課題解決のポイント
仕事の進め方のセオリーを理解し、行動計画を立てる
昨今、日本人ホワイトカラーの生産性の低さがたびたび話題となります。かつて日本企業では、残業・休日出勤といった働き方は「頑張っている」と評価されていました。しかし、グローバル化が進むなか、「決められた時間内にアウトプットを出す外国人」と比較して、日本人の仕事の遅さが目立つようになってきました。また、介護や育児などのために時短で働く社員、時間で働く派遣社員と比較して、フルタイムの正社員の仕事量や質が問題視されるようになってきました。
仕事の生産性を高めるスキル習得のポイントは、大きく2つあります。1点目は、「仕事の進め方のセオリー」を学ぶことです。その土台となるのは「段取り」と「PDCA」で、その発展系が「プロジェクトマネジメント」です(図表参照)。

2点目は、「タイムマネジメント」を学ぶことです。これは、単なる時間管理ではなく、仕事の目的や重要度・緊急性などを踏まえ、仕事やプライベートも含めた優先順位をつけることを指します。優先順位と自分自身の能力を踏まえ、自分で実行すること、周囲に依頼することを明確にして、遅延やヌケモレなく仕事を完遂する力を高めるのです。

ただし、この2つのスキルだけで生産性が上がるわけではありません。もちろん前提条件として、自分自身の業務効率や成果をあげるために必要な専門知識・ノウハウをもっておく必要があります。その上で、ロールモデルとなる上司・同僚・先輩をいち早く見つけ、その行動や考え方を真似ることも重要なポイントです。
生産性向上につながる情報は、日常生活やメディアを含めてさまざまなところにあります。そのような情報への感度を高め、自身の業務に合った効率的な仕事の仕方を見つけ、実践し、磨いていくことで、仕事のパフォーマンスを上げることができます。
施策事例
事例1情報通信サービス関連企業
プロジェクトマネジメント力の向上
- 背景
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- 1人のプロジェクトマネジャーが、マネジメントだけでなく、複数業務のプレイングも行っていた
- プロジェクトメンバーも複数のプロジェクトやルーチン業務を抱えており、プロジェクトによって仕事に濃淡が発生していた
- プロジェクトマネジャーによって、プロジェクトの進捗具合に大きな差があった
- 施策
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- プロジェクトマネジャーおよび候補者に対して、プロジェクトマネジメントの基本を学ぶ場を設けた
- 基本を習得済みのプロジェクトマネジャーには、複数のプロジェクトの進め方など、実践的な研修メニューを設けた
- プロジェクトマネジメントの考え方をベースにした自社独自の「プロジェクトの進め方」をマニュアル化し、実際の仕事に導入した
- プロジェクトの進め方が統一され、同じ基準でプロジェクトの進捗状況について評価し、対応策を講じるようになった
- プロジェクトごとの進捗の差が明らかに小さくなった
- プロジェクトメンバーが正しい仕事の進め方を学び、新たにプロジェクトマネジャーに任命された際も立ち上がりが速くなった
事例1旅行・宿泊関連企業
研修による労働時間の短縮
- 背景
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- 出社時間も退社時間も遅く、生産性の低い若手社員が増加傾向にあった
- 会議に時間の多くをとられており、見直しをする必要があった
- 全社的に生産性向上を方針として掲げており、社員の労働時間短縮が必須となった
- 施策
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- 若手社員向け階層別研修と選択型研修でタイムマネジメント研修を導入した
- 会議ルールを見直すと共に、会議ファシリテーション研修を導入した
- 社員間に共通言語が生まれ、仕事の見直しが進んだ
- 会議アジェンダを組んで論点に沿った会議が行われると共に、事前に資料共有などを行うことで効率化が進んだ
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