連載・コラム
【連載】“マネスタ”ユーザーインタビュー:ベンチャー企業マネジャーのリアル
何が正解か分からない……!新米マネジャーが自分の役割を見つけるまでの90日間
- 公開日:2018/07/23
- 更新日:2024/03/26

※マネスタは2022年6月で新規受付を終了いたしました。
~株式会社ツクルバ 森勇貴さんのマネジャーとしての「一歩」~
事業拡大にともなう人員増が続くと、優秀なメンバーが、リーダー、マネジャーへと本人の意識が追いつかないまま階段を上っていくことがあります。もちろん、能力が高いからキャリアアップするわけですが、プレイヤーとして優秀だからといって、すぐにマネジャーの役割を果たせるわけではありません。新米マネジャーたちはみんな不安を抱えています。
ベンチャー~中小企業向けモバイル活用伴走型マネジメント研修「マネスタ」を導入した株式会社ツクルバの新米マネジャーである森さんも同じでした。今回はマネスタの90日間の学びを経て、マネジャーとして自走し始めた森さんの成長ストーリーをご紹介します。
【企業紹介】
株式会社ツクルバ
中古住宅に特化した流通プラットフォームcowcamo(カウカモ)事業、シェアードワークプレイスco-ba(コーバ)事業をはじめ、空間デザイン・プロデュースに関する調査分析・企画・設計デザイン・監理業務、不動産に関するプロパティマネジメント・賃貸 売買仲介・開発・再生プロデュースなどを幅広く展開。
【マネスタとは?】
モバイルとデータを活用した従来にない伴走型マネジメント研修です。
導入~3カ月間で事業推進のキーであるリーダー、管理職・マネジャーのピープルマネジメント力を改善します。
- 目次
- 新規事業を立ち上げたスーパープレイヤーも、初めてのマネジメントは不安
- 成果を出せない自分に失望……いったん立ち止まって考える
- メンバーのいいところを書き留めて、コミュニケーションに役立てる
- 「マネジャーは大変そう」ではなく「面白そう」と思ってもらうことが目標
- スーパープレイヤーから、安心感と組織を動かす醍醐味を伝えるマネジャーへ……森さんの挑戦は続く
- おわりに 最初から自信満々のマネジャーはいない
新規事業を立ち上げたスーパープレイヤーも、初めてのマネジメントは不安
「場の発明を通じて、欲しい未来をつくる」という株式会社ツクルバの理念に共感し、SNSを通じてCCOの中村氏にぜひ働かせてほしいと直談判したという森さん。平日はもともと務めていたマンションディベロッパーで営業として働きながら、休日にツクルバで仕事を手伝うようになり、やがて熱意とポテンシャルが買われて、正式に入社した。
入社時のメンバーはわずか6名。森さんはシェアオフィスの仲介業務や、不動産オーナーへの物件活用の提案など、さまざまな仕事を経験。どの仕事でもしっかりと成果を上げて、事業の拡大に貢献した。2015年には、リノベーション住宅特化の流通プラットフォームであるcowcamo(カウカモ)事業を、もう1人のメンバーと共に立ち上げた。
「知識がぜんぜん足りなくて、お客さまに『この物件を買うことに決めます』と言われても、取引の全体像を把握できていなかったので、『この後どうしたらいいんだろう……』と困ってしまう。そんな状態からのスタートでした」
悪戦苦闘しながらも事業は急拡大し、立ち上げ時に2人だった事業部が、3年弱で50名まで成長。それにともない森さんもユニットリーダー、マネジャーへとキャリアアップしていった。しかしながら、森さんはマネジメント未経験。自分が現場に出るのではなく、メンバーの力で大きな数字を上げていくというイメージがわかなかった。
「役割の急な変化に、心の準備ができていなかったので、自分にマネジャーが務まるかどうか不安でしたし、何をしたらいいのかも、何が正解なのかも分からない状態でした」
成果を出せない自分に失望……いったん立ち止まって考える
マネジャーになって2カ月がたったとき、森さんは自分に失望していた。事業部の目標にも届かず、マネジメントも暗中模索の状態が続く。自分がもう一度現場に出れば数字を上げられるかもしれないが、それでは意味がないことも分かっていた。
「何かを変えなくてはいけないと感じ、人事部長や同僚にアドバイスを求めるようになりました。そのころから、自分が周りからどう見られているのか、そして何を期待されているのかを、強く意識するようになりましたね」

森さんがマネスタを始めたのは、ちょうどそんなときだった。マネジャーとしての現状把握のために行うマネスタサーベイによると、森さんは職場のメンバーたちに、「仕事にストイックで自分に厳しい人」と見られていることが分かった。
「自分に厳しいのは悪いことではないと思うけれど、『その厳しさが、いつか自分に向けられるんじゃないか』と感じているメンバーもいることに気づいたんです。『ベンチャーだから気を抜いたら会社の存続に関わるし、そのことを分かって入社したんじゃないの?』と言いたい気持ちもなくはなかったのですが……」
マネスタの同僚とマネジメントについて本気で議論するセッションや、人事部長との定期的な1on1、そして職場での実践とフィードバックを通じて、森さんはマネジャーとしての自分の課題や、目指すべきマネジメントスタイルが見えてきたという。
「職場には緊張感も必要だと思います。しかし、緊張しっぱなしではメンバーが疲れてしまう。プレッシャーを与えるのではなく、まずはメンバーを信じて任せてみようと思いました。僕が考えるマネジャーの役割はメンバーの安全地帯になること。心理的安全性を感じられる職場づくりをしたいと考えるようになりました」
メンバーのいいところを書き留めて、コミュニケーションに役立てる
メンバーの心理的安全性を醸成するにはどうしたらいいのか考え、森さんはメンバーとの関わり方を変えた。
「まず、メンバーを理解することに努めました。『この人は僕のことを見てくれている』と思ってもらうことが、安心感につながると考えたからです。ただし、メンバー全員に100%向き合い続けるのは現実的ではないから、ユニットリーダーやユニットリーダー候補にフォーカスすることにしました。ユニットリーダーのことをちゃんと理解できて、彼らのアクションが変われば、結果として全体がよくなると思ったのです」
ユニットリーダーたちのいいところを見つけても、そのとき声をかけなければ忘れてしまうこともある。森さんは、リーダー一人ひとりに対して、本人のいいところ、森さん自身がリーダーに感じている想い、マネジメント上のヒントなどを気づいたその場で、社内チャットでメモをし、どんどん内容をストックしていった。
「気づいたことをメモしておくことで、メンバーと話すときに『あなたのことを見ているから大丈夫だよ』と具体的に伝えられるようになりました」

メンバーに対する助言の仕方も変わった。そのことにより、例えば「自分の考えを通すために強引なコミュニケーションをしてしまう」などの問題を抱えるメンバーにも、改善が見られるようになったという。
「『それはダメだよ』とストレートに伝えるだけでは効果は期待できません。言われたメンバーは、その場では、『はい』と言うかもしれませんが、後で同じことを繰り返すと思います。なぜなら、腹落ちしていないから。『森さんは僕のことを分かっているし、僕のために言っている』という前提があるからこそ、納得できるのだと思います」
もう1つ、森さんは今、苦手なことに取り組んでいる。「弱み」を見せることだ。
ある時メンバーから、「ストイックなサイボーグのような方と誤解していました」と言われ、「強がりばかりではなく、あえて素の自分や弱みを見せることも意味があるのかもしれない」と考えるようになったからだ。

「マネジャーは大変そう」ではなく「面白そう」と思ってもらうことが目標
森さんの事業部のほとんどのメンバーは、マネジメントの経験がない。そのため、マネジメントの大変な側面しか見えていないのではないかと、森さんは懸念している。
「自分は手を動かさないのに大きな数字に責任を持たないといけない。プレッシャーはあるし、管理すべきことはたくさんある。そこだけ見えてしまうとマネジャーになりたいと思えないのも無理はないですよね」
どうしたらメンバーたちがマネジャーの仕事に興味を持つようになるのか。やはり自分がマネジャーの役割を楽しむ姿をメンバーに見せることが一番であると、森さんは考えている。
「マネジャーになることで目線が上がって会社全体を俯瞰できるようになります。組織を動かすにはどうしたらいいのかという新しい視点が生まれ、それによって事業が成長し、会社が大きくなる。そういうマネジメントの醍醐味を自分が楽しんで、『面白そう』と感じてもらえるようになりたいです」
変化の兆しはある。最初は「自分はリーダー向きではない」と、ユニットリーダーになることに否定的だったメンバーが、森さんと一緒にマネスタに参加し、組織運営に興味を持つようになった。
「自分の業務スキルを深めたいというスペシャリスト志向だったメンバーが、今はユニットリーダーとして活躍しています。マネスタを通じて、組織を動かす醍醐味を実感できた影響が大きいのだと思いますが、こういう変化をたくさん起こしていきたいですね」

スーパープレイヤーから、安心感と組織を動かす醍醐味を伝えるマネジャーへ……森さんの挑戦は続く
マネスタと出会って90日間。森さんの理想のマネジャー像が見えてきた。新しい目標も、くっきりと見えている。
「マネジャーとはどういう役割なのか、自分のなかで定義して、cowcamo事業以外の新しい領域も攻めていきたいです。その際、僕の後を引き継ぐマネジャーが、自分らしいマネジメントをできるように、最低限のベースを作ってあげたいと思っています。マネジャーになれば、事業や組織に関してプレイヤーとは桁違いの情報が集まるし、現場の声を聞くことも、上の人たちが目指す先を捉えることもできる。組織をハンドリングできる立場だと思うので、そういう魅力を伝えていきたいです」
プレイヤーからマネジャーへ完全に思考が切り替わり、「何が正解か分からない」と迷っていたころの姿はもうそこにはない。森さんにとって、マネスタとは何だったのか。
「マネスタは自分を客観的に見つめ直すいい機会になりました。セッションを通じてユニットリーダーたちとの相互理解も進んだと思います。これからは、マネスタで得た学びを習慣化して、どのように組織運営に乗せていくのか考えていきたいですね」
マネスタでの気づきを、現場でのアクションにつなげ、マネジャーとしての一歩を力強く踏み出した森さん。スーパープレイヤーからスーパーマネジャーへと進化している真っ最中だ。

おわりに 最初から自信満々のマネジャーはいない
プレイヤーとしてのパフォーマンスがずば抜けて高く、新規事業の立ち上げという重責も果たした森さん。そんな優秀な人材でさえ、マネジャーになったときは、何をすればいいのか正解が見つけられず、不安を抱えていました。しかし、マネジャーの役割を自分なりに見つけたとき、マネジャーのスイッチがオンになりました。
マネジメントの指針を見つけるヒントさえ与えることができれば、森さんのような優秀な人材は、マネジャーとして自走し始めるのです。自走までの90日間、マネジャーの伴走をするマネスタの存在価値はここにあります。
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■「マネスタ」ユーザー事例
第1回 ベンチャー企業マネジャーのリアル――就任からの60日
第2回 忙しさを言い訳にしていたところからメンバーの成長と向き合うまで
第3回 ある日突然、社長に「マネジャーやって」と言われたら?
第4回 育成に無自覚だった私が、オリジナルの「マネジメントの教科書」を作るまでの90日
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■「マネスタ」導入企業事例
経営と現場をつなぐミドルマネジャーを強化し、一気通貫の経営管理体制をつくる(日置電機株式会社様)
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