人材育成・研修 お役立ち情報・用語集GLOSSARY
公開日:2022/06/29
更新日:2022/06/29

多面評価(360度評価)とは

多面評価とは上司だけでなく、同僚や部下、他部署など複数の関係者から評価を行う手法をさします。また、周囲のあらゆる方向からの評価であるため360度評価もよばれます。
一般的に多面評価の実施目的は人材育成と評価の2つに分かれるが、人材育成を目的とする場合には、評価結果を本人にフィードバックし、自己変革を期待することが多いです。

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次に360度評価活用メリットや活用時の留意点をご説明いたします。

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360度評価(多面評価)の活用メリット

360度評価(多面評価)の活用メリット
360度評価(多面評価)の活用メリットは、以下の4つが挙げられます。

評価対象者が、自分の強みや弱みに気付きやすくなる

1人の評価者による評価は、評価対象者を一方向から見て評価することとなります。そのため、見落としてしまっている点も多いことが考えられます。360度評価(多面評価)であれば、評価対象者が上司や部下、同僚といった複数の人間から評価を受けることによって、自分の強みや弱みに気付きやすくなるでしょう。

納得感のある評価を行うことができる

人事評価を人材育成に活用したい、というニーズもあるでしょう。そのためには、評価結果に納得してもらった上で、自らの課題に取り組んでもらうことが重要です。
しかし、上司と接する機会が少ない部下の場合、上司による評価に対して、「恣意的な評価がされている」「自分の働きぶりを見てくれていない」と感じる可能性があります。その点、360度評価(多面評価)は上司以外の評価者がいるため、評価に納得してもらいやすいと考えられます。

職場におけるコミュニケーションが活性化される

コミュニケーション不足を課題に抱える組織も少なくありません。社内コミュニケーションがうまく取れないと、社内の雰囲気に悪影響を与えるだけではなく、情報共有の漏れや、生産性の低下を招いてしまうこともあります。
特にコミュニケーションが不足しやすいのは、上司と部下の間です。上司から部下へは声を掛けやすくても、部下が上司に声を掛けにくいというケースはよくあります。360度評価(多面評価)は、面談の機会を設けてフィードバックを行うことによって、上司と部下とのコミュニケーションを活性化するためのツールとしても活用できます。

自己評価と他者評価のギャップが明らかになる

通常の評価の場合、上司は部下を評価するだけで、部下に評価される機会はないため、お互いの間で認識のズレが生じることも少なくありません。一方、360度評価(多面評価)では、他者評価だけではなく自己評価も行うため、両者の評価のギャップが明らかになります。
例えば、自分ではリーダーシップを発揮しているつもりでも、同じチームや部署のメンバーには伝わっていないことがあります。このような場合、評価のギャップが生じている理由を探ることによって、本人の意識・行動変革を図ることが可能です。

360度評価(多面評価)の活用時の留意点

360度評価(多面評価)の活用時の留意点
360度評価(多面評価)には上記のメリットがある一方、以下の一時的な懸念点があります。

評価者との関係性に影響が出る可能性がある

同僚や部下から予想よりも低い評価を受けたり、批判的なコメントをもらったりして、評価者との関係が一時的に悪化する可能性もあります。ただし、自分に対する評価や批判的なコメントが自己を見直すきっかけになるなど、長期的にはプラスの効果をもたらすことも考えられます。
評価者との関係悪化が懸念される場合は、評価の匿名性を確保する、人事部が評価者を指定するなどの方法を取ると良いでしょう。

本人に遠慮して適切な評価ができない可能性がある

評価者と評価対象者の仲が良く、評価者が本人に遠慮して適切な評価ができないというケースもあります。
「仕返しされたくないから、甘く評価しよう」「関係をぎくしゃくさせたくないから、無難に評価しよう」という社員がいると、360度評価を実施する意義が薄れてしまいます。360度評価(多面評価)を実施する際は、評価者を対象とした研修を実施し、事前に実施目的や重要性を理解してもらうようにしましょう。

360度評価(多面評価)の評価項目とは

ここでは、360度評価(多面評価)における代表的な評価項目をご紹介します。

課題発見に関する項目

【現状把握力】
自分の部署や会社が置かれている状況を把握する力
【問題分析力】
自らが直面している問題やお客様が抱えている問題を分析する力
【企画力】
新しいアイデアや発想を生み出す力
【チャレンジ精神】
達成が困難と思われる課題にも前向きに取り組める力

課題遂行に関する項目

【判断力】
取るべき行動を的確に判断する力
【計画力】
目標を実現するために具体的で効果的な計画を立案する力
【行動力】
自ら率先して行動する力
【責任感】
何事にも一生懸命取り組み、最後までやり抜く力

人材活用に関する項目

【共感力】
他者の立場に立って物事を考える力
【人材育成力】
仕事を任せたり、フィードバックを行ったりして、部下の能力開発を促す力
【動機づけ力】
声を掛けたり、適切な目標を設定したりして、部下のモチベーションを高める力
【包容力】
部下の相談に乗ったり、困ったときにサポートしたりする力

コミュニケーションに関する項目

【傾聴力】
相手の話に親身に耳を傾ける力
【意思疎通力】
自分の考えを相手に分かりやすく伝える力
【折衝力】
意見が対立する相手と話し合い、妥協点を見つける力
【協調性】
他部署や社内外の人と連携して業務に取り組む力

おわりに

今回は、360度評価(多面評価)を活用するメリットおよび留意点についてご紹介しました。
360度評価(多面評価)では、上司の視点だけではなく、同僚や部下の視点も評価に取り入れることによって、本人の気付きや意識・行動変革につなげることができます。評価に納得感を持たせたり、職場のコミュニケーションを活性化したりするためにも、360度評価(多面評価)を導入してみてはいかがでしょうか。
360度評価(多面評価)を活用したリーダーシップ開発および中堅社員の意識・行動変革については、以下の研修で詳しくご紹介しています。
◆360度サーベイで現状を振り返り行動指針を固めるリーダーシップ開発研修(LDP)【3日】
◆360度サーベイで現状を振り返り行動指針を固めるシニアメンバーシップ開発研修(SDP)【3日】

企業における360度評価活用の実態についてこちらのコラムでもご案内しております。ぜひこちらもご覧ください。
360度評価活用における実態調査レポート−360度評価の背景と効果的な導入の仕方とは?
また360度評価サービス開発担当からの導入時のアドバイスも下記のプレスリリースにてご紹介しております。
■360度評価活用における実態調査 結果を発表 導入企業の意外な活用目的や、効果的に活用できている企業の工夫が明らかに

ぜひこちらもご覧ください。
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