用語集
プロジェクトマネジメントとは? 必要なスキルや代表的なフレームワークを解説
- 公開日:2024/12/02
- 更新日:2024/12/02
プロジェクトを想定通りに成功させるためには、人員や予算、スコープやタスクなどに対する綿密なマネジメントが欠かせません。本記事では、そんなプロジェクトマネジメントに生かせるスキルや代表的な手法などを紹介します。
プロジェクトマネジメントとは?
プロジェクトマネジメントとは、特定の目的の達成を目指す取り組み「プロジェクト」を成功に導くためのマネジメント(管理)手法のことです。マネジメントする対象としては、プロジェクトに参加する人員やスケジュール、コスト、品質などが挙げられます。
プロジェクトとその他の業務・事業の大きな違いは、プロジェクトには明確な「目的」と「期限」が設定されている点にあります。加えて、多くのプロジェクトは人員や予算といったリソース(資源)にも限りがあるため、予定通りに目的を達成するにはさまざまな面からマネジメントを行う必要があるのです。
プロジェクトとは?
プロジェクトとは、決められた期間の範囲内で、何らかの目的を実現するために行われる業務や活動を指す言葉です。ビジネスシーンにおいては、新商品・サービスの開発や建設工事などもプロジェクトとして実施されます。
また、プロジェクトの総責任者は「プロジェクトマネジャー(PM)」、プロジェクトを支える組織は「プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)」と呼ばれます。プロジェクトマネジメントは、PMとPMOが主体となって実施されるケースが多いです。
タスクとの違い
プロジェクトという言葉が目的達成に向けた業務全体を表すのに対して、プロジェクトを構成する一つひとつの作業や役割は「タスク」と呼ばれます。例えば、新商品の開発プロジェクトでは、商品のデザインや素材の決定といった作業がタスクにあたります。
プロジェクトはいくつものタスクの集合体であり、プロジェクトを成功させるためにはそれぞれのタスクを確実に完了させなくてはなりません。そのため、プロジェクトマネジメントではタスクの進捗状況も管理の対象となります。
プロジェクトマネジメント能力を身につけるメリット
優れたプロジェクトマネジメント能力は、プロジェクトに以下のようなメリットをもたらします。
課題の早期発見と対処ができる
現状把握や進捗確認といったプロジェクトマネジメントを綿密に行うことは、プロジェクトが抱える課題の早期発見・解決に役立ちます。
なかでも、進捗の遅れは期限内に目的を達成しなくてはならないプロジェクトにとって深刻な問題のため、早い段階で対処できることには大きな価値があります。
業務が効率化する
プロジェクトマネジメントには、目的達成のために必要なリソースや業務の優先順位を明らかにすることで、効率的に業務を進められるようになる効果もあります。
このことは、プロジェクトの進行における余計なコストや工程の削減につながり、各業務のスピードや生産性にもプラスの影響を与えます。
プロジェクトの一貫性が保たれる
プロジェクトマネジメントによって業務の内容や納期が明確になると、目的達成に向けて進むべき方向性が確立され、プロジェクトチームがより強固にまとまります。
その結果、チームのメンバー同士が力を合わせて業務に臨めるようになり、業務中の連携やコミュニケーションも円滑になります。
プロジェクトマネジメントに必要なスキル
プロジェクトマネジメントにおいて求められるスキルは、以下のように分類されます。
コミュニケーション能力
プロジェクトは複数のメンバーからなるプロジェクトチームによって進行されるほか、業務のなかでは社内外の関係者とのやり取りも頻繁に発生します。そのため、プロジェクトを管理するうえでは他者と円滑に意思疎通を行うコミュニケーション能力が求められます。
課題解決能力
課題解決能力とは、課題を特定し、実態や原因を的確に分析、解決に向けた戦略や施策を考案するスキルです。プロジェクトの進行過程では時として予期せぬ課題に直面することがあるため、そのつど柔軟に判断して対処していく能力が求められます。
課題解決能力は実際の経験を通じて磨かれるほか、研修プログラムなどを受講してスキルを獲得する方法もあります。早期にスキルを身につけたい場合には、以下のサービスの利用をお薦めします。
経営・ビジネスに関するノウハウ
プロジェクトを進めるなかでは、取り組みの過程で発生した課題の内容や、最終的な損益などを顧客や関係者に説明する機会があります。そうした場面で必要となるのが、経営的な視点やビジネスに対する深い理解です。
これらの専門的なノウハウは単に「知っている」というだけでは不十分であり、相手に分かりやすく説明できるレベルまで学びを深め、自分のものにすることが大切です。
QCDの管理能力
プロジェクトマネジメントにおいては、Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)という3つの要素をいかに管理するかが重要となります。
プロジェクトではQCDの各要素に関して制約や条件が存在する場合も多いため、指定された範囲に収まるように状況を把握・コントロールし、問題が発生した際には適切に対処しなくてはなりません。
ITスキル
ITの普及や進歩により、近年ではプロジェクト内でITに関する知識や技術が求められることがあります。昨今のIT業界は急激な変化の最中にあり、その分情報が古くなるスピードも速まっています。一度学んだだけで満足せず、常に最新のノウハウを取り入れることを心がけましょう。
プロジェクトマネジメントの代表的な手法・フレームワーク
ここからは、プロジェクトマネジメントに使用される代表的な手法やフレームワーク(思考の枠組)を紹介します。
PMBOK
PMBOK(Project Management Body Of Knowledge)は、主にQCD管理を目的として1980年代にアメリカで生まれたフレームワークです。その特徴は、QCDをはじめとした10項目の管理を「立ち上げ」「計画」「実行」「監視・管理」「終結」という5つのプロセスに分けて考える点にあります。
目指すべきゴールだけでなくその過程にも目を向けて管理するPMBOKは、プロジェクトの各プロセスでチームが何をすべきかを明確にしてくれます。そんなPMBOKの詳しい実践方法や効果は、以下の研修で詳しく学ぶことが可能です。
ガントチャート
ガントチャートとは、プロジェクト内の一つひとつのタスクが現在どれだけ進んでいるかを可視化した表です。表の縦軸にはタスク、横軸には日時が設定されており、横に伸びる棒の長さによってタスクの遂行にかかっている期間が表されます。
ガントチャートを利用すれば、各タスクの実際の進捗状況だけでなく、プロジェクト全体の流れやタスク同士のスケジュール上での重なりなども一目で把握することができます。
WBS
プロジェクトの目的達成までに生じるすべての作業を細かく分解し、その詳細や関係性を構造図に書き出して管理する手法をWBS(Work Breakdown Structure)といいます。
プロジェクトの開始時にこれから取り組むタスクをWBSの図にまとめることは、各タスクの内容や優先順位を把握し、チーム全体で共有するうえで役立ちます。
CCPM
CCPM(Critical Chain Project Management)は、プロジェクトのスケジュールや予算を一度「最小限」に設定することで進行に余裕を持たせるマネジメント手法です。
タスクの所要時間や予算が当初の予定をオーバーしてしまった場合、CCPMでは最初に最小限に設定したことで生まれた「余裕(バッファ)」を割り振ることで補填します。余ったリソースを個別に保管しておくことで、必要な場面で適切に使うことができるのです。
PERT
プロジェクトを構成するタスクのなかには、別のタスクが終わらなければ取りかかれないものや、他のタスクと同時に進めなくてはならないものもあります。PERT(Program Evaluation and Review Technique)とは、そうしたタスク同士の依存関係や処理すべき順序をフローチャート化して管理する手法です。
PERTはリソースの適切な配分や、プロジェクトの円滑な進行に効果を発揮します。ただし、タスクの関係性は途中で変化することもあるため、状況に応じて繰り返しチャートを作成する必要があります。
プロジェクトマネジメントを成功させるポイント
以下のようなポイントを意識することで、プロジェクトマネジメントの効果をさらに高めることができます。
プロジェクトの目標や目的を決める
達成すべき目標や目的は、プロジェクトの方向性を決定づける欠かせない要素です。そのため、マネジメントにあたってまずはプロジェクト自体のゴールを明確にしましょう。ゴールが決まった後は、その内容をチーム内に広く共有することも忘れてはなりません。
適切なスケジュールを立てる
どれだけ綿密にマネジメントを行ったとしても、最初に設定したスケジュールに無理があると目標や目的を達成できません。スケジュールを立てる際は、納期から逆算して必要な期間を割り出し、各タスクの優先順位なども考慮しながら適切な日程を設定しましょう。
タスクや役割分担を明確にする
プロジェクトチームには部署や企業の垣根を越えて多くのメンバーが参加するため、早い段階で各メンバーの役割分担を明確にすることが大切です。
加えて、連絡の行き違いなどのトラブルが起きないよう、各メンバーが抱えているタスクや進捗状況などをこまめに確認・共有することも心がけましょう。
関係者とのコミュニケーションを大切にする
円滑なプロジェクトの進行には、プロジェクトチームのメンバーや関係者との意思疎通が不可欠です。活発なコミュニケーションは、強固な信頼関係の構築につながるだけでなく、トラブルの早期発見・回避にも効果を発揮します。
また、コミュニケーションを軸としたマネジメントは、組織を牽引するリーダーにも求められるスキルです。リーダーに求められるコミュニケーション能力およびプロジェクトマネジメント能力に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
プロジェクトマネジメントスキルを高める方法
ここからは、企業が従業員のプロジェクトマネジメントスキル向上を支援したい場合に有効な取り組みを紹介します。
研修を実施する
プロジェクトマネジメント能力を短期間で高めたい場合には、研修の実施が効果的です。社内研修でカバーするのが難しい場合には、外部研修を活用するのもよいでしょう。
近年提供されている外部研修のなかには、リーダーシップを養うものや、戦略立案を学べるものなどさまざまな内容のプログラムが存在します。目的に応じて使い分けましょう。
資格取得支援を行う
PMP®(Project Management Professional)といった関連資格の取得を支援することも、プロジェクトマネジメント能力の向上を後押しする方法の1つです。
特にPMP®は、大型のプロジェクト参画時の必須条件に設定されていることも多く、本資格は従業員のキャリア形成にも役立ちます。PMP®の受験や取得支援を検討されている方には、以下のサービスの利用をお薦めします。
まとめ
プロジェクトマネジメントは、いかなるプロジェクトにおいても不可欠な手法であると同時に、その形に絶対的な正解はありません。だからこそ、あらゆる課題や状況に柔軟に対応できるよう、日頃からマネジメントスキルを育んでおくことが重要であるといえます。
弊社では、プロジェクトマネジメントスキルに関するさまざまなサービスを提供しています。なかでも以下の研修では、プロジェクトマネジメントの手法をPM世界標準の10ステップに沿って学ぶことが可能です。ぜひご活用ください。
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