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マーケティングフレームワークとは? 代表的な種類や活用する際の注意点を解説
- 公開日:2024/12/02
- 更新日:2024/12/02
複雑化するビジネスシーンの課題に対応するには、マーケティングに特化した思考プロセスや分析手法である「マーケティングフレームワーク」が役立ちます。本記事では、マーケティングフレームワークの種類や用途、活用上のポイントなどを紹介します。
マーケティングフレームワークとは?
マーケティングフレームワークとは、効率的に物事を考えるための思考の枠組(フレームワーク)のなかでも、マーケティングにおける状況分析や課題解決に特化したものを指します。作業を効率化でき、チームの共通言語としても機能する思考のフレームワークは、変化の激しいマーケティングの領域において効果的です。
また、マーケティングフレームワークには、代表的な4P分析や4C分析、SWOTなどさまざまな種類が存在し、それぞれに適した用途があります。そのため、活用にあたっては特性を理解し、状況に応じて正しく使い分けることが重要です。
マーケティングフレームワークの役割
マーケティングフレームワークは、主に以下のような用途に効果を発揮します。
効率的に状況を整理する
マーケティング分野で直面する課題は、いくつもの要因が絡み合っており、市場の様子や自社の課題を正確に見極めることは容易ではありません。フレームワークを用いて各要素を整理することで、複雑な状況を論理的な思考に基づいて効率的に整理することができます。
戦略や施策を立案するサポート
課題を解決するための戦略や、具体的な施策を立案する際にも、マーケティングフレームワークは大きな助けとなります。フレームワークごとの決められた流れに従って考えることで、情報が整理されてアイディアが生まれやすくなるためです。
他者とのコミュニケーションを円滑にする
複数人のメンバーで共通のフレームワークを用いて仕事に取り組めば、メンバー間での認識の共有がしやすくなります。その結果、コミュニケーションもより円滑になります。
マーケティングフレームワークの種類と使い方
ここからは、用途ごとに適したマーケティングフレームワークの種類と、その使い方を紹介します。
ビジネス環境分析型
以下のフレームワークは自社や市場、競合などビジネスを取り巻く状況を知るうえで効果的です。
3C分析
3C分析では、Company(自社)、Competitor(競合)、Customer(顧客)という3つの視点から自社を取り巻く市場の状況を分析します。社内と社外の状態を比較することで、自社が現在どのような立場に置かれているのかを、より正確に把握できる点が強みです。
PEST分析
自社を取り巻く外的要因を、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4つの項目に分けて分析する手法をPEST分析といいます。世のなかの状況やトレンドの変化を察知し、柔軟に対応するために役立つフレームワークです。
5F(ファイブフォース)分析
5F(ファイブフォース)分析とは、自社にとって脅威となる5つの競争要因(フォース)を分析することで業界内の状況を把握する分析手法です。競争要因は買い手の交渉力、売り手の交渉力、競合業者、新規参入者、代替品の5つの項目に分かれており、これらの実態を知ることで自社が取るべき行動も分かるようになります。
戦略構築分析型
企業の戦略を構築するための分析には、以下のようなフレームワークが適しています。
SWOT分析
自社が持つStrength(強み)とWeakness(弱み)、社外にあるOpportunity(機会)とThreat(脅威)の4つの要因を相互に分析する手法です。内部と外部、それぞれのプラス要因とマイナス要因を照らし合わせることで、自社に必要な戦略を導き出せるのが特徴です。
STP分析
STP分析とは、Segmentation(市場の細分化)、Targeting(ターゲットの決定)、Positioning(自社のポジションの決定)の3つのプロセスからなるフレームワークです。上記のプロセスをS→T→Pの順で行うことで、業界内で自社が目指すべき立ち位置や、アプローチすべき客層などを割り出すことができます。
カスタマージャーニー
カスタマージャーニーは直訳すると「顧客の旅」という意味であり、顧客が商品に触れる過程を旅に例えています。顧客が、いつ、どのように商品に出合うか、そこでどのような感情を抱くか、といった「体験」を分析することで、マーケティング戦略に生かせる知見を得られる手法です。
マーケティング施策構築型
以下の手法は、販売戦略を踏まえ、具体的なマーケティング施策を考案する際に役立ちます。
4P分析
4P分析において重視されるのは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)という商品戦略を構成する4要素です。
製品の価格が高ければ、販路やプロモーションにも工夫が必要であるといったように、4Pの各要素はそれぞれが互いに影響を及ぼし合っています。そのため、4P分析はマーケティングの全体像を把握し、多角的に施策を練っていくうえで適した方法といえます。
4C分析
4CとはCustomer Value(顧客価値)、Cost to the Customer(顧客コスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)の4要素のことであり、4C分析ではこれらの要素を複合的に分析することで顧客への最適なアプローチ手法を導き出します。
4P分析が企業目線の手法であるのに対して、4C分析は顧客の立場から考えるフレームワークで、ニーズが確立されている市場への施策立案に用いられることもあります。それぞれのフレームワークを組み合わせることで、より効果的にマーケティング施策を立てることができます。
施策実行・改善型
考案した施策を実行したり、課題を見つけて改善したりする際には以下のようなフレームワークが有効です。
PDCAサイクル
PDCAサイクルは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の順に4つのプロセスを繰り返すことで、品質や生産性を継続的に高めていく手法です。幅広い場面に応用が可能なことから、さまざまな現場で取り入れやすいという特徴もあります。多くの企業でも活用されている、知名度の高いフレームワークです。
OODAループ
OODAループは、PDCAサイクルと同様に4つのプロセスを繰り返すことで業務改善を目指す手法です。プロセスの順番がObserve(観察)、Orient(状況判断)、Decide(意思決定)、Act(実行)となっており、計画や分析よりも実行に主眼が置かれているのが特徴です。
こうした点から、OODAループはPDCAサイクルよりも柔軟性や実行力に優れており、状況の変化が激しい場面に適しています。
マーケティングフレームワークを使うメリット
マーケティングフレームワークの活用には、以下のようなメリットが存在します。
マーケティング戦略を立てやすくなる
分析に特化したマーケティングフレームワークには、自社や競合、市場などの状況を要素ごとに分かりやすく整理する効果があります。こうして得られる情報は、新たにマーケティングの戦略や施策を立案するうえでも重要なヒントとなります。
業務が効率化して迅速に行える
マーケティングフレームワークという決まった枠組にあてはめて物事を考えることは、思考の無駄を減らし、迅速な状況判断や意思決定を可能にしてくれます。その結果、実際の行動が効率化され、生産性の向上にもつながります。
適切にリソースを配分できる
マーケティングフレームワークによる分析により、戦略や施策の実行にどれだけの人員や予算が必要であるかが明確になり、限られたリソースを適切に割り振ることができます。リソースが不足している場合でも、フレームワークを使用すれば早急な察知や対処が可能です。
ステークホルダーとの情報共有や合意形成がしやすくなる
常に一定の方法で思考を組み立てるマーケティングフレームワークには、事業に関わるステークホルダーとのやり取りを円滑にする力もあります。相手方との情報共有や合意形成も、フレームワークを用いて説明を行えばよりスムーズに進められるでしょう。
マーケティングフレームワークを使うデメリット
上記のようなメリットの一方で、マーケティングフレームワークの活用にはデメリットもあるため注意が必要です。
フレームワークの理解や活用が難しい場合がある
数あるマーケティングフレームワークのなかには、すぐに使い方を覚えて手軽に実践できる手法もあれば、仕組みや活用方法を一度で理解するのが難しい複雑な手法も存在します。
そのため、使用するフレームワークによっては使い方を学ぶ研修の受講や、実際に使用して一定の経験を積むといった事前準備が必要です。
フレームワークがあてはまらない状況もある
マーケティングフレームワークは種類ごとに用途が異なるため、自社や市場の環境が変化すると、それまで使用していた手法が突然使えなくなってしまう可能性もあります。
こうした事態に備えるためにも、特定のフレームワークだけに頼るのではなく、日頃からいくつかの手法を臨機応変に使い分けることが大切です。
定期的な調査が必要
マーケティングフレームワークを用いてどれだけ丁寧に分析を行ったとしても、分析時に参照した情報が古いものであれば、結論は実態とかけ離れたものになってしまうでしょう。
分析の精度を維持するためには、市場の状況や顧客のニーズについての定期的な調査が求められます。
マーケティングフレームワークを使用する際の注意点
マーケティングフレームワークを用いる際には、以下のような点も意識しましょう。
適切な手法を用いる
各フレームワークにはそれぞれに得意とする用途があるため、場面に応じて適切な手法を選ぶことが重要となります。もし思うように効果が表れなかった場合には、別のフレームワークを試してみるのもよいでしょう。
また、状況に合った手法を見極めるためには、フレームワークについての知識だけでなく、マーケティング的視点で物事を考える思考力も必要です。マーケティング思考力を磨く方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。
最新のトレンドを取り入れる
マーケティングフレームワークによる分析の精度は、使用する情報の「鮮度」にも大きく左右されます。特に、デジタルマーケティング市場の状況は日夜変化を続けているため、最新のトレンドをキャッチして絶えず情報のアップデートを行うようにしましょう。
フレームワークは手段であることを認識する
マーケティングフレームワークは便利なツールですが、あくまでも目的の達成に用いる手段であるため、使うこと自体が目的になってしまわないよう注意が必要です。
必要のないフレームワークの強引な使用は、結果的に余計な負担や手間を増やしてしまうため、効果が見込めない場合には無理に使わないことも1つの選択肢です。
まとめ
マーケティングフレームワークは、さまざまな用途に使用できる思考の枠組として、ビジネスにおける課題の分析・解決に大きく貢献するプロセスです。とはいえ、フレームワークの効果を最大化するためには、枠にとらわれない広い視野で柔軟に活用することが大切です。
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