用語集
オンライン研修(WEB研修)とは? メリット・デメリットや始め方を徹底解説
- 公開日:2021/03/19
- 更新日:2025/04/14
オンライン研修は、講師や受講者が同じ場所に集まることなく、オンライン上で開催される研修です。ZoomなどのWEB会議ツールを使って行います。オンライン研修では、対面の研修と異なり移動が不要となるため、離れた拠点に勤務する社員でも参加できるなどのメリットがあります。2020年以降、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、移動が最小限ですみ、一堂に会することも不要なオンライン研修の需要が高まりました。
この記事では、オンライン研修のメリットとデメリット、録画型・リアルタイム型といった種類についての解説や、導入の進め方などをご紹介します。
オンライン研修サービスや集合研修や自主学習(E-learningやテスト、読書など)との違いについてはこちら
オンライン研修とは~背景とそのメリット~
オンライン研修とは?
オンライン研修は、インターネットを通じて遠隔で行う研修のことです。コロナ禍を機に多くの企業が導入し、場所や時間に縛られずに受講できる利便性が注目されています。ここではオンライン研修の種類について詳しく解説します。
リアルタイム型オンライン研修
リアルタイム型のオンライン研修は、ZoomなどのWEB会議ツールを使用して実施されます。その場でチャットによる質問やディスカッションができるため、疑問点の解決や有用な議論の創出につながるメリットがあります。ただし、研修の内容をアーカイブ保存などで再度視聴できない場合は、反復学習ができないデメリットもあります。決められた日時に合わせて参加する必要がある点も、忙しい社員にとってはネックになるでしょう。
録画型オンライン研修
各参加者が、あらかじめ録画された講義を視聴して受講する形のオンライン研修です。好きな時間に何度でも見直すことができ、反復することで受講内容をより深く習得できるメリットがあります。その半面、講師や他の参加者とのコミュニケーションが取れないため、その場での質疑応答はできません。不明点をその場で解決したり、講師や他の参加者と交流を図ったりすることが難しくなるデメリットがあります。
eラーニング(オンデマンド配信)
eラーニングは、事前に録画された動画や資料をオンラインで配信する形式の研修です。受講者は自分のペースで学習を進められ、理解が深まるまで繰り返し視聴できます。e-ラーニングのメリットは、受講者が自分のペースで学習できる点と、教材の更新が容易な点です。また、進捗管理やテスト機能を活用することで、学習効果を高められます。ただし、リアルタイムでの質問や意見交換ができないため、受講者のモチベーション維持が課題となることがあります。
オンライン研修のメリット・デメリット

2020年以降の新型コロナウイルス感染防止対策の影響を受け、オンライン研修の必要性や有用性に注目が集まっています。しかし、オンライン研修の本格導入を検討中であれば、あらかじめその有用性と併せて注意すべき点も押さえておくことも重要です。ここでは、オンライン研修のメリット・デメリットをご紹介します。
■オンライン研修のメリット
(1)遠方の社員でも自宅や拠点オフィスから受講できる
全員が1カ所に集まって実施する集合研修と異なり、インターネットに接続できる環境と機器が揃っていればどこにいても受講可能です。これにより地方拠点の受講者も出張などの負担なしに研修に参加することができます。これにより、地理的な制約を受けずに研修を受けられ、社員全員が均等な教育機会を得られます。
(2)コストが削減できる
交通機関の利用や宿泊などが発生しないため、研修参加時の交通費や宿泊費が発生しません。また、全員が集合できる会場を用意する必要もありません。
(3)参加者の業務調整負担の軽減
研修前後の移動時間を確保する必要がなくなるため、集合型に比べて業務時間の調整がしやすくなります。短時間の研修であれば、会議の直後や業務の合間に研修を受講するといったことも可能になります。
(4)事務局が受講状況を把握しやすい
オンライン研修では、事務局が受講者の進捗を把握しやすい点もメリットです。学習管理システムを活用することで、受講履歴や理解度をリアルタイムで確認でき、未受講者へのフォローもスムーズに行えます。また、受講状況のデータを分析することで、研修の改善点を明確にし、より良いプログラムへとつなげられます。さらに、従来の集合研修では難しかった詳細な受講管理ができるため、研修の質を高めることにも貢献します。
(5)質問しやすい
オンライン研修では、チャット機能やQ&Aセッションを活用することで、参加者が質問しやすくなります。対面形式では質問しにくい場面でも、オンラインならではの利便性を活かして気軽に質問できる環境が整っています。
■オンライン研修のデメリット
(1)参加者側のネットワーク環境により快適に受講できない場合がある
参加者側の受講環境を均一に保てないため、ネットワークの接続状況が悪かったがために、講師の話を十分に聞き取れなかったり、画面が粗くなり資料の文字が読み取れなかったりといった参加者が出てくる場合もあります。場合によっては、研修中に通信が遮断されたり乱れたりして、受講ができなくなるケースもあります。
オンライン研修を企画する際には、参加者が十分なネットワーク環境が用意できているか確認することをお薦めします。
(2)参加者の受講中の状況や集中度が分かりにくい
オンライン研修では、カメラを使っていたとしても映っている範囲しか見ることができません。参加者が多い研修の場合には、一人ひとりの表情を見ることも難しい場合があります。
そのため、参加者が研修の内容を理解しているかどうか、メモを取るなどして意欲的に受講しているかどうかなどが分かりにくいことが、オンライン研修のデメリットの1つです。
(3)実習型や技術の習得を目的とした講習には適していない
研修内容に、実務に必要な手技や接客技能などを習得するための項目が含まれている場合、オンライン研修では対応が難しい場合があります。ワークショップや実習を伴った研修をオンラインで行う際は、実施に相応の工夫が必要となる可能性があります。
(4)グループワークやディスカッションがしづらい
オンライン研修では、ワークやディスカッションを通して研修への理解を深めることが難しい点もデメリットの1つです。ただし、参加者をグループ分けして行うブレイクアウトセッションや、ワーク用の資料を事前に準備しておくことで、オンライン研修でもグループワークやディスカッションを効果的に行うことは可能です。
(5)アプリやツールを使う準備が必要な場合がある
オンライン研修を受講するには、専用ツールへのログインやアプリのインストールなど、事前準備が必要となる場合があります。WEB会議システムのアカウント登録やソフトウェアのダウンロード、動作確認を済ませておくことで、研修当日のトラブルを防ぎます。また、受講者が自身のPCやタブレットを使用する場合、カメラやマイクの設定、安定したネット環境の確保も重要です。
今後のオンライン研修のあり方

2020年の新型コロナウイルス感染症流行を契機に、ビジネス研修における今後の学習方法としてオンライン研修の有用性が大きく見直されました。アフターコロナと呼ばれるこの先の社会において、オンライン研修は新しい人事教育の主流の一つとなっていくでしょう。また、「座学はオンラインで、会話や手技をともなう実技講習は対面で」など、オンライン研修とその他の方法を組み合わせて柔軟に対応することも可能です。オンライン研修の今後に関しては、以下のコラムもぜひご参照ください。
ポストコロナにおけるオンライン研修のあり方
ポストコロナ時代において、オンライン研修は柔軟な学習環境を提供する手段として定着しつつあります。時間や場所に縛られずに受講できるメリットを生かし、研修内容を個別最適化するなど、さらなる進化が求められています。また、AIを活用した学習支援や、双方向性を高める仕組みの導入により、理解度向上やモチベーション維持が重要となります。
ハイブリッド型研修
今後のオンライン研修では、対面研修とオンライン研修を組み合わせたハイブリッド型研修の導入が進むと考えられます。オンラインの利便性を生かしつつ、対面での実践的な学習や交流の機会を設けることで、理解の深化やモチベーション向上が期待できます。研修内容や目的に応じて適切な形式を選択し、学習環境を整えることが求められます。
オンライン研修の始め方
今後は、社内教育にオンライン研修を取り入れる企業がさらに増えていくことが予測されます。新たにオンライン研修を取り入れるためには、どのような手順で準備を進めれば良いのでしょうか。
ここでは、オンライン研修の始め方を順にご紹介します。
(1)WEB会議システムを契約する
Zoomなど、オンライン会議を行えるツールのなかで自社に最適なものを選定し、サービスの契約を行います。外部の研修サービスを利用する場合は、指定ツールを確認します。
(2)オンライン研修に対応している研修会社を探す
次に、オンライン研修を導入する際は、研修会社を選定することが重要です。まず、各社の研修内容や提供ツール、サポート体制を確認し、自社の目的に合ったサービスを選びましょう。特に、学習管理システムの有無や講師のオンライン指導経験、カスタマイズの柔軟性などを確認するとスムーズです。また、受講者の負担を考慮し、操作性や受講環境のサポートが充実しているかも重要なポイントです。
(3)オンライン研修に必要なツールを準備する
研修にはパソコンやスピーカー・イヤホン、マイク、インターネット接続などが必要となるため、全参加者および講師がそれらの機器や環境を準備しなければなりません。また、(1)で選定・確認したWEB会議ツールを参加者全員が使用できるか、研修開始までに確認しておく必要があります。
(4)研修内容や日程を決めて告知する
自社研修の場合、研修実施の準備が整い次第、具体的な研修内容や実施日程を決め、参加者への告知を行います。各参加者に、快適に受講できる場所を自宅やオフィスで確保しておいてもらうことも重要です。
(5)研修資料を事前に共有する
研修に用いる資料を作成してPDFやスライドなどのデータにまとめ、研修実施前に参加者へ配布します。各参加者にも資料に目を通してもらい、参加者側で必要な予習事項があれば当日までに実施してもらうことも手です。資料の内容に関する講習が短時間で行えれば、チャットによる質疑応答やディスカッションの時間を多く取ることもできます。
(6)人事部や社内でテストしてみる
初めてオンライン研修を実施する場合、事前に人事部や社内でテストを行うことが重要です。実際の受講環境を再現し、ツールの操作性や接続の安定性、資料の共有方法などを確認しましょう。また、研修の進行や質疑応答の流れをシミュレーションすることで、本番でのトラブルを防ぎやすくなります。
オンライン研修の効果を高めるためのポイント
オンライン研修の効果を引き出すためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。以下では、オンライン研修を効果的に進めるための具体的な方法について解説します。
受講者の行動変容を把握・計測する
オンライン研修の効果を高めるには、受講者の行動変容を把握・計測することが重要です。単に満足度を確認するだけでなく、定期的なアンケートなどで業務での実践状況を調査し、研修の成果を具体的に可視化しましょう。また、研修後のフォローアップや振り返りの機会を設けることで、学んだ内容の定着を図ります。
第三者視点で考える
オンライン研修の効果を高めるには、受講者だけでなく、企業や人事担当者の視点からも研修の価値を考えることが重要です。例えば、数回に分けて研修を行う「分散型研修」を活用すると、業務と学びを一体化させ、経験を通じた成長につながります。また、変化の激しい時代に対応するためには、受講者同士が学び合い、知識を共有する文化の醸成が不可欠です。
おわりに
オンライン研修は、インターネットを利用して遠隔で行う研修で、コロナ禍以降多くの企業が導入しています。メリットには、地理的制約を受けずに研修を受けられることやコスト削減、業務調整負担の軽減、交流機会の増加、質問しやすい環境が整う点があります。一方、デメリットにはネットワーク環境による影響や受講状況の把握が難しいこと、実技には不適当、グループワークの難しさ、ツールのインストールが必要なことがあります。効果的な研修をするためには、事前準備やインタラクティブな工夫が重要です。
オンライン研修を早期に成功させるためには、ツール導入時の事前準備や動作環境の確認のほか、資料を事前共有するなどの準備が大切です。研修内容の吟味と併せ、ネットワークをはじめとする必要なインフラなどを再確認し、スムーズで安定した受講状況を実現しておきましょう。
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