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新人・若手社員が仕事をよりよい状況にしていくヒント「セルフリーダーシップ」入門 第1回

自分らしさを生かす2つのスイッチとは

  • 公開日:2024/10/07
  • 更新日:2024/12/05
自分らしさを生かす2つのスイッチとは

新入社員が部署に配属されて数カ月経ちました。
「自分の希望した部署に配属されず、仕事のモチベーションがなかなか上がらない」
「今の環境が自分に合うかどうか分からず、このままいていいのか不安だな」
「上司や先輩が忙しそうで、気軽に相談しづらい」
など、悩みを抱えている新人・若手社員もいるのではないでしょうか。

昨今は、単純に物を大量生産すれば売れるという時代から、ビジネス環境が急激に変化していて、仕事の難度や複雑性が高まり、顧客からの期待や要望もますます多様化する時代に突入しました。さらに追い打ちをかけるように、労働人口の減少により現場では常に人手が足りないという状態のため、新人・若手社員に対して手厚くフォロー・指導をする時間を取ることが難しくなっています。このような時代で、新人・若手社員は、自律的に考えて動き、成長していかなければいけないという「厳しさ」に直面しているといえるでしょう。

このようなビジネス環境で新人・若手社員に身につけてほしい力が、どのような環境においても自分起点で動くことで、よりよい状況をつくり出す力「セルフリーダーシップ」です。つまり、自分にとって理想的な環境でない場合や周囲の力を借りづらい場合でも、自律的に行動を起こし、状況を変えていく力を養うことが、昨今の仕事環境を考えたときに新人・若手社員にとって必要になるのです。

本連載では、置かれた状況を自分のプラスに変えていくヒントとして、「セルフリーダーシップ」について全3回にわたってご紹介します。貴社の新人・若手育成の参考になれば幸いです。

第1回では、まず、セルフリーダーシップとは何かをご紹介します。また、セルフリーダーシップを発揮するためのヒントとして、「自分らしさを生かす」「自分をアップデートする」「状況を捉えなおす」の3つのカテゴリーのなかから、「自分らしさを生かす」ためのスイッチをご紹介します。

本シリーズ記事一覧
新人・若手社員が仕事をよりよい状況にしていくヒント「セルフリーダーシップ」入門 第3回
状況を捉えなおす2つのスイッチとは
新人・若手社員が仕事をよりよい状況にしていくヒント「セルフリーダーシップ」入門 第2回
自分をアップデートする2つのスイッチとは
新人・若手社員が仕事をよりよい状況にしていくヒント「セルフリーダーシップ」入門 第1回
自分らしさを生かす2つのスイッチとは
「セルフリーダーシップ」とは「自分起点で動くことで、よりよい状況を自らつくっていく力」
仕事の目的や目指す成果に向かって「自分らしさ」を生かす
「価値観とつなげる」と「スタイルを生かす」

「セルフリーダーシップ」とは「自分起点で動くことで、よりよい状況を自らつくっていく力」

セルフリーダーシップとは、「自分起点で動くことで、よりよい状況を自らつくっていく力」です。よりよい状況をつくるには周囲の環境も重要ですが、環境は自分で選べないことも多いでしょう。なかなか変えづらい環境において壁にぶつかったときに発揮できるとよいのが「セルフリーダーシップ」です。

例えば、配属先が自分の望む環境ではなかったときに「この仕事で学べることはない」「自分のやりたいことは別にある」と限定してしまうと、自分自身のキャリアや成長についての視野が狭まってしまいます。そうすると、今の仕事で活躍できる可能性や、「自分のやりたいこと」と今の仕事を掛け合わせた専門性を身につけて希少価値を高めていける可能性など、自分ではまだ気づけていないさまざまな未来への道筋が絶たれてしまいかねません。

新人・若手時代には、専門性を高めることももちろん重要ですが、多様な経験を通じて「自分の得意とすることはこの分野だと思っていたけれど、想像以上に別の分野での仕事も楽しい・やりがいを感じる・能力を発揮できそうだ」と、自分の新たな特性を見つけていくこともとても大事です。また、「自ら動けば状況は好転するかもしれない」と考えながら仕事に向き合っていくうちに、周囲から吸収できることが増え、気づいたら大きな成果につながっていたり、チャンスが舞い込んできたりして、結果的に自分が望む状況に近づいている、ということもあります。

そのため、たとえ「気が乗らない」「やりたくない」と思う仕事があったとしても、「この仕事から学べることは何だろう?」「この仕事で自分ができることを増やすとしたら?」とアンテナを立てて、自分で仕事の意味づけをしたり、今の環境に楽しみを見いだしたりしながら、よりよい状況を自らつくり出し、成長していく「セルフリーダーシップ」の力が必要なのです。

<図表1>セルフリーダーシップとは

では、セルフリーダーシップを発揮するためには、どのようなアクションができるのでしょうか。まずは状況をどのように好転させたいのかをイメージし、その状況に近づけるためのアクションを起こしていくことが大切ですが、弊社が提供している育成研修プログラム「X-SHIP(クロスシップ)」では、セルフリーダーシップを発揮するためのヒントとして6つのスイッチを紹介しています。

スイッチには「自分らしさを生かす」「自分をアップデートする」「状況を捉えなおす」の3つのカテゴリーがあり、各カテゴリーに2つずつスイッチがあります。今回の記事では、「自分らしさを生かす」2つのスイッチに焦点を合わせてご紹介します。

<図表2>セルフリーダーシップを発揮するための6つのスイッチ

仕事の目的や目指す成果に向かって「自分らしさ」を生かす

例えば、新人・若手社員が新しく配属された部署で上司の指示や組織で定められた方法で仕事を頑張っているけれど、なかなかうまくいかない、といったことはありませんか。もちろん、組織内に既にある方法はこれまでの経験の蓄積による知恵でもあるので、その方法で取り組んでいくことも重要です。

一方で、仕事の目的や目指す成果に向かって「より効果的に取り組む」という視点を持つと、自分の強みや持ち味を発揮していくアプローチも有効ではないでしょうか。自分らしさを生かして取り組むことで、目的の実現につながり得るのはもちろん、自分の強みや持ち味を上司や周囲に知ってもらうことで、それをふまえた接し方をしてくれたり、自分らしさを発揮しやすい仕事を任されたりすることも期待できます。

<図表3>自分の強みや持ち味を発揮していくアプローチ

「価値観とつなげる」と「スタイルを生かす」

自分らしさを発揮する方法として、2つのスイッチを紹介します。1つ目のスイッチは「価値観とつなげる」です。自分が仕事において何を大切にしていきたいか・何に情熱を傾けられるかを認識し、生かしていきます。今取り組んでいることと大切にしたい価値観とのつながりを探り、そのつながりを大きくしていくことで、同じ状況でもより前向きに取り組めるようになっていきます。

2つ目のスイッチは「スタイルを生かす」です。自分の強みや持ち味、無理なく自然にできるやり方を知って、今の状況に取り入れていくことで、自分本来の力を出すことができ、困難な状況でもやり続けられることにつながります。

例えば、希望ではない営業部門に配属され、毎日アポイント取りの電話をかけ続けることや、数値目標を追うことに意味を感じられず、やる気が出ないという新入社員Aさんについて考えてみましょう。自分は「人に貢献すること」を大切にしたいのに、今の仕事や環境は自分の価値観とはかけ離れていると感じ、異動や転職などによって環境を変えたいと頭を悩ませているかもしれません。

ここで「セルフリーダーシップ」を発揮して、「自分らしさを生かす」スイッチを取り入れてみるとどうでしょうか。Aさんは「とにかく行動量で数字を上げる」というスタイルに苦手意識を感じていました。学生時代の経験を振り返ってみたところ、「狭く、深く入り込む方が得意だ」と自分のスタイルに気づきました。そこで、企画提案型のスタイルに切り替えてみたところ、強みが発揮でき、結果も出るようになりました。また、顧客と向き合うなかで「人に貢献すること」という自分が大切にしたい価値観と、今の仕事とのつながりも感じられるようになり、以前よりも前向きに仕事に取り組めています。

今回のケースでは、Aさんは次のようなアクションをしたことで、いい発見につながったようです。

  • 同じ環境で、いい仕事をしていると思う上司や先輩に話を聞く
  • 顧客に貢献するには、どのような行動が必要かを考える
  • 営業活動以外に、今の職場で自分が貢献できることがないか探す
  • アポイント取りや提案活動で、自分の得意な方法を取り入れてみる

このように、仕事と価値観のつながりを自ら見いだそうとしたり、自分の強みや得意なスタイルを仕事に取り入れたりすることで、今いる環境をよりよくしていける可能性が高まります。

●次回は「自分をアップデートする」スイッチを紹介

今回はセルフリーダーシップとは何か、そして、新人・若手社員がセルフリーダーシップを発揮するためのスイッチの3つのカテゴリー「自分らしさを生かす」「自分をアップデートする」「状況を捉えなおす」のうち、「自分らしさを生かす」をご紹介しました。次回は、「自分をアップデートする」について紹介します。

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新人・若手社員が仕事をよりよい状況にしていくヒント「セルフリーダーシップ」入門 第2回
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