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行動変容とは? 部下の意識・行動を変える効果的なアプローチについて解説

  • 公開日:2024/09/11
  • 更新日:2024/09/11

人材育成やマネジメントに取り組むうえでは、人の意識が変わり、行動に表れるまでのプロセス「行動変容」を知ることが大いに役立ちます。本記事では、そんな行動変容の仕組みや、行動変容を促す方法を紹介します。

行動変容とは?

行動変容とは、人間の考え方が変化することで行動や習慣が変化し、その変化が定着していく一連の流れを表す言葉です。行動変容の原理はマネジメントなど、人に影響を与えて行動を促すあらゆる取り組みに応用できることから近年注目を集めています。

行動変容という概念は、もともとは医療用語として、1980年代に禁煙を促す方法を研究するなかで生まれました。以降は生活習慣の改善や感染症予防などの場面で活用されてきましたが、最近ではビジネスにおいても取り入れられるケースが増えています。

人間の行動は無意識的に行っているものが多い一方、メリットやリスクを感じるといった心の動きが発生することで、意識的に行動や習慣が変わることがあります。人材の育成や管理においても、そのような行動変容を起こすことが重要になります。

行動変容の5つのステージモデルと効果的なアプローチ方法

行動変容が進んでいく過程は、大きく5つのステージ(段階)によって表されます。ここからは、各ステージの特徴と効果的なアプローチ方法を紹介していきます。

無関心期

対象となる行動を6カ月以内に実行する意思がない状態は「無関心期」、つまり行動変容がまだ起こっていない状態とみなされます。行動変容が起こらない主な要因としては、行動にメリットを感じていない、すでに一度失敗しているといったことが挙げられます。

無関心期にある相手を行動変容につなげたい場合には、行動に対する動機付けから行うことが大切です。まずは行動を起こすメリットや行動を起こさない場合のリスクを伝え、理解してもらうことを優先しましょう。

関心期

行動に対する意識が変わりはじめ、6カ月以内に行動を起こす意思が生まれている段階は「関心期」と呼ばれます。ただし、関心期は行動する必要性は認識しているものの、何らかの理由からすぐには行動できない、行動する意思が薄いといった心理状態にあります。

そのため関心期では、行動することの価値をより強く実感させることによって実行を促します。具体的には、すでに行動している人物をモデルケースとして紹介し、実際に行動した場合の将来像をイメージさせるといった方法が効果的です。

準備期

関心期からさらに行動への意識が高まると、1カ月以内に行動を起こす意思のある「準備期」へと移行します。準備期の特徴は、「行動したい」という意思がはっきりと固まっており、実行に向けた準備をはじめている点にあります。

準備期はすでに十分な意欲があり、そのままでも行動を実行する可能性が高い状態です。とはいえ、確実に行動を起こさせたいのであれば、先に必要なものを揃えたり、目標を公言させたりすることで実行する環境を整えるのがよいでしょう。

実行期

実際に行動を起こした段階である「実行期」は、具体的には行動をはじめて6カ月以内の段階を指します。しかし、まだ行動をスタートして間もない実行期は、十分にメリットを実感できておらず、そのままでは準備期以前の段階に戻ってしまう可能性のある状態です。

行動変容を完了させるためにも、実行期には周囲が声がけやサポートを行い、モチベーションを高めて行動の定着を図る必要があります。

維持期

「維持期」は行動を継続して6カ月以上経ち、行動のメリットも十分に実感できている状態です。維持期には行動はすでに習慣化しており、行動変容はほぼ完了しているといえます。

ただし、場合によっては行動を途中でやめてしまい、前の段階へと後退してしまう可能性がないとは言い切れません。可能な限り実行期と同等のサポートを継続し、さらなる習慣化を図っていくことが推奨されます。

ビジネスの場で行動変容を促すコツ

ビジネスシーンにおいて行動変容を促すうえでは、以下のようなポイントを意識することがよりよい結果につながります。

部下が主体的に動けるようにする

従業員に行動変容を促す際には、たとえ相手が部下であっても、上の立場から命令するようなやり方はなるべく避けた方がよいでしょう。一方的な指示では、その場の行動を変えることはできても、本人の意識まで変化させることは困難なためです。

行動を継続させたいのであれば、相手の主体性を大切にし、あくまで自分の意思で実行できるようサポートに徹することが大切です。例えば、行動することのメリットを教えて、まずは関心を持たせることも1つの方法です。

モチベーションを維持しやすい環境をつくる

一度動き出した行動変容を止めないためには、従業員のモチベーションをいかに高く維持できるかという視点も必要です。なかでも効果的なアプローチとして挙げられるのが、経験学習サイクルやPDCAサイクルといった考え方の実践です。

これらの考え方は、行動の過程で評価や振り返りといったプロセスを挟むことから、行動変容の効果を実感するうえで大きな助けとなります。ほかには、フィードバック体制を整え、行動変容の成果を上司から直接伝えるといった取り組みも有効です。

組織の人間関係を良好に保つ

良好な人間関係のなかで交わされる従業員同士のコミュニケーションも、ビジネスシーンでの行動変容においては重要な役割を果たします。気軽に悩みを相談できる同僚や上司の存在は、行動変容の過程にある従業員にとって心強い安心材料となります。

社内SNSの導入やグループディスカッションなどの取り組みを通じてコミュニケーションの活性化を支援すれば、行動変容はよりスムーズに進むはずです。

まとめ

人材の行動を意識レベルから変えるためには、行動変容の仕組みを理解し、段階ごとに適切にアプローチを行う必要があります。特に、企業の中核を担う管理職やマネジャーには、従業員が高いモチベーションで主体的に働けるような環境の整備が求められます。

とはいえ、マネジメントを取り巻く要因が複雑化を続ける現代において、自分のやり方だけで行動変容を実現するのは容易ではありません。以下のような研修を活用して、より効果的に人材の意識に働きかけるノウハウを学ぶことが大切です。

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