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導入事例

新任管理職研修を起点として「管理職OSのアップデート」を推進

株式会社オカムラ

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  • 公開日:2025/04/21
  • 更新日:2025/04/21

事例概要

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背景・課題

2023年に策定した中期経営計画2025では、「人財育成と働きがいの向上」を経営基盤強化の重要テーマのひとつとして掲げています。これらのテーマは、経営・人事部門だけでなく、管理職も一体となって取り組むべき課題です。しかし、管理職を取り巻く環境は近年大きく変化しており、従来の「管理職OS」(管理職としての基本的な考え方や視点)では対応しきれない課題が増えています。そのため、私たちは「管理職OSのアップデート」を進める必要がありました。

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検討プロセス・実行施策

新任管理職研修は、新任課長が「現代版の管理職OS」を学び、それを実務で実践するための第一歩として位置づけられています。この研修を起点に、課長としての実務や関連施策がスムーズに動き出す仕組みを整備しました。また、新任課長同士が悩みや不安を共有し、互いの考え方を参考にする場を設けることで、研修後の実務にも良い影響を与えています。このような目的から、本研修は必ず対面形式で実施しています。

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成果・今後の取り組み

新任管理職研修は確かな成果を上げています。事前に実施するeラーニングの受講率はほぼ100%を達成しており、研修内で自ら設定したアクションプランの実施率も毎年高水準を維持しています。また、課長職のエンゲージメントも向上しており、この研修がその一因になっていると考えています。
2024年度から、研修内に「課長自身のありたい姿」を考える時間を新たに設けました。課長自身がキャリアを描き、それを実現するための行動を起こすことが、部下のキャリア支援にもつながると考えたためです。今後も研修の改善を継続的に行い、さらなる価値向上を目指します。

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背景・課題

旧来の「管理職OS」では通用しない時代に

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岸部:私たちがリクルートマネジメントソリューションズの「新任管理職研修」を初めて導入したのは、2019年でした。その背景には、2018年の社名変更がありました。「岡村製作所」から「オカムラ」への社名変更は、単なる名称変更ではなく、変革の意思を表すものでした。

同じく2018年は、働き方改革関連法が可決された年でもあり、時間外労働の上限規制や年次有給休暇の取得義務化など外部環境が大きく変化しました。この変化を受けて、私たちは「オカムラで働く一人ひとりがWork in Lifeを実現できる会社に」を目指して、働き方改革の取り組み「WiL-BE」を始めました。ICTツールの導入や帰宅時間が記載されている「早帰り宣言カード」の活用など、生産性向上と勤務時間管理を両立する施策を展開したのです。この流れのなかで、新任管理職研修も始まりました。その経緯の詳細は前回の事例記事でも詳しく話しました。

その後、2021年には経営理念「オカムラウェイ」を策定しました。オカムラウェイは、「人が活きる」という視点を通して、ミッション(経営姿勢)、オカムラ宣言(めざすありたい姿)、私たちの基本姿勢(大切にする価値観)の3つで構成した経営理念です。さらに、2023年4月より、オカムラのパーパス「人が活きる社会の実現」に向けて、「従業員一人ひとりが働きがいを感じながら日々活き活きと働ける状態」を実現する取り組みとして、働き方改革「WiL-BE」から「働きがい改革 WiL-BE 2.0」へ取り組みを進化しました。
施策としては、すべての従業員が自分自身の“働きがい”について考える機会として「働きがい会議」を部門ごとに開催したり、オウンドメディア「Okamura Live : ) (オカムラライブスマイル)」にて、社内で行われているさまざまな「人が活きる取り組み」を記事として配信し価値観の共有を図るなど、さまざまな活動を行っています。

中期経営計画2025では、「人財育成と働きがいの向上」を経営基盤強化の重要テーマとして掲げています。これを実現するため、従業員一人ひとりが未来のキャリアを描き続け、多様な経験を通じて成長し続けることを「オカムラキャリアジャーニー」と定義し、従業員同士の相互理解の機会、学び続ける機会、挑戦する機会の3つの機会の整備を継続的に推進しています。
具体的には、土台となる人財情報の可視化のためにタレントマネジメントシステムを活用したり、本人のキャリアデザインを所属長と一緒に考える育成面談を設けたりしています。当然ながら部課長たちにも、1on1などを通じて、部下のキャリアを支援する役割を担ってもらっています。

このテーマに取り組むうえで、管理職の役割はますます重要になっています。しかし、従来の「管理職OS」では、現代の課題に対応することは難しくなっています。一方で、当社の課長職はプレイヤー業務の割合が高く、マネジメント業務の負担を軽減する必要もありました。そのため、私たちはさまざまな面から、「管理職OSのアップデート」を進める必要性を感じています。

検討プロセス・実行施策

「新任管理職研修→考課者訓練・1on1研修→実務」の流れを整備

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岸部:先ほど触れたとおり、リクルートマネジメントソリューションズの「新任管理職研修」は2019年に始めました。それ以来、この研修の位置づけは変わっていません。新任管理職研修は、新任課長がアップデートされた「現代版の管理職OS」を学び、実践するための第一歩として実施しています。

管理職OSのアップデートは年を追うごとにますます重要になっており、併せて新任管理職研修の必要性も増しています。

マネジメントとは何か、組織とは何か、マネジャーに求められる成果とは何か、目標設定や時間管理の仕方など、今のマネジメントに必要なことが一通り書かれている新任管理職研修のテキスト「マネジメントベーシックス」を、課長昇格時に渡しています。新任課長の多くは3月に就任するため6月に新任管理職研修を実施しているのですが、近年新たに期中に課長に就任するケースも増えてきています。そのため、新任管理職研修まではマネジメントベーシックスを読み、まずは自身で試行錯誤してみる期間としています。

6月の新任管理職研修の後は、考課者訓練や1on1研修を実施し、その後9月に上期の考課業務を行ってもらいます。このように、新任管理職研修を起点にして課長実務や他の施策が動き出し、新任課長研修を起点としたスムーズな育成プロセスを整備しています。

新任課長同士の対話を重視し、本研修は必ず対面で実施

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奥田:新任管理職研修で重視しているのは、「管理職マインドセット」を身につけてもらうこと。特に、「人の側面」の大切さを意識づけするようにしています。管理職に昇格して最も大きく変わるのは、やはり部下を持つことです。先ほど説明したとおり、私たちは今、「人財育成と働きがいの向上」を経営基盤強化の重要テーマに据えています。

新任管理職研修を通じて、新任課長に、部下一人ひとりの働きがいやキャリアをマネジメントする意識を高めてもらおうと考えています。

コロナ禍を経て、多くの研修がオンライン形式に移行しましたが、新任管理職研修だけは必ず対面で実施しています。なぜなら、新任課長同士がリアルの場で対話し、マネジメントに関する悩みや不安を共有し、お互いの考え方や手法を参考にし合ったりすることが何より重要だからです。新任課長の立場・能力・年齢などはさまざまですが、部下育成や評価、組織運営に関する悩みは共通しています。同じ境遇にある仲間たちが直接対話することで、マネジメントに対する意欲や自信を育むことができます。ですから新任管理職研修では、講師にも受講者の想いや悩みの深掘りをお願いしています。

岸部:具体例をお話しすると、新任管理職研修の参加者には、生産事業所で50名以上の部下を抱える新任課長もいれば、本社部門や販売部門で数名の部下を持つ新任課長もいます。当然ながら、マネジメントの課題や悩みは異なりますが、「1on1が難しい」「年上部下への対応に悩む」といった共通する悩みもあります。こうした悩みが出てきたとき、むしろお互いの状況が違うからこそ、役に立つアドバイスがし合えるケースも多いのです。このような交流はリアルな場でしか実現できません。さらにいえば、本社部門や販売部門、生産事業所といった部署を超えた交流が生まれ、お互いを理解し合うこともプラスになると考えています。

奥田:新任管理職研修で新任課長同士の結束力が強まると、日ごろから相談し合える関係性もでき上がっていきます。当社には、創業以来、社内に根付いている文化の1つとして「話し合い」という取り組みがあります。相互理解を深め、お互いから学び、職場の課題を改善する取り組みで、私たちは役職や年齢に関係なく自由に話し合うことで、働きやすくより良い会社をつくることを目指しています。

成果・今後の取り組み

新任課長のアクションプラン実施率は高く、エンゲージメントも向上

岸部:新任管理職研修の成果は着実に現れています。事前のeラーニング受講率はほぼ100%を達成しており、研修内で自ら設定したアクションプランの実施率も毎年非常に高いです。また、課長職のエンゲージメントが向上しており、この研修がその要因の1つになっていると考えています。

研修後には、マネジメント意識や部下のキャリアを支援する意識が醸成されているケースが多く見られます。例えば、部下の声を積極的に聞き取る姿勢が見られたり、1on1の価値を感じて熱心に1on1を行う新任課長が増えています。

奥田:2024年度から、研修内に「課長自身のありたい姿」を考える時間を新たに設けました。部下のキャリアを支援するためには、まず課長自身が自分のキャリアを描き、その実現に向けた行動を起こす必要があると考えたからです。このように、研修内容を継続的にブラッシュアップしながら、管理職研修の価値をさらに高めていきたいと思っています。

岸部:今後の課題をあえて挙げるとすれば、部下へのフィードバック強化です。近年、ハラスメントへの懸念から、部下へのフィードバックに難しさを感じているマネジャーが増えています。しかし、部下の成長のためには、マネジャーとして部下に伝えるべきことをしっかり伝えるスキルが求められます。新任管理職研修でも、こうしたフィードバックスキルを強化する内容を盛り込む余地があるかもしれません。また、「挑戦する風土」を醸成することも組織課題の1つです。このテーマを研修に反映させ、新任課長が部下に挑戦を促すマネジメントを実践できるよう支援する方向性も今後検討していきます。

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奥田:さらに、部下が課長の視点を持ちながら考えたり行動したりする「フォロワーシップ」の実践も課題です。こうした新たな課題は、マネジメントの進化に応じて生まれてくると考えています。

リクルートマネジメントソリューションズは、外部から私たちに気づきを与えてくれる貴重な存在です。引き続き御社のサポートを活用しながら、効果的な新任管理職昇格時プログラムの設計を進めていきたいと考えています。


※記事の内容および所属等は取材時点のものとなります。

取材日:2025/01/28

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企業紹介

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株式会社オカムラ

オカムラは、パーパスである「人が活きる社会の実現」に向け、「豊かな発想と確かな品質で、人が活きる環境づくりを通して、社会に貢献する。」をミッションとし、オフィス、教育・医療・研究・商業施設、物流センターなど、さまざまなシーンにおいて、クオリティの高い製品とサービスを提供することに努めている。企業価値のさらなる向上と社会課題の解決に取り組み、すべての人々が笑顔で活き活きと働き暮らせる社会の実現を目指している。

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