課題解決のポイント
業務改善に組織開発アプローチを取り入れる
生産性向上には、ITシステムの導入などハード面でのアプローチもありますが、特に重要なのは、組織として継続して取り組んでいくことです。弊社で支援する場合は、関係者を巻き込みながら進める「組織開発アプローチ」を取り入れることが多くあります。組織開発アプローチで行う業務改善ステップは、大きく4つに分かれています。
現状分析
まず取り組むべきは「現状分析」であり、現在の状況を適切に把握し、共通認識化することです。その際、着目すべき観点は以下のとおりです。
- 今後の戦略・方針に照らして、注力したい業務と削減したい業務
- ハード面(業務プロセス、各組織の役割など)の実態と見直すべき点
- ソフト面(マネジメント・管理体制、社員意識など)の実態と見直すべき点
なお、手法としては、工数分析などの定量調査やインタビューなどの定性調査を組み合わせて行います。

フィードバック
現状を明らかにして、関係者に見える形でフィードバックすることで、「取り組むべき課題」に対する認識を全員が共有すると共に、今後の改善策を考えていく当事者意識を現場に醸成することをねらいます。この段階から、実行面のキーパーソンを巻き込んでおくことが大切です。
施策検討
改善施策を考える際には、スクラップ&ビルドが基本となります。まずは「ムダ・ムラ」の削減ならびに効率化(スクラップ)を行った上で、今後注力したい業務を「ムリ」なく適切に遂行していくためのマネジメント体制を再構築する(ビルド)のです。
実行・モニタリング
モニタリングすべきKPIを設定した上で、実行に移していきます。その際、3カ月程度の短いスパンで、小さくてもよいので成果を見える形で検証し、活動に勢いをつけていくことがポイントとなります。
施策事例
事例1商社・金融サービス関連企業
ビジョンの実現に向けた業務改善
- 背景
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- 外部環境が激変するなか、今まで以上に生産性を上げ、高付加価値を生み出していく必要があった
- 全社で目指すビジョンが策定されたものの、果たして何がビジョンの実現につながる行動なのかが具体的になっていなかった
- 現場は忙しくてこれ以上のことはできないという雰囲気が漂っているが、何が忙しいのかが分からず、具体的な対策を講じられない状態が続いていた
- 施策
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- 中長期的な組織運営を視野に入れたマネジメントの「ありたい姿」を描いた
- 「ありたい姿」に照らした実態を、工数分析とインタビューを通して可視化した
- 関係者を集めたフィードバックセッションを実施し、業務プロセス・相互役割・KPIを明確にして改善策を確定・実行へ移した
- 曖昧だった業務の忙しさが可視化されたことにより、組織内で取り組むべき課題の共通認識化が図れた
- 業務改善にとどまらず、業務を通じた人材育成まで見据えたマネジメント体系を明確にできた
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