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リカレント教育とは? リスキリングとの違い&企業が支援するメリットを解説

  • 公開日:2025/02/17
  • 更新日:2025/02/17

リカレント教育とは、社会人が今後のキャリアに必要な知識やスキルを学び直す仕組みのことです。生涯学習やリスキリングとの違いはもちろん、リカレント教育が重要視されている背景や、企業としてリカレント教育を支援するメリットを詳しく解説します。

リカレント教育とは

リカレント教育とは、社会人が「学び直し」を通して今後のキャリアに必要な知識や技術を身につけることです。1969年にスウェーデンでリカレント教育の重要性が提唱されて以来、世界的に注目されるようになりました。近年の日本においても人生100年時代の到来を受けて、生涯現役であり続けるためにリカレント教育を取り入れる企業が増えています。

具体的な学び直し方法の例としては、「一旦仕事を休職し、大学や大学院などのスクールに通う」「研修会社などによるオンライン研修を受講する」などの手段が挙げられるでしょう。

生涯学習との違い

リカレント教育はしばしば生涯学習と混同されますが、両者には明確な違いがあります。生涯学習では趣味や芸術といった人生を豊かにするあらゆるものが学びの対象となり、学習の結果は必ずしも仕事に直結するわけではありません。一方、リカレント教育は、職業的なスキルの習得や、キャリア形成を目的とするところが特徴です。

リスキリングとの違い

リスキリングとは、新しい職業もしくは現在の職業で新たに必要となったスキルを学ぶことです。

昨今はITの発達によってDX化が進み、働き方やビジネスモデルはもちろん、業務に必要なスキルも刻々と変化しています。そんな情勢の移り変わりに際し、企業あるいは個人が主体となって新たなスキルを学び、対応力を上げることがリスキリングのねらいです。詳しくは下記リンクの記事をご覧ください。

リカレント教育が重要視されている背景

リカレント教育が重要視されている背景としては、以下の3つのポイントが挙げられます。

1.雇用のあり方の見直し

1つ目の背景は、雇用のあり方が変化しているためです。従来の日本は終身雇用が一般的であり、転職によって自身のキャリアが再評価されることも稀でした。つまり、意識的に学び直しをしなくても、職場でのノウハウの蓄積によって定年まで活躍しやすい環境だったといえます。

しかし昨今の日本は、ビジネスシーンの変化により、終身雇用という仕組みそのものが崩壊しつつあります。転職市場も活発になり、蓄えたキャリアやスキルによって転職先の選択肢も大きく変わるようになりました。社会人としてどのようなフィールドでも活躍できるように、自ら学び続けることが求められているといえるでしょう。

2.技術革新や社会の変化

近年はテクノロジーの急速な進歩により、第4次産業革命と呼ばれる変革の時代を迎えています。生産性の向上に役立つ「IoT」や「AI」の発達に加え、DX化の流れも勢いを増しています。このような変化に対応できる知識やスキルが必要となることから、リカレント教育の重要性が高まっています。

3.人生100年時代への突入

日本の平均寿命が延び、「人生100年時代」に突入していることもリカレント教育が注目されている理由の1つです。生涯現役で活躍するには、業務に必要な能力やスキルをいつでも身につけられる環境づくりが欠かせません。このような背景を受けて、厚生労働省は、教育訓練の給付金の支給や無料の職業訓練サービスといった、リカレント教育の場の拡充を目指しています。

企業がリカレント教育をサポートするメリット

社会人にとってメリットが大きいリカレント教育ですが、勉強時間と労働時間のバランスを取る必要があることから、企業の協力が不可欠です。企業としては一時的に人材が不足しやすいことが懸念点であるものの、従業員のリカレント教育に協力することで以下のようなメリットが期待できます。

従業員満足度(ES)の向上

1つ目のメリットは、従業員満足度(Employee Satisfaction)の向上に繋がることです。

従業員満足度とは職場そのものへの満足度を表す指標であり、やりがいのある業務内容や良好な職場環境、共感できる企業ビジョンなどによって向上します。学び直しをする従業員のキャリアアップ支援を通して、従業員満足度を高めることが可能です。従業員が「この会社なら成長できる」と感じられる環境があれば、若手の早期離職の防止にも繋がるでしょう。

生産性向上

2つ目のメリットは、生産性の向上が期待できることです。リカレント教育によって最新のノウハウを身につけた従業員は、業務の効率化や新たな価値の創出に寄与できます。企業全体の業務効率化にも繋がる点が魅力です。

人材の離職防止

3つ目のメリットは、従業員の離職を防止できる効果が見込める点です。従業員は自分の成長を後押ししてくれる企業に対して愛着を持ち、「もっと貢献したい」というモチベーションを抱く傾向にあります。結果的に優秀な人材の流出を防ぐ効果も期待できるでしょう。

企業がリカレント教育を支援するポイント

企業がリカレント教育を支援する際は、教材・費用・時間という3つの要素から従業員をサポートすることをお薦めします。具体的なポイントをまとめました。

教材の提供

まずリカレント教育のきっかけづくりとして、従業員が利用しやすい教材を用意します。特に外部のeラーニングサービスやオンラインの研修コースといった、各々のペースで学習を進められる環境を提供することで、従業員の学習を効果的にサポートすることができるでしょう。

併せて、従業員がリカレント教育を通して獲得した知識をアウトプットできる環境を整えるとより効果的です。学んだ知識をスムーズに現場へ還元できるようにすることで、学習意欲の向上にも繋がります。

費用面の支援

リカレント教育では一般的に独学ではなく、大学や専門学校、オンラインスクールなどに通いながら知識を身につけます。特に宅地建物取引士や専門看護師などの国家資格を取得する場合は中~長期的なスクーリングが必要となるため、個人では費用の負担が大きくなりがちです。学習に必要な教材代や学費の支援があれば、従業員の成長をサポートしやすくなるでしょう。

勤務時間の調整

社会人が学習時間を確保するには、勤務時間を柔軟に調整する社内体制が必要です。

たとえば「職場を一定期間離れて勉学に励みたい」という声が多い場合は、休職・復職制度を整えることが大切です。勤務時間外に勉強する社員が多い場合は、時短勤務やリモートワークの導入、残業時間の削減など、プライベートの時間を確保しやすい勤務環境を整えることをお薦めします。

リカレント教育で企業が活用できる助成金や支援制度

厚生労働省は、人材開発に取り組む国内の事業主に対して、助成金をはじめとするさまざまな支援を行っています。下記の支援を活用することで、従業員のスキルアップを効率的にサポートしやすくなります。

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金は、従業員の職業訓練にかかった費用や、訓練中の賃金の一部を助成する制度です。具体的には、以下の8コースに該当する支援が対象となります。

  • 人材育成支援コース
  • 教育訓練休暇等付与コース
  • 人への投資促進コース
  • 事業展開等リスキリング支援コース
  • 建設労働者認定訓練コース
  • 建設労働者技能実習コース
  • 障害者職業能力開発コース

人材開発支援助成金に関する詳しい条件および電子申請の方法については、厚生労働省のHPをご確認ください。

人材開発支援助成金(厚生労働省HP)

生産性向上支援訓練

企業の生産性向上に役立つ職業訓練を受けられる公的サービスです。自社に合ったオーダーメイドの訓練を、比較的安価で受講できるところが魅力といえます。以下の流れで利用することが可能です。

  1. 最寄りの生産性向上人材育成支援センターに連絡する
  2. コーディネーターの方と打ち合わせ。自社の課題や人材育成のニーズを伝える
  3. 相談内容を踏まえた訓練コースを提案してもらい、受講する

企業内のキャリアコンサルティング(セルフ・キャリアドック)

厚生労働省はキャリア形成・リスキリング推進事業の一環として、「キャリア形成・学び直し支援センター」にて無料キャリアコンサルティングサービスを提供しています。企業はもちろん、個人が申し込むことも可能です。

リカレント教育(厚生労働省HP)

まとめ

リカレント教育の概要や注目されている背景、支援の際のポイントなどについてご紹介しました。

昨今の日本はビジネストレンドの移り変わりが早く、現場で求められるスキルも刻々と変化しています。そのため、リカレント教育をはじめとするスキルアップのカリキュラムも、都度ブラッシュアップしていくことが大切です。弊社では従業員のスキル習得に役立つさまざまなサービスをご提供していますので、興味がある方は下記リンクもご覧ください。

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