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公開日:2020/08/25
更新日:2023/06/08

人事アセスメントとは

人事アセスメントとは、昇進昇格の判断材料などで主に使われるもので、研修やツールを実施してその適性を客観的に判断する手法のことです。
上記手法について詳しくご説明する前に、昇進昇格を判断するための一般的な判断の基準からご紹介します。

一般的な昇進・昇格の判断基準例

一般的な昇進昇格の判断基準例
管理職の昇進昇格を判断するためにはさまざまな方法が用いられますが、代表的な判断基準として以下の5つが挙げられます。

【1】勤続年数・滞留年数
多くの企業で昇進昇格判断の第一段階として用いられるのが、勤続している年数や、その等級や階級に滞留している年数による判断です。年功序列制度が崩れてきていることから年数を基準にする企業は少なくなってきてはいますが、まず年数で選抜をする、という企業もいまだ多く存在します。
年数による判断を用いている企業の場合、「一般社員として3年間勤続していれば、係長への昇進試験を受ける資格を得られる」などのような勤続年数や滞留年数の条件を満たすことによって、昇進昇格の入り口に立つことができます。

【2】人事評価
直近の人事評価の結果を元に、昇進昇格の判断を行う企業も多くあります。
人事評価がSからDまでの5段階評価で行われ、「直近3回の人事評価の総合結果が全てB以上であること」などの基準が設けられている場合は、総合結果がS→C→Sのように一度でもC以下の評価がついた場合は昇進昇格ができなくなります。

【3】知識テスト
管理職の職務に必要な業務知識や、人の上に立つにあたって最低限知っておくべき教養などをチェックするためのテストも、昇進昇格を判断する手法の1つです。企業や部署で独自に作成したテストを用いる場合と、第三者機関が作成したテストを用いる場合があります。
「100点満点中85点以上を取れば合格」などのように、点数によって判断されます。

【4】論文作成
知識テストからはうかがい知ることができない、管理職候補の考え方や姿勢を見るためによく実施される方法が、論文作成です。課題に対して自分の考えを文章で述べてもらい、問題意識の高さや論理構成力などを評価します。
論文は正解がなく、数値に表すこともできないことから、明確な判断基準はありません。他の評価方法や面接時の参考として用いられることが多くなっています。

【5】経営者や役員との面接
一般的な昇進昇格の判断において最終段階で実施されることが多いのが、経営者や役員との面接です。
責任感やリーダーシップの発揮など、管理職に必要な素養やスキルがあるかどうかを、管理職候補との話し合いの中で判断します。

昇進昇格判断の精度を高める「人事アセスメント」 とは

昇進昇格判断の精度を高める「人事アセスメント」 とは
上記でご紹介した昇進昇格の判断に用いられる手法には、それぞれデメリットがあります。

例えば勤続年数・滞留年数であれば、特に成果を上げていなくとも、会社に在籍しているだけで増えていきます。人事評価については、一度でも悪い評価がついてしまうとその低評価の理由が何であれ、一定期間昇進ができなくなります。論文や面接による判断の場合は、客観性が欠けてしまうこともあるでしょう。

このような既存の判断手法ではなく、昇進昇格の判断をする者・される者の双方に納得感があり、客観性の高い評価方法として、人事アセスメント研修や人事アセスメントツールなどの手法があります。

人事アセスメント研修とは、外部のアセッサーが管理職候補の能力や適性を評価する研修のことです。管理職に求められる能力を細分化し、評点がつけられ、その評価結果や報告書は後日企業へ届けられます。
人事アセスメントツールは、管理職候補にその適性があるかどうかを客観的に測定するツールです。第三者機関が開発したツールを、社内で運用する形式が一般的です。

専門的な訓練を積んだアセッサーやツールによって評価がなされるため、社内で行われるテストや面接などと比べると客観性が高いというメリットがあります。またそれだけでなく、結果をフィードバックすることによって、管理職候補本人の気づきや行動改善を促すことができます。能力開発・キャリア開発の手段として人事アセスメントを活用する企業も増えているようです。

おわりに

管理職と非管理職では、仕事の質が異なります。管理職の昇進昇格を判断する際は、勤続年数や人事評価などの表面化しやすい要素だけでなく、表面化しづらい要素にも注意を向けることが重要です。また、客観性と納得性を考慮した上で、人事アセスメントなどの昇進昇格の判断手法を選定することをお薦めします。


人事アセスメントツール、アセスメント研修については、以下にて詳しくご紹介しています。

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