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導入事例

「気づき」を与える新人研修で、ボトムアップ型組織の礎をつくる

ホクト株式会社

「気づき」を与える新人研修で、ボトムアップ型組織の礎をつくる
  • 公開日:2013/04/24
  • 更新日:2024/04/19

事例概要

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背景・課題

「きのこ総合企業グループ」として世界を見据えた事業展開を行うために、トップダウン経営からボトムアップ経営への転換が欠かせないと考えていました。

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検討プロセス・実行施策

新入社員研修では、コストと時間を惜しまず成果を重視。受講者の企業理解を深めるため、学生向けの会社パンフレット作成という研修課題を設定しました。

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成果・今後の取り組み

教育研修と昇進・昇格をリンクさせて、透明度の高い人事考課を実現させるのが次の目標。社員にとって働きがいのある会社づくりを目指していきます。

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背景・課題

難局を耐え忍ぶ社員ではなく、考えて乗り超える社員を育てたい

難局を耐え忍ぶ社員ではなく、考えて乗り超える社員を育てたい

ホクトをご存じの方は「きのこの会社」というイメージをお持ちだと思います。しかしながら、一般包装資材の販売からスタートした会社であることをご存じの方は、それほど多くないのではないでしょうか。当社がきのこに深く関わるようになったのは、1964年の新潟地震で、多くのきのこ栽培用のビンが割れたことがきっかけでした。地震が起きても割れる心配のないP.P(ポリプロピレン)製のビンの製造を開始し、きのこ栽培用資材の先進メーカーへと成長。現在はきのこの研究開発・生産・販売にまで携わる「きのこ総合企業グループ」へと成長しました。

当社の黎明期は、創業者である故水野正幸会長のチャレンジ精神と強力なリーダーシップをもとに成長してきたと言っても過言ではありません。会社の規模もそれほど大きくありませんでしたから、スピード重視のトップダウン経営を行っていました。そのため、つい5年ほど前までは、社員も下りてきた課題を遂行することを得意としていました。言われた通り、素早く、正確にやることを強みとしていたと思います。研修について言えば、私も含めてこれまでの新入社員研修も「地獄の特訓」のような感じで、ひたすら大きな声を出し、気合いと根性で乗り切るという感じのものを実施していました。

しかし私は、そうした研修は声のかれやのどの痛みが治ってくるにつれ、次第に研修の内容を忘れていってしまうものではないかと思っています。大きな声を出すというのは、自分をアピールする上では必要であると思いますし、苦痛を伴う研修は忍耐力を養うこともできます。しかし、その先の局面がはたして見えてくるのかどうか。私は目の前に壁が現れたとき、自ら考えて乗り越えられる社員を育てたいのです。しかも、現経営トップは、「きのこ総合企業グループ」を目指し、さらに世界を見据えるのであればボトムアップ経営への転換が欠かせないという考えを持っています。会社の考え方が変われば、研修の在り方も変わるべき。そうした背景もあり、学生から社会人へのマインドチェンジだけではなく、「意味を考え理解してもらうこと」を重視し、チームで課題を解決する過程で多くの「気づき」を与えてくれるリクルートの新入社員研修を導入することになったのです。

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ソリューションプランナーの声

事業を中心において、お客様と受講対象者の方々について語り合うことからはじまります
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 担当ソリューションプランナー

「これから問われるのは人の力」ホクトの皆様がよくおっしゃることです。この実現はそう簡単なことではありません。しかし、その道を歩むことに覚悟を決めたトップをはじめ、事務局の方々のご期待とご信頼にお応えすべく、当社が持つ知見・ノウハウをフルに活用し、関係者一丸となり、お付き合いをさせていただいています。
研修については、「これからのホクト様で求められる働き方とはどのようなものか」を議論したうえで、それに即した内容にしたいと考えています。新入社員研修でいえば、ビジネスマナーなどの基本行動はもちろん重視しておりますが、それと同じくらい重視しているのは、「本気で取り組み、最後まであきらめずにやりきった体験」です。この体験が自信につながり、後の成長の土台になると考えているからです。今回、ホクト様にご提案させて頂いた新入社員研修の運営の見直しも、この背景が元になっています。

検討プロセス・実行施策

講師は2名、期間は4日間 コストと時間を惜しまず成果を重視

講師は2名、期間は4日間 コストと時間を惜しまず成果を重視

新入社員研修は毎年3月末ごろ入社前に行っています。近年は事業活動の拡大に伴って採用人数も増えてきました。1回の受講者が40名を超えると、1名のトレーナーで全体を細かくフォローするのは難しくなります。そのため、受講者の理解度にばらつきが生まれないよう、40名程度の受講者を2チームに分け、それに合わせてトレーナーも2名体制に変更。新入社員研修ではチームで一つの作品をつくり、トレーナーの前でプレゼンテーションするのですが、ジャッジはあえて担任ではないトレーナーに任せることにしています。チームを担任するトレーナーは、研修を通じて受講者との信頼関係が築けていますし、相互理解も進んでいるので、カンのいい受講者はどんなプレゼンがトレーナーに響くのか、なんとなく見当がついてしまいます。一方、相手がそれまで関わりの薄かったトレーナーなら、プレゼンの難易度がグッと上がりますし、発表前の準備がより入念になるというわけです。

新人の業務理解を深めるため、会社パンフレットを作成

一昨年までは研修の中で取り組むテーマを「自己紹介史」としていましたが、学生にホクトの魅力を伝えるための「会社案内」の作成というテーマに変更しました。というのも、採用活動と新人研修を重ねていくうちに分かったことがあったのです。それはセミナーなどで出会ったホクトの先輩社員の人柄に惹かれて入社を決めたという社員が多く、自分がこれから取り組むことになる仕事についての理解度がやや低かったということです。学生向けの会社案内を作るとなると、会社の理念や業務内容を深く理解していなくては作成できません。研修課題と向き合っていくうちに、業務理解を深めることができるというわけです。さらに、新入社員研修は食品メーカーにとってなくてはならない「安全安心の徹底」など、ホクトが大切にしている価値観や「世界のきのこ屋さんを目指す」というビジョンを共有する場としても役立っています。今後も会社の方針と照らし合わせて研修内容を精査しブラッシュアップしていきたいです。

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トレーナーの声

魅力的な先輩に自ら飛び込んで欲しい
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 担当トレーナー

個性的でパワフル、そして、こちらから飛び込めば徹底的に向き合ってくれる先輩の多さはホクト様の魅力のひとつ。新入社員にはそこに自ら飛び込むことで、自身の成長の機会を増やして欲しい、そんな思いで研修に臨んでいます。
先輩たちに飛び込んでいく上でまず大切にして欲しいことは「ホクトというチームの一人」という自覚を持つことと、常に相手の期待を考えること。ですから、挨拶ひとつをとっても、単に大声を出すのではなく、「周囲は何を期待しているのか」「その挨拶を通してチームに何をしたいのか」「そうであれば、どうすべきか」と自ら考え、動けるようになって欲しい。そして何よりも大切なことは何事にも本気で取り組むこと。それはチームの一員になる上でも、彼ら自身の成長にとっても大事なことです。ですから、これらのことは研修を通して強く伝えています。研修中、「キノコの可能性はそんなものじゃないんです!」とチームが本気になって向かってきた場面は忘れられません。是非、あんな気持ちで日々の仕事や先輩に向かっていって欲しい。そう思います。

成果・今後の取り組み

トップダウンからボトムアップへ、先輩・上司のマインドチェンジも不可欠

トップダウンからボトムアップへ、先輩・上司のマインドチェンジも不可欠

新入社員は全員、この研修を受けてから入社します。例えば「PDCAを回す」など、仕事を進める上での考え方を習得して職場に配属されるわけですが、先輩や上司が「PDCAを回す」意識がなく、言われたことを淡々と進めるだけだったら、職場に心理的ギャップが生まれてしまうでしょう。せっかくボトムアップ思考を持つ新人を育てても、その受け皿がなければ彼らの意欲はしぼんでしまいます。
そこで近年では、新入社員研修に加えて、OJT推進者を育てるOJTリーダー研修や、日常の行動が周囲にどのように映っているかを点検し、求められるリーダーシップを発揮するためのリーダー研修など、上に立つ社員の思考を変える研修を開始しました。現在は、役職ごと、職種ごとに研修を進め、何も受講したことがないという社員も少なくなってきています。ボトムアップ型組織の実現にはまだ時間がかかりますが、トップの考えに対して、「自分としてはどうしていきたい」という意見を言う社員が増えたのは事実です。今後もさらに研修の機会をつくっていきたいと考えています。

研修と昇進・昇格をリンクさせ、働きがいのある会社をつくりたい

新人からマネジメント層まで、研修を受けられる体制は整いつつあります。今後の課題は、現在行っている研修と、昇進・昇格をどう結び付けていくかです。これまでの人事考課においても、会社はもちろん公平なジャッジを心がけています。しかしながら、基準があいまいな部分もあり、恣意的な判断に頼ることも少なからずありました。社員の間に不公平感が生まれてしまっては、全体にいい影響を与えません。現在は自己評価を行い、上司からのフィードバックを受けて、互いに評価をすり合わせています。そこに研修を加えることで、社員のスキルやポテンシャルを引き出すだけでなく、「自分は何が得意で、何が足りない」などと客観的に自分を捉えることができます。したがって研修と昇進・昇格をうまくリンクさせて、人事考課の「見える化」を実現すれば、評価に対する社員の納得度は格段に高くなるはず。人事考課の「見える化」は、働きがいのある会社をつくるために欠かせないプロセスであり、たとえ時間とコストがかかっても腰を据えて取り組むべきことだと考えています。

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受講者の声

受講者の声

仕事に取り組む姿勢を学び、学生気分を払拭しました
ホクト株式会社 東京支店 東京きのこ販売課 野口 和輝 様

集合時間に遅刻し、トレーナーに喝を食らわせられるところから私の新入社員研修はスタートし、初っ端から改めて時間管理の大切さに気づかされました。受講者をグループ分けして、グループごとに学生向けの会社案内を作るという課題に取り組んでいるときも、ただカタチにして提出するだけではクライアント役として作品を審査するトレーナーからOKが出ません。そのときにかけられた「自分たちの仕事にもっと厳しく!」という言葉は、今も頭の中に残っています。その一言で、「自分たちが納得していない質の仕事で、相手を説得できるわけがない」と気づいたのです。ほかにも、納期を守る大切さ(時間管理を含め)や報連相の大切さ、「PDCAサイクルを回す」など仕事に役立つ考え方を学ぶことができました。新入社員研修で学んだことを、今、営業活動の中で実践しているところです。

取材日:2013/04/24

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