課題解決のポイント
イノベーション・マネジメントが、イノベーションを後押しする
ノベーション・マネジャーは「ノリ」「共感」する
イノベーターの頭のなかに天才的なアイデアが浮かび、それを頭のなかで磨き続けても、イノベーションにはなりません。アイデアを誰かと共有して、組織の力で社会に普及させていかない限り、多くの人がイノベーションを享受することはできないのです。そのためにはイノベーション・マネジャーの力が不可欠です。マネジャーは、イノベーターに「ノリ」、「共感」し、時には現実を突きつけながら、イノベーションを実現していくのです。
イノベーションを促す仕組みや制度、組織文化を作る
自社の人事制度や組織文化が、イノベーションを阻害することもあります。イノベーターがイノベーションをおこすには、新しい価値の創造を支援する組織が必要です。イノベーション・マネジャーが中心となって、イノベーションを促進する仕組みや制度、組織文化を作っていかなくてはなりません。
イノベーション・マネジメントに注力する
昨今、日本企業から世界を揺るがすイノベーションは生まれていないように見える原因の1つは、マネジメントスタイルが変わっていないことかもしれません。マネジメントを「管理」と訳す人が多いですが、本来は「経営」そのものを意味しています。マネジメント=経営の本質は、マーケティング(顧客の創造)とイノベーション(新しい価値の創出)にあります。マーケティングは凝集性を生かして、管理を徹底することで進展していきますが、イノベーションは反対に自由や寛容を求めます。イノベーションには、マーケティングとは別のマネジメントが必要なのです。外部環境の変化が激しい現代では、経営者はマーケティング・マネジメント以上に、イノベーション・マネジメントの会得が求められています(図表参照)。

施策事例
事例1:印刷・出版関連企業
イノベーションを促進するマネジメント研修
背景
- 部長やマネジャーの興味が自事業の成長に終始していた
- 各々の部署が閉鎖的で、タコ壺のような状態になっていた
施策
- 各マネジャーや組織が、イノベーションを促進しているか、阻害しているかを可視化した
- 通常のマネジメント研修とは異なる、イノベーション・マネジメント研修を実施した
成果
- 受講者一人ひとりが、イノベータータイプか、イノベーション・マネジャータイプかを自ら見極めることができた
- 配置・配属の参考情報として活用された
- イノベーション組織の課題が抽出され、組織ごとの運営方針に反映された