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【連載】“マネスタ”ユーザーインタビュー:ベンチャー企業マネジャーのリアル

ある日突然、社長に「マネジャーやって」と言われたら?

  • 公開日:2018/04/02
  • 更新日:2024/03/22
ある日突然、社長に「マネジャーやって」と言われたら?

※マネスタは2022年6月で新規受付を終了いたしました。

~株式会社MUGENUP 星田さん&脇さんのマネジャーとしての「一歩」の軌跡~

マネジャーの辞令は突然に……! 成長著しいベンチャー企業では、マネジャーの辞令がある日突然やってくることも珍しくありません。「ところでマネジャーって何するの……?」と戸惑ってしまう新任マネジャーも少なくないはず。そんな迷えるマネジャーを助けるサービスが、ベンチャー企業向けモバイル活用伴走型マネジメント研修「マネスタ」です。今回は、マネスタを導入いただいた株式会社MUGENUPのマネジャーたちの軌跡をお伝えします。

【企業紹介】
株式会社MUGENUP
イラスト、3DCG、映像などの制作を行うデジタルクリエイティブ事業をはじめ、クリエイティブの制作に特化したプロジェクト管理ツール「Save Point(セーブポイント)」を提供するSaaS事業、クリエイター向けのWebメディア「いちあっぷ」を運営するメディア事業人材や、コンサルティング事業などを展開。「創ることで生きる人を増やす」を経営理念に掲げ、クリエイターの新しい働き方を提案している。

【マネスタとは?】
モバイルとデータを活用した従来にない伴走型マネジメント研修です。
導入~3カ月間で事業推進のキーであるリーダー、管理職・マネジャーのピープルマネジメント力を改善します。

〈Vol.1 星田さんの「一歩」ストーリー〉 「相談しづらい空気をつくっていたのは、自分だったんですよね」
本当に自分がマネジャーでいいの?
メンバー一人ひとりと、もっと話をしようと決めた
チームの“温度”が高まり始めた
新しい挑戦を楽しむチームにしたい
〈Vol.2 脇さんの「一歩」ストーリー〉 「チームメンバーの自主性や強みを生かせるマネジャーになりたい」
メンバーから「朝、機嫌悪いよね」と言われ……
「遂行と成長の両立」が大事だった
部下の「なりたい自分」を理解して、背中を押す
成長機会を奪わない。共に考えるマネジャーに!

〈Vol.1 星田さんの「一歩」ストーリー〉 「相談しづらい空気をつくっていたのは、自分だったんですよね」

「デザイナーとして着実に経験を積むのもいいけれど、他の人が体験できないような新しいことをしたい」
そんな想いを胸にデザイン専門学校を卒業し、設立して3期目だったMUGENUPに入社した星田さん。当時、会社の規模は今よりもずっと小さく、個人の頑張りで組織を押し上げられる環境だった。

少しずつデザイナーとして実績を作り、文字通り会社と共に成長してきた星田さんだが、入社3年目に転機が訪れた。外部のクリエイターと共にクリエイティブを制作するデジタルクリエイティブ事業部において、3DCG専門のチームが新たに創設されることとなり、そのマネジャーに抜擢されたのだ。新チームは、星田さんを含めて5人で始まった。

本当に自分がマネジャーでいいの?

「ある日、社長から『3DCGチームを立ち上げるので、そのマネジャーをやってほしい』と言われたんです。メンバーの半分は年上だし、身近にまとめ役のようなベテランのメンバーもいたので、正直なところ、その人の方がマネジャーにはふさわしいと思っていました。マネジャーと言われても、嬉しいというより、戸惑いのほうが勝っていたかもしれません」

星田さんが苦労したのは、年上のメンバーとのコミュニケーションだった。新しいサービスを育てることがミッションだったため、今までとは仕事の進め方を変えなければいけない場面も出てくる

「年下で経験の浅い僕が、年上で経験のある人に指示するとなると、衝突が起こることもあり得ます。それに、僕は伝え方がそれほど上手ではありませんでした。だからといってあまり干渉しないようにすると、今度はコミュニケーション不足が原因となってトラブルが起きてしまうこともありました。問題解決のために最後の最後に僕が出ていくと、『いいところをもっていかれる』と言われてしまうこともあったんです。そうしているうちに、チームを離れる人も出てきて、このままじゃいけないと思っていました」

本当に自分がマネジャーでいいの?

星田さんはマネジメントに関する本を何冊も読み込み、マネジャーの仕事に取り組む覚悟を決めた。MUGENUPがマネスタを導入したのは、ちょうどそのころのことである。

メンバー一人ひとりと、もっと話をしようと決めた

「まさに会社全体でマネジメントの強化が必要だという問題意識が高まっていました。MUGENUPとしてマネスタを導入し、僕もプログラムを受講したことで、世間一般の理想的なマネジャー像のようなものを知ることもできたし、多くの新任マネジャーたちが自分と同じ悩みを抱えていることが分かりました。自分と同じくマネジメントに四苦八苦している他のマネジャーたちとの間に、同志のような絆が生まれたように感じました」

マネスタでの学びを生かし、星田さんは新しいチャレンジを始めた。もともと星田さんは自分から積極的に話しかけるタイプではない。どちらかというと、話しかけられるのを待つタイプだった。

「もしコミュニケーションを取らなくても問題なく仕事が進むなら、それはそれでいいと思っていました。だから、無意識に壁をつくっていた部分があったと思います。でも、マネスタで学んだおかげで、それじゃいけないと気づき、チームのメンバーと定期的に面談をすることにしたんです」

面談の場では、どんな話が飛び出すか分からない。最初の面談は、星田さんにとってプレッシャーのかかる仕事だった

「一番緊張したのは、ポテンシャルの高い新人との面談ですね。その人の成長を促すように話さないといけないし、自分の話す内容に論理の破綻があると、その人が聞く耳を持たなくなってしまうかもしれません。そんなことを考えて、面談の前には、何を話すべきか入念に準備をしました。そのおかげもあって、いざふたを開けてみたら予定の1時間では収まらないくらい話が盛り上がったんです。クールに見えていたその人の情熱的なマインドにも触れることができて、本当によかったと思えました」
星田さんは面談を重ねて、メンバーたちの情熱の扉を少しずつ開いていった。

メンバー一人ひとりと、もっと話をしようと決めた

チームの“温度”が高まり始めた

メンバーとの面談は、週1回から隔週1回という具合に、頻繁に行われている。マネジャーとメンバーのコミュニケーションが円滑になっただけでなく、メンバー間も話しやすい雰囲気になってきた。

「黙々と集中して仕事をしている人に対しては、邪魔しちゃいけないなどと遠慮してしまって、話しかけづらいこともあります。でも、その人に対して、マネジャーである僕が率先してコミュニケーションを取っていたら、周りも話しやすくなるものです」

現在、3DCGのチームメンバーは10人。星田さんが心がけているのは、10人それぞれが今どんな状況なのか、また、どんなことをしたいと考えているのかを把握すること。そうすると、メンバーの間に「マネジャーが自分を見てくれている」という安心感が生まれる。さらに、毎日の朝会で各々が抱えている案件の進捗や課題などを共有することで、メンバー一人ひとりが自然とチーム全体へ視野を広げられるようになった。

「最近、『これやりましょう!』という積極的なアイディアが、メンバーから発案されるようになってきたんです。さらにメンバー同士の会話の質も変わってきました。ちょっとした報告1つとっても、淡々と事実だけを述べるのではなく、メンバー自身がどうしたいのかや、何を考えているのかといったことまで話してくれるのでチームに“温度”が感じられて。そのことがすごく嬉しいんですよね」

■星田さんのマネージャーとしてのトライと振り返り

新しい挑戦を楽しむチームにしたい

メンバー一人ひとりが安心して働けるチームをつくっている星田さん。チームの結束力をより高めるためには、「文化づくり」が大切なのではないかと考えている。

「『ウチってこういうチームだよね!』という共通認識があるチームは強いと思っています。新しいことをやり続けたい、そのために自分を磨き続けたい……という考え方が自然にできるチームにしたい。僕たちの3DCGチームは、請け負った案件をこなすだけではなく、事業として発展性のある仕事を会社から求められていると感じています。だから、チャレンジする文化を醸成していきたいですね」

新しい挑戦を楽しむチームにしたい

チャレンジする文化を醸成するためには、メンバーが自らチャレンジしたいと思える環境をつくることが必要である。

「僕がまだマネジャーではなくメンバーだったころ、新しいことをやりたいと言ったときに会社が応援してくれたし、やったことに対して評価もしてもらいました。今度は僕が、メンバーたちの挑戦を応援し、しっかりと評価する仕組みを作っていきたいんです」

メンバーから「相談しづらい」と思われ、迷いもあったマネジャーは今、チームの温度を高めながら、「チャレンジを好むチーム文化をつくる」という大きな目標に向かって着実に歩を進めている。

〈Vol.2 脇さんの「一歩」ストーリー〉 「チームメンバーの自主性や強みを生かせるマネジャーになりたい」

脇さんはMUGENUPの創業期からのメンバーである。
現在は、クリエイティブ制作を効率化するプロジェクト管理ツール「Save Point(セーブポイント)」の事業マネジャーを務める脇さんだが、過去、デジタルクリエイティブ事業部のマネジャーを務めたことがあった。プレイヤーの域を出ることができず、チームマネジメントに苦しんでいたと当時を振り返った。

メンバーから「朝、機嫌悪いよね」と言われ……

「メンバーから『何を考えているのか分からない』と言われたり、『朝、機嫌が悪い』と言われたりしましたが、それらの言葉は図星でした。当時は目の前の仕事に追われて、マネジャーらしいことが全然できていませんでした」

入社して数年でマネジャーを任されたときのことを、そのように振り返る脇さん。セーブポイント事業のマネジャーに就任するときには、「また前と同じことをしていては意味がない」と、自分が変わる必要性を考えていたという。

メンバーから「朝、機嫌悪いよね」と言われ……

「マネジャーとなってまず、メンバーから『今後の展望は?』とチームや事業の方向性について聞かれました。当然、マネジャーなんだから答えられないといけません。しかし、就任直後の私は、直近のチームの役割と業績を維持することを優先していました」

まずはチームの足並みを揃えたい。サービスの質をあげつつ、営業計画も達成したい。優秀なメンバーをチームにアサインするなど、チームづくりに注力した。それでも、チームを離れるメンバーもいたという。

「よりよいマネジメントとは?と自問したり相談したりしていた時期、代表からマネスタを導入すると言われたんです。プログラムが始まるときに、チームのメンバーが現状をどう思っているのか、最初にマネスタがアンケートしたのですが、サーベイの結果は想像通り厳しい評価もあり、客観的に見てもチーム状況がよくないことを知りました」

「遂行と成長の両立」が大事だった

なぜ、メンバーの心が離れてしまったのか。そのヒントは、マネスタのなかで学んだことの1つ、「遂行と成長の両立」にあったと脇さんは分析している。マネジャーに就任したばかりの脇さんは、メンバー個人の成長よりもチームの成長を意識していたという。

「メンバーに自分の成長を実感させてあげられなかったことが、心が離れてしまった原因の1つだと思います。『あなたにはこうなってほしい』というリクエストや個人目標を示すことができず、成長する機会や環境をつくれませんでした。会社からの期待や自分の成長を感じられないから、本人のモチベーションも上がりませんし、それだと当然結果も出ず、会社からの評価にもつながりません。成長のベクトルに乗っている感覚を、チームのメンバーが自分自身で持てるようにしないとダメだとあらためて実感しました

会社からの期待や、自分の成長を感じられない状態では、メンバーのモチベーションは上がらない。チームを強くするためには、メンバー一人ひとりの成長と向き合うことが必要である。その考えに至ったことが、マネスタを通じて得た一番の収穫だったという。

「遂行と成長の両立」が大事だった

部下の「なりたい自分」を理解して、背中を押す

メンバーの成長が重要だと気づいた脇さんは、さっそく、メンバーの「なりたい自分」を聞く時間をつくった。最低でも月に1回はマンツーマンで、心ゆくまで面談をする。

「チームの目標や、会社からの期待、そして本人が3年後、10年後に何をやりたいのかなど、じっくり話します。堅苦しい感じではなく、ざっくばらんに。その際、誰が何をやりたいのかをしっかりと記録しておく。メンバーのなりたい将来像が分かれば、『3年後に○○をしたいなら、今はまだ□□が足りていない』など、具体的な課題が整理できます。それを踏まえて、『将来、○○をやりたいなら、その将来像に沿ったスキルが必要なのだから、今は□□を伸ばそう』とメンバーの背中を押しています」

部下の「なりたい自分」を理解して、背中を押す

メンバーが何をやりたいと考えているのか、どんな能力があるのかを把握して、役割を与えていく。マネジャーに命令されて動くのではなく、チームのため、自分の将来のために必要だと感じて、メンバーが自発的にアクションを起こし始める。脇さんは今、綿密なコミュニケーションをはかりながら、遂行と成長が両立した理想のチーム構築に励んでいるところだ。

成長機会を奪わない。共に考えるマネジャーに!

以前の脇さんは、業務遂行を優先し、メンバーの仕事を最終的には巻き取って奪ってしまうこともあったのだという。

「メンバーが考えている途中で、私が答えを出してしまったり、仕事のヌケ・モレを見つけたときにそれを指摘して直させるのではなく私が処理してしまったり……。でも、これをやってしまうと、メンバーの成長のチャンスを奪うことにもつながってしまうと思います」

成長を促すためにも、メンバーを信じて、任せたい。そのことはマネジャーになったころから分かっていたが、かつてはなかなか実践できなかった。
しかし、マネスタでマネジャーのあるべき姿を学び、どんな振る舞いをすべきなのか明確になったという。

脇さんのマネージャーとしてのトライと振り返り

「『目標を達成するためにはどんなアクションが必要か、誰もが考えてほしい』というスタンスで、メンバーと接しています。当然ですが、私一人だけで、チームの目標達成に向けて必要な手を打っていくのは難しい。実際に現場で取り組む人たちが、自分の目標を達成するために自らアクションを起こしていくことが、チーム全体としての目標達成への近道だと」
メンバーの自主性を重んじている脇さんは、タスクの遂行と成長を両立させるために、メンバーとの対話を大切にしている。「何を考えているか分からない」と言われていたマネジャーの姿は、そこにはもういない。

成長機会を奪わない。共に考えるマネジャーに!

最後に ――若きマネジャーたちの「一歩」は試行錯誤から生まれる

マネジャーになれば、メンバーといかに信頼関係をつくるか?という壁に必ずといっていいほどぶつかります。
しかし、星田さんや脇さんがそうであるように、マネジャーとしての基本行動をインプットしたり、実際に職場で試行錯誤を繰り返したりすることを通じて、自分なりの「マネジャーのあるべき姿」をつかむことができれば、やがて壁を乗り越え、チームで成果をあげるマネジャーとして、大きな「一歩」を踏み出すことができるはずです。リクルートマネジメントソリューションズは、こうしたマネジャーたちの一歩をこれからも応援していきます。

経営と現場の連結ピンであり、日々メンバーと共に奮闘しているリーダー、管理職・マネジャーが輝くと、事業はもっと加速するはずです。

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