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導入事例

「まちづくりをしたい」などの入社動機を見つめ直し「想いをカタチに」するキャリア研修を新設

東急株式会社

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  • 公開日:2024/09/02
  • 更新日:2024/10/15

事例概要

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背景・課題

東急では、2022年9月に人事制度の改定をしました。新人事制度のコンセプトは「“個”の最大化 × 自律型組織の確立」となっており、個々の従業員が活躍できる機会を広げる制度としました。この「従業員の活躍」をより実現するためには、一人ひとりが自らの成長を目指し自律的にキャリアを形成することが重要です。そこで、従業員へのキャリア形成支援施策の強化を行いました。その一環として、これまでも実施していた年齢別のキャリア研修に、入社4年目社員と30歳社員向けのキャリア研修を新設することとしました。

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検討プロセス・実行施策

リクルートマネジメントソリューションズには、入社4年目社員と30歳社員へのキャリア研修の新設導入について相談する過程で、私たちが従業員へのキャリア形成支援施策の強化を検討するプロセスから支援していただきました。その結果、全体コンセプトである「想いをカタチに」を策定することができました。この「想いをカタチに」は、当社のキャリア形成支援施策のベースとなる基本的な考え方となっております。

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成果・今後の取り組み

受講者の定性的評価は高く、「自分のキャリアについて思考を整理できました」といったポジティブな感想が多く届いています。同期社員が久々に想いを交わし合い、共に内省を深めたことにも大きな意義があったと感じています。他部署や全社の理解も深まったようです。今後は「知る」「表現する」だけでなく、「学習する」「一歩踏み出す」「記録する」プロセスの支援にも力を入れます。

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背景・課題

新人事制度のもとで自律型組織を確立するために継続的なキャリア研修が必須

光岡様の画像

光岡:私たち東急株式会社の始まりは、1922年9月2日に設立された目黒蒲田電鉄株式会社です。創業以来、まちづくり事業を通じた社会課題の解決に取り組み、時代の変化に適合しながら、多摩田園都市など地域と共に着実に成長してきました。

東急株式会社は、交通インフラ事業、都市開発事業、生活創造・リテール事業、ホスピタリティ事業など、東急線沿線を中心に、長期視点での「まちづくり」を手掛け、お客様の生活に密着したさまざまな事業を展開し、2022年9月に創立100周年を迎えました。

飯島:2022年9月、創業100周年を迎えた際に、当社では「“個”の最大化」と「自律型組織の確立」をコンセプトに人事制度を改定しました。同時に、自律的なキャリア形成支援に注力する機運も高まりました。新人事制度のもとで個の最大化を図り、自律型組織を確立するためには、社員一人ひとりが自らのキャリアを考えて行動を起こすことが欠かせないからです。

光岡:当社におけるキャリア研修は2012年度から開始しております。開始当初のキャリア研修の対象者は40歳、50歳の社員でしたが、社会環境が変化し「キャリアは自分のもの」という意識が高まるなかで、入社時から継続的にキャリアについて考える機会を提供する必要性を強く感じました。そこで、セルフ・キャリアドックの仕組みを導入すると共に、定期的にキャリアについて考える面談の機会や、入社4年目社員と30歳社員向けのキャリア研修を新設することとしました。

セルフ・キャリアドック:キャリアコンサルティング面談と多様なキャリア研修などを組み合わせて、従業員の主体的なキャリア形成を促進・支援する総合的な取り組み。

検討プロセス・実行施策

「想いをカタチに」というコンセプトから一緒に考えてくれたことが大きな価値

飯島様の画像

飯島:キャリア研修のパートナーにリクルートマネジメントソリューションズを選んだのは、一言で言えば「圧倒的な顧客ファーストの姿勢」を感じたからです。既存のプログラムパッケージ を単に提供するのではなく、私たちが描いたイメージを具体的なプログラムとして検討し、パッケージのカスタマイズを繰り返すと共に、「想いをカタチに」というキャリア形成施策全体のコンセプト検討にも支援をしていただきました。

入社4年目研修と30歳研修のアプローチの違いも明確にしてくれました。また、これらの提案のために、中期経営計画などの各種資料を読み込み、人事や現場に手厚いヒアリングを行い、内部環境を詳しく理解してくれました。私たちはこうした姿勢 に大きな価値があると感じています。

最終的に、私たちが「想いをカタチに」というコンセプトを定めたのは、社員一人ひとりが自分の小さな動機や想いをもとにして、キャリアを自律的に創る一歩を踏み出してほしい、と強く願っているからです。もともと社員たちの多くは、「東急沿線の商業施設を運営したい」「職住接近型のまちづくりを進めたい」などの動機を持って入社します。しかし、そうした想いは、どうしても日々の多忙な業務に忙殺されてしまうこともあります。その入社動機を思い返すことが、自律的キャリア形成の第一歩になるのです。

そこで私たちは2023年度から、人事異動を控える入社4年目 と30歳の節目に、入社動機や想いを見つめ直してキャリアを棚卸ししたうえで、自らの想いを具体的なカタチにして、キャリアプランを作成するキャリア研修の場を設けました。キャリア研修の後には、上司との「1on1ミーティング」や人事担当者との定期的なキャリア面談などがあります。これらの施策も含めて、自身のありたい姿を描き、周囲に伝えられるようになってほしいと願っています。

光岡:「想いをカタチに」の「想い」とは、小さな動機(Will)を膨らませることであると考えています。「まちづくりがしたい」という抽象的な想いをもって入社し、実務のなかでキャリアを積んだ入社4年目社員や30歳のキャリア研修で「自分が関わったまちづくりで、お客様の笑顔を見ることが自分のやりがいに繋がった」という経験を具体的に言語化することで自身のキャリア感をより明らかにすることになります。

その後押しをするために、入社4年目のキャリア研修には「SPI-EM(従業員向け適性検査)」と「 先輩社員インタビュー」を導入しています。受講者には事前にSPI-EMを受けてもらい、研修のなかで「志向・仕事観のセルフアセスメント結果」を返却しています。アセスメント結果と自分の経験や想いを紐づけてもらうことで、価値観をより明確にする支援をしているのです。先輩社員インタビューは、興味のある他部署の先輩に対面で話を聞いてくるプログラムです。インタビューを通じて他部署のビジネスや仕事に詳しくなってもらい、自分の想いをより具体的にしてもらうための工夫です。また、今の入社4年目社員はちょうどコロナ禍入社で、社内の人的ネットワークが乏しい傾向があります。繋がり を少しでも増やしてほしいという想いもあります。

成果・今後の取り組み

キャリア研修に加えて「想いをカタチに」するプロセス全体を強化していく

飯島様と光岡様の画像

飯島:キャリア研修は、単年で目に見える効果がすぐ出るようなものではありません。定量的な成果は徐々に分かってくるはずです。ただ少なくとも、受講者の定性的評価は高く、「周囲からのフィードバックで自己理解が深まりました」「自分のキャリアについて思考を整理できました」といったポジティブな感想が多く届いています。

また、特に入社4年目社員たちに顕著でしたが、「久しぶりに同期と話すことができて楽しかったです」「同期が相手だったので、自分の想いを遠慮なく話すことができました」などの感想も目立ちました。東急では入社1年目に寮生活をする伝統があり、同期の絆が深い特徴があります。彼らが久々に想いを交わし合い、フィードバックし合い、共に内省を深めたこと自体にも大きな意義があった、と感じています。研修後、定期的に集まるようになった同期社員たちもいると聞いています。お互いの仕事内容をヒアリングするなかで、他部署や全社への理解も深まったようです。

光岡:入社4年目社員と30歳社員向けのキャリア研修は今後も継続していきたいと考えています。入社4年目と30歳の節目に、キャリアの棚卸し・キャリアプラン作成などのメソッドを習得し、キャリアを自ら考えることは、もはや誰にとっても欠かせないことですから。2年目の今年2024年は、人事のサポート面談を加えるなどのブラッシュアップを図る予定です。社会やビジネスの激しい変化に合わせて、今後も仕組みを進化させ続けていきます。自律的なキャリア形成を社員に求める以上は、私たち人材戦略室が率先して自律的に一歩を踏み出し、試行錯誤を続けることが大切だと考えています。

飯島:私たちは「想いをカタチに」するプロセス(図表)を明示しています。最初は、キャリア研修も含めて「知る」「表現する」プロセスの支援を強化してきました。今後は、「学習する」「一歩踏み出す」「記録する」プロセスの支援にも力を入れ、自律的な学びを後押ししたり、社内公募制度などの活用を促したりして、プロセス全体の支援を強化したいと考えています。当然ながら、異動希望などは100%通るわけではありません。しかし、社員が小さな動機や想いをきっかけに一歩を踏み出すことで、自分のキャリアを変えていける可能性が十分にあることも確かです。人材戦略室として、社員のキャリア形成支援のためにできる限りのことを実行していきたいと思います。

<図表>「想いをカタチに」するプロセス

「想いをカタチに」するプロセスのイメージ画像
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ソリューションプランナーの声

飯野の顔写真

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
ソリューションプランナー
飯野朋未

東急様では新型コロナウイルス蔓延をきっかけに、時代に合わせた事業展開や、変化するお客様のニーズに対応する必要性を再認識。街を発展させ続けるという使命を持って、新たな取り組みに挑戦されています。その取り組みのなかで扱われているテーマの1つが、「キャリア自律」です。

人事の皆様と対話するなかで印象的だったのは、東急様が「美しいまちづくり 」に誇りを持ち、その想いを「東急のDNA」として社員たちに受け継いでいること。キャリア研修では、その一人ひとりの想いを見つめ直し、さらなる成長へと繋げる機会を用意することが、東急様が手がけるまちづくりの価値創造と組織の成長に繋がると考え、共にメッセージとプログラムを創り上げました。

研修では「社会課題に貢献したい」「東急沿線の役に立ちたい」「東急グループ全体で良い方向にしていきたい」といった想いを語る受講者も多数おり、東急様の将来の可能性を強く感じました。さらに人事の皆様は、研修だけで終わらず前後の仕掛けにこだわったり、研修受講後のさらなる行動変容に繋げるため施策全体の見直しを続けたりと、熱い想いを感じる機会もありました。

今後は、受講者の方々が東急様でのキャリアを最大化できるよう、行動変容に向けたご支援、マネジメント層の施策との接続も一緒に考えていきたいです。

取材日:2024/06/04

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企業紹介

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東急株式会社

創業以来、まちづくり事業を通じた社会課題の解決に取り組み、時代の変化に適合しながら、多摩田園都市など地域と共に着実に成長してきた。 まちづくりを通じて得られた価値を再投資し永続的循環を図っていく長期循環型ビジネスモデルを基盤としながら、優先して取り組むべき社会課題を踏まえた「サステナブル重要テーマ」と真摯に向き合い、「サステナブル経営」に取り組んでいく。

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