用語集
1on1とは 面談との違いや話すことがない場合の対処法を解説
- 公開日:2020/08/07
- 更新日:2024/12/20
1on1ミーティングとは定期的に部下と上司が1対1で行う面談(対話)のことで、近年導入する企業が増えています。
また、最適な目標を設定して部下と上司が共有する「目標設定面談」、設定した目標の進捗状況を振り返り、後半の目標や課題を確認する「中間面談」、評価結果を伝え、次期の目標や課題を明確化する「評価面談」などとは区別されます。
ここでは、1on1ミーティングを行う目的と進め方について解説します。
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1on1ミーティングについて
上司と部下が対話を行う1on1ミーティングですが、人事評価面談とはどのように異なるのでしょうか。ここでは、面談との違いと、1on1ミーティングが注目されるようになった背景などを解説します。
1on1ミーティングと人事評価面談の違い
1on1ミーティングと人事評価面談は、主に目的や進め方、頻度などが異なります。
【1on1ミーティング】
- 目的:部下の成長促進や組織力の強化
- 進め方:上司と部下の対話形式となり、上司が部下の意見や悩みに耳を傾ける
- 話題:業務の進捗や課題、キャリア相談、日常の健康チェックなど多岐にわたる
- 頻度:週1回から月1回
【人事評価面談】
- 目的:目標の設定や進捗確認、人事評価のフィードバック
- 進め方:上司からの一方的なコミュニケーションが多い ※
- 話題:目標達成度の確認や評価内容の説明が中心
- 頻度:四半期や半期に1回
※部下の今後の目標を決める際など、双方向のコミュニケーションになる場面もあります。
以上のように、1on1ミーティングは部下の育成や信頼構築を重視し、人事評価面談は評価と結果の共有が主な目的です。それぞれの特性を理解し、目的に応じて活用することが重要です。
1on1ミーティングが注目される理由・背景
1on1ミーティングが注目される背景には、働き方の多様化やリモートワークの増加による社員間のコミュニケーション機会の減少があります。部下が上司に相談しやすい場を定期的に設けることで、問題が深刻化する前に解決への手助けができるのです。また、個々のキャリアや仕事に対する意識の複雑化にともない、一律の教育ではなく、各自の成長に応じた支援が必要となっています。
1on1ミーティングの実施頻度が目標達成度によい影響を及ぼすとされており、定期的な対話が部下のモチベーションや生産性向上にも役立つ可能性が高まっています。優秀な人材の離職を防止し、変動性や不確実性が増すVUCA時代に自律的に考え行動できる人材を育てるためにも、1on1ミーティングは重要な施策として注目されているようです。
1on1ミーティングを行う目的
1on1ミーティングの目的を十分に理解しないまま実施している場合も少なくありません。1on1ミーティングを有効活用するためにも、以下の目的をしっかりと認識することが大切です。
部下の行動と学習を促進する
1on1ミーティングの目的の1つは、部下の行動と学習を促進することです。部下に「面談を通してどのような気づきを得られたのか」「小さな一歩として具体的に何ができるのか」「新しいことにいつから取り組みたいのか」などの質問をしたり、目標に対する進捗確認をしたりすることで、これから何をしなければならないのか明確なイメージを持てるようになります。
部下の仕事への意欲を高める
部下とコミュニケーションを取る機会の少ない上司にとって、定期面談は部下のモチベーションを高めるための貴重な機会です。部下が本音で話してくれたことに対する感謝の言葉を伝えたり、「手ごわい案件も一緒に頑張ろう」と勇気づけたりすることで、部下のやる気を引き出すことができます。
1on1ミーティングで得られるメリット
ここまで1on1ミーティングを導入する理由や目的について見てきました。以下では、1on1ミーティングで得られるメリットについてご紹介します。
部下との信頼関係が構築される
1on1ミーティングでは、日常業務で生まれがちな「分かっているだろう」という思い込みを排除し、業務やプライベートの悩みまで幅広く話し合うことで、双方の理解が深まります。この対話が部下に心理的安全性をもたらし、何でも気軽に相談できる関係を構築します。
また、1on1ミーティングを通じた定期的なコミュニケーションは、部下の不安や不満を早期に解消するきっかけとなり、突然の退職といった事態を防ぐ効果も期待できます。上司と部下が互いの考えを共有することで、組織のパフォーマンス向上にも寄与し、健全な職場環境を作る土台となるのです。
部下の成長速度が上がる
部下が自身を振り返り、成長のきっかけを得る場としても、1on1ミーティングは効果が期待できます。例えば、上司からのフィードバックは部下に自身の長所や課題を認識させ、次の行動につなげる指針を与えます。
また、対話を通じて上司が部下の努力や進捗を細かく把握し、適切な評価を行うことは、部下のモチベーションや帰属意識を高めるでしょう。部下にとってこうした評価は大きな原動力となり、自発的な行動を促す可能性があります。
以上のように、1on1ミーティングは、部下が自身の能力を引き出し、成長を加速させるための貴重な機会となり得るのです。
部下のやる気を引き出す1on1ミーティングの進め方
部下のやる気を引き出すためには、1on1ミーティングをどのように進めればよいのでしょうか。主なポイントは以下の3つです。
【1】事前に内容を組み立てる
1on1ミーティングは、「オープニング(面談で話す内容を決める)」「部下の話を聴く」「行動と学習を促す」「必要なサポートを確認する」「クロージング」の5つのプロセスから構成されます。そのため、各プロセスで何が必要かを把握しておきましょう。
特に、部下に対する質問は事前に考えておくことをお薦めします。
【2】部下が話をしやすいように働きかける
1on1ミーティングは部下のための時間であり、上司が一方的に話をするのは不適切です。面談で話す内容や面談の進め方を決めるときは、部下の主体性を保つようにしましょう。なぜなら、部下に問いかけたとき、気持ちをストレートに伝えてくれるとは限らないためです。部下の表情やしぐさなどの非言語情報を含め、部下の今の気持ちや発言の真意を推し量りましょう。
【3】信頼関係をつくる
1on1ミーティングで困るのが、部下が「話したいことが何もない」と答える場合です。部下は威圧感を与えられると、言いたいことがあっても口をつぐんでしまいます。
だからこそ、受容的態度で部下に接し、信頼関係をつくることが大切です。具体的には「相手の発言に対して適度に相槌を打つ」「声のトーンや大きさ、話すスピードを調節する」「相手の動作やしぐさをまねる」などを心がけましょう。
1on1ミーティングを行う際の注意点
1on1ミーティングは上司と部下の双方で行うため、注意点も存在します。
決めた時間を有効に使う
1on1ミーティングの限られた時間を有効に活用するために、上司が一方的に話す場にしてしまうと本来の目的を果たせません。上司は、部下の話に耳を傾けることを第一に考え、部下が抱える課題や思いを深掘りすることに集中する必要があります。
効率的な時間管理のためには、事前に議題を設定し、進行をスムーズにする工夫が求められます。また、1on1ミーティングの負担を軽減するために、時間管理ツールやミーティング支援ツールを活用し、情報共有や進捗確認の効率化を図ることもお薦めです。計画的かつ柔軟に対応することで、部下の成長を支える有意義な時間をつくり上げましょう。
雑談だけで終わらないように話すことを事前に決める
繰り返しの内容になりますが、1on1ミーティングでは話す内容を事前に決めておくことが大切です。話題がないままミーティングに臨むと、部下が「話すことがない」と感じ、ただの雑談で終わってしまう可能性があります。このような状況を避けるために、ミーティング前に議題やテーマを準備し、部下と共有しておきましょう。
部下が話しやすい空気をつくる
1on1ミーティングでは、部下の話に相槌を打ち共感を示しながら、部下が自由に考えを表現できる場を提供することが大切です。上司による「なぜ?」の連発や話を遮る行為は避け、部下の意見や感情を否定せずに受け止めましょう。
また、傾聴の姿勢を意識し、相手の立場に立って話を理解しようとすることが重要です。部下が話しやすくなるよう、上司自身が心を開いて率直に話をすることで、信頼関係の構築にもつながります。さらに、解決策を急いで提示するのではなく、部下が自ら考えを深められるよう、適切な問いかけでサポートすることも話しやすい空気づくりに寄与するでしょう。
1on1ミーティングに関するよくある質問
ここまで1on1ミーティングについて解説してきました。以下では、よくある質問をご紹介します。
1on1ミーティングで話すことがない場合はどうすればいいですか?
事前に準備を行っても、進捗が芳しくなかったり、信頼関係がまだ築けていなかったりする場合、会話が続かない可能性もあります。その場合は、過去の1on1ミーティングの内容を振り返り、途中までの進捗確認や新たな課題を探ってみましょう。
また、部下の業務上の悩みやキャリア目標、プライベートな関心ごとなど、話題の幅を広げることで継続的な対話につながる可能性があります。まずは準備を怠らず、事前の計画をもとに進行し、それでも難しい場合は一時的にテーマを変えてみるのもお薦めです。
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1on1ミーティングに意味がないと感じてしまいます
1on1ミーティングが部下に意味がないと思われてしまうのは、やり方に問題がある可能性があります。上司が一方的に話すだけだったり、叱責やアドバイスばかりになってしまったりでは、部下は本音を話しづらくなり、モチベーションを失ってしまいます。また、部下の特性や状況を無視した画一的な対応は、ストレスを与える原因にもなります。
効果的な1on1ミーティングにするためには、部下の特性に合わせたコミュニケーションを心がけることが重要です。SL理論(リーダーシップを説明型、説得型、参加型、委託型の4つの型に分類する理論)のように状況に応じてリーダーシップの型を変え、部下の成長段階に応じたサポートを行いましょう。
さらに、話題の選定にも注意を払い、プライベートに踏み込みすぎるような内容やハラスメントに該当する可能性のある話題を避けることが必要です。適切な内容で対話を深めることで、1on1ミーティングの価値を部下に実感してもらうことができます。
おわりに
準備をせずに1on1ミーティングを実施しても、意図した結果は得られません。密度の濃い面談にするためには、面談に向けて事前に準備することが大切です。1on1ミーティングの目的および、面談の進め方を把握したうえで部下のやる気を引き出しましょう。
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