には、組織全体の制度や風土などを根幹から変えていく必要があります。また従業員一人ひとりの意識を高めることも不可欠。そのため経営層が率先してDX研修に取り組む姿勢を見せることが重要です。経営層のリーダーシップのもと研修を進めることで、DXの取り組みが社内全体に浸透しやすくなり、従業員のモチベーションも高まるでしょう。
従業員のDXスキルレベルに合わせて実施する
従業員のDXスキルはさまざまです。本人のレベルに合わない研修を行うと、思うような効果は得られません。DX研修を行う際は、まず従業員のDXスキルレベルを把握することが重要です。経済産業省の「DXリテラシー標準」や「DX推進スキル標準」をもとにスキルマップを作成するなどして、従業員のスキルを可視化しましょう。そのうえで一人ひとりのレベルに合わせた研修を実施することが大切です。
まとめ
DX人材の育成は多くの企業にとって喫緊の課題でしょう。しかしDXのノウハウがない企業にとっては、ハードルが高いのも事実です。外部のDX研修を上手に活用しながら、DX人材を確保できる体制を整えていただければと思います。
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