研修とサーベイで「学習・実践・評価」のサイクルを構築 INSIDESを組み合わせた研修が、自己流マネジメントから脱却する「仕組み」をつくる

研修とサーベイで「学習・実践・評価」のサイクルを構築 INSIDESを組み合わせた研修が、自己流マネジメントから脱却する「仕組み」をつくる

プロジェクト概要

背景・課題

製造の最前線で活躍していた2名が人材育成部門に異動。「人が育つ仕組みづくり」をミッションに掲げ、事業拡大の要となるマネジャー育成に取り組むことになりました。個人の努力に委ねるだけではなく、体系的にマネジメントを学び、実践する仕組みづくりに着手しています。

検討プロセス・実行施策

複数の研修プログラムを組み合わせることで、マネジメントの基礎を学び、「INSIDES」を手助けに実践し、振り返るサイクルをつくりました。多角的にマネジメントの根幹を学び、メンバーの変化を実感できるように設計しています。

成果・今後の取り組み

「相手の心の状態を理解したうえで伝わるコミュニケーションをする」「挑戦する部下の背中を押す」など、マネジャーたちの間でポジティブな変化が見られます。マネジメント研修を一期生、二期生、三期生と続けることで共通言語化し、高いレベルでのマネジメント力底上げを目指します。

背景・課題

技術・製造畑での長年の経験を経て、人材育成部門へ異動

住友ゴム工業株式会社 背景・課題

杉山:私は住友ゴム工業に入社後、生産技術職からキャリアをスタートしました。タイヤ工場で仲間たちと作業着を汚し、汗を流して仕事をしたことが思い出深いです。その後は、工場の近代化を進める仕事や、海外工場の立ち上げなどを経験。IE(インダストリアルエンジニアリング・生産工学)などの現場改善を任されながら、社内研修の講師を務め、社員育成にも力を入れてきました。2017年に人材育成を担う製造研修部に異動し、現在は人を育てることに専念しています。

元上:私も技術者として入社し、技術、設計などに携わってきました。10年前に製造課長になり、7年間現場のマネジメントを経験してきました。技術畑にいたため、製造現場の経験が少ないことに引け目を感じ、部下に遠慮していた時期もありました。「これではいけない」と現場に飛び込んで、本音でみんなと向き合い、本気で工場改革に取り組み、結果を出した経験もあります。その後、上長から声がかかり製造研修部に異動。「インプット中心の研修から脱却し、タレントマネジメントに取り組んでいこう」というタイミングでした。

杉山:最初に異動が決まったときは、正直とても驚きました。というのも、最前線の技術分野に関わっていたなかで、全く畑の違う領域への異動。講師として研修には関わっていましたが、製造研修部の仕事内容も全くといっていいほど分からない状態でした。今は誇りをもって「人づくり」をしていますが、はじめの頃はどう受け止めればいいか、戸惑っていた時期もありました。

研修の実施ではなく「人が育つ仕組みづくり」がミッション

元上:私も製造研修部の部長に任命された際には、「会社は私に一体何を期待しているんだろう」と考えました。しかし、部の中期計画を立てているうちに、今後の会社を考えると「グローバルで活躍できる人材」や「マネジメントができる人材」の育成が非常に重要であることに気づき、やるべきことがはっきりとイメージできるようになってきました。

杉山:私たちのミッションは「研修をすること」ではなく、「人が育つ仕組みをつくること」。この考えに至ったのは、危機感があったからです。当社はこの数年で、海外工場を増やして事業を拡大しています。しかしながら、そこに対応できる人づくりが追いついているとはいえません。国内はもちろん、異文化のビジネス環境においても、マネジメントできる人材を、会社として意志をもって育てていきたいのです。

元上:製造現場では、技術や技能に関しては日々研鑽し続けますが、人のマネジメントを体系的に学ぶことは少ないのです。そして、深く学ぶことのないままリーダーになることも少なくありません。人の育成に関しては、それぞれが試行錯誤のうえ、身につけた自己流です。基礎となるマネジメントの「型」を身につける必要性を感じていました。

検討プロセス・実行施策

マネジメントを学び、実践し、評価するサイクルをつくる

住友ゴム工業株式会社 検討・実行

杉山:今の若手を一括りにするわけではありませんが、昔のような「終身雇用だし、死に物狂いでなんとか頑張ろう」という価値観ではないと思っています。仕事や環境が合わないと感じたら、簡単に転職できる時代です。意欲も能力もある「金のたまご」が、会社から出ていってしまうのは辛いこと。「人を育てられる人」を育てることにより、いかにして、モチベーション高く働いてもらえる環境をつくるのか真剣に考えました。

そのための第一歩として、現場の課題を再認識するために導入したのが「360度評価」です。上司が部下から評価される文化が当社にはなかったため、「360度評価」は初めてのチャレンジといっていい取り組みでした。まず現場のマネジメントの課題を把握することで、次のステップにつなげていこうと考えたのです。

元上:タレントマネジメントを仕組み化し、キーとなる人材を明確にして、しっかりと育成をしていきたいという強い意志がありました。育成施策を単体で捉えるのではなく、ねらいをもった一連の取り組みとしていくことが大切です。例えば工場長や課長など、重要な役割を担える人材をどのように育成すべきか、を常に意識しながら施策を検討しています。

杉山:中期計画や将来ビジョンを達成するために、「こういう部署でこういうことができる人がこのくらい必要だよね」ということを明確にしていくのがタレントマネジメント。そこに合致する人材育成を行うための、研修プログラムをリクルートマネジメントソリューションズと一緒につくりました。このプログラムは、複数のマネジメント研修を組み合わせ、基礎理解からスタートし、実践や自己理解を深めていただいたのちに、締めくくりとして役員の前で自分のマネジメントについて発表してもらう流れになっています。

そのなかで、現場マネジャーに部下の本音と価値観をフィードバックする「INSIDES」は、研修で学んだ知識を実践に応用してもらうために活用しています。研修では非日常の環境のなかで、学ぶことや内省することに集中できますが、ひとたび職場に戻ると、多種多様なメンバーや難度の高い課題に囲まれているのがマネジャーです。学びを現場で実践するうえで大事なのは、「では、このメンバーの場合はどうなんだろう」と自分の環境で考えること。そのためには、メンバーのコンディションを客観的に示すことが必要だと考えました。「INSIDES」は一人ひとりの現在の心理状態や個性をサーベイによって可視化し、レポートやオンライン相談機能など実践を促す機能も充実しています。マネジャーたちが現在の自分の環境を理解して行動を変えていくには、もってこいのサービスではないでしょうか。

知識を得ても使わなければ、あまり意味がありません。自分の職場で生かすための仕組みをつくらなければ宝の持ち腐れです。複数の研修によってさまざまな角度からマネジメントの根幹を学び、現場に戻って実践することで、受講者たちが手応えを感じられる研修になったのではないかと思います。

成果・今後の取り組み

人と向き合うためには、まず相手の状態を知ることが欠かせない

住友ゴム工業株式会社 成果・今後

杉山:マネジメント研修の受講者は、今回の施策を経て、メンバーを見て育成することの大切さをあらためて感じたのではないでしょうか。ちなみに、「INSIDESをもっと広げてください」という声が、受講者から上がってきています。人と向き合うためには、まず人を知ることが欠かせないという気づきがあったのだと思います。

元上:部下がたくさんいたら、一人ひとりが考えていることを正確に理解するのは難しいです。では、少なければどうかというと、やはり難しいんですよね。これまでは、何の手がかりもないままに部下と接するほかありませんでしたが、サーベイという武器を手に入れたことで、より部下の気持ちを理解できるようになり、適切な対話を行いやすくなったのだと思います。

杉山:組織力強化のために、1on1などコミュニケーションの機会を増やしています。ここでもサーベイは力を発揮するのではないかと考えています。

「挑戦する部下を後押しする」など、マネジャーの行動に変化の兆しが見える

元上:今回、マネジメント研修を受けたメンバーを「一期生」と呼んでいます。一期生の姿を見てあらためて感じたのですが、たった1回のインプットで学んだことを、職場で生かすのは簡単ではありません。しかしながら、この研修プログラムではさまざまな角度から振り返りができるため、それが実践につながっているのではないでしょうか。

「挑戦する部下を後押しする」などマネジャーたちの行動にも変化が見られ、とても楽しみです。とはいえまだ、施策をスタートして1年弱なので、これからの変化が気になるところですね。

また、当社の役員に向けて研修の最終報告会を一期生たちが行ったのですが、そこで上層部から出た「話がうまくなったね」というコメントも印象的でした。これは、役員に向けての話がうまくなっただけではなく、メンバーたちにも伝えられるようになった、つまり相手に伝わるコミュニケーションができるようになったからだと思います。報告発表のなかで、マネジメントの課題について「私の至らないところはここです」と言えたのも、彼らのなかに気づきがあったからではないでしょうか。

杉山:一期生の最終報告会は終わりましたが、これは通過点でしかありません。引き続き、研修で得た知識、気づきを現場で実践できるように定期的に行う、「フォロー会」という取り組みを始めました。これから一期生のメンバーが周囲に良い影響を与えてくれることを期待しています。そして、二期生、三期生と続いていけば、メンバーを成長させるマネジャーが育つ組織へと変わっていけるのではないでしょうか。そのためにも継続的な現場での実践が重要ですね。

企業紹介

住友ゴム工業株式会社
タイヤ事業やスポーツ事業、産業品事業をグローバルに展開する総合ゴム製品メーカー。

【タイヤ事業】
「DUNLOP(ダンロップ)」、「FALKEN(ファルケン)」をメインブランドとする乗用車用、トラック・バス用、モーターサイクル用など各種のタイヤを先進の技術を駆使して国内外に提供。
【スポーツ事業】
ゴルフクラブやボール、テニスラケットやボールなどを製造・販売。「DUNLOP(ダンロップ)」、「XXIO(ゼクシオ)」、「SRIXON(スリクソン)」、「Cleveland Golf(クリーブランドゴルフ)」の展開と、フィットネス事業では「ダンロップスポーツクラブ」などの企画・運営。
【産業品事業】
ゴム手袋、介護用品などの生活用品から人工芝、医療用精密ゴム部品、制振ダンパーなどの産業用資材まで多種多様な商品を提供。


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