用語集
フォローアップ研修とは? 企業が実施するメリットやプログラム例を解説
- 公開日:2014/04/18
- 更新日:2024/12/02
一定期間前に実施した研修と同じ受講者が集まり実施される研修のことを、フォローアップ研修といいます。この記事ではフォローアップ研修を実施するメリットや、実施する際のポイントについてまとめました。
フォローアップ研修とは
フォローアップ研修とは、研修が終了してから一定期間ののちに、受講者が再び集まって行う研修のことです。「フォロー研修」「フォローアップ」「フォロー」など、他にもいくつかの呼称があります。
昨今は国内の労働人口の減少により、多くの企業が人手不足という課題を抱えています。外部から優秀な人材を招くことが難しくなっていくなかで、自社の従業員の仕事力を高める人材育成のニーズが高まっているのです。その一環としてフォローアップ研修を導入する企業が増えています。
フォローアップ研修を実施する目的
フォローアップ研修の目的は、研修で学んだ内容の定着です。階層別やビジネススキルの研修では座学やロールプレイを通してさまざまな考え方やノウハウを学ぶことができますが、すぐに実践できるとは限りません。フォローアップ研修では、学んだことを実践してみてどうだったかという振り返りを通じて内容の理解を深めたり、実践できていなかった人が周囲の話を聞いて一歩踏み出せるようになることをねらいとしています。
さらに、フォローアップ研修は前回の研修の効果測定にも役立ちます。フォローアップ研修時に、受講者の理解度や行動の変化、実践の状況を知ることで研修自体のブラッシュアップにも繋げることができるのです。
対象者ごとのフォローアップ研修の特徴
フォローアップ研修は新入社員研修と併せて実施されるケースが一般的ですが、階層別研修でも同様の効果が得られます。新入社員や若手社員、中堅社員、管理職といった階層別研修の特徴と、フォローアップ研修で行われる内容を具体的にまとめました。
新入社員
新入社員向けの研修では、社会人として持っておきたい心構えやスキルを学びます。研修で取り扱う具体的なテーマとしては、基本的なビジネスマナーや業務に必要なOAスキル、コンプライアンス、コミュニケーションスキルなどが挙げられます。
フォローアップ研修では、研修で取り扱ったテーマの復習をはじめとして、配属前後の不安の解消や、業務の進め方に悩みがないかなど、メンタル面のサポートも行います。
若手社員(入社2~3年目)
入社2~3年目の若手社員向けの研修では、業務効率や専門性の向上など、社会人としてよりステップアップできるような内容を取り扱います。フォローアップ研修では学習内容の定着を図ると共に、今後学びたいスキルをヒアリングするなどして、継続的なモチベーションの向上をねらいます。
中堅社員
中堅社員向けの研修では、リーダーシップスキルや管理職クラスを補佐するフォロワーシップスキルなど、周囲をサポートするスキルも取り扱います。フォローアップ研修では参加者同士のディスカッションを通して、研修後に回したPDCAを共有し合うケースも多いです。
管理職
管理職向けの研修では、部下のマネジメントスキルや経営スキルなどを中心に取り扱います。フォローアップ研修では、研修後に感じられた成果の共有や、部署内から協力が得られなかった場合の軌道修正を行い、次のアプローチに繋げます。
フォローアップ研修を実施するタイミング
フォローアップ研修を実施するタイミングは、研修の目的に合わせて決めるのがお薦めです。各タイミング別のフォローアップ研修の効果を見てみましょう。
3カ月後
研修から3カ月後のフォローアップ研修は、前回学んだ内容の復習が主な目的です。例えば新入社員向けのフォローアップ研修なら、実際の業務に少しずつ慣れてきたタイミングであらためてビジネスマナーやOAスキル、コンプライアンスなどを学び直すことで、知識の定着を目指すことができます。前回の研修時と比べてできるようになったことを認識してもらうことで、日々の達成感にも繋がるでしょう。
6カ月後
研修から6カ月後というタイミングは、研修から得た刺激が薄れやすいほか、人によっては中だるみやモチベーションの低下も起こりやすい時期です。フォローアップ研修ではスキルの定着を図ると共に、課題の再設定や不足しているスキルの見直しを行い、モチベーションの向上をねらいます。
1年後
研修から1年後のフォローアップ研修では、総合的な振り返りを行うと共に、次の階層へのステップアップに向けた意識づくりもサポートします。例えば若手向けの研修なら、部下や後輩に対するコミュニケーションスキルやチームワークのコツなどを伝えることで、部下を率いる中堅戦力へのステップアップを促しやすくなるでしょう。
フォローアップ研修を実施するメリット
研修で学んだ内容の定着を図ることができるフォローアップ研修ですが、他にも以下のようなメリットがあります。
仕事への向き合い方や、社会人としての姿勢を再確認できる
1つ目のメリットは、新卒社員の意識づくりに役立つことです。新卒社員は学生から社会人に立場が変わってまだ間もないため、仕事への向き合い方や社会人としての姿勢に迷ってしまうことがあります。フォローアップ研修で、あらためて同期と一緒にビジネスのノウハウを学び直すことで、職場で求められる役割や仕事に対する姿勢をしっかりと身につけられます。
自分の課題を知ることができる
2つ目のメリットは、社員が自分自身の課題に気づきやすくなることです。フォローアップ研修では学習内容の振り返りと共に、自分自身の課題の見直しや、今後の目標設定を行うことができます。今後取り組むべき課題を洗い出すきっかけをつくることで、社員の早期のスキルアップやキャリアアップを支援できるでしょう。
不安や悩みを解消できる
3つ目のメリットは、個々が抱えている不安や悩みのフォローがしやすくなることです。フォローアップ研修では学習内容の振り返りを行うことから、失敗談や業務上の悩みも共有し合える場といえます。同じ研修に取り組んだ者同士が意見交換をすることで、新たな気づきや不安の解消に繋がるでしょう。
離職率の低下やモチベーション向上に繋がる
4つ目のメリットは、離職率の低下やモチベーションの向上がねらえることです。フォローアップ研修は参加者同士のコミュニケーションのきっかけになることから、部署の壁を超えた仲間意識を高められます。社内の交流が増えれば、組織への帰属意識や安心感も生まれやすくなり、人間関係に起因する早期離職も防ぎやすくなるでしょう。
フォローアップ研修のプログラム例
フォローアップ研修のプログラムの内容は企業や目的によって異なりますが、「振り返り→情報共有→次の目標設定」という流れが一般的です。新入社員向けのフォローアップ研修を例に、具体的なプログラムを見てみましょう。
入社からの職場での行動を振り返る
まず入社から前回の研修、そして現在までの職場での行動を振り返ってもらい、自身の成長を認識してもらいます。なぜなら人は自分自身が成長している状態であっても、「成長した」という実感がない場合、満足感や達成感を得られないためです。
フォローアップ研修を通して「入社した時は何も分からなかったけれど、理解できるようになった」「前回の研修でよく理解できていなかった内容が、今回の研修では理解できた」と成長を自覚してもらうことで、モチベーションアップにも繋がります。
今までの自分を客観的に振り返る
振り返りに際し、「入社した動機を思い出す」「上司や同僚に自分の変化をコメントしてもらう」など、過去の自分や第三者の意見をもとに自分を振り返る方法もあります。自身の成長をより客観的に認知しやすいところがメリットです。
振り返った内容をディスカッションする
自身の振り返りを行ったら、その内容を参加者同士で共有し、ディスカッションを行ってもらいます。前回の研修で得た学びや、実践できたこと、逆に失敗してしまったことを共有し合うことで、自分に足りないスキルや改善点を見つけられるでしょう。
プレゼンテーションを行う
研修後の自分の変化や、ディスカッションを経て得た発見について、プレゼンテーションをしてもらいます。発表を行うことで参加者全体に情報を共有できるほか、資料を作成する過程で話の構成力や提案力といったスキルも培われます。
キャリアプランを作成する
最後に、今後のキャリアについて考える機会を設けます。グループワークなどで今後の目標設定をしてもらい、講師がフィードバックを行うことで、次のフォローアップ研修までの自主的な成長を促すことが可能です。
フォローアップ研修を実施する際のポイント
フォローアップ研修には参加者のスキルの定着を促し、参加者同士のコミュニケーションを活性化させる効果があります。参加者に研修への目的意識やモチベーションがあればなお好ましいため、フォローアップ研修を実施する際には以下のポイントを実践することをお薦めします。
研修前に上司からの期待を伝える
フォローアップ研修の参加者がまだ若手である場合は、研修前に上司から「フォローアップ研修で取り組んでみてほしいこと」「身につけてみてほしいスキル」など、意見や期待を伝えてみましょう。研修を通して解決してほしい課題を伝えることで、研修の目的意識が生まれやすくなります。
研修の環境を整える
フォローアップ研修の効果を高めるためには、参加者自身の前向きな姿勢が不可欠です。研修のはじめにアイスブレイクを取り入れて本音を打ち明けやすい雰囲気をつくったり、負担にならないカリキュラムのボリュームにしたりなど、参加者が安心して話せるよう配慮するとよいでしょう。
フィードバックを行う
フォローアップ研修では参加者に対して、現時点での習得度や今後の改善点についてフィードバックを行うことも大切です。講師から研修参加者へ、あるいは参加者同士で研修の成果を評価し合うことで、新たな視点の発見や悩みの解決に繋がります。
まとめ
フォローアップ研修の概要や、フォローアップ研修を実施する際のポイントについてご紹介しました。
フォローアップ研修を通して知識の定着と目標の再設定を行うことで、研修の効果をより高めることが可能です。弊社では、フォローアッププログラムのある研修を多数ご用意しています。ビジネスマナーや仕事の進め方といった社会人の基本が身につく新入社員向けの研修や、若手向けのセルフリーダーシップ研修など、階層別のニーズに合ったプログラムをご提案していますので、興味がある方はぜひ下記リンクもご一読ください。
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