STEP

用語集

マルチタスクとは? 苦手な人へのアドバイス、シングルタスクとの違いを解説

  • 公開日:2024/02/15
  • 更新日:2024/06/21

ITの進化にともない、マルチタスクを求められる場面が増えました。この記事では、マルチタスクを行うメリット・デメリットから、効率的に進めるポイント、具体的な仕事術まで詳しく解説します。

仕事の進め方や段取りの基本を固める
「新入社員のための段取り力研修 | 段取り力研修」

マルチタスクとは

マルチタスクとは「2つ以上の作業を同時に行う」もしくは「短時間で切り替えながら進める」ことです。もともとコンピュータ用語で、同時に複数の処理を実行する「multitasking」からきています。

具体的には「話を聞きながらメモを取る」「電話をしながらデータ入力する」「会議に参加しながら議事録をとる」といった行動にあたります。複数のアジェンダやプロジェクトなどの複数の業務を担当している状態を指すこともあります。 マルチタスクというと難しく聞こえますが、知らず知らずのうちに行っている方も多いことでしょう。

シングルタスクとの違い

マルチタスクの対義語となるのが「シングルタスク」。「新しい企画を考える」「プレゼン資料を作る」「製品の検品をする」など、1つの業務を集中して行うことを指します。業務内容や人によっては、シングルタスクの方が向いていることもあるでしょう。

マルチタスクとシングルタスクどちらが効率的?

「シングルタスクより、マルチタスクをする人の方が優秀」と聞くことがありますが、それは誤解です。

一般的に、人は1つのことに集中して作業する方が、仕事の効率が上がるといわれています。そのため、なるべくシングルタスクで作業を行うのが望ましいでしょう。また人間の脳はマルチタスクに向いていないといわれており、マルチタスクを行うことで疲労感やストレスにつながる恐れもあります。

しかし現実には、マルチタスクを必要とする場面も多くあるはずです。マルチタスクのメリット・デメリットを考慮したうえで、上手に取り入れることが大切です。

<関連リンク>
段取り力の基本 ~20代で身につけたい仕事コントロール術~(117)

マルチタスクのメリット

マルチタスクのメリット

マルチタスクを上手に行うことで、どのようなメリットがあるのでしょうか? それは主に以下の3点です。

複数のプロジェクトを並行して遂行できる

複数のプロジェクトを掛け持ちすると、それだけタスクが増え、混乱しがちです。しかしマルチタスクでさまざまな作業を同時進行できれば、複数のプロジェクトを抱えてもスムーズに進められます。トータルでの生産性も上がるでしょう。

プロジェクトの全体像が把握できる

複数の業務を担当することで、プロジェクトや組織で推進している業務の全体像が捉えやすくなります。業務の関連性や、タスクそれぞれの重要度や緊急度も分かり、臨機応変に対応できます。

コミュニケーションの円滑化につながる

マルチタスクで全体像を把握すれば、上司への相談や部下への指示、取引先への情報共有 なども的確にできるようになります。コミュニケーションのスピードも上がり、問題が発生した際も素早く対処できるでしょう。

マルチタスクのデメリット

マルチタスクを行うことで、いくつかのデメリットもあります。詳しくご説明しましょう。

生産性の低下につながる

マルチタスクでは、作業を頻繁に切り替えていきます。作業中に別の作業に移り、また元の作業に戻ったときに「どこまでやったか?」と思い出さなければいけません。一度切れた集中力を戻すのに時間がかかることもあります。たとえ一瞬のタイムロスでも、繰り返すことでトータルの生産性は下がっていることも多いです。

キャパシティオーバーを招く

それぞれのタスクが予想通りに進めばよいのですが、時間の見積りが甘かったり想定外のことが起こったりして、停滞することも少なくありません。そうすると一気にキャパシティオーバーになる恐れがあります。マルチタスクを行う際は、自分のタスク処理能力をきちんと把握したうえで、無理のないスケジュールを組むことが重要です。

脳への負担がかかる

もともと人間の脳はマルチタスクに向いていないといわれています。タスクを頻繁に切り替えることで脳に負担がかかる可能性もあります。また「時間がない」「慌ただしい」「間に合わない」といった状況は、脳に強いストレスを与えます。焦ることで生産性が落ち、さらにストレスを感じる……といった悪循環を招きかねません。

マルチタスクが苦手な人の特徴

「マルチタスクが苦手」という方には、一定の傾向があります。その特徴をご紹介しましょう。

完璧主義の傾向がある

「ミスしたくない」「失敗がイヤ」という気持ちが強い人は、一つひとつの物事を慎重に進める傾向にあり、マルチタスクには向いていないでしょう。複数の作業に取り組むことでプレッシャーを感じたり、完成度に満足できずストレスを抱えたりする恐れもあります。

物事への強いこだわりがある

こだわりが強すぎると、柔軟で臨機応変に対応するのが難しくなり、複数の作業を効率よく進められないでしょう。逆にシングルタスクでは素晴らしい成果を上げられるかもしれません。

優先順位をつけるのが苦手

マルチタスクを行うには、作業に優先順位をつけるのがポイントです。優先順位を考えることなくそれぞれの作業を満遍なく進めようとすると、重要度・緊急度の高いタスクよりも他のタスクを優先してしまい、トラブルにつながる可能性があります。

スケジュール管理が苦手

マルチタスクでは、スケジュール管理が複雑になりがちです。スケジュールが流動的だと、ますます管理が難しくなります。スケジュール管理が苦手な方は、タスク管理ツールを利用するといった対策が必要となるでしょう。

マルチタスクを効率的に進めるポイント

マルチタスクを効率的に進めるポイント

マルチタスクが苦手でも、コツを知ることで上手に行えるようになります。ここではマルチタスクを進めるためのポイントを6つご紹介しましょう。

現状のタスクを把握する

まず今抱えているタスクを洗い出し、リストアップします。長期的タスクも短期的タスクもすべて洗い出し、そのなかから来週の1週間にすべきことをピックアップしましょう。期限のあるものは一緒に書き出すと管理がしやすくなります。タスクを可視化することで、やるべきことが明確になるでしょう。

重要度と緊急度で優先順位を決める

タスクを整理したら、重要度と緊急度に応じて優先順位をつけます。重要でも緊急でもないものは「短時間で完了するものから着手する」のがおすすめです。すぐ終わる作業を片付けてから複雑な仕事にじっくり取り組んだ方が、集中力が上がって作業効率がアップします。

時間を区切る

タスクは時間を区切って処理しましょう。「このタスクを終わらせるまでは次に進めない」という考えでは、タスクがなかなか消化できずに溜まっていくばかりです。例えば1日を120分単位で区切って、その時間枠のなかにタスクを割り振ります。「いつまでに、どのタスクを終わらせるか」という目標が明確になり、「時間内に終わらせよう」という意識も高まるでしょう。

タスクを細分化しシングルタスクで進行する

マルチタスクも、シングルタスクの集まり。すべてのタスクをシングルタスクとして分解し、整理してから実行しましょう。そうすることで作業の切り替えがしやすくなり、一つひとつに集中して取り組めるようになります。

関連するタスクはまとめて進行する

タスクを整理することで、関連するタスクが見えてくるでしょう。例えば「電話をかける」「メールを確認する」といった共通するタスクは、ひとまとめにして同じタイミングで処理すると効率的です。

タスク管理の効率的な方法を身につける

マルチタスクを行うには、タスクの管理が不可欠。タスク管理にはさまざまな方法がありますが、相性もあり、正解は人によって異なります。自分に合った方法を見つけて実践することが、マルチタスク成功のカギといえるでしょう。

<関連リンク>
(若手向け)仕事の全体像を捉える ~目的や成果を意識した仕事の進め方(096)

マルチタスクができるようになる仕事術

ここではマルチタスクに効果的な、タスク管理のテクニックを4つご紹介します。

タスクシフト

「資料作成を30分したら、メールチェックに移る」といった具合に、あらかじめタスクを切り替えるタイミングを決めておく方法です。脳は、外的要因で無理やりタスクが中断されると、ストレスを感じるのが分かっています。そこでタスクを自分のタイミングで切り替えることで、作業効率のアップが期待できます。

パーキングロット思考

「今すぐ必要でない作業を、一旦保留にする」方法です。パーキングロットは、“駐車場”を意味します。例えば「作業中に他の業務を頼まれたけれど、とりあえず横に置いておく」といった具合です。そうすることで目の前のタスクに集中でき、生産性が高まります。保留するときは、緊急性がないか見極めることが大切です。また忘れないようにメモなどに残しましょう。

ポモドーロ・テクニック

「25分間作業をしたら5分間の休憩を取る」という方法です。「25分作業+5分休憩」を1セットとして、4セット後に15〜30分ほどの休憩を取ります。一定の時間で区切ることで、時間やペースを管理しやすいのが特徴です。自分で作業時間を設定したり、時間の管理をしたりするのが苦手な方に向いているといえるでしょう。

1×10×1システム

タスクを「1分で終わるタスク」「10分で終わるタスク」「1時間かかるタスク」に分け、1分作業→10分作業→1時間作業の順に処理していく方法です。タスクを仕分けすることで効率的に進められ、タスクが溜まるのを防ぎます。また細かいタスクを先に消化することで、複雑なタスクにじっくり取り組めるのもメリットです。

<関連リンク>
社会人3年目までに身につけたい「自律的成長のためのPDSサイクル」(072)
部下の成長につながる「1 on 1」の進め方 ~やる気を引き出し、行動からの学習を促す対話の方法~【1日】

おわりに

「マルチタスクが苦手」という方は多いかもしれません。しかし考え方やテクニックを学ぶことで、誰でも実行できるようになります。自分に合った方法を取り入れて、ぜひ業務の効率化につなげてほしいと思います。

<関連リンク>
リクルートマネジメントスクールの若手社員研修

おすすめの
無料オンラインセミナー

Online seminar

サービスを
ご検討中のお客様へ

電話でのお問い合わせ
0120-878-300

受付/8:30~18:00/月~金(祝祭日を除く)
※お急ぎでなければWEBからお問い合わせください
※フリーダイヤルをご利用できない場合は
03-6331-6000へおかけください

SPI・NMAT・JMATの
お問い合わせ
0120-314-855

受付/10:00~17:00/月~金(祝祭日を除く)

facebook
x