連載・コラム
中小企業はどのように組織づくりをしていけばよいのか?
第4回 Main Player編 ~中堅社員の特徴と期待される役割~
- 公開日:2025/03/03
- 更新日:2025/03/03

本連載では、「中小企業の組織づくり」をテーマに、組織における階層別育成の考え方をご紹介しています。
第1回では、組織階層の変遷、昨今のフラット化からの揺り戻しで求められる階層別期待役割について取り上げました。社会人が入社してから社長になるまでに10のステージ(階層)があり、それぞれのステージで期待されている役割、期待された役割を全うするために必要なスキル、経験などをまとめた「トランジション・デザイン・モデル」についてご紹介しました。

第4回の今回は、今の中堅社員に期待される役割と実践へのつなげ方のヒントをお伝えします。
- 中小企業はどのように組織づくりをしていけばよいのか?
- 第6回 Leading Player編 ~中堅社員(リーダークラス)の特徴と期待される役割~
- 中小企業はどのように組織づくりをしていけばよいのか?
- 第5回 Main Player編 ~転換キーワードは周囲への影響力~
- 中小企業はどのように組織づくりをしていけばよいのか?
- 第4回 Main Player編 ~中堅社員の特徴と期待される役割~
- 中小企業はどのように組織づくりをしていけばよいのか?
- 第3回 Starter編 ~新人の伸ばし方とは~
- 中小企業はどのように組織づくりをしていけばよいのか?
- 第2回 Starter編 ~新人の特徴と期待される役割~
- 中小企業はどのように組織づくりをしていけばよいのか?
- 第1回 上下関係のある組織とフラットな組織
(1)中堅社員の特徴とは
今回は中堅社員にフォーカスを当てたいと思います。
この層の特徴として、対象となる社員の幅が大変広いことが挙げられます。早ければ入社2年目から、マネジャーに昇進していない50歳代でも中堅社員に含まれます。
年齢、経験などを考えても、「中堅社員」を一括りで考えることは難しく、弊社トランジション・デザイン・モデルでも、「Player=プレイヤー」「Main Player=メインプレイヤー」「Leading Player=リーディングプレイヤー」の3つのステージに区分、定義されています。
「Player=プレイヤー」
新人から中堅社員になりたての方、入社2~4年目を目安としてよいでしょう。
Starterステージで身につけた社会人の基本を土台とし、担当業務を持って仕事の仕方を習得するステージです。
「Main Player=メインプレイヤー」
Playerで一定の経験を積み、いよいよ周囲からは一人前としてみられ、難度の高い仕事においても安定して成果をだすために、力をつけるステージです。
「Leading Player=リーディングプレイヤー」
業績などで大きな成果を上げ組織に貢献することはもちろん、マネジャーの組織づくりの補佐なども行い、次のマネジャー候補として目されるような人材です。
今回は、このなかでも対象となる方が最も多いであろう「Main Player=メインプレイヤー」に焦点を合わせていきたいと思います。
(2)期待役割とは
「Main Player=メインプレイヤー」の皆さんに対して、どのような期待役割があるかみていきたいと思います。
弊社トランジション・デザイン・モデルでは、「Main Player=メインプレイヤー」の期待役割を以下のようにまとめています。

第2回にてご紹介したStarter=新人層に対する期待役割は「まずは自分の仕事を1人でできるようになる」ということでしたが、「Main Player=メインプレイヤー」になると、自分で業績を作って組織に貢献したり、一定の専門性を発揮したり、組織の内・外とよい関係性を保ちながら力を発揮していくことが求められてきます。言い換えると、「まずは1人でできるようになる」というところから“貢献する”や“影響を与える”といった「組織に対しての働きかけ」がさらに求められるようになってきます。
こういった周囲の期待に応えられず、くすぶってしまう社員が多く出てくるのも「Main Player=メインプレイヤー」の特徴です。
(3)ケーススタディ~こんなことは起きていませんか?~
ケーススタディを2つご用意しました。皆さんの周りにこのような中堅社員(「Main Player=メインプレイヤー」)はいないでしょうか。
またそんな中堅社員がいた場合、上司として、どのように関わるのがよいか、考えてみましょう。
ケース①
直属上司Aさんに、中堅社員Bさんに対する印象をききました。
中堅社員Bさんは職種の専門性も身についてきた。タスクを処理する時間もずいぶん早くなったな、と感じている。しかし、私に対して『■■と▲▲どちらがよいでしょう』『隣の部署の人が●●と言ってきたのですが、どう進めたらよいですか?』といった質問が多く、物足りなさを感じてしまう。間違いや手戻りがないように確認をしてくれること自体はよいが、少し頼りない印象がある。もちろん、依頼したことは手際よく進めてくれるといったよいところもあるが、中堅なら気づいてほしいタスクを自ら拾って取り組んだりすることは、まずない。
比較して話すのはあまりよくないが、同じ頃入社した中堅社員Cさんは、担当する人が決まっていない、誰がやってもよいような仕事を進んで引き受けてくれている。Cさんの方が、一緒に仕事をしていて気持ちがよい、やりやすいと感じてしまう。

ケース②
直属上司Dさんに、中堅社員Eさんに対する印象を聞きました。
私の補佐となるリーダーが育ってほしいと思っており、社歴や経験などからするとEさんが順当だが、正直まだ任せられないと感じている。
同じ課の後輩FさんにそれとなくEさんのことを聞いてみたところ、『Eさんは仕事を任せてくれるので頼られていると感じるが、いつも忙しそうで、正直あまり会話したことがない。質問するのも申し訳なく感じている』という返答があった。
実はG部署のリーダーからもEさんに対して要望があった。G部署とEさんは一緒に仕事をすることが多い関係にあるが、G部署のメンバーにミスがあった時、Eさんは強い口調でミスをなじるようだ。G部署のメンバーはEさんとは仕事がしにくいと感じており、態度を改善してほしい、といった要望だった。
Eさんは人や仕事の好き嫌いもはっきりしており、自分が面倒と思った仕事を後輩のFさんに押し付けている様子で困っている。

次回は、このケースの対応策について一緒に考えてみたいと思います。
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執筆者

営業統括部
マーケティング営業部 3グループ
シニアソリューションプランナー
佐藤 修美
2007年リクルートマネジメントソリューションズ入社。以来、一貫して中小・中堅企業様を対象としたセクションに在籍、営業、営業マネージャー、北海道支社長を務める。人事制度構築、風土変革、マネジメント変革、オンボーディング、営業力強化、ダイバーシティ…など人材育成、組織づくりにまつわる、中小企業特有の悩みに幅広く対応してきた。担当した企業は延べ1,000社に上る。セミナーの企画運営・講師担当。
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