導入事例
2種類の営業研修の導入で売上単価が継続的に向上
スパイダープラス株式会社

- 公開日:2025/04/07
- 更新日:2025/04/07
事例概要

背景・課題
私たちのビジネスは現在急速に成長しています。2024年から営業研修を開始した背景には、営業メンバーの大幅な増加による「営業スキルのバラツキ」という問題があり、法人営業経験者に加え営業未経験者もキャリア採用で幅広く採用しているため、ヒアリングスキルや企画提案スキルなどにバラツキが生まれており、営業部門としてスキルの底上げが急務となっていました。

成果・今後の取り組み
研修実施から半年ほど経った現在、両研修で学んだ営業の基本の型が、早くも社内の「共通言語」として根づき始めています。その大きな理由は、MATRIXの型を使って営業戦略を立てるなど、日々の業務に基本の型を活用しているからです。さらに私たちは、メンバーにより多くの機会を与え、主体性を引き出す組織変革にも乗り出しました。こうした取り組みの結果、売上単価が目に見えて向上しています。
背景・課題
営業メンバーの増加により、スキルの底上げが急務に

臼澤:私たちスパイダープラスは、現場業務をラクにして“働く”にもっと「楽しい」を創造する建設DXサービス「SPIDERPLUS」を提供している会社です。私たちのビジネスは現在急速に成長しており、営業部門においても、大幅な人員拡充を進めています。
営業部門は、中堅企業以上のお客様を担当する「エンタープライズ営業」と、中小企業のお客様を担当する「SMB営業」にチームが分かれています。私がエンタープライズ営業のトップを、平野がSMB営業のトップを務めており、2024年、この2部門が独自に営業研修を導入しました。
営業研修を始めた背景には、営業メンバーの大幅な増員による「営業スキルのバラツキ」という問題があります。SPIDERPLUSは、建築業・空調衛生設備業・電気工事業などのお客様向けの建設DXサービスです。しかし、即戦力の建築業向け法人営業経験者は多くなく、現在はさまざまな業界の法人営業経験者や営業未経験者を、キャリア採用で幅広く採用しています。その結果、営業メンバーのヒアリングスキルや企画提案スキルなどにバラツキが生まれており、営業部門としてスキルの底上げが急務となっていました。
SPIDERPLUSはすでに業界内である程度浸透しており、お客様にサービスを説明しただけで売上が上がる段階は終わりつつあります。「課題解決型営業」が求められるステージに入っており、営業力の底上げはいよいよ待ったなしの状況です。そこで、私たちは2024年の春頃に営業研修の導入を決めました。
検討プロセス・実行施策
MATRIXとFOCUSⅡで「営業の基本の型」を学ぶ
私は、これらの研修を通じてメンバーに営業の基本の型を学んでもらえば、今回の課題を解決できるイメージがありました。私も臼澤も営業部長としての業務が忙しく、さまざまな研修を比較検討する時間を十分に取れなかったこともあり、両研修の実施を速やかに決めました。
私たちは、この2種類の研修をポジションによって使い分けています。エンタープライズ営業のマネージャー・メンバーとSMB営業のマネージャーには、法人営業のための営業戦略・計画策定研修「MATRIX」を受けてもらいました。彼らには、キーパーソンの選定方法やキーパーソンと会うための方法論を特に学んでもらう必要があったからです。一方で、営業経験の浅いメンバーが多いSMB営業のメンバーには、基本的な営業スキルの向上を目指す「FOCUSⅡ」を受講してもらうことにしました。
事前準備の効果もあり、初の研修で組織・メンバーの長所と課題が明らかに
平野:2024年6~7月、私たちはMATRIXとFOCUSⅡを初めて実施し、9月にはMATRIXフォロー研修を実施しました。営業研修を本格的に導入するのが初めてだったこともあり、今回は特に事前準備に力を入れました。受講者のなかには、過去に営業研修をまったく受けたことがないメンバーもおり、彼らに研修実施の理由や研修内容をきちんと伝えて、前向きに受講してもらう必要があったのです。私と臼澤は、説明シートを用意して詳しく説明したり、事前アンケートで営業メンバーたちの理解度を確認したりして、研修効果を上げるために手を尽くしました。

臼澤:こうした事前準備の効果もあり、MATRIXは想定以上に反応が良く、前のめりに受講するメンバーが多くいました。特にロールプレイングの際、マネージャーとメンバーがフラットな関係で取り組んでいたのが印象的で、私たちが思っていた以上にフラットな組織ができ上がっていたことが分かりました。
また、MATRIXフォロー研修では、ヒアリングスキルやキーパーソン特定スキルなどをより実践的に強化できたのも有益でした。
一方で、今後の課題も見つかりました。例えば、特定のマネージャーがいつもディスカッションをリードしており、周囲のメンバーがそれに従う構図ができ上がっていたのです。つまり、マネージャーがメンバーの主体性や自律性を引き出せていない実態が明らかになったわけです。こうした課題を発見することも、研修の意義の1つです。
私は両研修とも初めて経験しましたが、特にロールプレイングが多い点が実践的で好印象でした。また、トレーナーの技術の高さも印象的で、受講者からは、休憩のタイミングや具体例の選び方、話し方など、トレーナーの「相手を飽きさせない工夫」が高く評価されていました。なかには、その工夫を営業の参考にしようとしているメンバーもいました。
平野:一方のFOCUSⅡは、営業経験の浅いメンバーの受講者が多かったこともあり、想定よりも受け身の姿勢が目立ち、ショックを受けました。しかし、それ以上にショックだったのは、私自身がトレーナーから「受講者たちはこれまで、主体的に取り組む機会をあまり与えられてこなかったのではないか」と指摘を受けたことです。今回は、私が受講者以上に大きな気づきを得たかもしれません。このように、研修を通じて、組織・メンバーの長所と課題の両方が見えてきました。
成果・今後の取り組み
営業の基本の型が早くも「共通言語」として根づき始めている
平野:研修実施から半年ほど経った現在(※取材は2025年1月に実施)、エンタープライズ営業・SMB営業ともに、MATRIXやFOCUSⅡで学んだ営業の基本の型が、早くもチーム内の共通言語として根づき始めています。
その大きな理由は、日々の業務に基本の型を活用しているからです。エンタープライズ営業は、アカウントごとにMATRIXの型を使って営業戦略を立てる仕組みに変え、SMB営業の営業プロセスにも、同様に基本の型を導入しています。その結果、社内でのディスカッションにおいて、誰もが日常的に基本の型を使うようになったのです。営業資料にも、MATRIXやFOCUSⅡの用語が当たり前のように盛り込まれるようになりました。
課長とメンバーへの権限委譲を進め、主体的行動を促す

平野:さらに私たちは、研修結果を受けて、営業組織の変革にも乗り出しています。先ほど話したとおり、営業メンバーにより多くの機会を与え、主体性を引き出す必要があると分かったからです。SMB営業チームでは、課長とメンバーへの権限委譲を進めました。
また、個人の主体性をより促せる評価制度へ変更し、営業メンバー同士が、研修で明確になった課題を継続的にトレーニングし合う仕組みを設けました。
臼澤:エンタープライズ営業チームでは、研修後、営業メンバーたちがこれまで以上に自律的に行動を起こすようになりました。そんな彼らの主体性をより高めるため、私は社内横断プロジェクトなどの仕掛けを増やしています。お客様企業規模ごとの基本営業プランを構築する取り組みなども始まりました。さらに、エンタープライズ営業チームとSMB営業チームが刺激を与え合い、お互いの長所を真似し合う動きも活発になっています。
平野:こうした取り組みの結果、研修実施から約半年で、売上単価が目に見えて向上し、現在も売上単価は上がりつづけています。課題解決型営業のスキルが早くも高まっているのです。今後は、「営業の基本の型」の社内浸透を進めながら、新入社員たちには2種類の研修を引き続き実施し、営業スキルの向上に努めていきたいと考えています。

ソリューションプランナーの声

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
マーケティング営業部4グループ
ソリューションプランナー
竹本 奈未
需要拡大の一方で担い手の減少や常態的な長時間労働という問題を抱えている建設業界において、施工管理に関わる業務の効率化は解決すべき重要な課題の1つです。スパイダープラス様では、これまでよりもさらに多くの建設現場で業務効率化を実現させるべく、営業部門一丸となって営業スキルの底上げに取り組む必要がありました。そのなかで弊社の2つの研修を実施いただきましたが、事務局のお2人の活動について素晴らしいと感じたのは研修前後の設計です。
研修前には、受講者への研修の目的や意義の落とし込みだけでなく、研修内容を既存の社内の取り組みに紐づけた活用方法まで事前に検討いただいていました。そのおかげで研修後には、受講者にとって実践がしやすい環境になっていたことも、社内で共通言語化がスムーズに進んだ要因だったのではないかと考えます。研修実施1ヶ月半後には、研修後の受講者の現状分析まで進められており大変驚きました。
今後もこの研修内容をどのように社内で活用し浸透させていくのだろうかと、一個人としてもとてもワクワクしています。スパイダープラス様のさらなる発展に寄与できるよう、今後も引き続きご支援させていただきたいと思っております。
取材日:2025/01/22

企業紹介

スパイダープラス株式会社
保温断熱工事の請負業としてスタートし、2011年から、建設DXサービス「SPIDERPLUS」を提供開始。2021年3月には建設DX銘柄史上初の上場を果たす。顧客基盤と技術開発の両輪で、建設業界をより魅力的な業界に変革し、さまざまな業務効率を最大化するサービスを提供している。
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