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エンパワーメントとは? 意味やビジネスでの使い方を分かりやすく解説

  • 公開日:2023/06/22
  • 更新日:2024/06/21

エンパワーメント(empowerment)とは、「力(権限)を与える」という意味の動詞エンパワー(empower)の名詞形で、「力(権限)を与えること」という意味です。「エンパワメント」と表記されることもあります。エンパワーメントは、もともと20世紀にアメリカで起きた公民権運動や女性運動などで使用されるようになった言葉ですが、現在は分野ごとに異なる意味で使用されています。 ビジネス分野では、「権限委譲委譲」と訳される言葉です。通常、管理者が持つ権限を部下に委譲委譲することで社員の裁量権が拡大し、仕事の遂行方法が自由になり、意思判断の幅が広がります。 そのため、自主的で自律的な行動をとることで、個人の潜在能力を引き出しパフォーマンスを高め目標達成を目指すことが可能になります。

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エンパワーメントが注目される背景

エンパワーメントが注目される背景

エンパワーメントが注目されている背景には、大きく分けると以下2つの社会情勢が挙げられます。

1点目は、VUCA(ブーカ)時代が到来したことです。VUCAとはVolatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の4つの単語の頭文字を取った造語です。もともとアメリカで軍事用語として使われてきましたが、ビジネスや社会において未来予測が難しくなる状況を意味する言葉としても使用されるようになりました。

ビジネス分野では、IT技術の進化やビジネスの複雑化、価値観の多様性などの要因から、経済環境が不透明で予測困難なVUCA時代が到来しています。従来のトップダウン経営では判断スピードが遅く、VUCA時代に対応できません。迅速な意思決定が必要とされており、現場に判断を委ねることで機会損失を防ぎ、市場競争で優位に立てるでしょう。

2点目は、次世代リーダーの育成が急務であるからです。日本では少子高齢化が急速に進行して、多くの企業では人材が不足しています。少ない人材を早く成長させるためにはサポートを付けて教えるだけでなく、社員に責任を与えてさまざまな経験を積ませる必要があります。

エンパワーメントのメリット

エンパワーメントのメリット

ここでは、エンパワーメントのメリットを4点紹介します。

エンパワーメントによりコントロール感を高める

コントロール感とは環境への働きかけがうまくいく感覚を指します。職場でのコントロール感を高めるためのひとつとしてエンパワーメントがあり、部下の働く意欲の向上につながります。

また、コントロール感が高い人は、仕事へのストレス耐性も強いという特徴を持っているのでエンパワーメントによりコントロール感を高めることは有効といえるでしょう。

社員の主体性向上

社員へエンパワーメントが行われると、自ら考えて決断するようになるため、社員の主体性が育ちます。上司の指示を受けて仕事をする場合は責任感が乏しく、仕事の質も低くなりがちです。エンパワーメントにより、裁量権の範囲内のことは自分で判断するようになるため、責任感が生まれ判断力も養われます。経験を重ねることでさらに判断能力が高まり、自律的に行動できる社員に成長するでしょう。上司の指示を受けていたときには見過ごされていた能力が開花する可能性もあります。

エンゲージメントの向上

エンパワーメントによって主体性や当事者意識、責任感が芽生えることで、仕事へのモチベーションが上がります。上司から指示命令を受けている場合は、指示内容などに納得できないことや不満を抱えることもあるでしょう。

しかし、エンパワーメントによって自分の意思で業務遂行の方法を変えられることも多いため、やりがいを感じやすくなります。その結果、仕事や組織に対するエンゲージメント(企業に対する忠実度や社員の満足度)が向上して、社員の定着率が高まる可能性があります。

エンゲージメントの向上は、生産性の向上にもつながりやすいため、企業の業績や生産性アップも期待できるでしょう。

次世代リーダーの育成

エンパワーメントで発掘される能力には、リーダーシップやマネジメントスキルなどがあります。エンパワーメントで責任を与えられることは、その仕事に対して自分が上司のように責任を持つことです。

業務遂行のプロセスを主体的に考え課題解決に取り組むなかで、リーダーシップやマネジメントスキルが自然と身につきます。業務をこなすうちに未発掘の能力が見つかり、次世代のリーダーになれるような人材となる可能性が高まるでしょう。

エンパワーメントのデメリット(注意点)

続いて、エンパワーメントのデメリット2点紹介します。

全体を見て判断できないため判断ミスが起こる

権限委譲は個人で判断して行動するため、その社員によって判断、意思決定にばらつきが出る傾向があります。社員によっては、業務全体まで見通していないこともあり、全体にとって適切な判断ができないこともあるでしょう。

組織の統一性を保ち判断ミスを防ぐためには、守るべき事項や考え方などルールを作成したうえで権限委譲することが重要です。ルール作りのほかにも、権限を乱用されないように少しずつ権限委譲することや、大きなミスをしないような管理体制の構築なども有効でしょう。

放任になってしまい社員のモチベーションが低下する

人には向き不向きがあるため、権限委譲によってすべての社員が能力を発揮できるわけではありません。上司からの指示に沿って動くことが得意な人もいるため、エンパワーメントを行う際には人材の見極めが重要です。

また、権限委譲が「放任」という形になってしまい、社員の不満が高まることやモチベーションが下がることがあります。ミーティングや面談でコミュニケーションを取り、適切にフォローすることが大切です。部下に権限は渡すものの、最終的な責任は上司が取る必要があります。

エンパワーメントの進め方

エンパワーメントを導入する際の手順は、以下のとおりです。

1. 情報共有
2. エンパワーメントを実施する目標・ゴールの明確化
3. 支援・フォロー

情報共有

権限だけを与えられても必要な情報がなければ、意思決定はできません。適切な判断ができるように、必要な情報やデータは公開して共有する必要があります。

共有する情報には、会社の方針や経営戦略、人事、経理情報など、経営層のみが知っている内容も含まれるため、情報漏えいには注意が必要です。公開する対象者は正社員、入社後△年経過した人などの条件を定めて、公開範囲を決めるとよいでしょう。企業情報を共有することは社員を信用している証にもなり、仕事の責任感が芽生えやすくなります。

エンパワーメントを実施する目標・ゴールの明確化

達成すべき目標を明確化し、社員と合意形成しておきましょう。エンパワーメントを実施する必要性や意義、導入する流れについても十分に説明して、共通認識を持つことが大切です。勉強会や説明会を開催して、心配な点や不明なことなどを確認し、エンパワーメントの理解を深めます。

勉強会では、同業種企業での導入事例を紹介すると、エンパワーメントで具体的に何をしなければならないのかをイメージしやすくなります。実際にエンパワーメントを導入している他企業の存在を知ることで安心感が生まれるほか、成功させたい気持ちも高まるでしょう。

支援・フォロー

権限委譲だけを進めてフォローや支援をしないままでは、責任の丸投げです。エンパワーメントを行う際には、上司や組織のフォローが欠かせません。特に初めて導入する際には、想定していなかったトラブルや判断ミスが起きやすいでしょう。失敗を責めず原因を探り、改善策や予防策を一緒に考えることが大切です。社員が成長するには試行錯誤が不可欠なため、深く介入しすぎることなく、社員を信じて見守りましょう。相談しやすい体制や雰囲気を作ることも効果的です。

まとめ

エンパワーメントを導入すると社員の自主性や判断力が向上しますが、導入に不安を感じる社員もいるでしょう。そのため、いきなり幅広い業務を任せるのではなく、業務委譲は少しずつ進めることが大切です。また、人によってはエンパワーメントに向いていない可能性もあるため、人材選びは慎重に行う必要があります。

人材が不足し働き方も多様化しており、エンパワーメントで社員の成長を促すことは急務です。社員が成長すれば企業の生産性も向上する可能性が高いため、エンパワーメントの重要性や意義をみんなが正しく理解することが大切です。

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