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HRテクノロジー(HRテック)とは? 人事が知っておきたい活用のメリットを紹介

  • 公開日:2021/04/19
  • 更新日:2024/07/24

HRテクノロジーとは、人事・労務業務分野で用いられるシステムやアプリケーションの総称で「HRテック(HR Tech)」とも呼ばれます。これまでも人事業務では、従業員の給与計算や勤怠管理などでHRテクノロジーが活用されていました。近年は人材活用や人材育成領域において、HRテクノロジーの利用が拡大しています。

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HRテクノロジーが注目されている背景

HRテクノロジーが注目されている背景

近年、HRテクノロジー活用の範囲が急速に拡大していることの背景には、どのような要因があるのでしょうか。
ここでは、3つの主な要因について解説します。

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■IT活用の推進

人事・労務関連業務のペーパーレス化や、長時間労働を防止しワークライフバランスを実現するための働き方改革を進めるにあたり、IT活用が推進されています。
人事部門においても、ルーティーン業務をITツールで自動化・簡略化することで業務効率化が望めます。
また、HRテクノロジーを活用することで、優秀な人材を確保するためのデータ分析やより創造的な業務を行うことが可能となります。

■クラウド・サービスの普及

クラウド・サービスは、オンプレミス型のサービスと比べて初期費用が抑えられる、常に新しいバージョンのものが使えるといったメリットがあります。人事領域においてもクラウド型のサービスが増えたことにより、HRテクノロジーの導入が進みました。

■AI活用による機能の充実

AIを活用することで、ビッグデータの分析や即時判断が可能になり、HRテクノロジーの活躍範囲が拡大しました。
例えば、適性のデータや周囲の評価、これまでの経験をAIで分析し、キャリアパスの構築に活かしたり、全体データを元に退職リスクの低減に役立てたりすることができます。

HRテクノロジーを活用するメリット

HRテクノロジーの活用でもたらされるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。ここではHRテクノロジーを取り入れるメリットを、主に業務面からご紹介します。

■人事業務の効率化

HRテクノロジーによる業務効率化で負荷軽減が見込める作業の1つとして、採用に関する業務が挙げられます。採用業務は数多くの工程ごとに求められる業務量が多く、それらの工程をシステムによって一元化することにより、人の手に課される負荷を軽くできます。
また、毎日の勤怠管理業務や各従業員の給与計算、従業員の入社・退社に関する手続き業務などもHRテクノロジーによって自動化できます。業務を自動化することによって、人事・労務における全体の業務量を削減することが可能です。

■コスト削減

上記の流れで業務効率化することにより、人件費・残業代の削減につながります。
採用活動や人事労務に関する書類や各従業員の情報などの紙管理を廃止しペーパーレス化を図ることで、紙の印刷コストや書類郵送にかかる費用なども圧縮できます。

■エンプロイー・エクスペリエンスの向上

エンプロイー・エクスペリエンスとは「従業員がその職場で働くことで得られる経験価値」をさします。
テレワークでもスムーズにやり取りできるチャットツールや、オンライン会議のためのシステムなど、働き方を進化、改善するHRテクノロジーが導入されることで、エンプロイー・エクスペリエンスが向上します。

HRテクノロジーの技術

HRテクノロジーには、具体的にどのような技術が用いられているのでしょうか。ここでは、HRテクノロジーを支えている数々の技術についてご紹介します。

■RPA

事務作業などをはじめとする定型化された業務を人の手に依存することなく、ロボットによって代行させる技術です。自動化を図ることによって従業員の過重労働を防止できるほか、誤入力や計算間違いなどの人為ミスによる混乱も防ぐことができます。

■クラウド

各従業員のパソコンなどの個別端末にデータやソフトウェアをインストールせず、インターネット上の仮想空間にあるソフトウェアやツール、ストレージなどで作業を行える技術です。
社内システムを新規構築する際のコストを抑え、運用にともなう維持管理も容易にすることが可能です。
同じデータを用いて複数の人で共同作業ができることや、出張中やテレワーク環境でもオフィスと同条件で業務を進められるといったメリットがあります。

■AI学習

人間と同等の知能と高い記憶能力を持つコンピュータにより、人の手を借りることなく高度な作業を実行可能とする技術です。近年では、膨大なデータの深層記憶によって先を予測する自己学習への活用が広がっており、特に自己学習分野での進化が進んでいます。
HR業務においても、従来従業員が高負荷のもと行ってきた膨大な分量の業務が、AIの代行によって短時間化・正確化の実現が図られています。

HRテクノロジーの主な利用場面

HRテクノロジーの主な利用場面

HRテクノロジーは、人事・労務に関わるどのような場面で活用が図られているのでしょうか。ここではHRテクノロジーの利用場面についてご紹介します。

■採用

採用活動にともなう業務をシステムによって一元化します。ハイパフォーマンス人材の傾向を学習したAIを活用する例などもあります。
また、遠隔地間で対面をともなわずに面接を行えるWEB面接にも、HRテクノロジーが活用されています。
昨今の情勢で、WEBを活用した採用活動や求職活動はより活発になるとみられています。

■要員管理

多くの従業員を配置する必要のある、特定の部署における要員管理のシステム化も、HRテクノロジーの活用場面です。例えば、コールセンター業務に就く従業員のシフト管理なども、システムによって最適化を図ることで更なる業務の効率化が可能です。

■人材育成

ラーニング・マネジメント・システムを活用して従業員の育成業務を、一元化することができます。
また、従業員に対する人事教育を行う際に集合研修からオンライン学習やe-learningに転換することも、HRテクノロジー活用例の1つです。
事前事後学習やサーベイと集合型研修を組み合わせたハイブリッド形式の学習コンテンツにも注目が集まっています。

■タレントマネジメント

人材の能力や保有スキルなどを一元管理し、各部署への人事配置において効率化と効果の向上を図る、タレントマネジメントシステムの導入も、HRテクノロジーを活用した業務効率化の一環にあたります。
※弊社のタレントマネジメントシステムについてはこちらで詳しくご紹介しております。

■労務管理

人事労務管理業務のクラウド利用によるペーパーレス化の推進や、勤怠管理のシステム化が挙げられます。

■組織開発

従業員満足度調査などの組織サーベイを活用して、個人およびチームの健全度を測ることが可能です。
また、社内SNSなどによるコミュニケーションの可視化によって組織のコンディションを把握することにもつなげられます。

おわりに

労働集約型の作業が多いと考えられてきた人事・労務業務においても、HRテクノロジーの活用によって業務の効率化が可能となっています。
しかし、従業員や求職者などの個人情報をはじめとする重要な機密情報を取り扱う業務でもあります。
それらをシステム化するリスクも把握し、対策を検討した上で導入を考えましょう。
また自社の人事・労務分野において、どのような業務に取り入れれば有用性が期待できるのかをよく検討の上、解決すべき課題を明確にしておくと良いでしょう。

HRテクノロジーについては、以下のページでもご案内しています。ぜひこちらもご覧ください。
●HRアナリティクスと先端技術
●アナリティクスを人事の現場に普及させたい

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