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導入事例

ライフキャリアデザイン研修体系のリデザインのためにサーベイを実施し、新たな方向性を見出した

サトーホールディングス株式会社

ライフキャリアデザイン研修体系のリデザインのためにサーベイを実施し、新たな方向性を見出した
  • 公開日:2023/09/11
  • 更新日:2024/07/09

事例概要

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背景・課題

私たちのキャリア支援施策の中心にあるのが、2017年に始めた「ライフキャリアデザイン研修」です。2022年にその見直しを始めました。それまで「ライフ」に重心を置いていましたが、研修で得た気づき・学びを職場に持ち帰ってほしい、目の前の「ワーク」について受講者がもっと考える機会を設けたい、と感じたからです。サトーで活躍する社員の皆さんに、ライフとワークの両方を具体的に深く考える場を用意したいと思い、リデザインを始めました。

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検討プロセス・実行施策

2023年4月にサーベイを実施しました。事前準備が整っており、追加分析にも柔軟に対応してもらえたために、内容や結果は納得のいくものでした。ライフキャリアデザイン研修のうち、フィットしている部分とそうでない部分が特定できました。これを踏まえ、プログラム見直しの方向性が明確になりました。特に、「働きがい」や「目の前の仕事」にフォーカスを当てる必要性が見えました。

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成果・今後の取り組み

サーベイを実施したことで、私たちの目指す方向が明確になりました。「ワークの比重をより高めて、ライフとワークのバランスを同じくらいにする」と「具体的な足元のキャリアについても考えが深まる内容にする」という2つの改善点を具体的に決めることができたのです。現在はサーベイをもとに意思決定したことをRFP(提案依頼書)にまとめ、研修の設計に入っています。

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背景・課題

サトーで活躍している社員の皆さんに、ライフとワークの両方を具体的に深く考える場を用意したかった

小板橋:私たちサトーグループは、2021年度中期経営計画の成長戦略の柱の1つに「ESG経営の強化」を掲げ、重点テーマの1つに「人的資産の強化(新・成長戦略では人的資本経営の強化)」を挙げました。このテーマを実現するために、今まさに人財育成をさらに強化しています。

落合:主な取り組みの1つが、社内大学構想の立ち上げです。SATO Campusは、教育研修に限定せず、キャリア支援、理念浸透などさまざまな施策を含む人財開発全般の取り組みです。

SATO Campus キャンパスマップ

SATO Campus キャンパスマップ

SATO Campusの際立った特徴は、「キャリア」がすべての中心にあることです。私たちサトーグループは、キャリア目標やキャリア自律を極めて重視しているのです。仮に新卒で入社して65歳で定年を迎えるまで働けば、約40年ものキャリアの旅をすることになります。私たちは、そのキャリアの旅を一人ひとり固有で価値あるものにしてもらいたい、と願っています。もちろん、キャリアは一人ひとりが自律的に努力してつくっていくものですが、私たちはそれに対して支援を惜しみません。

小板橋:私たちのキャリア支援施策の中心にあるのが、2017年に始めた「ライフキャリアデザイン研修」です。社会人3年目・10年目・20年目・30年目の節目に、人生のステージと仕事の目標について、立ち止まって考えてもらう時間です。特に、社会人30年目の研修は「いっしんセミナー」と名づけ、これまでの人生を振り返ると共に、これからの人生を展望してもらう場にしてきました。

ライフキャリアデザイン研修を5年ほど続けてきたのですが、2022年に見直しを始めました。これまでのライフキャリアデザイン研修は、「どんな人生を送りたいか」を主軸にした内容でした。「ライフ」の方にかなり重心を置いていたのです。人生で重視する価値観や最終的に成し遂げたいことを言語化してから、それを実現するために何を考えればよいか、どう過ごせばよいかを考えるプログラムになっていました。

サトーで活躍している社員の皆さんに、ライフとワークの両方を具体的に深く考える場を用意したかった

私たちは、この内容にある程度満足していました。“人生を振り返る良い機会になりました” “将来の展望が見えました”など、受講者のコメントにポジティブなものが多かったからです。ただ5年続けてみたときに、本当にこのままでよいのだろうか、と考えるようになりました。

最も気になったのは、日々の仕事との接続が図られているのかということです。国内人財部の我々としては、研修で得た気づきや学びを職場に持ち帰ってほしいという思いがありましたし、受講者も目の前の「ワーク」についてもっと考えたいのではないか、意欲や働きがいを高めたいのではないか、と思ったのです。

落合:この5年で、日本社会はさらに激しく変化しました。今後はもっと変わるでしょう。その変化を踏まえたとき、実はライフだけでなく、ワークについても再考する機会が必要ではないか、と思うようになったのです。サトーで活躍している社員の皆さんに、ライフとワークの両方を具体的に深く考える場を用意したい。2022年度下期、その想いのもとで、私たちはライフキャリアデザイン研修の「リデザイン」を始めました。

検討プロセス・実行施策

2023年4月にサーベイを実施。「働きがい」や「目の前の仕事」にフォーカスを当てる必要性が見えた

小板橋:2022年度後半、外部パートナーの皆さんに、ライフキャリアデザイン研修のリデザインに向けた提案を求めました。いくつかの提案のなかで、私たちがやりたいことに最も近かったのが、リクルートマネジメントソリューションズの提案でした。特に「サーベイ」の提案内容が詳細だった点が好印象でした。私たちは、自分たちの方向性が間違っていないかどうかを確認するために、定量的な把握を求めていたのです。それにはサーベイが最も適していました。もう1つ、私たちはライフキャリアデザイン研修を一度ゼロベースで見直すうえで、一緒になって考えてもらえる相手を求めていました。コンサルタントの野中さんたちが、その相手としてふさわしいと感じたことも決め手の1つになりました。

落合:実は、リクルートマネジメントソリューションズとは、その2年ほど前から他のプロジェクトで付き合いがありました。私たちが人財育成の社内キーワードにしている「自自人財(じじじんざい:自ら考え行動し、変化を起こせる人財」を指す)」という言葉も、リクルートマネジメントソリューションズとの話し合いで生まれたものでした。自自人財とは、私たちが求める人財像としている「自覚・自立・自律を実現している人財」のことです。

小板橋:リクルートマネジメントソリューションズには、コンサルテーションとサーベイの設計をお願いしました。序盤は、現状把握とサーベイの設計に時間をかけました。野中さんに情報の整理をしてもらいながら、サーベイで何を質問すべきか、どのような分析をすべきかを決めていったのです。

2023年4月にサーベイを実施。「働きがい」や「目の前の仕事」にフォーカスを当てる必要性が見えた

落合:初期の話し合いをしっかりと行ったおかげで、サーベイの構造や内容はしっくりくるものに仕上がりました。野中さんが言葉の真意をつかもうと丁寧な傾聴を続けてくれたおかげで、私たちは考えをスムーズに整理することができたのです。最終的に、型にはまったものではなく、私たちが求める独自のサーベイが完成しました。

小板橋:2023年4月にサーベイを実施しました。事前準備が整っており、追加分析にも柔軟に対応してもらえたために、サーベイ結果は納得のいくものでした。リクルートマネジメントソリューションズのおかげで、他社比較もできました。その結果、全社的なキャリア観だけでなく、世代ごとのキャリア意識も明らかになりました。何よりも、従来実施していたライフキャリアデザイン研修の中でフィットしている部分とそうでない部分が特定できました。

現在のライフキャリアデザイン研修の不足点が明確になり、これを踏まえ、プログラム見直しの方向性が定まりました。例えば、サーベイ分析の1つに、「社員たちは全体的に仕事の意義を感じているが、自らの強みや特徴を自覚できておらず仕事の主体性の発揮につなげられていない」という結果がありました。ここに私たちの伸びしろがあると感じられました。さらには、社員のキャリアイメージをもっと具体的にする必要があることも分かりました。そのためには、ライフキャリアデザイン研修の内容を、「働きがい」や「目の前の仕事」にもっとフォーカスを当てたものに変えなくてはなりません。サーベイによって、そうしたことがはっきり見えたのです。

成果・今後の取り組み

現在はサーベイをもとに意思決定したことをRFPにまとめ研修の設計に入っている

落合:サーベイを実施したことで、私たちの目指す方向が明確になりました。「これまではライフの比重が高かったが、今後はワークの比重をより高めて、ライフとワークのバランスを同じくらいにする」と「これまでは長期的な将来展望や人生設計など抽象度の高い内容がメインだったが、今後は具体的な足元のキャリアについても考えが深まる内容にする」という2つの改善点を、具体的に決めることができたのです。

小板橋:現在は、サーベイをもとに意思決定したことをRFPにまとめ、研修の設計に入っているところです。実際に研修を変革するのはこれからですが、すでに方向性とすべきことは決まっていますから、迷わず進められることと思います。

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コンサルタントの声

野中智幸の顔写真

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
コンサルタント 野中 智幸

サトーホールディングス様の取り組みのユニークさは、キャリア研修を成長戦略推進の手段の1つとして真摯に考え抜かれた点です。
「人的資本経営の強化」「期待される人財像の実現」「キャリア形成への熱い想い」などをもとに、自社にとってのキャリア施策の意図を「ありたい姿と課題」へとシンプルに磨きあげることで、キャリア研修はもちろん、自己申告制度や人財公募制度といった、各種施策の中身および施策間の接続を強化し、より一貫した支援につなげようとされています。

「キャリア研修のありたい姿と課題」は意見交換なしには生まれませんでした。サーベイ結果はあくまでデータです。プロジェクトメンバー全員が、各々の立場から本気で社員のキャリア形成を願い、データと徹底的に向き合って問題意識や仮説を出し合い、過去から現在にかけての自社の強みや課題を定量・定性両面の情報で紡いだ結果、キャリア施策を通じて実現したい社員の「自覚・自立・自律」と、実現に向けた課題の解像度が高まったと考えます。

今後もキャリア研修の見直し・効果検証などの取り組みを推進されるなか、サトーホールディングス様の想いを最も理解し、一緒によいものを創り上げられるパートナーとして支援できるよう精進してまいります。

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企業紹介

サトーホールディングス株式会社

サトーホールディングス株式会社

サトーグループは、あらゆるモノや人に情報を紐付け、その動きを可視化することで、 現場ごとに最適な課題解決の仕組みを提供する「自動認識ソリューション」の会社だ。バーコードやRFID、画像認識などに代表される、自動で情報を認識、入出力するための「自動認識技術」。それらを駆使して動くモノや人に情報を紐付け(タギング/Tagging)、トレーサビリティ、サプライチェーンマネジメント、資産管理など、さまざまな業務アプリケーションを現場で支えるのが「自動認識ソリューション」である。

※記事の内容および所属等は取材時点のものとなります。

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