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導入事例

1on1の成果を「定点観測」しつづけ、自律自走型人財の育成につなげている

エクシオグループ株式会社

1on1の成果を「定点観測」しつづけ、自律自走型人財の育成につなげている
  • 公開日:2024/03/25
  • 更新日:2024/04/28

事例概要

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背景・課題

私たちデジタルコンサルティング本部は、全社のコンサルティング組織として、各方面と自律自走的にコミュニケーションを取る必要があります。そのため、メンバーのコミュニケーション開発と自律自走型人財の育成に最も有効な施策として、組織発足時から1on1をスタートしました。並行して、2020年6月から「1on1導入研修」「1on1フォロー研修」「1on1スキルアップ研修」などの研修施策を継続的に実行しています。

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検討プロセス・実行施策

年に2回「1on1アンケート」を取って、1on1の成果をずっと定点観測してきました。データ分析によって、「メンバー側に1on1の趣旨をもっと深く理解してもらうとよいのではないか」という仮説が見えてきました。メンバー向けの「1on1スキルアップ研修」を実施したところ、最新のアンケート結果が大きく改善しました。さらに、メンバーが1on1の上司を自ら選べる「セカンド1on1」も始めました。

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成果・今後の取り組み

1on1開始から4年近くが経ち、マネージャー・メンバーたちの1on1スキルは全体的に高まっています。今後は、新任マネージャー・メンバー向けの1on1教育に力を入れ、底上げを続けることが重要な課題の1つです。そのために内製化施策としてマネージャーが社内講師となり、新任マネージャーやメンバーに教える取り組みを始める予定です。将来的には、全社およびグループ会社向けの1on1研修講師にもなってもらうなど、全社横断で価値発揮を進められるようにしたいと考えています。

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背景・課題

1on1でメンバーの自律自走力とコミュニケーション力を高めたかった

1on1でメンバーの自律自走力とコミュニケーション力を高めたかった

月森:私たちエクシオグループは、通信キャリア事業、都市インフラ事業、システムソリューション事業の3つのセグメントを中心に「社会をつなぐエンジニアリング」を実現している会社です。グループ連結で16772名、単独でも3851名の社員が在籍する企業で(2023年3月31日現在)、事業は多岐にわたります。

2019年に「デジタルコンサルティング本部」が発足しました。デジタルコンサルティング本部のミッションは、各事業本部のシステムソリューション・コンサル提案のノウハウを蓄積し、営業のアカウント戦略に基づく重要顧客への深堀提案とソリューションモデルを活用した新規顧客の開拓を行い、全社の収益・利益へ貢献することです。エクシオグループにはいくつもの事業部があり、事業部間で連携すれば、もっと高い価値を提供できるケースがよくあるのです。例えば、ある事業部のソリューションと別事業部のソリューションが、本来は上流と下流でつながるはずなのに、事業部の壁に分断されていることがあります。私たちはそうした状況を発見したら、両事業部に働きかけて、統合ソリューションのプロデュース・コーディネーション・マーケティング・プリセールスなどの支援を行うのです。私たちの役割はあくまでも統合支援であり、統合ソリューションの営業・開発などは両事業部が連携して行います。エクシオグループは「つなぐエンジニアリング」を掲げている会社ですが、デジタルコンサルティング本部は「その社内をつなぐ仕事」をしているわけです。

デジタルコンサルティング本部のメンバーは現在100名程度で、さまざまな部署からさまざまな職種の人財が集まっています。私たちは社内をつなぐため、各方面とコミュニケーションを取る必要があります。そのため、本部立ち上げ時から、メンバーのコミュニケーション力を高めるための「コミュニケーション開発」が必須だと考えました。また、メンバー一人ひとりが、自ら考え、自ら行動し、自ら成長する「自律自走型」の人財となり、社内で主体的に活躍することが欠かせませんでした。

私たちは、コミュニケーション開発と自律自走型人財の育成に最も有効なのは「1on1」だと考え、組織発足時から1on1をスタートしました。それ以来、2週間に1度を目標に1on1を実施してきました。それと並行して、リクルートマネジメントソリューションズに協力してもらい、2020年6月から「1on1導入研修」「1on1フォロー研修」「1on1スキルアップ研修」などの研修施策を継続的に実行しています。リクルートマネジメントソリューションズは私たちの組織理解が深く、伴走力が高く、一つひとつの施策に真摯に取り組んでくれる心強い存在です。

検討プロセス・実行施策

アンケートによる定点観測は私たちの1on1施策に欠かせない

月森:1on1を始めた当初は、マネージャーもメンバーも多くが「1on1って何?」という感じでした。現場からは「何のためにやるのか分からない」「成果が見えない」「続けるのが大変だ」といった声も上がりました。そこでまず、2020年6月にマネージャー向けの「1on1導入研修」を実施し、その後も継続的に「1on1フォロー研修」や「新任管理者向け1on1研修」などを行い、定着を図ってきました。新任管理者やメンバーなどが1on1を学ぶツールとして「1on1動画」の公開も始めています。

アンケートによる定点観測は私たちの1on1施策に欠かせない

渡邊:さらに年に2回、マネージャー・メンバーに「1on1アンケート」を書いてもらい、半年間の1on1を個別に振り返ってもらっています。私たちはそのデータを分析し、1on1の成果をずっと定点観測してきました。 1on1アンケートの定期的な収集と分析は大変ですが、データをきちんと取りつづけないと、1on1による変化や効果が分かりません。アンケートによる定点観測は、私たちの1on1施策に欠かせない取り組みだと考えています。匿名制から記名制に変えるなど、いろいろと試行錯誤しながら続けています。

月森:実は、2022年まではアンケート結果がなかなか改善せず、1on1の成果が伸びずに悩んでいました。データ分析を続けるうちに、「メンバー側に1on1の趣旨をもっと深く理解してもらうとよいのではないか」という仮説が見えてきました。そこで、2023年度にメンバー向けの「1on1スキルアップ研修」を実施したところ、最新のアンケート結果が大きく改善し、目標数値に近づいてきました。回答者の70%が「1on1で安心して話ができている」というミニマムゴールを達成し、30%ほどは1on1によって気づきを得て、行動が変化し、成長していたのです。

渡邊:メンバー向け1on1スキルアップ研修では、「1on1はメンバーの皆さんのためにある施策です。自分のやりたいことをやるために、上司と会社を使い倒してください」とメッセージしました。エクシオグループはインフラ設備構築やICTソリューション構築をメイン事業とする会社で、必要な業務をきちんと遂行する、真面目なタイプの社員が多い傾向があります。だからこそ、こうやって自律自走を明確に促す必要があると考えています。

月森:渡邊が話したとおり、1on1は「メンバー本人が自分の夢を叶えるための施策」です。メンバーには、自分なりに夢や目標を立て、1on1で上司に自分の夢・目標を打ち明けて、それを叶えるために新たなポジションに就いたり、必要なプロジェクトに参加したりしてほしい。また上司には、部下の夢を知り、その夢について部下と語り合える存在になってほしい。私はそう願っています。その結果、メンバー一人ひとりの仕事と夢がつながっていけば、本部全体のエンゲージメントが高まり、これまで以上に皆がやりがいを感じながらイキイキと働く職場になれるはずです。

渡邊:さらに私たちは、2023年度から「セカンド1on1」という新施策も始めました。メンバーが1on1の上司を自ら選べる制度です。1on1は、上司と部下の相性に左右されます。また正直に言えば、上司も全員が1on1に向いているとは限りません。1on1はあくまでもメンバーの成長支援施策ですから、部下側が上司を選べるのが自然だと考えて導入しました。周囲の声を聞く限り、セカンド1on1によって、1on1を活用しやすくなった部下が少なくありません。セカンド1on1も、2023年度の1on1の成果が高まった一因になっている可能性があります。

成果・今後の取り組み

部長たちに、部内と全社に向けた1on1研修の講師になってもらいたい

インタビューの様子

渡邊:1on1開始から4年近くが経ち、マネージャーたちの1on1スキルは全体的に高まっています。2023年度にセカンド1on1を始められたのは、セカンド1on1に対応できる上司が増えたからでもあります。メンバーの1on1理解もすでにある程度深まっており、1on1施策は一定の成果が上がっています。今後も1on1アンケートの収集と分析を続け、定点観測を続けます。

月森:デジタルコンサルティング本部は現在急拡大しており、新しいマネージャーやメンバーがどんどん増えています。ですから今後は、新任マネージャー・メンバー向けの1on1教育に力を入れ、底上げを続けることが重要な課題の1つです。アンケートによる定点観測は、新メンバーの1on1浸透にも活用しています。

渡邊:2024年度は「内製化」をテーマに掲げます。具体的には、新任マネージャー・メンバー向けの1on1教育として、1on1スキルの高いマネージャークラスが社内講師となり、新任マネージャーやメンバーに1on1を教える取り組みを始める予定です。こうすることで、部長たちがさらに1on1スキルを向上させることも期待しています。

月森:内製化には、別の目的もあります。実は今、エクシオグループ全社でも1on1の導入が始まっているのです。デジタルコンサルティング本部には、先行部署として自分たちの1on1ノウハウを広める責任があります。そこでマネージャークラスには、全社およびグループ会社向けの1on1研修の内製講師にもなってもらいたいのです。

渡邊:1on1の理想形は、メンバーが話したいときにマネージャーをつかまえて、日常的に自然な形で1on1を行えるようになることです。そして、メンバーが自律自走して経験学習サイクルを回し、上司との対話から気づきを得て、行動を変え、成長していけるようになることです。この理想を実現できるのは、まだまだ先の話でしょう。それまでは、現在の施策を粘り強く続けていくつもりです。

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ソリューションプランナーの声

ソリューションプランナー 山下 大征

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
ソリューションプランナー
山下 大征

エクシオグループ様は、私たちが日常的に使っている通信やICTのネットワーク構築を事業として営まれている、縁の下の力持ちのような企業です。社会インフラに影響が出ないよう、自分たちの仕事に責任感を持ち、安全かつ正確に一つひとつの仕事をやり抜いていく素晴らしい強みを持ち、日々「社会をつなぐエンジニアリング」を実践されています。

一方で環境変化が激しく、よりエクシオグループ様全体として社会に価値を生み出していくためには、より現場で自律的に考え行動していく人・組織づくりが求められます。デジタルコンサルティング本部はまさにこの変革を促す中核組織であり、その組織自体が自律自走であるための取り組みとして、1on1は位置付けられています。

4年近くにわたり、人・組織づくりに挑戦・伴走をさせていただいておりますが、事務局の皆様の粘り強い効果測定と実践定着への取り組みなくしては、これまでの成果はありませんでした。そのようなお仕事をご一緒できたことを大変嬉しく思います。

今後も弊社一丸となり、デジタルコンサルティング本部、そしてエクシオグループ様全社のさらなる発展に向けてご支援ができるよう、日々精進できればと考えております。

取材日:2024/03/25

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企業紹介

エクシオグループ株式会社

エクシオグループ株式会社は、1954年に日本全国の通信インフラ網をつなぐ会社として創業。その後、建物や電気設備へと提供する領域を広げ、プラントから地下鉄、鉄道まで都市全体のシステムを繋いでいる。そして現在、仕事でも暮らしのなかでも、5Gやクラウドを通して人々がより快適に繋がるシステムを提供している。

※記事の内容および所属等は取材時点のものとなります。

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