課題解決のポイント
役割や能力・スキルを整理した上で、雇用を検討する
非正規社員の人材マネジメント体制を作るには、まず2つの整理が必要です。第一に、戦略を推進するにはどのような役割が必要なのかを整理します。第二に、「企業独自能力/汎用的能力」「希少性が高いスキル/希少性が低いスキル」といった軸を置きながら、それぞれの役割に求められる能力やスキルの特徴を整理します。その上で、その役割を担当するのは有期雇用社員がよいのか、無期雇用社員がよいのか、それとも派遣社員やアウトソーシングを活用するのかを検討していくのです。具体的には、次の2点に取り組む必要があります。
(1)自社の戦略に合わせた人材ポートフォリオの設計
自社の戦略を推進する際に必要となる役割を洗い出し、それらの役割をどのような人材に担ってもらうべきなのかを整理します。どのような雇用形態がその役割を担うのに最適か、どのような能力・スキルをもった人材が担当すべきかをポートフォリオに整理していきます。
(2)ポートフォリオごとの業務内容と評価・処遇のあり方の明確化
(1)で設計したポートフォリオごとに、期待する業務内容を細かく定義します。その業務内容に対して、最適な評価手法・賃金・昇格のルールなどを設計します。あわせて、雇用形態変更ルールなども検討していきます。
施策事例
事例1生活用品関連企業
非正規・販売職種の<雇用契約の見直し
- 背景
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- 多角化によって生まれた事業であり、全社共通の人事制度では業界に適応した賃金カーブになっておらず、採用・定着に問題を抱えていた
- 競合他社に雇用条件次第で人材が奪われる状況で、正社員だけでは店舗運営や組織編成がままならない状況にあった
- 安定した店舗運営・組織編成を行うため、また、非正規社員で採用した人材の将来の正社員化の道筋を示すために制度を見直す必要があった
- 施策
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- 正社員と非正規社員の職務・役割を明確化して、評価体系を整備し、同時に業界・雇用形態に合った賃金体系の整備と賃金水準の設定を行った
- パートタイマーから正社員への登用条件を整備した
- 対象となる人材に対して改定内容の説明会を実施し、人材募集要項へ盛り込んだ
- 人材募集における競争優位性を確保できた
- 既存の非正規雇用者のモチベーションが向上した
- 自事業に合った評価・賃金制度の整備によって、従業員の納得感が向上した
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