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Z世代とは? 意味や特徴・価値観と育て方を分かりやすく解説!
- 公開日:2022/03/30
- 更新日:2025/04/14
Z世代は、1990年代半ばから2000年代初頭に生まれた世代を指し、その世代特有の価値観や行動が注目されています。デジタルネイティブとして育ったZ世代は、インターネットやSNSを駆使して自己表現を行い、社会とのつながりを大切にしています。一方、Z世代以外の世代のなかには、Z世代の価値観や行動をどのように理解し、育てるべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、「Z世代の意味や定義」「Z世代の特徴や価値観」「Z世代の育て方」などの項目を中心に解説します。
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Z世代はいつからいつまで? 意味や定義を解説
Z世代とは1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代のことで、「ポストミレニアル世代」とも呼ばれています。由来は、アメリカの「ジェネレーションZ」です。アメリカでは各世代をアルファベット順に呼んでいて、Z世代の前は「X世代」「Y世代」と呼んでいました。X・Yの次ということで、Z世代と名付けられたのです。Z世代は生まれた時からインターネットが身近にある、デジタルネイティブ世代でもあります。それまでの世代が「均質性」や「効率・生産性」といった組織中心の価値観を重視してきたのに対し、Z世代は「個性・多様性」「目的・意味」「助け合い・学び合い」などを大切にする傾向があると言われています。
Z世代の定義:生まれた年代
具体的には、2025年現在でおよそ15歳から30歳の年齢層に該当します。この世代は、インターネットやスマートフォンが普及した環境で育ち、デジタル技術と共に成長してきました。そのため、情報収集やデジタルコミュニケーションに関してツールを活用することが日常的であり、他の世代と比較しても高いデジタルリテラシーを持っています。
Z世代の意味:アルファベットの最後を象徴
「Z世代」という名前は、アルファベットの最後の文字である「Z」に由来しています。アルファベットの最後の文字を置くことで、この世代が新たな時代の終わりと始まりを象徴しているとも解釈されています。また、Z世代の後には、相対的に最初の文字に戻り、α(アルファ)世代と呼ばれる世代が続いています。
Z世代の特徴や価値観

Z世代の育成においては、その特徴や価値観などを理解したうえで働きかけをすることが重要です。5つの角度から具体的に説明します。
Z世代の特徴や価値観①働き方・キャリア
Z世代はワーク・ライフ・バランスを重視する傾向があります。そのため意味がないと感じる残業や休日出勤を好みません。「自分らしさ」を大切にしているため、プライベートの時間が削られる会社では自分らしく働けないと考え、離職につながることもあります。
また働くうえで「なるべくオフィスに出社したい」「対面でコミュニケーションを取りたい」と考えている人が多いといわれています。これはコロナ禍でリモートワークを余儀なくされ、リアルなコミュニケーションの価値を再認識した結果かもしれません。家族や友人といった、横のつながりや仲間を大切にするのも特徴です。
Z世代の特徴や価値観②購買・消費行動
Z世代の日常生活には、ネットショッピングが定着しています。「失敗したくない」という気持ちが強く、商品を購入する前にスマホなどでしっかりリサーチするのが特徴です。口コミやレビューといったユーザーの評価も重視します。また物を購入する「モノ消費」よりも、「コト消費」を重視する傾向があります。例えば特別な旅行やイベント、大切な人との食事、体験などです。
環境問題や社会課題への関心が高く、サステナビリティ(持続可能性)やエシカル消費に敏感なのも特徴です。似たような商品であれば、より環境にやさしい商品や、社会的課題の解決に取り組んでいる企業の商品を選ぶ傾向があります。
Z世代の特徴や価値観③情報収集・発信
情報収集のツールとして、Z世代が主に活用するのが、SNSや動画共有サービスです。Googleなどの検索エンジンよりもSNSでつながっている家族や友人、インフルエンサーなどからの情報を重視する傾向にあります。InstagramやX(旧Twitter)、YouTubeなど、目的に応じてSNSを使い分けるのも特徴です。短時間で効率よく情報収集するために、タイムパフォーマンスを意味する「タイパ」という言葉も生まれました。
情報収集だけでなく、情報発信もSNSで行います。その際に重視するのが「映え」です。多くの写真のなかから1枚を吟味し、アプリで加工して投稿。「いいね!」をもらうことで、承認欲求を満たす傾向があります。
Z世代の特徴や価値観④テクノロジーの利用と適応力
Z世代は、テクノロジーの利用に長けており、新しい技術やツールにもすぐに適応できるため、デジタルデバイスを日常的に活用し、効率的な働き方や生活を追求する傾向があります。
Z世代の特徴や価値観⑤多様性とコミュニケーション
Z世代は、多様性を尊重し、オープンで平等なコミュニケーションを好みます。異なる価値観や背景を持つ人々との対話を大切にし、共感や理解を重視する傾向があります。
Z世代と各世代の違い
Z世代を理解するためには、他の世代との違いを知ることも重要です。ここではX世代、Y世代、α(アルファ)世代との違いを紹介します。
Z世代とX・Y世代(ミレニアル世代)の違い
X世代は、1960年代後半から1980年頃生まれを指します。「バブル世代の後期」と「就職氷河期世代」が混在する世代で、キャリアにおける大きな成功体験を持つ人がいる一方、順調にキャリアを積めなかった人もいます。「情報源はテレビ」という人が多いですが、デジタルも活用するのが特徴です。
Y世代は1980年代序盤から1990年代半ば生まれの世代で、「ミレニアル世代」とも呼ばれています。インターネットやデジタルデバイスの進化と共に成長しましたが、インターネット以外にもテレビ、雑誌、書籍など、幅広い情報源を持っているのが特徴です。「ワーク・ライフ・バランスを重視」「家族や友人を大切にする」「環境問題・社会課題に関心がある」など、Z世代とは多くの共通点があります。
Z世代とα世代の違い
Z世代より下の、2010年代前半から2020年代半ばに生まれた世代がα(アルファ)世代です。Zはアルファベットの最後の文字であるため、ギリシャ文字を取ってα世代と呼ばれています。生まれた時からスマホやタブレットに囲まれ、義務教育でプログラミングを学ぶ世代です。どの世代よりもデジタルリテラシーが高いといえるでしょう。2024年現在のα世代はまだ社会に出ていませんが、今後成長したら、Z世代とはまた異なった特徴を備えているはずです。
Z世代の課題と未来
Z世代は、デジタルネイティブとして育ち、他の世代とは異なる特徴や価値観を持っています。Z世代が直面する課題や未来への期待を理解することで、効果的なコミュニケーションや育成計画を立てられます。
政治への期待
Z世代は、政治に対して従来の世代よりも関心を持っているといわれています。SNSを通じて政治情報に触れる機会が増え、政策の透明性や若者向けの施策への期待が高まっています。特に、環境問題やジェンダー平等といったテーマには強い関心を持ち、選挙への参加意識も高まっています。しかし、現状の政治への不信感もあり、若者が政治に積極的に関与できる環境の整備が求められています。
将来への不安
急速な社会変化により、Z世代は将来への不安を強く抱いているとされています。AIの発展による雇用の変化、終身雇用制度の崩壊、長引く経済停滞などが、不安要素として挙げられます。また、キャリア選択の幅が広がった一方で、自分に合った仕事を見つけることへのプレッシャーも大きくなっています。企業側は、Z世代が安心してキャリアを築ける支援策を講じることが求められています。
経済的課題
Z世代は幼少期から経済停滞を経験し、安定した雇用や十分な賃金の確保が難しい状況にあります。賃金停滞や非正規雇用の増加により将来への不安を抱えやすく、消費行動も堅実志向になっています。そのため、働く環境においては、経済的な安定や公正な待遇を重視する傾向があります。給与制度の透明性や福利厚生の充実、キャリア成長の機会を提供することが、Z世代の不安を和らげ、モチベーションを高める要素となるでしょう。
社会問題への関心
Z世代は、社会問題への関心が高い世代です。環境問題やジェンダー平等、人権問題などに対して強い関心を持ち、特に気候変動やプラスチックごみ問題などの環境問題に対しては、積極的に行動を起こす姿勢が見られます。また、ジェンダー平等やLGBTQ+の権利に対する意識も高く、多様性を尊重する社会の実現を目指しています。これらの関心を反映した取り組みや情報発信が、Z世代との効果的なコミュニケーションにつながります。
Z世代の育成ポイント
最近は「Z世代を育成するのが難しい」という声も耳にします。ここではZ世代を育成する際のポイントを紹介します。
受信型のコミュニケーションを心がける
受信型のコミュニケーションとは、ひと言でいうと「傾聴」です。Z世代は多様性を尊重する社会のなかで「自分の意見は必ずしも正解ではない」という思いを抱きがちです。またネットワーク社会で「素を出すリスク」を実感している側面も。そのため自分の意見を表に出すことを躊躇する傾向があります。
そんなZ世代の自律性を引き出すには「安心と信頼」を築くことがカギです。彼らの考えや思いに耳を傾け、否定せず、理解・尊重する姿勢を心がけましょう。
経験を学びにつなげる
Z世代は、小さな失敗でも自信を失ってしまう傾向があります。どのような経験でも学びにつなげる力を身につけてもらうことが大切です。
そこでお薦めなのが「フラットな問いかけ」。「こうした方がいい」と答えを渡すのではなく、「結果の要因は何だと思う?」「次に生かしたいことは何?」などと問いかけてみましょう。「自分で考え、成功につながった」という経験が、次の挑戦への力になります。経験を積めば積むほど自律学習の力も高まるでしょう。
職場ぐるみで育てる
これまでのOJTは、新人と上司・育成担当者といった「縦ラインの育成」が中心でしたが、これからは職場の同僚や他職場のメンターなどを巻き込んだ「面の育成」を心がけましょう。ポイントは、新人が多くの人と接点を持てるようにすることです。新人が何でも相談できる相手が見つかったり、幅広い知識や学びが得られたりする可能性が高まるでしょう。
Z世代の育成については、下記の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
個別最適化学習の重要性
Z世代は多様な学習スタイルを持っているため、個別最適化学習が重要です。オンラインツールやアプリを活用して、一人ひとりのニーズに合わせてカスタマイズされた学習プランを提供することで、効率的な学びを実現します。また、学習進捗のモニタリングや定期的な評価をして、適切なサポートを提供することも大切です。
テクノロジーを活用した教育手法
Z世代はデジタルツールやテクノロジーに慣れ親しんでいるため、教育においてもこれらを活用することが効果的です。オンラインコースやeラーニングプラットフォームを利用して、学びの幅を広げられます。また、VRやARなどの先端技術を取り入れることで、より実践的で魅力的な学びの体験を提供することが可能です。
Z世代のポテンシャル
Z世代は、デジタルネイティブとして育ち、社会に新しい価値観とスキルをもたらしています。その特性を理解し、活躍を支援することで、組織や社会全体の成長につながります。以下に、Z世代のポテンシャルを引き出すためのポイントを解説します。
デジタルネイティブの強み
Z世代は幼少期からデジタルツールやインターネットに親しんで育ち、情報収集やコミュニケーションにおいて高度なスキルを持っています。テクノロジーを駆使して効率的に仕事を進めることができるため、企業はこの強みを最大限に活用すべきです。また、SNSを活用したマーケティングや情報発信など、現代のビジネス環境において不可欠なスキルを持っているため、組織のデジタル戦略において重要な役割を果たします。
多様性と包括性の推進
Z世代は多様性と包括性を重視する価値観を持っています。人種、性別、性的指向、宗教などの違いを受け入れ、尊重する姿勢を持っているため、組織の文化を豊かにできます。多様性を推進することで、異なる背景や視点を持つ人々が集まり、創造的なアイディアや解決策が生まれやすくなります。包括的な環境を整えることで、Z世代の持つポテンシャルを最大限に引き出せるでしょう。
イノベーションと創造性の源泉
Z世代は新しいアイディアやアプローチを求める傾向があり、現状に満足せず、常に改善や革新を追求する姿勢を持っています。そのため、企業はZ世代の意見や提案を積極的に取り入れ、組織全体のイノベーションを促進することが重要です。また、クリエイティブなプロジェクトや課題に対して自発的に取り組む姿勢を評価し、サポートすることで、Z世代の持つ創造性を引き出せます。
効率的な学習と成長の姿勢
Z世代は自己成長を重視し、効率的な学習方法を求める傾向があります。オンラインコースやeラーニングプラットフォームを活用して、自分に合った学びのスタイルを見つけることが得意です。企業は、Z世代が自主的に学び、成長できる環境を整えることが重要です。また、フィードバックを通じて、Z世代の成長をサポートし、適切なアドバイスを提供することで、Z世代のポテンシャルを最大限に引き出せるでしょう。
まとめ
「自分にとっての目的や意味を重視する」といったZ世代の価値観に、戸惑いを感じる方もいるかもしれません。しかしZ世代の特徴は、時代の鏡でもあります。異質なものと捉えず、生かし方を考えることで、企業組織をアップデートすることができるでしょう。
Z世代は高いデジタルリテラシーやインターネットの活用力、個性や多様性を生かす力など、企業が生き抜くうえで欠かせない強みや力も持っています。Z世代の持ち味を最大限に生かして、競争力を強化してほしいと思います。
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