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部下を動かす上手な指示の出し方とは? ポイントや注意点を解説

  • 公開日:2024/10/03
  • 更新日:2024/10/03

上司の大切な役割の1つに、「部下への指示出し」があります。的確な指示を出すことができれば部署内の生産性を向上させるだけでなく、部下の成長を後押しすることも可能です。当記事ではビジネスにおける「良い指示」の特徴や、指示を出す時の注意点について紹介します。

良い指示とは

ビジネスにおける良い指示とは、部下がスムーズに業務を遂行し、上司の想定通りかそれ以上の成果を上げてくれる指示のことです。

具体的には、部下から見て無理のないスキルで対処でき、かつ「いつまでに、どんな業務を、どのように進めてほしいのか」がはっきり分かるものが良い指示といえます。部下に良い指示を出すことができれば部下だけで成果を上げられることから、上司も業務に集中でき、効率がアップするメリットがあります。

また、ビジネスにおける良い指示とは「上司が部下にやってほしいこと」であると同時に、「部下がやりたいこと」を反映しているものでもあります。部下の想いや志向をくんだうえで業務を割り当てることで、部下のモチベーションを高めることも可能です。

上手な指示を身に付ける目的

ビジネスにおいて上手な指示を身に付ける目的としては、「業務効率の高い環境で、お互いに気持ちよく働けるようにするため」という点が挙げられます。

部下への指示出しがうまくなると、部下との認識の食い違いを最小限に抑えやすくなります。例えば、部下に対して次の指示をした場合、どちらが分りやすいでしょうか。

A.「明日の午後1時からミーティングをするから、準備をしておいてほしい」
B.「明日の午後1時からミーティングをするので、会議室を押さえて、参加者への連絡もお願いしたい。当日すぐ会議に入れるように、開始15分前には会議室に資料も用意しておいてほしい」

Aの回答は、相手に準備の定義が委ねられていることから、指示出し側から見て満足のいく結果が得られないことがあります。一方、Bの回答は一見細かい内容ですが、準備の定義が明白であることから、相手との齟齬は起きにくくなります。また、相手と一度「準備」の定義を共有しておけば、2回目以降はAの回答を伝えるだけで済むようにもなるでしょう。

このように、上手な指示を重ねると「短い指示だけで分かってもらえる」という関係性を育みやすくなり、効率よく働けるようになるところがメリットです。

逆に指示の仕方が悪い場合は、部下がうまく成果を上げられず、上司が手伝う必要が出てくることもあります。業務を円滑に進めるためにも、うまく指示を出す能力はビジネスにおいて必要といえるでしょう。

指示が下手な人の特徴

より良い指示を出せる人と、指示出しが苦手な人には明白な違いがあります。指示出しが下手な人の特徴を見てみましょう。

目的や背景を伝えていない

1つ目の特徴は、指示の目的や背景を伝えないことです。「なぜそういった指示をしたのか」が伝わらないため、相手の解釈によっては方向性がズレてしまうことがあります。

指示内容が曖昧

2つ目の特徴は、曖昧な指示を相手に伝えてしまうことです。抽象的な指示の共通点としては、「もっと良い感じにやって」「何か足りないと思うからやり直して」「先を考えて行動しよう」というように、相手にやってほしい内容を言語化しないことが挙げられます。

指示を受けた部下にとっても「何をしたらいいのかが分からない」と感じやすいため、言い方が柔らかくても敬遠されてしまいます。

能力に合わない指示を出す

3つ目の特徴は、部下のキャパシティを超えた指示を出してしまうことです。

当人の能力とかけ離れた指示を出すと、指示通りの成果を上げにくいだけでなく、期限に間に合わなくなる可能性があります。仕事のモチベーションが下がりやすい点にも注意が必要です。

一度に複数の指示を出す、かつ優先順位を決めない

4つ目の特徴は、一度に複数の指示を出し、かつ優先順位を明確にしないことです。複数の指示を一気に出すと部下が混乱してしまい、場合によっては指示の聞き漏らしや対応の遅れなどのトラブルに繋がることがあります。

敬遠されやすい「下手な指示」は、部下の意欲と能力を引き出すコーチングスキルを磨くことで解消される傾向にあります。指示出しが苦手な方は、コーチングワークショップなども活用しながら、部下のマネジメントを磨くのもお薦めです。

指示がうまい人の特徴

的確な指示が出せる人には、「業務のゴール地点をスムーズに共有でき、人材のマネジメントにも長けている」という特徴があります。指示出しがうまい人の詳しい特徴をまとめました。

業務の全体像や目的・ゴールを伝える

指示出しがうまい人は、まず仕事の全体像を伝え、業務のゴールをイメージさせることが得意です。指示の仕方も「このタスクをやってくれ」と断片的に頼むのではなく、「こういう結果にしたいから、それを踏まえてタスクをこなしてほしい」と伝えます。上司が求めている結果や業務の全体像が分かる伝え方をすることで、部下からもアイディアが出やすくなるところがメリットです。

誤解を与える言葉を使わない

指示がうまい人には、できるだけ定量的な表現を使うという特徴があります。例えば時間についての指示なら「明日の昼までに」ではなく「明日の午後1時までに」というように、明白な数値を提示します。解釈が分かれるような表現を使わないため、齟齬が生まれにくいところがポイントです。

期限を決めて進捗確認を行う

指示出しが上手な人は、業務の具体的な期限を決めるのに加えて、進捗の確認も行います。「指示を出して終わり」ではなく、中間報告を見て指示を調整するなどして、現場任せにしすぎないところも指示上手の秘訣といえるでしょう。

能力に合った指示を出す

指示がうまい人は、相手の力量を把握したうえで指示出しを行います。相手にとって無理のない難易度・スケジュールにするのはもちろんのこと、相手の仕事観を踏まえてモチベーションが上がるような内容にするところが特徴です。

このように、部下に良い指示を出すためには、伝え方への配慮に加えて、部下の仕事観や働き方へのニーズを理解することも重要といえます。若手世代の仕事観について知りたい方は、下記資料もご覧ください。

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指示を出す時の注意点

最後に、部下に指示を出す時の注意点について紹介します。

適切な口調で話す

部下に指示を出す時は、命令口調や高圧的な姿勢は避け、できるだけ柔らかい表現を選びましょう。部下を萎縮させるような接し方だと、指示がスムーズに伝わらなくなる恐れがあります。

特に、「言わなくても分かるだろう」「どうしてこんなこともできないんだ」といった批判的な言葉や、感情的な叱責、部下の意見を遮るような態度は避けることが大切です。

テレワークの場合はより明確に出す

テレワークは好きな場所で働けるというメリットがある半面、お互いの進捗や様子が見えにくくなるというデメリットがあります。上司からも部下の業務の様子が見えづらくなるため、対面よりも明確な指示を心掛けることが大切です。指示を出す際は「依頼内容+指示の背景+納期+優先度」をセットで伝えることを意識し、認識の食い違いが生まれないように配慮しましょう。

部下の現状や指示をどう受け止めたかを確認する

指示を出す際は、現状確認を忘れないようにしましょう。一方的に指示を出すのではなく、部下の業務量を確認し、無理なく対応できる状態かどうかをチェックします。指示をした後も、腑に落ちない様子や萎縮した様子がないかどうか確認し、必要に応じて声掛けをするようにしましょう。

まとめ

部下を動かす上手な指示の出し方のポイントや、注意点について紹介しました。

指示出しをはじめとする部下のマネジメントは上司の大切な役目ですが、独学では磨きにくいノウハウでもあります。早期のスキルアップを目指す場合は、社内外研修やセミナーなどの活用も効果的です。

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