導入事例
2つの新入社員研修を通して「Try&Learnサイクル」を入社早々から実践
株式会社ミロク情報サービス(MJS)
- 公開日:2024/11/25
- 更新日:2024/11/25
事例概要
背景・課題
私たちは2021年から、新入社員研修の一環として、リクルートマネジメントソリューションズの2種類の研修「マインドセット研修」と「仕事体験ワーク」を導入しました。VUCA×Z世代の自律学習を効果的に進めるコンセプト「Try&Learnサイクル」が魅力的だったからです。Try&Learnサイクルは、新人たちも短時間で理解することができ、現場の上司やメンターにも説明しやすい点が魅力でした。
検討プロセス・実行施策
新入社員研修の最初の「マインドセット研修」の一環として、Try&Learnサイクルの型を学んでもらいました。実際に、Try&Learnサイクルが新入社員のなかで徐々に浸透し始めている様子も見られます。そして、研修最後の「仕事体験ワーク」では、Try&Learnの現場実践方法を、ロールプレイングを通して学んでもらいます。特に、職場や顧客のリアルな動画資料を通して現場の現実を知ることができるのは、前向きにTry&Learnする第一歩につながります。
成果・今後の取り組み
今後の課題の1つは、「継続的な新人・若手支援」です。その取り組みの一環として、2024年度から「3年目フォロー研修」をスタートしました。
もう1つの課題は「現場の巻き込み」です。社内にTry&Learnサイクルを広め、現場を巻き込んだ新人・若手の育成体制を築きたいと考えています。Try&Learnサイクルが社内の常識になれば、新人・若手の成長以外にも、ポジティブな効果をもたらすはずです。
背景・課題
入社1年目から、主体的な行動と「Try&Learn」が求められる社風
深井:私たちミロク情報サービス(以下、MJS)は、中堅・中小企業と会計事務所のお客様に向けて、経営課題に対する総合的なソリューションを提供する会社です。私たちは2021年から、新入社員研修の一環として、リクルートマネジメントソリューションズの2種類の研修「マインドセット研修」と「仕事体験ワーク」を導入しました。
私たちがこの2つの研修を活用する背景には、リクルートマネジメントソリューションズが提唱する「Try&Learnサイクル」があります。Try&Learnサイクルとは、VUCA×Z世代の自律学習を効果的に進めるコンセプトです(図表)。新入社員たちが主体的にFocus(目的・相手の期待を具体化する)→Action(思い切って行動に移す)→Reflection(その経験から学び次に活かす)のサイクルを回すことで、彼らの育成と早期戦力化を目指しました。
<図表>Try&Learnサイクル
隅田:MJSでは入社1年目でも、現場に配属されれば、自ら考えて動くことが求められます。新入社員のうちから、自律的に行動・学習しながらお客様と向き合うことが欠かせません。
一方で、私たち人材開発グループが新人たちと直接関わることができるのは、新入社員研修の数週間に限られています。つまり、私たちは短期間で、新人たちに「現場で自ら考えて動きながら学ぶための型」を手渡さなくてはならないのです。その目的に最も適っていたのがTry&Learnサイクルでした。Try&Learnサイクルなら、新人たちも短時間で理解することができ、現場の上司やメンター(入社後1年間の新人教育担当者)にも説明しやすいのです。そこで、リクルートマネジメントソリューションズにTry&Learnサイクルを活用した2つの研修をお願いすることに決めました。
深井:私たちは、リクルートマネジメントソリューションズの他のサービスを以前から利用しています。ですから、私たちの課題を踏まえたベストソリューションを提案してくれることを知っていました。今回も、私たちの現状や課題、社会のトレンドを総合的に捉えたうえで、今私たちがどうあるべきか、何をすべきかを的確に提案してくれました。既存の研修パッケージを柔軟にカスタマイズし、私たちに寄り添い、耳を傾けてくれる姿勢に好感を持っています。さらに講師が優秀で、私たちの社風や文化をよく知っており、私たちに合わせた対応をしてくれる点もメリットでした。
検討プロセス・実行施策
Try&Learnサイクルの型を学ぶ「マインドセット研修」
深井:「マインドセット研修」は、新入社員研修の最初のプログラムで、学生から社会人へのスムーズな切り替えを促すために実施しています。このプログラムは以前から実施していましたが、2021年からはリクルートマネジメントソリューションズのプログラムを活用しています。
隅田:マインドセット研修のなかでは、Try&Learnサイクルの型についても、学ぶことができます。その効果は徐々に出ていて、新人・若手社員たちの日報に、期待の具体化・アクション・リフレクションなどの用語が使われているのを目にするようになりました。Try&Learnサイクルは彼らの間で少しずつ浸透しているのです。
また最近、私たちはグループ長研修でもTry&Learnサイクルに触れています。そうすることで、グループ長が、Try&Learnサイクルを共通言語として新人・若手と直接関わるメリットが生まれるからです。グループ長やメンターが、Try&Learnサイクルを使いながら、新人・若手と一緒になって業務の振り返りをしたり、「期待の具体化が足りていないのでは?」「アクションをしたらリフレクションをしましょう」と指摘したりすることが、新人・若手の成長を促すのです。
「仕事体験ワーク」でTry&Learnの現場実践をスタート
深井:「仕事体験ワーク」は、新入社員研修の最後に行うプログラムで、この後は職種別研修に入ります。本研修の目的は、最初に学んだTry&Learnサイクルを思い出しながら、現場でTry&Learnをどのように実践すればよいかを考えてもらうことです。
隅田:仕事体験ワークはロールプレイング研修です。具体的には、あるテーマに沿って新人の強みを活かした社内提案をしてもらいます。その際、上司役の講師と相談する時間を設け、上司の期待を具体化することにチャレンジしてもらいます。そうやって、できるだけリアル感を出しながら、Try&Learnの実践を研修内で始めてもらうのです。
ポイントの1つは、新人たちに現実感を持ってもらうために「リアルな職場の動画」と「リアルな税理士・会計士の動画」を用意していることです。新人たちにとって、MJSの事業理解は簡単ではありません。新人たちは実際の職場の雰囲気を知らず、税理士・会計士の皆さんがどのような人たちで、何をしているのかもほとんど分かっていないからです。だからこそ、研修でこのような動画を見せて、職場理解・顧客理解の第一歩を踏み出してもらうことが大事だと考えています。
これらの動画を通して、新人たちは、税理士・会計士のお客様は年齢層が比較的高いこと、ビジネスマナーなどに厳しそうであること、職場の上司・先輩方が忙しいことなどを初めて知ります。そして、新入社員研修で学んだビジネスマナーの重要性を理解し、Try&Learnの実践イメージを抱き始めるのです。現場の現実を知ることが、前向きに行動変容し、Try&Learnにチャレンジする第一歩につながるのです。
なお、リアルな職場の動画の活用は2024年度から始めました。私たちはリクルートマネジメントソリューションズと相談しながら、このようなプログラムの改良を毎年続けています。
成果・今後の取り組み
Try&Learnサイクルが一番響いているのは、実は人材開発グループのメンバー
泉:私は1年前に中途採用で入社したばかりです。今年度、担当者として新入社員研修を一通り経験しましたが、「マインドセット研修」や「仕事体験ワーク」などを通して、入社段階でこれだけのことを学べることが率直に羨ましいと思いました。もし学生に戻れるのなら、私自身が新卒で入社したいくらいです。
私は特に「仕事体験ワーク」が好きで、新人たちが上司役と対話して、どのような情報を持ち帰り、どうやって期待を具体化するのかをドキドキしながら見守っていました。今期は、上司役の期待に上手く応えられなかった新人が多く、悔しそうに振り返りをしていたのが印象的でした。しかし、この悔しさと反省が彼らの成長への大きな一歩になるはずです。今後も、彼らの成長を支援し続けたいと思います。
隅田:泉も話したとおり、Try&Learnサイクルが一番響いているのは、実は私たち人材開発グループのメンバーではないかと思います。なぜなら、その実践が難しいこと、期待の具体化が大変なことなどを日々実感しているからです。だからこそ、新人たちにいち早くTry&Learnサイクルを学んでほしい、1年目から少しでもTry&Learnサイクルを実践できるようになってほしい、と願いながら教えています。
社内にTry&Learnサイクルをもっと広め、現場を巻き込んだ育成体制を目指す
隅田:今後の課題の1つは、「継続的な新人・若手支援」です。その取り組みの一環として、2024年度から「3年目フォロー研修」をスタートしました。これからも新人・若手向けの研修体系を充実させていきます。
もう1つの大きな課題は「現場の巻き込み」です。新人・若手の成長で最も重要なのは、一人ひとりがTry&Learnサイクルを回し、主体的に成長し続けることです。研修はそのきっかけでしかありません。彼らのTry&Learnの実践を促すには、社内にTry&Learnサイクルをもっと広める必要があります。グループ長やメンターだけでなく、もっと多くの社員にTry&Learnサイクルを学び、実践してもらうことが大切なのです。
Try&Learnサイクルの型は、新人・若手以外にも必ず役立ちます。例えば、グループ長やマネジャーたちが社内の期待をもっと具体化するようになれば、私たちはさらに良い組織になれるはずです。Try&Learnサイクルが社内の常識になれば、新人・若手の成長以外にも、ポジティブな効果がきっといくつもあるでしょう。私たちはそのような理想的な状態を目指して、これからも改良とチャレンジを続けていきます。
ソリューションプランナーの声
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
コンサルタント
ソリューションプランナー
齋藤 勇也
ミロク情報サービス様はここ数年、「新人・若手教育」に力を入れてこられました。特に「新入社員研修」については、最新の新入社員世代にフィットするようなコンテンツを取り入れながら、「ミロク情報サービスで働くうえで大切なマインドセット」をテーマに独自のコンテンツも織り込んで設計しています。
なかでも、キーコンテンツである「Try&Learnサイクル」では、新入社員だけでなく、教育担当者や管理職にまで考え方の浸透を図り、ミロク情報サービス様の新人・若手育成の根幹として共通言語になるよう、取り組みを進めているところです。
毎年、より良い研修の設計に向け、人材開発グループの皆様からもたくさんの意見やアイディアをいただいております。その高い期待に応え続けられるよう、今後も一丸となって支援させていただきたいと思います。
取材日:2024/09/02
企業紹介
株式会社ミロク情報サービス(MJS)
株式会社ミロク情報サービスは、設立以来45年以上にわたり、税理士・公認会計士事務所と共に中小企業の経営課題の解決に取り組んできた。会計・税務を中心としたERPシステム、業務の付加価値を高めるサービスなど、さまざまなソリューションを全面のサポート体制で提供している。あらゆる経営課題に応えるソリューションカンパニーとして、これからも進化を続け、日本経済の発展に貢献していく。
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