コース開発者×人材育成の現場を知る営業担当者による対談 本人任せではなぜ進まない!?中堅・リーダー層育成のヒント
〜学びの風土の醸成で自律的な成長を促す〜

リクルートマネジメントスクールが企業に対して人材育成に関するアンケートを実施したところ、中堅・リーダー層に対して学習機会を十分に与えられていないと実感している企業の割合が多いことが分かりました。
特に活躍が期待されている中堅・リーダー層に学習機会を与えることが、なぜ難しいのか。どのようなサポートが必要なのか。
ビジネスパーソンに必要な学びを考える公開研修のコース開発者と、企業の人材育成の現場を知る営業担当者が、各々の知見をもとに語ります。

プロフィール
●五十嵐 理恵/コース開発者
リクルートマネジメントスクールにて企画、商品開発、サービス開発、事業開発を行う。
●北嶋 理沙/営業担当者
リクルートマネジメントスクールにて、企画提案営業および研修導入サポートなどを行う。


中堅・リーダー層に対する学習機会の提供が手薄になってしまう理由

――アンケート調査によると、多くの企業が中堅・リーダー層への学習機会を十分に提供できていないと回答しました。不十分だと感じているテーマは、「ビジネススキル」「アセスメント」「次世代リーダー育成」など多岐にわたります。中堅・リーダー層への教育が不十分であるという認識がありながら、なかなか着手できない理由は何でしょうか?

北嶋:一言で中堅・リーダー層といっても、20代から50代まで年齢の幅があったり、仕事内容やスキルレベル、役割などもさまざまです。そのようななかで全員に同じテーマの研修を受けてもらった場合、目の前の課題と合わない人にとっては、有益な時間にならない可能性もあります。中堅・リーダー層への対応が手薄になってしまう原因は、個別性・多様性があるうえでの教育施策の実施のしにくさにあるといえそうです。

五十嵐:そうですね、中堅・リーダー層は簡単には括れないですよね。

北嶋:こういった背景があるからか、最近では、選択型研修の導入を検討する企業が増えています。新入社員や新任管理職の研修以外は選択型研修の制度を適用して、中堅・リーダー層に「社員が何を学ぶのか、自分で選べるような制度を取り入れよう」といった企業が増えてきています。

五十嵐:仕事がより複雑になり、限られた時間で効率的に課題解決をしなければいけないなかで、必要とされるスキルも、解決すべき課題もそれぞれ異なるため、学びにも多様性が必要であるという企業の意識がより強くなっているのではないでしょうか。階層別研修だけで事足りていた時代は終わっていると言っても過言ではありません。

必要な学びをどう取り入れるか

北嶋:しかし、期待されている社員ほど忙しいので、なかなか手が挙がらなくて困っているという声も聞かれます。だからこそ、「必ずあなたのためになるから」と、半ば指名のような形で、社員に対して学びの機会を与えることも必要なのかもしれない、と感じることがあります。

五十嵐:きっかけとして背中を押す仕掛けも必要かもしれません。ただし、学びの効果は意欲に比例します。「これを学びたいからこのコースを受講する」とか「このテーマに関心がある人たちと交流したい」など、本人の意思を尊重することを忘れてはいけないと思います。

北嶋:意思もそうですが、風土の醸成も大切です。もともと学ぶ風土がある会社ですと、自らの意思で手が挙がりやすいのですが、その風土ができるまでに時間がかかります。せっかく手を挙げた人に対して、上司が「研修に行く時間があるなら仕事してよ」というニュアンスのことを言ってしまうと、みんな学びの場に行かなくなります。実際に、そういうケースがあるんですよ。

――自律学習が当たり前になる「学びの風土」づくりは、一朝一夕にはいかないということですね。

北嶋:人事担当者がうまく仕掛けていくことで、管理職層の理解を得られると良いのではないでしょうか。実際、人事担当者が根気よくマネジャーたちに説明し、理解を促した結果、部下が研修に行くことが当たり前になった企業もあります。

五十嵐:あとは、業務時間内で受講できるようにする、会社が費用負担をするなど、社員が一歩踏み出すための後押しがあると良いですね。例えばリクルートマネジメントスクールであれば3時間という短時間で受講できます。研修に丸1日費やすとなると大変ですけれど、3時間なら送り出しやすいですよね。

北嶋:無理なく学びのサイクルを生み出すためには、「学んだことが業務に役立った」という実感が欠かせません。そのためには、前提として自分の業務に役立てられるように、自ら計画を立てて、周囲の協力を取り付けるなど、準備が求められます。その学びの計画づくりを支援するために、どの研修を選べば役に立つのか、選びやすい環境も大事ですね。例えば行動評価項目と必要なスキルや推奨コースを紐づけて(課題チェックシート)、上司と一緒に受講するコースを選択している企業もあります。提供する学びの目的を会社や人事がはっきりさせることによって、学ぶ意欲を引き出すこともできます。

五十嵐:客観的な視点で自分のスキルを棚卸しすることも重要です。そのためには、最も仕事で関わっている上司などとの面談やミーティングのときに、学びに関する話をするのがいいかもしれません。例えば、1on1ミーティングが業務の進捗確認だけではなく、学びの振り返りの機会にもなるといいですね。そこで、「今すぐに必要というわけじゃないけれど、これを学んだら面白いんじゃないか」や、「将来やりたい仕事のために学びたいことがあります」といった話ができると学びが広がります。また、「私はこんなコースを受けた」「こんな風に役に立っている」など、どんな学びや気づきがあったのか同僚やチーム内に発信できる機会があれば、組織として学びの意欲が伝播していきます。

未来を予見することが難しい時代だからこそ、「学びの風土」の醸成が不可欠

――「学びの風土」をつくるために、企業はどう取り組めばいいのでしょうか。

北嶋:さきほど、行動評価項目と推奨コース(課題チェックシート)を結び付けている企業があるという話をしましたが、学びの風土がある企業は「研修を選択型で導入する目的」をしっかりと設定し、どのように活用していくのかを綿密に企画すると共に、社員に浸透するよう丁寧な広報を行っています。例えば、説明会を開いて 、「一人ひとり必要なスキルは異なるので、部下と相談しながら、自分自身で学びたいテーマを設定できるように支援してください」というメッセージを伝えるなど。さらに、経営トップが教育に関心があり、「会社としてみなさんに成長してほしいと願っています。だからこういう機会を用意した」という具合に、しっかりと学びを支援することをメッセージとして出している企業はうまく回っています。そういう企業は人事の方もイキイキしているし、選択型研修の企画や運営をするなかで社員からの声を聞いてやりがいも感じているようです。

――技術進歩のスピードは著しく、常識すら変化していく今の時代です。OJTや業務経験だけでは、会社の次代を担う力を養うのは難しくなってきているということでしょうか。

五十嵐:管理職の方は日々、マネジメントに邁進しつつ、どうしても目の前の業務に追われがちだと思いますが、中堅・リーダー層の育成は喫緊の課題です。新人の採用数も増えていますが、価値を生み出すようになるまでには時間がかかります。現場を支え、影響力を持つ中堅・リーダー層が目の前の業務に追われ、社会全体の動向や新しい学びを得ることもできない環境では彼ら/彼女らの成長の可能性が狭まってしまう可能性があります。

北嶋:そのような事態の防止を重要課題として、中堅・リーダー層をどう育成していくか、今以上に真剣に取り組む企業が増えていくと思います。

――そうした取り組みの結果、学びのサイクルが回り、自律学習が当たり前になることが、不確実な時代における企業の成長に不可欠なことですね。

北嶋:数年後に会社を担う社員は分かっているとしても、10年後のリーダーは誰か分からないし、10年後に向けてどんな学びやキャリアが必要なのかも、予想ができない時代です。

五十嵐:会社としてだけでなく、個人も同様です。人生100年時代が到来して、副業や兼業が当たり前になったとしたら、自分が何を実現するために、どのような仕事をしたいか、誰とコラボレーションするのか、問われ続けることになると思うんですよね。そんななかで、「あなたはリーダーで、私はリーダーじゃない」という区分けはほとんど意味をなさなくなると考えています。リクルートマネジメントスクールのコース開発者の立場からいえば、ただ単に仕事に役立つだけでなく、プライベートも含めて、「生きていくために役立つ学びを得られた」や、「新しい発見があった」など、実感のある学びの機会を提供していきたいです。提供しているコースはまもなく100コースに到達する見込みです。提供する学びのバリエーションを今後も広げていけたらと考えています。

――時代の要請に応えるコンテンツの開発と同時に、自律学習を定着させていくためのサポートもより一層、充実させていきたいですね。2人とも、今日はありがとうございました。


※記事の内容および所属等は取材時点のものとなります。

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