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クリティカルシンキングとは【解説・鍛え方・実践】

  • 公開日:2024/01/17
  • 更新日:2024/06/14

クリティカルシンキング(批判的思考)とは、現状の課題・問題が何か、その事象を「批判的」に捉えて、本質的な課題は何か、それに対する仮説・回答は何かということを網羅的に、かつ深く考え抜く思考法のことをいいます。組織でクリティカルシンキングを活用することで、主体的解決者として、計画立案や問題解決、そして意思決定の基盤・技術を築くことができます。また分析、推論、伝達といったクリティカルシンキング・スキルは円滑なコミュニケーションにおいても重要です。

クリティカルシンキングとロジカルシンキングの違い

クリティカルシンキングと類似した概念の1つに、ロジカルシンキング(論理的思考)があります。ロジカルシンキングは、推論を積み重ねて結論を得る思考プロセスのことです。クリティカルシンキングは論理的な思考をベースとして、本質的な課題を捉えるための思考法です。ロジカルシンキングもクリティカルシンキングも「論理的に物事を考えて、分かりやすく伝える」ことにフォーカスしているのは共通です。次にクリティカルシンキングを身に付けるメリットやトレーニング方法についてご説明します。

クリティカルシンキングが必要な理由と注目されている背景

今ある知識やこれまでの経験にとらわれると、考え方が偏ってしまうことがあります。クリティカルシンキングは、そのようなこれまでの知識や経験だけに基づく考えの偏りをなくし、本質的な課題や解決策を見つけるために必要とされる思考法です。

その背景には、今の時代がこれまでのやり方では通用しないような、想定外の事象が発生するVUCA時代であることが挙げられます。将来予測の困難な状態だからこそ、過去の経験に頼るだけでなく、論理的・構造的に思考して未知の問題に対処する必要があるのです。

クリティカルシンキングのメリット

クリティカルシンキングのメリット

クリティカルシンキングは物事を深く考えるために欠かせない思考法ですが、業務においてどのようなメリットがあるのでしょうか。クリティカルシンキングによって得られる主なメリットは、以下の4つです。

円滑なコミュニケーションが取れるようになる

自分と相手との間に認識のズレが生じていると、コミュニケーションをうまく取ることができません。自分の意図を正確に伝えたいという場面で、クリティカルシンキングによって自分の主張に説得力を持たせ、相手の行動を促すことができるでしょう。相手の話を聞くときも、発言の背後にある相手の意図を汲み取りやすくなるため、円滑なコミュニケーションにつながります。

数値データから的確な判断ができるようになる

管理職の場合、担当部署の「売上・コスト・利益」を管理したり、統計データをもとにマーケティング戦略を立てたりする必要があります。クリティカルシンキングが身に付けば、数値データが何を意味するのかを把握し、的確な判断ができるようになります。

矛盾点を発見しリスクを回避できるようになる

物事の本質を見極めるクリティカルシンキングを通して、一見論理的に導かれたように見える結論でも、矛盾や漏れが見つかることがあります。計画を動かす前に、結論をあらためて評価・判定する習慣をつけることで、問題発生を未然に防ぐことができます。

新しいアイディアを発見できるようになる

知識や経験が豊かになってくると「自分の考えが絶対に正しい」と思い込み、他の可能性を考えられなくなってしまうことがあります。しかし、自分の考えを「もしかしたら間違っているかもしれない」と常に批判的に見ることで、過去の経験からは思いつかないような、今の時代に合う新しいアイディアを導き出せることがあります。

クリティカルシンキングを鍛えるときのポイント

クリティカルシンキングを鍛えるときのポイント

クリティカルシンキングを身に付けるためには、日々のトレーニングが大切です。しかし、クリティカルシンキングのトレーニングはどのように行えばよいのでしょうか? ここでは、簡単に取り組めるクリティカルシンキングのトレーニング方法をご紹介します。

相手の立場を考えて話すことを心がける

「相手に自分の意図を分かりやすく伝えられない」と感じている方は、「伝え方に問題はないか」という視点を持ち、普段の会話のなかで具体的に話すことを心がけてみてはいかがでしょうか。主語をなるべく省かない、具体例を挙げる、「これ」「あれ」「それ」といった指示代名詞を多用せずに、具体的な名前を出す、といったことを実践してみましょう。

×「あの資料、確認してもらえましたよ」

〇「昨日提出してくれた新入社員研修の企画書、Aさんに確認してもらえましたよ」

仮説を立てて検証する

クリティカルシンキングは、思い込みを排除して考える思考法ともいえます。自分の思い込みに気づくためには、仮説・検証のプロセスを繰り返すことが効果的です。ロジカルシンキングのフレームワークを活用して、仮説から結論を導くだけで終わるのではなく、導かれた結論が妥当であるかを検証することによって、仮説(思い込み)の誤りに気づけるでしょう。

×「Aさんは、コミュニケーションスキルも高く、仕事も速いので、リーダーに最適だ!」

〇「そもそも、リーダーにはどんな能力が求められているのだろうか?」「Aさん以外にコミュニケーションスキルが高く、仕事が速い人はいないだろうか?」

事実と意見を区別する

事実とは「実際に起こった事柄」、意見とは「ある問題に対する考え」です。例えば、「〇〇分野の今年の市場成長率は30%だった」というのは事実ですが、「〇〇分野は今後成長が期待できる有望市場である」というのは意見であり、人によって受け止め方が異なる可能性があります。相手が事実を話しているのか、それとも意見を述べているのかに注意しながら話に耳を傾けることは、クリティカルシンキングの良いトレーニングになります。

×「新入社員のAさんは、今後の活躍が期待できる有望な人材です」(意見のみ)

〇「新入社員のAさんは、現場から高く評価されています。私は、Aさんが今後の活躍が期待できる有望な人材であると思っています」(事実と意見)

おわりに

今回は、クリティカルシンキングの意味やメリット、トレーニング方法などをご紹介しました。物事を客観的に捉えるクリティカルシンキングは、円滑なコミュニケーションや、データに基づく判断に役立ちます。ビジネスはもちろん、日常生活でも役立つ思考法のため、自主トレーニングや研修などを利用して身に付けてみてはいかがでしょうか

◆クリティカルシンキング入門

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