導入事例
「選択型研修3時間コース」の人気で分かった、学びたい欲求を後押ししていきたい
株式会社D2C
- 公開日:2023/09/04
- 更新日:2024/07/09
事例概要
背景・課題
以前は、階層別研修などの「会社側で用意した内容を受講してもらう必須型の研修」と、資格取得費用補助制度などを活用して、「社員自らが学びたい内容を主体的に探し受講する自発型の研修」を中心とした研修環境を提供していました。その中間の「漠然と成長したい気持ちはあるけれど、何をしたらよいか分からない層」のニーズに応えるため、2018年に「選択型研修3時間コース」の利用を始めました。
検討プロセス・実行施策
3時間コースは初年度から人気で、全社員750名ほどの会社で、年間500件近い申し込みがありました。現在も同様の申込数で推移しています。私たち人事が驚くほどの需要でした。「3時間」だから、働く時間に制限がある社員でも、営業などの外出が多い社員でも、気軽に受講できる点、3時間コースを「学びの入り口」として活用できる点などが、人気の理由だと考えられます。
成果・今後の取り組み
多くの社員が3時間コースを受講していること自体が大きな成果ですが、ほかにも、社員が学ぶことに対して積極的に行動をとるようになったことや、私たち人事が階層別研修を見直すヒントを集められたなどの効果を得ることができています。
今後は社内口コミを可視化して、マッチング精度を高め、3時間コースでの学びの質をさらに高めたいとおもっています。
背景・課題
「漠然と成長したい気持ちはあるけれど、何をしたらよいか分からない層」に研修を提供したかった
2018年以前のD2Cには、受講できる研修は大別して2種類しかありませんでした。(1)新人研修・階層別研修や各業務の必須スキル研修など、「会社側で用意した内容を受講してもらう必須型の研修」、(2)資格取得費用補助制度や自己啓発支援制度を活用し、「社員自らが学びたい内容を主体的に探し受講する自発型の研修」です。
私たち人事としては、この状況に課題感を持っていました。この2種類だけでは、社員の学びに対するニーズに応えられていないのではないか、と感じていたのです。社員のなかには、(1)の最低限の研修さえ受ければ十分で、あとは徹底的に仕事を通じて学びたいという層が一定数います。また、(2)の資格取得費用補助制度や自己啓発支援制度を積極的に活用して、外部研修を熱心に受講する層も一定数います。しかし、その中間には「漠然と成長したい気持ちはあるけれど、何をしたらよいか分からない層」が多くいるはずだ、と考えていました。私たちは、この層に対して、研修を勧められるようなサービスはないだろうか、と思っていました。
これが、私たちがリクルートマネジメントスクールの「選択型研修3時間コース」を利用するにいたった背景です。
検討プロセス・実行施策
初年度から全社員750名ほどの会社で、のべ500前後の申し込みがあった
以上の背景から、私たちは2018年に「選択型研修3時間コース」のトライアルを開始し、それ以来、継続的に利用しつづけています。
3時間コースは初年度から人気でした。蓋を開けてみたら、全社員750名ほどの会社で、年間500件近い申し込みがありました。現在も同様の申込数で推移しています。私たち人事が驚くほどの需要でした。なかでも人気が高いのは、「ロジカルシンキング・クリティカルシンキング」などの論理思考系コースや、「1on1・ジョブアサインメント」などのマネジャー向けコースです。
「研修時間が3時間」だから受講できる人がいる
3時間コースの人気の理由はいくつかありますが、第一はやはり「3時間という研修時間」です。これまでは働く時間に制限がある社員や、営業などの外出が多い社員は、1日以上の研修に参加することが難しいこともありました。
例えば、営業社員の場合、1日研修・2日研修を予約すると、急なアポイントを入れるのが難しくなるため、敬遠しがちになり、学びたくても研修時間を確保できないということもありました。3時間なら、営業もお客様に迷惑をかける可能性が低く、調整がつきやすくなったのだと思います。D2Cでは、3時間コースを受講する場合は、事前に必ずマネジャーと相談したうえで申し込む、というルールを定めているのですが、マネジャーも、3時間コースだと業務で忙しい部下の背中を押しやすくなったのではないかと考えています。こうして社内の心理的安全性が高まり、「3時間コースであれば無理せず学べる」という空気が醸成され、人気が高まった面が間違いなくあると思います。
それから、社員の自主性を促し手上げ式で研修に申し込めるように整備したことも広まった要因の1つです。マネジャーがOKといえば、誰がどのコースを受けても良いルールにしています。このような裁量を与えられたのも、やはり3時間だからです。1日以上の研修だと、業務面や費用面で問題になる可能性があり、個人に裁量を渡すのは難しいこともあったのですが、3時間ならそのような心配は少ないので、受講コース選定をある程度まで個人に任せることができています。
3時間コースを「学びの入り口」として活用している社員が多い
第二に、「受講ハードルの低さ」という理由もあります。受講者にインタビューをすると、「ちょっと興味があったので、受講してみました」というコメントをよく聞きます。彼らは、3時間コースを「学びの入り口」として受けています。
自分に本当に必要なスキルなのか、自分が本当に深めたい領域なのかを見極めるために、3時間コースを活用しているのです。分かりやすい例を挙げると、3時間コースでコーチングを学んだことがきっかけで、その後に本格的にこの領域を学び始めた社員がいます。3時間コースは、このような需要にもカバーできていると感じています。
第三に、「融通の利きやすさ」があります。リクルートマネジメントスクールは、チケット制なら開催の2日前までキャンセルが可能です。ギリギリまでキャンセル可能であることも人気の一因だと思います。また、開催日数が多いだけではなく、時間帯も、朝(9:00~12:00)・昼(13:00~16:00)・夜(17:00~20:00)と開催しているのも嬉しい点です。自身の業務やライフスタイルに合わせた適切な時間を選択することが可能となります。コロナ禍以降、2020年以降、オンラインでも受講可能になったことも、受講ハードルを下げた要因だと思います。D2Cグループには宮崎や沖縄にもオフィスがあるのですが、オンライン化によって彼らの参加率も非常に高まりました。
第四に、「研修の質が高い」ことも大きいです。受講者の評判が総じて良く、「講師のファシリテーションが上手だった」「他社の受講者たちと中身の濃い対話ができた」といった感想を日常的に耳にします。特に若手社員には、社外とつながる貴重な機会になっている側面もあります。社員同士の口コミが広まって、人気講座になったものもあるほどです。
成果・今後の取り組み
マネジャーとメンバーのコミュニケーションが深まる効果もあった
これまで紹介してきたように、多くの社員が3時間コースを受講していること自体が大きな成果ですが、ほかにも目に見える成果がいくつもあります。
1つ目に、「マネジャーとメンバーのコミュニケーションが深まる効果」がありました。
先に触れましたが、D2Cでは、3時間コースを希望する場合、事前に必ずマネジャーと相談したうえで申し込む、というルールを設けています。その結果、マネジャーはメンバー一人一人が抱えている課題や悩みに気づきやすくなりました。一例を挙げると、「育児と仕事の両立」というコースを受講する社員は、両立に今現在悩んでいる可能性が高いと推測でき、受講希望をきっかけにマネジャーは相談に乗ることができます。メンバーの方もマネジャーに悩みを相談する良い機会になっているのでは、と考えています。
2つ目に、私たち人事が「階層別研修などを見直すヒントになる効果」があります。例えば、新入社員の多くがロジカルシンキングのコースを受講するのを見て、私たちは新人研修にロジカルシンキング研修を組み込みました。私たちにとって3時間コースは、研修ニーズを把握するための貴重な情報なのです。そのため管理画面でアンケート結果や必要なデータを簡単に取得・分析できるのは、人事として嬉しい機能です。
3つ目に、「社員が学ぶことに対して積極的に行動をとるようになった効果」がありました。D2Cには「人が資産」という考え方が浸透しており、以前から個人の成長を後押しする風土がありましたが、3時間コースによって拍車がかかりました。マネジャーも、3時間コースをモチベーションの起爆剤としてメンバーに勧めることも増えています。
今後取り組みたいのは、「各コースに対する社内口コミの可視化」です。私たちは、D2C社員に適した3時間コースの利用の仕方があるはずだ、と考えています。それを一番知っているのは、受講した社員本人たちたちです。例えば、受講者に感想を聞くと、「このコースはD2Cの新入社員が身につけておいた方が良いことが学べる」という感想がありました。「〇〇のような課題を持つ人は、このコースを受けた方がいい」という声が上がってきたりします。これらのリアルな声を蓄積して、「D2Cの誰に、またはどのような悩みを抱えているときにおすすめか?」というリコメンド情報を社内に発信できないかと考えています。社内口コミを可視化できれば、ニーズと研修内容とのマッチング精度が高まり、3時間コースでの学びの質がさらに高まるはずです。テレワークによって社内の何げない会話が減っているからこそ、人事側がこうした取り組みをする必要があると感じています。
企業紹介
株式会社D2C
D2Cは、2000年6月1日に、株式会社NTTドコモ、株式会社電通、株式会社NTTアドの3社合弁で設立された、デジタル広告/マーケティング会社。D2Cでは、NTTドコモのメディアやデータを中心とした広告・マーケティング事業を展開している。また、広告代理店事業、制作・クリエイティブ事業、インバウンド事業などを展開するD2Cグループを擁し、グループ全体で「統合マーケティングパートナー」標榜し事業を推進していく。
※記事の内容および所属等は取材時点のものとなります。
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