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新人・若手社員が仕事をよりよい状況にしていくヒント「セルフリーダーシップ」入門 第3回

状況を捉えなおす2つのスイッチとは

  • 公開日:2024/11/18
  • 更新日:2024/11/18
状況を捉えなおす2つのスイッチとは

本連載では、昨今のビジネス環境で新人・若手社員に身につけてほしい力として、どのような環境においても自分起点で動くことで、置かれた状況を自分のプラスに変え、よりよい状況をつくり出す力「セルフリーダーシップ」を3回にわたってご紹介しています。

セルフリーダーシップを発揮するためのヒントとして、「自分らしさを生かす」「自分をアップデートする」「状況を捉えなおす」の3つのカテゴリーのなかから、第1回では「自分らしさを生かす」ためのスイッチを、第2回では「自分をアップデートする」ためのスイッチをご紹介しました。

第3回(最終回)の今回は、「状況を捉えなおす」ためのスイッチをご紹介します。

<図表1>セルフリーダーシップを発揮するための6つのスイッチ

セルフリーダーシップを発揮するための6つのスイッチ
ポイントは「理解を深める」と「視野を広げる」
仕事について「理解を深める」
仕事について「視野を広げる」
セルフリーダーシップを実践するための3つのコツ

ポイントは「理解を深める」と「視野を広げる」

新人・若手社員が「どうにか状況を変えたい」と思っているものの、自分自身では問題の原因や解決策が思いつかず、身動きが取れなくなってしまう場面では、「状況を捉えなおす」スイッチを活用できる可能性があります。ポイントは「理解を深める」ことと、「視野を広げる」ことです。

例えば、内省(自分の考えや言動などを省みること)においては、物事について「どうしてだろう?」「どんな背景があるのだろう?」と深く掘り下げていくことで、「理解を深める」ことができます。また、物事について制限を取り払って自由に観点を出し、自分の見える世界を広げていくことで「視野を広げる」ことができます。

何かを経験する場面でも、1つのことに絞ってとことん突き詰め、今、向き合っていることの意味・目的を捉えなおすことで、「理解を深める」ことができます。一方で、少しでも興味を持ったことをいろいろとやってみて、ものの見方や考え方のバリエーションを増やしていくことで「視野を広げる」ことができます。

グッと入り込む“深める”と、多様な方向に目を向ける“広げる”は対照的ですが、どちらも重要です。まずは、自分がやりやすい・親しみやすい方法で始めてみるのがお薦めです。

仕事について「理解を深める」

仕事の場面では“深める”と“広げる”をどのように活用できるでしょうか。新人・若手社員のお悩みで多い「希望した部署とは異なる配属先になり、仕事へのやらされ感が拭えず、つらいと感じている」という例をもとに考えていきます。

まずは、今、取り組んでいる仕事への「理解を深めて」みましょう。「もしかしたら、今の自分の捉え方や理解は、ほんの一部分に過ぎないのかもしれない」という意識で、仕事について掘り下げます。方法としては、次のようなものがあります。

①自分自身で内省を深めていく

「この仕事の価値は何だろう?」「この仕事は、周囲から見るとどのように見えているのだろう?」など、思いを巡らせてみます。

②他者の捉え方を聞いてみる

会社の同僚・先輩・上司に、

  • 仕事をどのように捉えているのか
  • これまでに感じた仕事のやりがいや面白さは何か
  • 仕事を通して自分に期待してくれていること

などをフラットに聞いてみましょう。会社外の人に聞いてみても、新たな視点を得られる可能性があります。

このように、自分自身で観点を出してみたり、他者から意見をもらったりすることで、理解を深めていきます。

仕事について「視野を広げる」

続いて、仕事についての「視野を広げて」いきます。「仕事をさまざまな角度から見ることで、新しい考え・方法に気づけるかもしれない」という意識を持って、見える世界を広げていきます。方法としては、次のようなものがあります。

①自分自身で多様な案を出していく

まず、自分のなかにある「仕事とはこうだ」「仕事はこうすべきだ」などの観念を取り払います。そのうえで、「課題解決に繋がらないのではないか?」と感じる案や、「自分らしくない」「自分にはできないだろう」と思う案なども含めて、多様な案をどんどん出していきます。

②普段とは異なる人・情報に触れる/行動にチャレンジする

より幅広い案を出したいときには、

  • 考え方が異なる、と避けてきた同僚に意見を聞いてみる
  • 書店で普段は立ち寄らないコーナーの本を手に取ってみる
  • 世代が異なる上司のお薦めスポットを聞いて、足を運んでみる

などもお薦めです。

一見、課題解決に繋がらないと思うことでも、自分の型を決めつけず多様なものに触れることで、楽しみながら視点を増やすことができ、自分では考えもしなかった考え方ややり方に出合えるのです。

「希望した部署とは異なる配属先となり、仕事へのやらされ感が拭えず、つらいと感じている」という例での“深める”と“広げる”の方法をご紹介しました。「理解を深める」ことによって、仕事の意味や目的に納得感が持てたり、関係者の考え方や思いを知って共感したりできるでしょう。また、「視野を広げる」ことによって、思わぬところからヒントを見出して、状況の突破口を見つけることができます。「状況を捉えなおす」スイッチを活用し、より心地よく仕事時間を過ごしていただければ嬉しいです。

セルフリーダーシップを実践するための3つのコツ

3回にわたって、セルフリーダーシップを発揮するための3つのカテゴリーとして「自分らしさを生かす」「自分をアップデートする」「状況を捉えなおす」をご紹介してきました。しかし、実際には「分かっていても最初の一歩を踏み出すのが難しい」「まず、何から手を付けたらいいか分からない」という新人・若手社員もいるのではないでしょうか。

そこで、最後に、セルフリーダーシップを実践するためのコツを3つご紹介します。

1つ目は、「大切にしたい思い」を見つめなおすことです。入社動機、将来やりたいこと、目指すキャリア像など、自分が大切にしたい思いを書き出してみたり、家族、友人、会社のメンバーなど、周囲の人たちと話をしてみたりするのがお薦めです。「大切にしたい思い」は、まずはここから取り組んでみようというきっかけにも、日々の実践を続けるなかで定期的に立ち返る原点にもなります。

2つ目は、「自分で決めて」やってみるということです。主体的に行動をしていくには、「やりたいと思ったことに対して、自分の意思で動けている」という感覚が必要といわれています。「大切にしたい思い」などと繋げながら、自分自身が「やってみたい」「やれそうだ」と思えることを、周囲からの評価ではなく、自分自身で決めて動いてみることが、セルフリーダーシップの発揮を後押ししてくれるでしょう。

3つ目は、自分自身について「周囲に発信する」ことです。自分が取り組もうとしていることや抱いている気持ちを自ら伝えてみることで、周囲からの理解も得やすくなります。そうすることで、1人では実践を続けることが難しい場面でも、必要なサポートが得られたり、他のメンバーとの繋がりができたりして、できることが広がっていきます。周囲の力を適切に借りることで、自分自身の可能性を広げていくことができるのです。

本連載では「セルフリーダーシップ」を3回にわたってご紹介しました。新人・若手育成の参考になれば幸いです。

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