課題解決のポイント
より多くの社員がグローバルに活躍するための支援が重要
「グローバル3.0/全体最適化のステージ」では、一部の社員だけでなく、より多くの社員がさまざまな立場でグローバルに働くことになります。ここでは、弊社がお客様からよくご相談をいただく3つのテーマについて、課題解決のポイントをご紹介します。
日本人社員のグローバル対応力向上
グローバルに働くということは、文化、言語、距離、時差の壁を超えて、国内・海外の同僚・取引先と信頼関係を構築し、コミュニケーションをとり、仕事の成果を出していくということです。日本人同士で働くときと同様に、専門性やビジネススキルが重要となりますが、さらに活躍していくためには、グローバル特有の課題に手を打つことがポイントです。1つ目は「異文化適応」です。文化や言語が違うため、日本と同じやり方が通用しないケースがよくあります。自分を理解し、相手を理解し、その上でギャップを埋めていく心構えとスキルが必要になります。2つ目は「バーチャル環境」への対応です。最近は、所属組織やプロジェクトチームが国籍や文化的背景の異なる多様なメンバーで構成され、各メンバーが物理的に離れた場所で仕事を進めるケースが増えてきています。この難しい状況でいかに影響力を発揮するかが、日本本社スタッフの新たなチャレンジになっています。
将来に向けた若手のグローバルマインドセット
さらなる海外展開を見据えたとき、グローバルに活躍できる社員を増やしておくことが重要になります。そのために、昨今では若手を対象に段階的なステップを踏んでグローバルマインドセットを行う取り組みが増えています。従来は自社海外拠点への若手トレーニーの派遣が主流でしたが、受け入れ側の負担や対象者の増加を背景に、最近は階層別研修の一環として短期の海外武者修行プログラムを企画したり、クラスルームで刺激を与えるケースが目立ち始めています。そのとき重視すべき点は、受講生に「グローバルに働くこと」と「自分自身」の接点を前向きに創造してもらうことです。そのためには、「したいこと(WILL)」を見つけ、「できること(CAN)」を増やし、「しなければならないこと(MUST)」を理解するプロセスが効果的です。
外国籍社員の早期戦力化
最近、外国籍社員の新卒採用を積極的に行う日本企業が急増しています。弊社「グローバル人材マネジメント実態調査2011」によると、外国籍社員の新卒採用の目的は「国籍や所在地に関係なく、優秀な人材を求めているため」が最も多く、「将来的に海外拠点を任せられる人材を求めているため」と続きます。しかし、期待に反して、言語の問題や仕事の与え方の問題、キャリアに対する認識ギャップなどによって、職場への適応が遅れ、戦力化につながらないケースが多く見られます。現在は、多くの企業が外国籍社員に対して、日本語や日本特有のビジネスマナー、仕事の進め方を身につけることを一方的に求めがちですが、それだけでは問題は解決できません。受け入れる職場の日本人上司や同僚を巻き込み、相互理解を促進していくことが、外国籍社員の職場適応・早期戦力化のポイントです。
施策事例
事例1電気機械器具関連企業
中堅社員のグローバルマインドセット
- 背景
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- M&Aを中心に海外事業を拡大するなか、買収会社と共同で海外に研究所を立ち上げた
- 研究所の人員拡充に向けて、日本人赴任者が不足することが目に見えており、その対策が急務になっていた
- 施策
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- 「グローバルに働くこと」と「自分自身」の接点を前向きに捉える研修を実施した
- 受講者が自分自身のキャリアのこれまでとこれからを考えて、強み、弱み、やりがい、ビジネススキルの棚卸しを行った
- 海外赴任中の先輩社員との交流機会を定期的に設けた
- これまで漠然と考えていた「グローバルに働くこと」をより身近に、かつ具体的に考えられるようになった
- 結果的に、海外研究所への赴任希望者が増加した
- 受講者一人ひとりが、リアリティをもって、グローバルに活躍するための要件を言語化し、それを身につけるために必要な行動計画を立てることができた
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