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人材アセスメントとは? アセスメントの目的や種類も解説

  • 公開日:2020/08/25
  • 更新日:2024/07/24

アセスメントとは

アセスメントとは、特定の対象に関する情報収集・分析や調査を行い、それらに対する客観的な評価をすることを指します。本来は人事分野以外に、例えば医療現場における患者の状態把握に向けた看護アセスメントなど、幅広いシーンで使われる言葉です。なおビジネスでは、人材の評価手法の一つとしての活用が多く見られます。人事分野のアセスメント手法にはペーパーテスト方式のアセスメントや研修を通してアセスメントを行う「アセスメント研修」などがあります。

アセスメントの種類

アセスメントは、社員の成果や業績などをもとに管理職が人事的な判断を行う人事評価とは少し異なります。特に人事分野における、代表的なアセスメントの種類としては、以下の2つがあります。

適性検査

適性検査では、社員の育成・配置・人材発掘などにあたり、一定のデータにもとづいて個々のスキルや資質などを測定します。対象者へのアンケートやテストを実施し、その回答から個人の能力・性格・指向などを分析し可視化することで、さまざまな職務への適性を測るアセスメント方法です。

通常の人事評価では、上司や人事担当など、その人の個人的な価値観が影響してしまう部分も少なくありません。そこで適性検査を通じたアセスメントを行うことで、データによる定量的な判断ができ、評価する側の好みや考え方などの主観に左右されない見極めが可能になるのです。また適性検査によって、資格や経験といった顕在化されやすい要素だけでなく、潜在的な性質も含めた的確な人材活用につながる効果も見込めます。

アセスメント研修

アセスメント研修では、ディスカッション・プレゼンテーション・ロールプレイングなど、おもに実践的なプログラムにより、各人材の能力や考え方などを見極めていきます。アセッサーと呼ばれる専門の評価者が、研修中における対象者の行動を観察し、その人材のスキルや特性を判断するアセスメント方法です。

アセスメント研修の主目的は人材の評価ですが、育成とアセスメントを兼ねて行えるアセスメント研修もあります。人材活用のプロとなるアセッサーからの客観的な評価をもとに、今後のより効果的な育成や配置につなげていくのがアセスメント研修です。対象者の実際の行動をモニタリングして、各人材の性質を細かく評価することで、精度の高い人材活用をしやすくなる利点があります。

なおここまでに見てきたアセスメントは、以下のサービスページでもご紹介しています。ぜひご活用ください。

アセスメント・サーベイ

ではここからは、こうしたアセスメントがどのように活用できるのか、もう少し詳しく掘り下げていきましょう。

人材アセスメントの目的

人材アセスメントを活用する大きな目的としては、おもに次のようなものが挙げられます。

昇進・昇格の判断基準としての活用

的確かつ客観的な評価ができるアセスメントは、各人材が今後どのように活躍できるのか、将来性を見極める判断基準としても活用できます。アセスメントをもとに、昇進や昇格を決定することで、組織の活性化や公平な人員配置などにつながる効果が見込めるでしょう。ちなみにアセスメント以外で、一般的に使われやすい昇進・昇格の判断基準としては、次のような例もあります。

【1】勤続年数・滞留年数

多くの企業で昇進昇格判断の第一段階として用いられるのが、勤続している年数や、その等級や階級に滞留している年数による判断です。年功序列制度が崩れてきていることから年数を基準にする企業は少なくなってきてはいますが、まず年数で選抜をする、という企業もいまだ多く存在します。

年数による判断を用いている企業の場合、「一般社員として3年間勤続していれば、係長への昇進試験を受ける資格を得られる」などのような勤続年数や滞留年数の条件を満たすことによって、昇進昇格の入り口に立つことができます。

【2】人事評価

直近の人事評価の結果を元に、昇進昇格の判断を行う企業も多くあります。

人事評価がSからDまでの5段階評価で行われ、「直近3回の人事評価の総合結果が全てB以上であること」などの基準が設けられている場合は、総合結果がS→C→Sのように一度でもC以下の評価がついた場合は昇進昇格ができなくなります。

【3】知識テスト

管理職の職務に必要な業務知識や、人の上に立つにあたって最低限知っておくべき教養などをチェックするためのテストも、昇進昇格を判断する手法の1つです。企業や部署で独自に作成したテストを用いる場合と、第三者機関が作成したテストを用いる場合があります。

「100点満点中85点以上を取れば合格」などのように、点数によって判断されます。

【4】論文作成

知識テストからはうかがい知ることができない、管理職候補の考え方や姿勢を見るためによく実施される方法が、論文作成です。課題に対して自分の考えを文章で述べてもらい、問題意識の高さや論理構成力などを評価します。

論文は正解がなく、数値に表すこともできないことから、明確な判断基準はありません。他の評価方法や面接時の参考として用いられることが多くなっています。

【5】経営者や役員との面接

一般的な昇進昇格の判断において最終段階で実施されることが多いのが、経営者や役員との面接です。

責任感やリーダーシップの発揮など、管理職に必要な素養やスキルがあるかどうかを、管理職候補との話し合いの中で判断します。

従業員個々を適材適所に配置して適性やスキルを活かすこと

社会全体として人材不足が叫ばれるなかで、各企業における事業の継続や成長に向けて、いかに今ある人的リソースを活かせるかが重要となっています。より効率的かつ生産性の高い人材活用をしていくためには、従業員個々の能力を把握した、適材適所の配置によって能力を引き出すことが必要。

そこで各従業員本人の能力を可視化できる、人材アセスメントを取り入れれば、一人ひとりが本領を発揮して活躍できる体制にもつながります。こうした的確な人事戦略を立てるのにも、人材アセスメントが有効です。

昇進昇格判断の精度を高める「人材アセスメント」 とは

昇進昇格判断の精度を高める「人事アセスメント」 とは

上記でご紹介した昇進昇格の判断に用いられる手法には、それぞれデメリットがあります。

例えば勤続年数・滞留年数であれば、特に成果を上げていなくとも、会社に在籍しているだけで増えていきます。人事評価については、一度でも悪い評価がついてしまうとその低評価の理由が何であれ、一定期間昇進ができなくなります。論文や面接による判断の場合は、客観性が欠けてしまうこともあるでしょう。

このような既存の判断手法ではなく、昇進昇格の判断をする者・される者の双方に納得感があり、客観性の高い評価方法として、人材アセスメント研修や人材アセスメントツールなどの手法があります。

人材アセスメント研修とは、外部のアセッサーが管理職候補の能力や適性を評価する研修のことです。管理職に求められる能力を細分化し、評点がつけられ、その評価結果や報告書は後日企業へ届けられます。
人材アセスメントツールは、管理職候補にその適性があるかどうかを客観的に測定するツールです。第三者機関が開発したツールを、社内で運用する形式が一般的です。

専門的な訓練を積んだアセッサーやツールによって評価がなされるため、社内で行われるテストや面接などと比べると客観性が高いというメリットがあります。またそれだけでなく、結果をフィードバックすることによって、管理職候補本人の気づきや行動改善を促すことができます。能力開発・キャリア開発の手段として人材アセスメントを活用する企業も増えているようです。

アセスメントの結果を活用した自己理解や育成

アセスメントの結果は本人にとっても気づきの材料となります。日常の業務では気づきづらい自身の強みや課題を客観的な結果として知ることで、今後の成長に繋げていくことができます。アセスメントの結果については上司から返却し、今後の成長やキャリアのプランについて話し合うことがお薦めです。

また昇進昇格にアセスメントを利用することは、本人や周囲にとって納得感を持ちやすくなります。

おわりに

人材アセスメントは、より的確で客観的な判断ができる人事ツールで、公平性が高く従業員にとっても納得できる評価が受けられるメリットがあります。特に管理職の昇進・昇格では、勤続年数や人事評価などの表面化しやすい要素だけでなく、適切な人材配置のためにも本人の資質やスタンスなどを考慮することが大切となります。そこで、表面化しづらい潜在的な性質も見極められる人材アセスメントを活用することで、効果的な人事戦略にもつながるでしょう。

なお人材アセスメントツール、アセスメント研修については、以下でも詳しく紹介しています。新たな人事制度の導入や見直しなどをご検討の際には、ぜひご活用ください。

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