連載・コラム
人事になったら知っておきたい10のこと 〜人事トレンド編〜 第3回
「エンゲージメントを高めることがなぜ必要なのですか?」
- 公開日:2024/07/22
- 更新日:2025/03/05

初めて人事になったとき何から学べばよいか、どのように情報収集をすればよいか、人事に異動された方からよくご相談をいただきます。人事は、変化の激しい世のなかの動きと連動しながら、自社の事業や戦略に合った企画を打ち出していく必要があり、「年々忙しくなっている」という声もお聞きします。
前回シリーズでは、そんな人事のみなさまのお役に立ちそうな知識を基礎編としてお届けしました。今回のシリーズでは、昨今のビジネス環境のなかで特に注目の高まっている人事トレンドについて解説していきます。架空のキャラクターである人事担当の北山さんが、ベテラン人事であるフクロウ先輩と共に人事トレンドを学ぶストーリー仕立てのコラムです。
- 人事になったら知っておきたい10のこと 〜人事トレンド編〜 第5回
- 「会社は社員のキャリア自律を支援するべきなのですか?」
- 人事になったら知っておきたい10のこと 〜人事トレンド編〜 第4回
- 「実践に繋がる研修に大切な『プレ・オン・ポスト』とは何ですか?」
- 人事になったら知っておきたい10のこと 〜人事トレンド編〜 第3回
- 「エンゲージメントを高めることがなぜ必要なのですか?」
- 人事になったら知っておきたい10のこと 〜人事トレンド編〜 第2回
- 人事データ活用とアセスメント
- 人事になったら知っておきたい10のこと 〜人事トレンド編〜 第1回
- 「なぜタレントマネジメントシステムが注目されているのですか?」
- 目次
- 登場人物のプロフィール
- プロローグ:エンゲージメント向上の取り組み
- 第1章 エンゲージメント向上の目的とは?
- 第2章 従業員エンゲージメントとは何か?
- 第3章 エンゲージメント向上はどう進めればよいですか?
登場人物のプロフィール

北山ともこさん
設立12年、社員300名のIT企業に勤務する、新卒入社5年目の社員。2年間は営業部に所属していたが、人事部へ異動して3年目になる。はじめは育成担当だったが、今では人事業務に幅広く関われるようになった。趣味はカフェ巡りとアクセサリー作り。

フクロウ先輩
同社、人事12年目のベテラン社員。人事企画や社員育成のほか、組織活性などの職務も経験。特に人事部メンバーの育成に力を入れており、北山さんのことも気にかけている。 なぜフクロウの姿をしているかは社長と人事部長以外知らない。
プロローグ:エンゲージメント向上の取り組み
お昼過ぎに外出していた北山さんがオフィスに戻ってきました。
北山さん「ただいま戻りました」
フクロウ先輩「北山さん、外出していたの? めずらしいね」
北山さん「外部セミナーに参加していたんです。課長と一緒に会社のエンゲージメント向上を担当することになったので勉強しようと思って」
フクロウ先輩「エンゲージメント向上か。最近注目されているテーマだね」
北山さん「そうなんです。セミナーにも参加したし、これから企画をまとめるのですが、どこから取りかかればいいのか悩んでいます」
フクロウ先輩「一緒に考えてみようか」
北山さん「本当ですか。助かります!」
第1章 エンゲージメント向上の目的とは?
フクロウ先輩「課長はなぜエンゲージメント向上の検討を始めたのかな」
北山さん「最近、新人や若手社員の離職率が上がっていることが気になっている、とお話しされていました。そこから、我が社でもエンゲージメント向上の取り組みを検討していこうということになりました」
フクロウ先輩「せっかく採用した新人がすぐに辞めてしまうのはとても残念だよね。他社でも離職の問題の解決のためにエンゲージメント向上に取り組む例は多くなっているよ。まずは、何のためにエンゲージメント向上に取り組むのかを考えてみようか」

昨今注目の高まるエンゲージメント向上。その目的として以下のようなものがよく挙げられるよ。
- 従業員の離職率の改善
- 従業員の活躍促進、モチベーション向上
- チャレンジできる風土の醸成
- 人的資本の指標開示

北山さん「課長とも人的資本開示に向けても必要な取り組みだねと話していました。やっぱり離職率の改善は他社でも目的としているんですね」
フクロウ先輩「少子化による労働人口の減少で、離職や定着の問題も以前より深刻になってきたからね。エンゲージメント向上は、これからの企業にとって必須の取り組みになっていくと思うよ」
北山さん「エンゲージメントを高めることは離職防止につながるのですか?」
フクロウ先輩「過去の実態調査では、ワーク・エンゲージメントが高い人は幸福感・適応感が高く、離職意向が低いという結果が出ているんだ。エンゲージメントが低い原因を探って対策していくことは離職防止にもつながるはずだよ」
第2章 従業員エンゲージメントとは何か?
フクロウ先輩「北山さんは今日のセミナーでエンゲージメントについて学んだんだよね。従業員エンゲージメントとは何かは理解できたかな?」
北山さん「はい、従業員エンゲージメントの意味や目的について聞いてきました」

例えば、リクルートマネジメントソリューションズではエンゲージメントを、「一人ひとりが、今の仕事や職場・会社で働くことに意味や価値を感じ、自ら貢献する意思を持って働いている状態」と定義し、ワーク・エンゲージメント、従業員エンゲージメントを「仕事・職場・会社」の3つの概念で捉えているよ。

◆特集 「個人・組織のパフォーマンスを高める従業員のエンゲージメント向上」

北山さん「友人たちから『仕事は好きだけど今の職場が合わない』というような話も聞くので、3つに分けて考えるというのは納得感があります」
フクロウ先輩「エンゲージメントを向上させるためには、単純に高いか低いかだけでなくその要因がどこにあるかを見ていくことが大事だね」
第3章 エンゲージメント向上はどう進めればよいですか?
北山さん「今日のセミナーでもエンゲージメント向上のためにはまず可視化が必要だというお話でした」
フクロウ先輩「そうだね。エンゲージメントが低いとしたら、その要因はいろんなことが考えられる。要因があるところに手を打たないと意味がないからね」
北山さん「可視化に取り組む際に考えておいた方がよいことはありますか?」
フクロウ先輩「サーベイを実施するのが可視化の一般的な手法になるよ。大事なのは、サーベイを実施する前に、結果によって打つべき施策を想定して準備しておくことかな」
北山さん「例えば、結果を部署別で分析するなどですか?」
フクロウ先輩「エンゲージメントが高い組織や課題がある組織についてその特徴を見ていくことは大事な材料になるね。また、高い低いだけでなく、その要因になる要素について見ておくことも必要だよ。ただ、さっき僕が言った施策というのは分析という意味じゃないんだ」
北山さん「実際の改善のための施策ということでしょうか」
フクロウ先輩「そのとおり。エンゲージメント改善のための施策は、経営層や各職場を巻き込んで行う内容になることが多い。サーベイを実施する前から関係者と一緒にそのような動きが取れるように準備をしておかないと、結果は出たのに施策を打てなかったり、打つとしてもかなり先になってしまったりすることがあるんだ」
北山さん「なるほど。せっかく可視化したのに、改善のための施策を打つことができないともったいないですね」
フクロウ先輩「迅速に改善施策を決めるためにも、結果レポートを見てすぐ改善ポイントが分かることも大事だよ。初めて実施する場合は、分析や関係者への報告支援などもセットでパートナーに依頼するのもいいね」

例えば、リクルートマネジメントソリューションズの「エンゲージメント・ドライブ」では、サーベイ結果をもとにした課題仮説の提示と共に、一般的な施策内容を参照できるヒント集や人事・組織長向けの活用ガイドを提供しているよ。


北山さん「まずは可視化のためのサーベイ実施かなと思っていましたが、先にどんな打ち手がありそうか考えておくことも必要ですね。課長と話してみます」
フクロウ先輩「サーベイは、取って終わりになってしまうのが一番もったいないからね。打ち手をサポートしてくれる会社からも情報収集しておくといいよ」
北山さん「今日セミナーに行った会社の人も頼りになりそうだったので聞いてみます」
フクロウ先輩「離職率を改善できるのは会社にとって非常に意味のあることだから、僕も企画を手伝うよ」
北山さん「それは心強いです! よろしくお願いします」

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