用語集
就業レディネスとは
- 公開日:2025/03/03
- 更新日:2025/03/03
「就業レディネス」は、学生が社会人になるにあたっての心の準備状態を示す概念です。社会そのものや社会で働くことを、自己との結びつきのなかで自分なりに捉え、整理ができている状態を示しており、入社後の適応状況に影響するとされています。
就業レディネスの下位概念と測定
就業レディネスという概念は、よりよい就職活動とは何かにまつわる社会人を対象にした調査のなかで生まれました。よりよい学生の就職活動やキャリア教育を考えるうえでは、目指したい状態を卒業後の適応としつつ、就業移行期間における理想的な学生の心の状態、指標を置くことが重要という問題意識から、社会人になるための心の準備が整った状態を指す「就業レディネス」の概念が提唱されました(舛田,2015)。
初期の研究では就業レディネスは「社会人としての自覚」「自己理解の促進」の2つの下位概念から構成されており、就職活動を通じてこれらが醸成されることで、入社後の適応状況に影響することが確認されています(舛田,2015; 渡辺ら,2022)。
研究が発展していき、学生向けの尺度開発を行う際に概念拡張の必要性が提示され、「社会人としての自覚」「自己理解の促進」「就業移行への自己効力感」の3つの下位概念となり、それまで5項目で測定していた尺度を16項目に増やしました(図表1・渡辺ら,2020)。
<図表1>就業レディネスの質問項目 (渡辺ら,2020)

就業レディネスと入社後の適応状況との関係
これまでの研究の結果、就業レディネスが高い人ほど就職活動に対する満足度が高いこと(舛田,2015)や、図表2のように新人時代の組織や仕事への適応につながるプロアクティブ行動を取っていること、また入社2年目以降の適応や離職意思の低下につながることが分かっています(渡辺ら,2020)。
学生から社会人の縦断調査でも入社後の定着との関連が確認されており、その関係性は強いと考えられます(図表3・渡辺ら,2023)。
<図表2>就業レディネスは入社後の適応状況に影響する(渡辺ら,2020)

<図表3>学生から社会人までを追った縦断研究結果(渡辺ら,2023)

<参考文献>
舛田 博之(2015) 充実した就職活動が入社後の適応や定着におよぼす影響-就業レディネスの重要性-. 就職みらい研究所 調査研究レポート. https://shushokumirai.recruit.co.jp/wp-content/uploads/2015/07/readiness_ronbun201507.pdf
渡辺 かおり・飯塚 彩(2022) 新卒採用場面におけるコミュニケーションが内定先理解と就業レディネスに与える影響. 人材育成研究 第18巻第1号 P17-32.
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